記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

酒場探訪記 極上のおでんを求めて 「上田温酒場」「稲田酒店」

突然ですが最近無性におでんが食べたくなります。
つい最近までおでんってそれほど好んで食べてこなかったんです。
ダシの味が薄いし、おでんするくらいなら鍋でええやんと。
ところがどっこい、お酒との素晴らしすぎる相性を発見してからは
そのトリコになっております。
アツアツでシュンだおでんをハフハフ言わせながら、
冷たいビールでのどを潤したり、燗でチビチビやるなんてのはもうたまりません!
ということで、今回のメーンは酒というよりも、酒に合うおでんで行かせてもらいま。


まず1軒目は野田の商店街のはずれに佇む「上田温酒場」さん。
昭和レトロな店構えがなんともいい味。
正面のドアはあけ放たれ、そこからいい匂いがプ〜ンと。
吸い込まれるようにして店の中へ。
店の中もまた相当に年季が入っていて、自然と落ち着きます。
お店にはテレビもラジオもなく、
心地よい静けさの中におでんがグツグツという音。たまらないシチュエーション。
お母さんがお一人で切り盛りされていて、
一部を除いて基本的にメニューは「かんとだき(関東炊=おでん)」のみ。
まずはサッポロビールと、おでんをいくつか注文します。
珍しいネタとしては湯葉なんてのもあります。
注文を受けてからさっとくぐらせてもらえます。
いやいや〜鍋のダシの色を見るとなかなか濃い味なのかと思いきや、
優しい甘みがさあと広がって後味もしつこくない。
お母さん曰く、あまりに詰めすぎずにじっくり火を通すかららしく、
色が濃いのは薄口しょうゆをずっと使い続けているからだそう。
ナルホド、ナルホド。
美味しいですねえと感心していると、お母さんもうれしそうに
「私は正直お酒はどっちでもいいんです。おでんを食べていただける方がうれしくて」
とのことで、居合わせた飲兵衛のお客さんたちで爆笑しました。
お酒はどっちでもと言われましても、やはりこれだけ美味しいものには酒が一番。
ということで、清酒 忠勇の燗(250円)をお願いする。
「コップ酒やけど、ええ?」と聞かれ、もちろんですと答える。
するとお母さんは酒を錫の酒器で温めて、
零れ皿にあふれる感じでコップに注いでくれます。
これがまた破壊力抜群でして、酒が体に染み渡っていくのです。
美味しいおでんに美味しい酒。
お母さんもちょうどいい塩梅で一人の自分に話しかけてくれ、
ゆったりのったり流れる幸せな時間に身を任せて堪能させていただきました。
お母さん、ええ時間をありがとう。


↓上田温酒場


↓じゃがいも、シューマイ、湯葉


↓湯豆腐と玉子。こんなん惚れてまうやろ〜


お次はあまたの酒場が軒を連ねる天満界隈の中でも、
その心臓部、総本山といっても過言ではない「稲田酒店」さん。
この地に住んで10年以上なので当然その存在は知っていたし、
毎日のように前を通ってるのですが、
そのあまりの重鎮ぶりになかなか暖簾をくぐることができませんでした。
休みの日の昼に意を決して覗いてきました。
が、そんな時間帯でも手ダレた常連さんたちがいて、なかなか緊張します。
お酒も色々あったのだけど暑かったこともあり赤星を頂く。
アテはまだ全然そろっておらず、おでんだけいただく。
年季の入った店内をながめながら、飲むのだがどうも落ち着かずソワソワ。
こういうディープな人間関係が根付いているところは
一見さんが入り込む余地なく、
ざっくばらんな大衆酒場的なところの方が同じ一人身でも居心地が違う。
正直ここで腰を据えて飲むにはまだまだ修業がたりませんワ〜。


↓天満の真髄、稲田さん


↓赤星とおでん


ラストは、先日の旧友の3次会で行った東通りの雑居ビルに潜むセーフハウス。
店内はログハウスのような感じで居心地ええわ〜。
宮崎駿監督のようなマスターがお出迎え。
マスタがその日仕入れた食材を使っていろいろな料理を出していただきましたが
中でもおでんはシュンでいてメチャうま〜。
思わずお酒が進みます。
そのほかにも、サザエのつぼ焼きを1人2個ずつ、
松茸と蛤のお吸い物など、贅沢な料理がどんどん出されながら
1人2500円とリーズナブルでした。
(ちなみに自分は貝もキノコもNG(苦笑))


宮崎駿じゃありません


↓シュンどる〜@@