記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

浅川マキの世界

ちょうど寺山修司つながりで最近のヘビーローテーションを。
日本の歌姫、昭和の女と言えばこの人しかいない、浅川マキ。
時代に合わせて呼吸するつもりも、
人の物差しで自らを切り売りするつもりもなく、
ざらついた都会の風を軽くいなしながら、
今夜もまたびっしりと全身を、孤独と闇で纏い、
気怠いブルージーボイスで、人々の消えない傷口にそっと寄り添う。
これほど黒が似合う女はいない。
これほど悲しさが似合う女もいない。
浅川マキの世界を知っているとそうでないので、
人生の深みが違ってくる。
ただひたすらに恰好よし。



浅川マキの世界

浅川マキの世界


↓カモメ(弾き語り練習)


【カモメ】
唄:浅川マキ
作詞:寺山修司
作曲:山本幸三


おいらが恋した女は港町のあばずれ
いつもドアを開けたままで着替えして
男たちの気をひく 浮気女
かもめ かもめ 笑っておくれ


おいらの恋は本物で港町の真夜中
いつもドアの前を行ったり来たりしてる
だけど おいらにゃ手も出ない
かもめ かもめ 笑っておくれ


ところがある夜突然成り上り男が
一人 バラを両手いっぱいに抱きかかえて
ほろ酔いで 女のドアを叩いた
かもめ かもめ 笑っておくれ


女の枕許にゃ バラの花が匂って
二人抱き合ってベットにいるのかと思うと
おいらの心はまっくらくら
かもめ かもめ 笑っておくれ


おいらは恋した女の部屋にとび込んで
不意にジャック・ナイフをふりかざして
女の胸に赤いバラの贈りもの
かもめ かもめ かもめ かもめ


おいらが贈ったバラは港町にお似合だよ
たった一輪ざしで 色あせる
悲しい恋の 血のバラだもの
かもめ かもめ 笑っておくれ
かもめ かもめ さよなら あばよ


↓ふしあわせという名の猫(弾き語り練習)


【ふしあわせという名の猫】
唄:浅川マキ
作詞:寺山修司
作曲:山本幸三


ふしあわせという名の猫がいる
いつも 私のそばに
ぴったり 寄りそっている


ふしあわせという名の猫がいる
だから 私は いつも
ひとりぼっちじゃない


この次 春が来たなら
むかえに来ると言った
あの人の嘘つき
もう春なんか来やしない
来やしない


ふしあわせという名の猫がいる
いつも 私のそばに
ぴったり 寄りそっている