記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

山添・南山城サバイバル 復路編  〜ずぶ濡れ地獄〜 

さて,名残惜しいが五月橋SAを後にします。
もう1つの目的地はそれほど離れていない南山城の旧田山小学校。
というのも今日は第3日曜日。
前に訪れてcloseしていた「cafeねこぱん」の営業日!
第1,2,3土曜と、第3日曜の、月4日しかやっておらず、
土曜日の出動が難しい自分にとって月に1回しかない来訪のチャンスなのです。
再びSAからチャリをかついでけもの道を駆け下りる。
雨は小マシになるが、路面状況はズブズブで、できるだけ水の溜まっていないところを縫って走る。
月ヶ瀬はさらに人が増えたようで、路肩を団体の年配客がぞろぞろと歩いている。
途中で橋を渡り、観光会館ですぐに左折して激坂の県道214号を上る。
中間の展望台までは観光客が道いっぱい広がって歩いているので回避しながらえっちらと。
県道753号に入って、月ヶ瀬CCを過ぎたところで、反対側を上ってくるミニベロの大集団!
本当に今日は奈良で祭りでもあるのかい?
しばらくアップダウンをこなして、30分ほどで目的地に到着。
最後小学校の正門まではわずかならが激坂をくいっと上る。
校舎のほうへ回って靴を脱ぐが、完全に水没している状態でものすごく不快。
できるだけ水を切って古い木造の廊下を歩く。
ここはそれぞれの教室が工房やらギャラリーなどになっていて、
そのうちのひとつである「cafeねこぱん」にお邪魔する。
教室や備品はそのままの状態で保存され、とても懐かしい気分にさせられる。
ライドでは困るけど、雨の具合も雰囲気があってよい。


↓旧田山小学校「はどる」&「cafeねこぱん」HPはこちらから
http://blogs.yahoo.co.jp/welcome_huddle/folder/416417.html


↓懐かしい校舎


さて、廊下を伝って、教室の1つに設けられた「cafeねこぱん」に入る。
数名の先客がいて、うわさを聞きつけて遠方から来た人や、地元の人やら様々。
まだランチプレートが残っているようなのだが、
さすがにドライバー定食を食べた直後なのでお腹に入りそうにないので断念し、
ケーキセットをいただくことに。
ストーブに近い席に座ったので、ほのかな暖かさと、教室のゆったりとした雰囲気に
ついウトウトとしてしまう。
やさしい味わいのキャロットケーキとコーヒーでまったり。
こんなに居心地のよいcafeなので、ゆーっくりのーんびりと時間をすごしたいが、
雨が強くなる前にできるだけ家に近づいておかないととんでもないことになる。
家へのおみやげにベーグルを3種類(栗の渋皮煮、しょうが、くるみ)
と南山城紅茶を購入して、また来ますと挨拶をして店を出ます。


↓cafeねこぱん


↓小学校の教室を改装したcafe


↓キャロットケーキとコーヒー


さて、ベチャベチャのシューズに足を入れて、
一気に楽園から現実に引き戻されてしまったが、
帰るしかないので覚悟して降りしきる雨の中飛び出す。
バッドコンディションの時ほどR163は避けたいので高山大橋を渡り、
しばらくダムをなぞりながら南下する。
途中、レイクフォレスト方面へのショートカットで県道4号。
アップダウンをこなして柳生に到達。
このころにはようやく雨が止む。
さて、ここから須川〜中ノ川〜手貝といういつものルートは平凡すぎるので、
笠置まで下りて、そこから切山&犬打峠の激坂をやっつけて天ヶ瀬ダムまで行くつもり。
信号を右折し、緩く下っていく。集落を抜けて森林地帯に入ると何気に急な下り。
行き違いが少し困難なほど狭小の道になり慎重に下る。
すぐになかなかタイトな二連ヘアピンがあり、滑らないようにクリアする。
そこからジャーっとくだりが続く。
途中から、この下りは逆から上ればちょうどいいヒルクラコースになりそうかも?と思いだす。
再び大回りの二連ヘアピンをこなして、笠置の集落に到達。
スタート地点はどの変がよいかなあなどと考えながら、
集落の途切れる箇所をスタート地点として偵察TTをしてみる。
最初はまだ緩やかでアウターで上っていたのだが、
先ほどの二連ヘアピンの取り付きの手前から厳しくなって
たまらずインナーへ落としたら、チェーンが噛んで落ちる・・・
かなり嫌な感じ。こないだからの不具合とまったく同じ感触。
偵察を中断して、チェーンを付け直してから、
ガイドレールのところをチェックすると明らかに外側に湾曲している・・・
当然レールがチェーンを押さないのでインナーに落ちない。再発しているじゃないか!
てんちょうから応急処置する場合は、ぐぐっと指で押し込んで整形すれば大丈夫といわれてたので、
対処療法で少し圧をかけてなんとかリペアする。
シフトをカチカチやって、問題なくインナーに落とすことはできるようになったのだが
今度はアウターに復帰させようとするとチェーンが外へ落ちる…
何度調整をしても駄目。
この症状が出るのは、フロントメカのどこかの部分が経年疲労して弱っていて、
そのしわ寄せで圧がかかっている可能性が高いということなので、
ヘタをするとパキンとクラックが入ってしまう危険性がある。
そうなったら自走も不能となって帰れなくなってしまう。
もう今日はシフトを固定してフロントメカに余計な負荷がかからないようにしないといけない。
ということでアウター固定決定。またか・・・
そうすると、これから向かおうとしている切山&犬打峠の激坂など当然無理。
それに今日中に木馬へ行かないといけなくなったという時間的問題も発生したので
今後のルートを軌道修正せねばならない。
笠置まで下りてきてしまっているので選択肢は限られる。
県道33号で須川まで上り返して東大寺まで行くか、R163で木津。
和束から裏大正池がベストだけど、まだ通行止めのはず。
R163はできるだけ使いたくないけど、かといってR369の下りも交通量が多くて危険。
再び奈良に戻るよりも、木津に出たほうが、
そこから先のルートのバリエーションがとれるので後者を選択。
木津川を渡り、R163に入る。相変わらず交通量が多いこと。
切山の入り口(すでに激坂)を名残惜しくもスルーして、R163を疾走。
チャリが路肩を走っているのだからちょっとは手加減してくれたらいいのに
大型がバンバン水溜りをはじいていくので参る。
で、少し進んで木屋峠への分岐。
激坂2つをキャンセルとなり、若干上り足りないのと、
あとわずかの距離ながらR163にうんざりというのもあって、
アウター固定でも行ける木屋峠TTになだれ込む。


ここは距離が短い短期決戦、序盤の集落部分は緩いのもあってガンガン踏む。
大きく回りこんでから斜度が上がり、ギアが売り切れるが、かまわず踏む。
山肌に沿うように上がり続ける。
本コースのハイライトとなるヘアピン部分に到達。
豆コンクリを避けてアスファルト部分を選んで上る。そろそろしんどい。
ここを抜けたらすぐゴールだったとあいまいな記憶のまま、
早々にスパートするが、そこからクネクネと一向に茶畑が見えてこず、
ゴールはまだかまだかと段々ペースが落ちてくる。
ギンギン重いギアを踏まざるを得ず、ペースが一向に上がらない。
ヒーヒーいいながらようやくわかりにくいゴール。
8:45。


↓木屋峠


そのまま和束方面へと進む。今日は雨のせいか猿は見かけず。
和束ローソンにもローディーの姿はなく、自分も休憩の必要なくスルー。
一瞬、やっぱりここは犬打をアウターでやっちゃうかぁなどと考えるが
雨でスリッピーな激坂で転倒しても大変なので、渋々左折してR163方面へ。
晴れだったら行ったんだけどな!(負け惜しみ)
湾漂山トンネルのところの信号で結局R163に戻ってきました。
まさに”わづか”ばかりの遠回り。
それでもやはり極力R163を避け、恭仁大橋で木津川対岸に渡って
加茂経由の県道47号で木津へ。
さてここからルートの再検索。
単純に行けば、ならやま大通り経由の裏清滝なのだが、
行きに通ったし、このところ毎度の裏清滝アウター縛りはもうすっかり飽きてしまった。
そういえば木津川CRを走ったことがないなあ、ちょっと距離も足らないし、
アウター縛りの弊害もないのでそちらへ。
木津川CRはきちんと案内板もあるし、車道と分離されているし、
煩わしい車止めもなくよろしいなあ。
嵐山まで50kmくらい?御幸橋まで30kmくらいだったか、標識があり、
とりあえず御幸橋まで行くことにする。
明るければそのまま淀川CRで帰ればいいし、もう暗ければ手前で第二京阪に入ればよい。
ここまで来ればもう帰ってきたようなもので、リラックスなポタ気分で走る。
標高はそれほど高くないはずなのに、なぜか山城の山並みが雄大に見える。
開橋〜玉水橋〜山城大橋と人気のないCRを進む。
近鉄線と京奈和道をくぐった辺りから、急速に視界不良となり、
われに返って周囲を見渡すと山は霧の中へ消え失せ、見渡す限りどんよりとした雲の中。
しまった!うかつに北上しすぎたと思ったのもつかの間、
ドサーっと、いきなりのスコール。
本日一番の雨脚で正面を向くこともできないほど。
どうしようもなく視界がさえぎられない程度に下を向きながらとにかく進むしかない。
ここまでは雨といってもまだしとしとと降る感じで、
ウィンブレも持ちこたえていたが、ここまで激しいと全く意味を成さず、一気にずぶ濡れ。
雨粒と汗が混ざったものが目に入ってきて、かなり沁みて痛い。
通り雨を期待したが、これはもう完全に本降りと判断し、
流れ橋を過ぎて、第2京阪へエスケープ。


流れ橋


そこからはとにかく雨との戦い。
もうここまで水没してたら、あとどんだけ降られようが一緒。
かかってこいや!とヤケクソでペダルを回す。
ただ、もう目が沁みて、刺すような痛みが続くので、
ところどころで雨宿りをして目の辺りを入念にぬぐう。
なんかプールに長時間入って出てきたときのような感じで、しょぼしょぼ。
巣本までくると雨は収まり、小康状態。
そこからフロントメカの具合を診てもらうため木馬に立ち寄り。
ちょうど2件ほど先客がいて、その間FUNさんと談笑。
でも、さすがに疲労がたまっていたのか、時々気を失いそうになる。
で、ようやく順番が回ってきて診てもらうが、やはり原因不明。
ただ、今月2回目の発症ということで、金属疲労がかなりある可能性があるので
変えたほうがよいということになる。
ただ、自分が装着している105と、現シリーズの105に互換性がないため、
在庫検索してもらって旧アルテグラのものを取り寄せることになった。
全く手のかかる相棒です。


木馬を出ると再びの雨。
長時間と待っていたのと、日が暮れて気温が下がったこともあり、超寒い!
城北運河沿いを走って帰宅し、命の湯にどぼん。
これまで雨のライドは多々あったが、丸一日180kmも雨中ライドというのは初めてだった。
いやあ今日一番がんばったのはPRO3。
先週の京北の悪路面でもがんばったし。
今までミシュランぼろかす言うてたけど、意外とタフだなあ。
個体差かな?
とにもかくにも雨だと長距離はやっぱり厳しいが、雨の中180km走れれば十分でしょう。


↓本日のおみや(南山城紅茶とベーグル三種)


ベーグル、お店の人から温め直すときは、少し水をかけてからトースターでといわれ
そのようにしたら大変風味があっておいしかった。
あんまりベーグルって好みじゃないのだが、これはうまい。
あと、南山城紅茶。お茶好きの奥さんに大好評でした。
宇治茶の原料となる和束・南山城のお茶葉から作った紅茶で、
後味が全くしつこくなく、さっぱりと茶の香りがしてなかなかよかった。