破砕帯ツアー & 錦秋の扇
土曜日は二週連続の黒部。
関電トンネルトロリーバス運行50周年記念イベントである
「破砕帯ツアー」に行ってまいりました。
大人気のイベントだったようで応募倍率13倍の難関をくぐり抜けての参加でした。
映画『黒部の太陽』でも描かれた、世紀の大事業であった黒四ダム建設において、
その資材運搬の大動脈となるべく掘削された関電トンネル。
その大事業の中で最も難航したのが、この大破砕帯の突破でした。
破砕帯とは、岩盤の中で岩が細かく砕け、その隙間に大量の地下水を含んだ
非常に軟弱で脆い地層のこと。
その性質上、掘削の度に天井が脆く崩れ、
水温4度の冷たい地下水が毎秒660リットルもの勢いであふれ出すため、
過酷極まる現場だったそうです。
トロリーバスの通過時に、ブルーライトで照らされた区間がありますが
そこがまさに破砕帯と呼ばれる区間です。
トロリーバスは、法律上では鉄道に分類され、
通常はこの地点に人が立ち入ることは禁じられているのですが、
今回は記念事業の一環ということで、
関電さんが各省庁などに掛け合って、特別に許可を頂いて、
この80mあまりの区間を自分の足で歩き、
また現在でもとめどなく湧出している破砕帯の地下水に触れてきました。
ツアー自体はすべての営業が終了してのちの開催で、
イベント終了時点で麓へ降りるバスもなかったため、
標高1400mの扇沢駅で野宿。
初めてこの間購入した寝袋を実戦投入しました。
さすがに10月も目前ということで結構寒かったですが一晩ならなんとか。
翌朝から一日弾丸で色々プランを練っていたのだが、
御嶽の一件を聞き、プランを急きょ変更。
扇沢駅から、日本三大雪渓のある針ノ木雪渓(ほとんどなかったけど)の谷筋を伝って、
後立山連邦の最南端、標高2821m、200名山の針ノ木岳、
それから向かいに対峙している標高2799m、300名山の蓮華岳に登ってきました。
↓針ノ木岳(200名山)
↓蓮華岳(300名山)
朝日に映える山の色づきが素晴らしく、絶好の快晴で、
山頂からは360℃の大パノラマ。
針ノ木岳がこれほどすばらしいとは思いもよらず。
北の果てへと伸びていく後立山連邦の峰々。
爺ヶ岳〜鹿島槍〜五竜岳〜唐松岳〜白馬岳〜朝日岳が見事に整列。
遥か眼下、山深くに満々と水をたたえる黒部湖の向かい側に
堂々たる立山と剣岳の雄姿。
そうしてそこから黒部の深部へと色とりどりの絨毯が続く。
アニキは今大満喫中だろうかと思いを馳せつつ、
対岸の五色ヶ原〜薬師岳〜水晶岳と目をやれば、
その終着地点にふさわしき槍の穂先が威風堂々と君臨する。
その脇、はるか遠くにかすむ噴煙を上げた山は御嶽なのだろうか…
↓素晴らしい扇沢の賑わい
↓黒部湖の向こうに立山と剱の雄姿
下山は、噴火の影響で中央本線に影響が出ていないか心配で、
一刻も早く帰るため、例によってTTスプリント状態。
12:30の時点で蓮華岳山頂にいて、
他の登山客の方とも、これはどれだけペース上げても16時のバスは厳しいんじゃ?
という話をしていたのだが、モーレツアタックで奇跡的に15時のバスに間に合った!
さすがに扇沢駅にたどり着いた時には疲労困憊で倒れ込み、
バスのおっちゃんやチケット売り場の人に心配されてしまいました。
おかげで全身過酷な筋肉疲労に見舞われておりますが、
予定よりも早めに帰宅できてよかった。
<1日目>
10:30出動⇒11:00新大阪駅⇒(のぞみ14号)⇒11:52名古屋駅12:00⇒
(ワイドビューしなの11号)⇒14:03松本駅14:09⇒(大糸線)⇒
15:03信濃大町15:15⇒(バス)15:55扇沢駅16:00⇒(トロリーバス)⇒
16:16黒部ダム
◎破砕帯ツアー
17:15黒部ダム駅駅長室前集合
17:20〜17:40トンネル特設シアターにてDVD鑑賞
18:00〜18:20破砕帯にて見学会
18:30扇沢駅解散
◎扇沢駅にて野宿
<2日目:登り4h・下り2.5h>
5:15起床⇒6:10扇沢駅山行スタート⇒6:50大沢小屋⇒
7:50高巻道⇒8:25最終水場⇒9:05針ノ木小屋9:15⇒
10:00針ノ木岳10:45⇒11:15針ノ木小屋(昼食)11:45⇒
12:03偽ピーク⇒12:20蓮華岳12:30⇒13:00針ノ木小屋13:10⇒
14:20大沢小屋⇒14:59扇沢駅
15:00扇沢駅⇒15:35信濃大町駅15:53⇒(大糸線)⇒
17:00松本駅17:51⇒(ワイドビューしなの22号)⇒
20:05名古屋駅20:13⇒(のぞみ)⇒新大阪駅21:03