記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

なんちゃってキャノンボール③ 静岡〜東京

さて、静岡でドルクス君と別れ、180kmを残して現在時刻は8:20。
ちょっと眠気がMAXということもあって、駅前で20分ほど仮眠。
あれだけ寒かった夜もすっかり明け、見事な日本晴れである。
現時点で制限時間以内にキャノボ達成はほぼ不可能。
まあ今回は色々あって最初から期待はしていなかったが、一応の確認。
このペースであれば、箱根越えで1h余分に見たとしても19時ごろには到着できるか。
ただ、あまりゆとりはないのは確かなので、支度をしてリスタートする。
清水まではR1で行くのが最短距離だし、高低差も少ないが、
先行しているドルクス君にすぐに追いついてしまうのもなんだかなあ。
昨晩はずっと自分が風除けとして曳いていたので、
ここからは少し風の影響でペースが上がらないと感じていることだろう。
ということでR1を回避して県道407号の南幹線で進むことにする。
となりの東静岡駅までは裏道を通り、駅前に出ると東側がでっかい空き地になっていて、
見事な富士山が丸見え。思わず停車して写真をパチリして、
チームの仲間にモーニングがてらに実況しておく。
みな相当に心配している様子ですが、なんとかこちらはやっております。
そういえばウメ夫妻がサイクルモードに行っていて、東京にいるので、
タイミングが合えばどこかで会いましょうと言っていたのだが、
スタートが12時間ずれたこともあってこれは断念せざるをえなさそう。
今回は新しい試みとして、ちょいちょいこうやって、
ツイッターまがいに報告を入れながら走ります。
まあなかなか時間的なゆとりがないので、逐一とはいかないんだけど。
さて、ライドですが、何気にこの南幹線が丘越えで上り基調。
場所によってはまずまず斜度もあって疲れる。
御門台を過ぎると清水まで一気に下る。
トイレが近くなり、新清水駅横のファミマに駆け込む。
ついでに終着駅なのでパチリ。


静鉄の終着駅・新清水駅


そこからR1ではなく、一番海側の港湾道路を進むが、
ここが結構キワキワまで大型が寄って猛スピードを出していてちと怖い。
路面も色々なごみが散乱しているのでパンクしないように気を使う。
そのまま3kmほど走ると、静清BPの下に潜り込む。
途中で側道は左へと折れ旧R1に合流する。
興津駅を通過し、興津中町の交差点に出る。
そこから入るべき太平洋岸自転車道の入り口を探す。


この興津から由比までの約6kmは、海と山に挟まれた極めて狭いスペースしかなく、
そこに東名高速・静清BP(R1)・東海道本線が肩を寄せ合って並行しているのだが、
自転車はこの静清BPの路肩走行禁止なのだ。
その代わりに、そのキワに設けられた自転車道を走る必要がある。
(といってもそんなにきちんと整備されているわけではないが)
静岡から富士へ抜けるのはこの一点突破しかないのだが、
この自転車道の入り口が少しわかりづらいので見逃さないように注意が必要である。
東向きの場合、角にローソンがある興津中町交差点のすぐ先に、
もう一つ小さい信号(押しボタン式)があり、そこを海沿いへ渡り、
BPを小さなトンネルでくぐるのが正解。
一応何か所か「太平洋岸自転車道はこちら」という標識が立っています。
ちなみにドルクス君は、見逃してしばらくオーバーランしてBPに迷い込んみかけたです。
そういう人意外と多いようなので、やはり要注意。
この分岐点の先に興津川という大きな川を渡らないといけないのだが、
そこまでに自転車道に入っていなければ、間違っていると判断して引き返すのが賢明です。
BPの路肩を走るのはどの時間帯でも極めて危険なうえ、一度入るとエスケープできません。



↓興津中町から標識に沿って太平洋沿岸自転車道


さて、無事に自転車道に入り、BPをくぐると…
海!や〜爽快爽快。
穏やかに広がる駿河湾、対岸には伊豆半島が続いている。
アッパレかな〜。
ポカポカ陽気も相まって、堤防のヘリのようなところを気分よくサイクリングモード。
ああ、すがすがしい〜。
そのうち道は大きな堤防のコンクリ壁に阻まれて海が見えなくなってしまうのだが、
その代わりに進行方向に見事な富士山がど〜んと姿を現す!
絶景かな〜絶景かな〜
眠気も吹っ飛び、気分爽快でペダルを漕ぎます。
間違いなく今回のライドのハイライトのひとつです。


↓海!


↓正面には富士山!


そのうち山の方から東名高速がどかーんと飛び出し、上を通過していく。
そこを抜けると一軒の食堂みたいな建物があり、自転車道はそこで切れている…
んーただでさえハンパない交通量の反対車線をさすがによう行きません。
どうしようと迷っていたら、この食堂の右手のダートが奥へ続いているので
とりあえずそちらへ進んでみる。が、しばらくして藪にぶち当たって行き止まり。
これは困ったと回れ右してみると、食堂の裏手にBPへ戻る出口があり、
そこを出ると、再びそこから歩道が本道とガードレールで仕切られて続いている。
その狭い通路を進むが、対向車の風圧が時々すごい。でも我慢するしかない。
しばらく行くと、歩道からダートの駐車場が広がっていて、
滑りやすいサラサラの砂が乗った荒れ放題の路面を慎重に進む。
対向からローディーさんが来たので、一応念のため自転車道はこれで合っているのかと聞くと
間違いないというので一安心。
この先どこかの信号で道の反対側へ渡り、県道へ迂回する必要があるのだが、
最初の3つの小さい信号は全てスルー。
4つ目、「寺尾」と交差点名の表示のある信号を渡るのが正解。
無事にそこを横断して、プラン中もっともコースが不安だった静清BP回避を完了する。
さてさて、ドルクス君は無事にここを切り抜けれたろうか…


↓食堂の右手からダートに入り、食堂裏からUを切って写真右手の出口に出て、写真左の歩道を逆走する


↓さら砂で滑りやすい駐車場を抜ける(写真奥から手前へ)


↓手前に2,3つ信号あるが渡らず、「寺尾」の信号で渡る。


寺尾からはR1から少し上らされて、山肌に沿った県道396号を進む。
(あとで考えればひとつ下を走る県道370号の方が楽かも)
何気にあるアップダウンをこなし、川を越えると平坦に。
趣のある漁師町といった風情の街道を進む。時刻は10時。
そろそろ腹も減ってくる。
由比と言えば、生シラス丼とか桜エビのかきあげが有名。
ルートを進みながら、さっと食べれそうなところを探してみるが
店自体が見当たらず(R1か県道370号沿いだったか)、じゃんねん。
一度補給を意識し出すと、とたんに空腹感が加速するもので、どんどん腹が減る。
新蒲原を過ぎると再び軽い上り。この道は富士市街地のある内陸へとオーバーしてしまうので
R1富士由比BPに復帰すべく、ピークのところの交差点で右折する。
(ジャトコという工場が見えるところ)
蒲原東ICのところでBP側道に入るが、すぐに富士川にぶつかる。
ここは新富士川橋の歩道を走ることになるのだが、橋までは階段しかないので担ぎあげる。
橋の上に出るとバックには真正面からの富士山がどーん。
今日は快晴で、山頂からふもとまではっきりくっきり見える。
ここまでがんばったご褒美だな。


新富士川大橋の歩道へはここから担ぎあげる


橋を渡りきるとすぐそこに道の駅富士を発見。
道の駅ならなにかしらご当地のグルメ置いているだろう。お腹ペコペコです。
で、そば屋さんがあったのでそこで新そばの十割と桜エビ丼のセット、
おまけに単品でシラス丼も追加で注文。
そろそろ携帯の充電が底をつきそうだったので、店の人にお願いをしてコンセントをお借りする。
どこから?と聞かれたので大阪からと答えるとおばちゃんひっくり返りそうになってた。
どちらの丼もめちゃうまだったが、ここはそばが本物でとびっきりおいしかった。
道の駅にある店だからと甘く見てたが、クオリティ高し。お腹もすっかり満たされ大満足。
ごちそうさま。


↓道の駅・富士にて。十割そばとミニ桜エビ丼、ミニしらす丼


一服して充電完了を待つ間に、うめさんにTEL。
あちらはすでに首都高に乗っていて一路大阪へ向かっている様子。
ポカポカ陽気でのんびり座っていると眠気が襲ってきそうだったので、
充電80%で切り上げ、お店の人に礼を言ってリスタート。
BPを避けるため、道の駅の裏手から旧街道に入る。
のどかな田園地帯が広がり、のんびり走る。途中で富士をバックに一枚。
新富士駅を通過し、田子の浦湾のところでBPを回避して港湾道路を走る。


↓富士をバックに一枚


新富士辺りのBPはこの橋で回避


吉原駅を過ぎ、ほんのわずかにアップダウンをこなす。槍という交差点で県道380号に合流。
ここから約10kmは、右手に砂防林が続くド平坦道。
海がちょっとでも見れたらいいのだが林と防波堤で完全シャットアウト。
ずっと単調なストレートで、眠気を襲う。
積算400kmの大台を越えて、ランナーズハイが解けてしまったようで、
この辺で維持していたテンションが切れ気味。
ああ、これからしばらくしたら大一番というのにマインドが溶ける〜。
ちょっち気分転換と言うことで、御殿場線の西の終着駅である沼津駅をパチリ。
マインドの溶解とともに、この頃になると全く遮ることのない直射日光にやられて
完全オーバーヒート。昨晩の極寒ぶりとのギャップが大きすぎる!
暑さと眠気と疲労ジェットストリームアタッコにキリキリ舞いで、
三島広小路セブイレにたまらずピットイン。
コカコーラとガリガリ君チョコリッチで暑さと眠気を一気に吹き飛ばすぜ!
これからいよいよ箱根越えに突入するので、メンバーにメールでアナウンスしてから、
10分だけ店先にもたれて仮眠。というより失神。
起きて時間を確認しようと携帯を見ると、みんなから激励のメールが続々。
「がんばれ!」「ラスボス倒せ!」と後押ししてくれています。
よっしゃ!元気もろた!


↓JR沼津駅御殿場線の終着駅)


三島の市街地はなかなか立て込んでいて道幅が狭小。
しかもちょうどお昼時であっちもこっちも混雑しているので慎重に抜ける。
七五三でごったがえす三嶋大社の前を通過し、そのまま県道22号で東へ。
徐々に上りとなり、ぐいっと上りきって谷田東小山の交差点でR1復帰。
いよいよここから15km、標高差810mの長い長い箱根越えスタート!


↓谷田東小山からいよいよ箱根越えスタート


序盤はベッドタウンを抜ける2車線で中央分離帯には緑が植わっているような広域道。
ただし斜度は早くも2ケタは越えている急坂。
交通量もそこそこあるので慎重に入る。
2kmほどしのぎきると、左手に東駿河環状道路の三島塚原ICへの分岐点。
左折レーンから直線レーンにどうにかもぐりこみ、交差点を通過すると、
少し斜度が落ちてストレートの上り。
前方の山々がすう〜っと見渡せるのだが、その景色を見た印象では、
そんなにピークまでの高さを感じないのだが…
ストレート区間を終えるとさらに斜度がゆるみアウターでもいける感じ。
ここから道がクネクネと蛇行を繰り返しはじめるのだが、
交通量がやったら多く、しかも大型車やタンカーなどの大物がバンバン。
しかもアホみたいにスピードを出すし、、カーブのインとかでは押しつぶされそうな勢い。
路肩も十分な広さとは言えないので、ここは安全第一と言うことで歩道を走ることにする。
序盤の歩道は幅も十分あって快適。
クネクネが一旦落ち着き、小さな橋を渡り、再び長い直線区間


前方を見ると遠くに1人のローディーがトボトボと鈍く上っている。
ジモティーもがんばっちょるようだが、関西ローディーの意地で抜いてやろうと、
一気にペースを上げる。
徐々にローディーの姿が大きくなっていくが、その姿にどうも見覚えがあるぞ…
おおお、ドルクス君ではないか!
ちょっと立ち止まって、少し話しこみます。
しかしまさかこんなところで再び出会うとは!静岡で別れてから約70kmの地点です。
お互いが別の道を選択していたり、あるいは休憩でどこかに停車していたり、
わずかなことで会えなかった可能性の方が高い訳で。いやあまさかまさか、再会できるとは。
まるで『男たちは北へ』の主人公と少年のシチュエーションだなと思って、感無量です。
由比の自転車道のところ、心配していたが無事通過で来ていたので安心しました。
ドルクス君、上りが苦手といっていたように、この上りにかなり手こずっているようで
まだ全体の1/3程度しか上ってきていないが、全身汗びっしょりで満身創痍といった感じ。
それでも自分の姿を確認して、うれしそうに声をかけてくれました。
本当は一緒にいて辛い上りを行ってやりたいが、あまりにペースが違いすぎるので
オシリが決まっている自分は待ってやれない。
それに自分を意識して、ドルクス君が無理にペースを出して、
手抜きできない状況(ぱしゃ君がよく陥る状況)にしてしまっても逆にツライだろう。
ということで、しばらくしてから先を急ぐことにします。
大阪でまた会おうぞ!


少しペースを上げて、ドルクス君をどんどん引き離して先を急ぎます。
斜度はそれほど厳しいものではないので淡々と進めます。
この辺りは見晴らしも良く、ドルクス君との再開でテンションも上がっているので意気揚々。
しばらく進むと大曲りと呼ばれるヘアピンが姿を現す。
そこをぐる〜っと大回りをして、先ほど上がってきた道程を左手に見ながら
ぐんぐん高度を上げる。
ドルクス君見えるかなあとチラチラと目をやってみるが確認できず。


↓大曲を越えたところから眼下を見下ろす


そこからは再び道はクネクネと細かく蛇行を繰り返す。
歩道もせまくなり、枝葉が落ちて決して走りやすくはないのだが、
相変わらず馬鹿みたいに交通量の多い車道へ出る勇気なし。
上り始めから9km地点で、富士見平ドライブインを通過する。
ここで見えていた富士山ともお別れになります。


↓富士見平ドライブイン


ここからはずっと一定間隔の斜度でクネクネクネクネ。
山中城跡の辺りなどでは、旧道の石畳と何度か交差する。
イカーの人たちがその旧道を上っているようで御苦労さんです。
旧道は石畳でも趣があってよいのだが、旧道と交差する前後の国道の歩道まで
一部そういった演出がされていて非常に走りづらい。
そのうち右手に湯河原峠のある山並みをずっと望みながらじわりじわりと上っていくようになる。
最初はおお、きれいだと見とれていたのだが、
全く変わらない景色に、果たしてゴール地点はどこなんだという徒労感が広がる。
激坂区間もないし、景色もいいし、難易度的には逆瀬川のほうが難しいと思うのだが、
とにかく果てしなく長い。この長さはかなり萎える。
450km近く走ってきたこのボロボロの体のわずかに残った体力を確実に削っていく。
そしてこの大一番にこの日一番の暑さ!
袖まくって、ジッパー全開にしても汗が止まらん。
12kmほど上がってきたころになると道幅も広くなり、斜度も安定してくる。
えっちらおっちら走り、一度大きく左手に道が振られ、少し斜度が上がる。
山肌を変えて、クネクネと上りが続く。サイコンを見るともうあと2,3km。
最後の正念場だ。
みんなが今か今かと峠越えの連絡を待っていると思うと気持ちが入る。
ここまできたらもう心肺とかのリスクは考えなくてもいい。
もう一回気合を入れなして、ダンシングでじわじわとペースを上げる。
そうしてようやく左手にレストハウスのようなものが見え、道は平坦に。
ああ、上りきったぞ、上りきったぞとさらに少し走って、
標識のあるところでゴォォォ〜ル!
いや〜長かった。長かった。長過ぎた。長過ぎるぐらい長過ぎた。
ともあれこれでラスボス(?)の箱根峠制圧!
お疲れした!


↓峠まであと4kmくらいの地点。この景色が延々つづく


↓時々街道チックに余計な演出で路面がデコボコ


↓箱根制圧! ゼエゼエ、今日はこのくらいにしといたらぁ〜


さあ、最大の難所であった箱根越えをどうにかやっつけ、
長かった静岡ともおさらばして神奈川県に突入。
しかしまだ目的地までは100kmもある。
時刻は14:30。レギュラーペースで行くとするとあと5時間。
なんとか19:30には到着できるか。
しかしパンク1回でも発生すればちょっと黄色信号が灯る。
グズグズしている暇はないのでしばらく休憩やら写真撮影ののちすぐに出発。
箱根峠は交通の要所で、四方からやってきた車で混雑。
芦ノ湖スカイラインに入る左折レーンをどうにか切り抜けて直進し、
その先の箱根新道に入らないように注意しながら元箱根方面へ下る。
全く車のことだけを考えた道づくりで嫌だ。
少しずつ下っていくと前方にぱあっと芦ノ湖が広がり、湖上にはフェリーが行き来し、
背景には色づいた箱根山がそびえていて、なんとも風光明美である。
道の駅の先で路肩に駐車して1枚だけパチリ。
下りきって箱根関所の辺り、湖と同じ高度まで下ってくると、
まるで繁忙期の嵐山に迷い込んだかのようにうじゃうじゃと観光客と車の渋滞。
ああ、気がめいる。
車は全く動く気配を見せずにはてなく続いている。
観光客は歩道も車道も関係なく溢れかえってカオス状態。
そんなところを片足ペダルから外して、徐行で切り抜けねばならない。
路肩を我慢して走っていたが、大型バスなどの横は狭すぎてスルーできないので
仕方なく石畳の歩道へ乗り上げるが、人がいっぱいで本当に辟易。
箱根公園のところで一度くいっと上り、そこから元箱根へ下るが、
状況は悪化の一途。こんな状態で延々続いたら時間が足りんわ〜と裏道を探す。
フェリー乗り場のところで山すそに延びる道を発見し、そちらへ逃げ込む。
通り抜けの車は多いが、歩行者が減った分楽になる。
ヘアピンのトップでR1に合流し、そこから鈍く上り。
次のヘアピンのトップが畑宿入口という交差点で、
ここからR1をはずれて旧道である県道732号に入る。
ここで箱根の大渋滞・大混雑を切り抜ける。ふぃ〜。


芦ノ湖


ここからぴたっと交通量が減り、逆にローディー天国になる。
お玉ヶ池のあたりで大量のローディーさんが待機していて、あいさつをしてパスします。
逆に小田原方面から決死の形相で上ってくるローディーさんも多数いて、
「がんばれ!がんばれ!」とエールを送ると、みな一様に
苦しみに顔をゆがませながらも、笑顔を向けてくれます。
関東のローディーにこれだけ接触するのはこれが初めてでしたが、
一番の印象は、みんなヘルメットしてない!そのまま頭が裸の人ともいれば、
バンダナやキャップという人もたくさん。
厳密にいえばヘルメットは義務ではないけど、安全面から言えばリスク高いだろう。
箱根を抜けるのに思わぬ時間がかかったので、ちょっとペースを上げて下ってきます。
池を越えてから斜度がきつくなり、またクネクネ具合も厳しくなり、ジェットコースター状態。
茶屋を抜けた先に、きついダブルヘアピンが登場。猿すべり坂というそうです。
そこを抜けさらに進むと、またえげつない標識を発見。
ここからは七曲がりという超難所で、2ケタ斜度のヘアピンが12個続くというエグイ場所。
全体の写真を撮ろうと色々試行錯誤するのだが無理でした。
ここをとにかくオーバーランしないようにフルブレーキングで慎重に下ります。
これ雨降ってたりしたら泣くなあ。
というか、これを上るのはかなりツライだろうなあ。難易度高し。
教官を始め変態関西クライマーさんにぜひオススメです。


↓旧街道の下りは超難所の七曲り


↓七曲がり


↓箱根湯本はまだまだ下


しかしまだまだ下りが終わったわけではない。七曲りを終えるとさらに急な斜面を直線的に下る。
そこでめっぽう速いローディーさんにパスされる。
全身黄色ジャージに、これまた黄色いバンダナの御年輩の方で、その姿はまるでパンターニ
がんばって後ろに着こうとペースを上げますがみるみる小さくなっていく。
おそらくはコース慣れしているのもあるでしょうが、あんなリスキーなダウンヒルは真似できません。
何度か急なヘアピンをやっつけ須雲川のあたりまで下ってくると箱根湯本の温泉街に入る。
そこでペースダウンされたさっきのパンターニさんが見えたので、
軽い上り返しでペースを上げて須雲川ICの手前で追いつく。
「いやあ電光石火ですねー」と声をかけると、ちょっと照れくさそうに「ありがとう」と帰ってきました。
パートナーの方が遅れているというので、ここからは先に行かせてもらいます。
温泉街の中心に近くなると、人や車がちょいちょい出てくるのでペースを一気に落とし慎重に進む。
三枚橋で早川を渡りR1に復帰。当然もろ混み。なんとかしてくれい!
信号待ちの間に、さっきのパンターニさんがパートナーの方と追いついてこられる。
一応、迂回路がないか聞いてみると、即答でないとのこと。頑張ってR1をつっきるしかない。
あまり自分が道を知らないことに気付いたのか、どこから来たのかと聞かれ大阪からと言うと、
頑張ってとエールをいただきました。


↓箱根の山々を振り返る


箱根湯本からはR1を特攻。信号のタイミングを見計らって飛び出し、ひたすらまわしてペース上げる。
途中、箱根新道、小田原厚木道路に入る左折レーンがあり、そちらへ入る車が後方からこないうちに
アタッキンでリスク回避。ゼエゼエ疲れる。
JRをくぐると交通量は増えるが道幅は広がり、すぐに小田原市街に突入。
下りでも予想以上に体力を要したのだが、ボトルの水が尽きてしまったので、
ドリンク補給をするため小田原城の方へ。
時刻はただ今15:30。あと約90kmという段階。
レギュラーペースでいくとあと4時間半。疲労やらなんやらを考えると5時間?
そうするとそろそろ新幹線の終電が気になる。確か意外と早かったような気がする…
電車の時間が不透明で不安を抱えたまま走りたくない。
しっかりとした目標タイムを設定する必要がある。
自分では調べられる環境にないので、みなに現状報告がてら調査を依頼する。
するとみんな続々と情報を寄せてくれる。
hideさんに至っては外出中だというのに最寄駅まで走っていってくれて確認してもらった様子。
時間の情報だけでなく、メンバーそれぞれがらしい言葉でエールを送ってくれる。
素直にうれしい。


小田原城。って城撮れてへんやん…


しばしの休憩後、リスタート。
すでに夕暮れが始まろうとしている。みんなからの情報で、新幹線の最終は21:20。
遅くても30分までには到着と考えると、リミットタイムまであと5時間半で90km。
よっぽどのことがない限りは到達可能だが、かといって余裕があるわけではない。
もうじき500kmに達しようとしている状況で、体は満身創痍。しかも眠気もMAX。
それでもやるしかない。もはや自分だけのために走っているわけではない。
応援してくれているみんなのためにも絶対にたどり着いてみせる。
そう思うと気持ちがぐっと入って力がみなぎる。
疲れきってボロボロなせいかみんなの応援が胸に響いて思わず感情的になり、
気付いたら思わず泣きながら走ってました。
落ち着け、落ち着け、今は走り続けることに集中しろと意識的に声を出して確認し、
とにかく気持ちを落ち着かせながら東を目指す。
酒匂川を越え、国府津のあたりで軽いアップダウン。右手側に湘南の海がちらちらと見える。
この辺りからはもう慢性的な渋滞で、緊張を保ちながら路肩を特攻する。


↓湘南の風〜


大磯のあたりまで来ると渋滞は一層ひどくなる。
関東の人は本当によくこれで生活しているなあと思う。
週末ごとにこんな渋滞と格闘するくらいなら外出しないなきっと。
ローディーの姿もちらほら見かけるが、
こんな渋滞は日常茶飯事だという感じで平気で路肩を縫っている。
大磯駅のところでR1をいったん離れ、海に沿って東西に延びるR134に入る。
ここも幅広の道なのだが、大型車が増えて、交通量も多いので、常にヒヤヒヤ。
走ってても全然楽しくない。でもほかに迂回路もなければぐずぐずしているひまもない。
花水川を渡り、フラットな大通りをひたすらに疾走。
だが、あまりの緊張感に路肩をあきらめて、歩道へ。歩道は幅広で比較的走りやすい。
しばらく進むと相模川を渡るトラスコ湘南大橋に到達。
そこを抜け、新湘南BPとの分岐を過ぎたころに、
後方から路肩を疾走するローディーにパスされる。
これはちょうどいいペースメーカーだとあわてて車道へ降りてペースを一気に上げて、
一定距離を保ちながら40kmペースで走っていく。
6kmほどその状態で自然に引っ張ってもらう。
とまることもなかったので後ろから挨拶も何も送ってなかったのだが、
小和田浜公園の分岐でお別れする際に合図を送ってくれました。
これで湘南ラインライドは終了です。
湘南と聞くとさわやかな海岸線を疾走と言うイメージだったが、
単にえぐい渋滞すり抜けしかできない道だった…


↓トラスコ湘南大橋


ここから県道30号(湘南新道)に入り、陸地内を東北に切り込みます。
最初は平坦で幅広の道で走りやすい。
でももうこの辺からどの道も駐車場かというくらい車で埋まっている感じ。
途中の信号待ちでぱしゃ君から入電。
今はとりあえず相手をしているひまがないのですぐに切る。
浜見山の交差点で県道308号を過ぎると鈍い上り。上りきったらすぐに下り。
この辺は丘陵地帯なので、どうせまた上らされるんだろう…
JRを横断する陸橋へは渋滞もひどく路肩を走れそうにないので回避し、
少しだけ離れた踏切で渡って再合流する。
この時点で日没。ナイトラン開始。
小田急を越えて、少し行くといきなり激坂登場…マジか?
500mほどか、2ケタの上りを瀕死の状態で上る。モウヤメテクレ…
上りきってフラッフラだがペダルをこぐ足だけは止めない。
高台に上がったようでここからは平坦となる。
そのまま進むと左手からR1藤沢BPが合流してくる。
BPが渋滞で流れが止まっているすきに、なんとか合流して路肩をゆく。


さて久々にR1に復帰です。
なんじゃこの渋滞というくらいの渋滞。その脇を全力ですり抜ける。
一応ここからはR1は一般道のはずなのだが、まるでBPの様相。
一気に緊張感が増し、とにかく慎重に慎重に進む。
環状4号との交差のあたりではもうえげつない渋滞。えぐい。えぐすぎる。
まるで大渋滞中の新御堂を走らされているかのようだ。ないわ〜。
でも横浜へ抜ける道はこれしかない…行くっきゃない。もう泣きたいわ。
途中で親子ローディーさんをパス。あんなところ子供連れでよく走るなあ。
どこへ行くにも帰るにもこんな道ばかりとは、
関東のローディーさんがかわいそうに思えてきました。
途中で路肩工事をしているところがあって、そこがさらに渋滞している。
そこを全力疾走でどうにか切り抜ける。
軽い上りが発生しペースを落とさないために必死。
吹上でR1が上下線が少し分離し、その先でBPと旧道と分岐しているのだが、
必死だったのと、よく道の構造側からず、あろうことかBPの方へ直進してしまう。
といって今までの区間もほぼBP仕様なので、自分がいつBPに迷い込んだの気付かないまま、
激下っている大渋滞の道を必死でマシンを抑えつけながら下る。
上りはまだしも、下りはほんとマジヤヴァイ。
車も遠慮なくスピードを上げていて風圧がすごいし、路肩も狭い。
激しいプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、なんとか正気を保ち、
ひたすらマシンコントロールに集中する。
道がゆっくり左へカーブしているところで、
大型車に思いっきり幅寄せされクラクションをバンバン鳴らされる。
それで恐怖の堤防が決壊し、この道もう無理!となって、
とにかく道を外れる箇所を探していたら、すぐ先に下り口があり、
命からがら矢沢の交差点に出る。そこで初めて自分がBPに間違って侵入していたと気付く。
とりあえず交差点でマシンを止めて気持ちを落ち着かせる。
なんとかBPからは脱出したが、道をロストしてしまっているので旧R1を目指さないといけない。
手持ちの地図であっちゃこっちゃ見るが、
軽いパニック、疲労、夜で手元が見づらいなどで現在地がよくわからない…
とりあえずすぐ右手に下ったところにある戸塚駅に出ることにする。
戸塚駅まで出て、駅横の旧道R1に出たはずなのだが、
R1がJRを踏切でまたぐところをそこが工事中でわかりづらくなっていたこともあって、
踏切を渡らずに、線路に平行する道をR1だと思って進んでしまう。
道がなまじ広いせいもあって、なんの迷いもなく進んでいくのだが、
そのうちR1BPが上部を直角にまたいでいく。いやなんかおかしい。
位置関係がおかしい。地図を見るが現在地がわからないのでよくわからない。
かといっていまさらここまで走ってきて戸塚まで戻るのも出来ない。
とりあえずこの先右折できるところがあったらBPの伸びている方面へ曲がろうと先へ。
しばらくして道はどんつきとなり、川と交差するところを右折し、
わずかの激坂を上ると不動坂の交差点(BPと旧道の再合流場所)に出て無事コース復帰。
あのまま何の迷いもなく道なりに進んでたとしたら、
大きく間違って海老名方面へロストするところだった。あぶね〜。
しかし、それでもコースを外れてしまったことで15分ほど無駄な時間を過ごしてしまった…
方向感覚を失う丘陵地に迷い込み、激混みの道路に萎え、どんどんせまるリミットに焦る。
おまけに藤沢から横浜までは確か25km足らずと標識にあったのに、
場所によってその距離が増えたり減ったりするので、本当に道があっているのかどうか
完全に浮足立ち、軽いパニック状態。
横浜に出るまでは全く気が抜けない。
気を取り直してR1を進む。道幅が狭くなり、路肩も十分とはいえない。
交通量もそこそこあって緊張感は相変わらず。
丘陵地ということもあってアップダウンが結構きつい。
一度本格的な上りである権太坂を上がり、そこを下ると横浜横須賀道路のインター。
しばらく進むと保土ヶ谷の駅前に出る。
ここでようやく自分のいるポジションがはっきりとし一安心。いやヤバかった。
箱根峠をラスボスとして越えた時点でもうゴールが見えたかと安心していましたが、
この藤沢〜戸塚〜保土ヶ谷〜横浜の丘陵地帯こそが間違いなくラスボスでした。
交通量が恐ろしすぎる。アップダウンが激しすぎる。そして方向感覚がわからん!
まさに危機一髪、遭難寸前でした。


保土ヶ谷からはR1ではなく手前の環状1号でしばらく進む。
天王町を過ぎて右折し、西横浜でJRをまたいで浜松町でR1復帰。
ここから帰りを急ぐたくさんのローディーさんが登場。
やっぱりメット装着率は50%といったところ。
こちらは急いでいることもあるし、どかーんと全員ぶち抜いていく。
高島町でR16が右から合流。
交通量はそこそこあるが、路肩は十分広い。ただ左折の出入りが激しいので注意。
横浜駅のところで戸塚の手前ではすしたはずの親子ローディーさんを再びパス。
相当迷っていたようです。
くどいようですが、藤沢から横浜に出るのにこんなに苦戦するとは思わなかった…
この先R1から第1京浜に合流せねばならないが、ちょっとこの辺りは道の合流・離別が激しい。
たぶんわかると思うが、万が一これ以上道を間違って時間をロスするとやばい。
ご挨拶をして道を尋ねると、この先で道が自然とR1とR15に分離しているので
浜側、右手に入っていけばよいと教えてもらう。
で、その分岐の青木通交差点に到達。
馬鹿でかい道が左右に分岐しているが、左手へ進む車の流れが滞りなく、
自分が進みたい右折レーンへなかなか侵入できない。
信号のタイミングでどうにかR15に入る。
ここで前方にいたローディーさんに合流する。
ここから日本橋まであとどのくらいの距離なのか尋ねてみると、30kmはないとのこと。
話を聞くと、最近大阪から越してきた方らしく、
急いでいるのを察知して道の具合を色々とレクチャーしていただく。
とにかくここから、30km弱。時刻はすでに19時を回っている。
残りわずかのパワーを総動員して渾身のアタックで40km近くで走るが、
信号にことごとくつかまり、このローディーさんが信号明けるころには追い付いてくる。
それを何度も何度も繰り返すので、アタックを繰り返している意味が全くなし。
何度か続けていると、ローディーさんが見かねて、
急いでるならちょっとくらい信号スルーしても大丈夫でしょと言うのだが
それはルール違反なのでできない。
がむしゃらにペースを上げるだけでは無駄に体力を削るだけで、
肝心な場面でスパートができなくなると困るので
とにかく3つくらい前の信号の具合からカウントしながら、
巧妙にアタックをしたりやめたりクレーバーに徹する。
そんなこんなでこのローディーさんを離したり追いつかれたりで、
結局10km川崎駅前まで来る。
新川橋の交差点で信号待ちをしていると、いきなり交差点の中央から怒号。
何事と思っていると、一人の男が停車の列の前を大声を上げながら走り抜け、
その後ろを5,6人の警察官がものすごい勢いで追いかけ、
自分の目の前で男が取り押さえられ、はかいいじめにされたまま歩道に連行。
その間、男は大声を叫びながら必死に抵抗していた。
まさかここで大取り物を目撃するとは思わなかった。
さっきのローディーさんはその騒ぎが気になるらしくヤジ馬に交じっていったので
ここから妙なプレッシャーから解放され、ペースを上げていく。
川崎を過ぎるとすぐに六郷橋多摩川を渡り、いよいよ東京都!長かった!


六郷橋多摩川を渡っていよいよ東京都突入


R15は幅広の道で路肩も十分なのでひたすら特攻をかけまくります。
小田原の補給で軽く手持ちの補給品を食べて以来ずっと何も摂取していないので
この時点でお腹ぺこぺこでハンガー状態なのだが、飯を食ってる余裕もないので、
ひたすら我慢して特攻を継続する。
心肺の具合もかなり気になる感じだったが、そんなことをいちいち気にしている場合でもない。
とにかく出せるだけのパワーで35kmオーバーで走り続ける。もう必死です。
けいはんなクリテ並みの強度でずっと横浜から走りっぱなしです。
オーラスでこんな羽目になるとは。
そのうち蒲田に到達。
箱根駅伝名物だった京急の踏切が撤去作業中でした。


箱根駅伝名物の踏切撤去中


蒲田を過ぎると交通量はましになり、幅広の道を黙々と35kmオーバー。
大森、平和島、青物市場と順調に北上を続ける。
かなりヘロヘロでお腹もぺこぺこ。
でも集中力だけは今ライド一番だったと思います。
北品川で鈍い丘越えをし、一気に車があふれかえる品川駅前に到達!
信号待ちが長すぎるので、その間に一応で、京急本線の終着駅である品川をパチリ。
銀座まであと6km、日本橋まであと8km。
ああ〜あと8kmかあ!この8kmが長げ〜。
時刻はすでに20時を回っている。
終電には間に合いそうだが、油断ならないのでこのまま特攻を継続する。


↓やっと品川(京浜急行品川駅は終着駅)。あと8km!


品川で一瞬交通量が多かったが、曜日のせいか時間のせいか交通量はほとんどない。
ひたすら孤独にペダルを回し続ける。
孤独と空腹とのっぴきならない疲労でマインドがヘロヘロだが、
とにかくゴールに到達することだけを考え、必死でペダルを回すのみ。
田町の駅前でビルの隙間から東京タワーがこんにちわ!
おお、キラキラと輝いてる!純粋にキレイだと信号待ちなどで見とれる。
しかし写真を撮るとなるとなかなか難しく、撮影ポイントを探している余裕もない。
そのうちビルの陰になって見えなくなる。
やっぱり写真は無理かと思ってあきらめたら、
浜松町のところで再び横からタワーが登場し写真をパチリ。


↓東京タワー!


さあ、東京タワーの素敵なネオンに少しだけ元気をチャージしてもらって、
交通量のほとんどない大通りをひたすら北上。あと3km!
新橋でJR線をくぐると、前方の通りの具合が一変。
なんとも煌びやかなネオン街になっている。言うまでもなく銀座である。
これはもうツール最終のシャンゼリゼにも負けない、
絶好のフィナーレを飾る光のレッドカーペットじゃないか!
まるで町全体が自分を温かく迎え入れてくれているような錯覚を起こし、
感動のゴールへと続く光の道を最後まで気を抜かずに走り抜けます。
そしてそのネオンの先、少し暗くなっているところが首都高の影。
ということはその真下が、日本橋
そして20:30、なんちゃってキャノンボールGOOOOOOOOOAL〜!!!
大阪を出たのが昼の12:17。
そこから32時間17分、541.23kmの道のりを制覇です!
みんなの熱い後押しがあったからこそ完走できたと思います。
みんなありがとね〜。お疲れ様〜!


日本橋でゴール!


さて、ゴールの感慨もひとしおですが、あまりのんびりしている余裕はない。
写真を数枚だけ撮ってすぐにマシンにまたがり、東京駅へ。
途中ローソンで、水分とおにぎり、それからギャツビーの汗ふきシートを購入。
買い物も含めて10分ほどで東京駅到着。
大急ぎでマシンをばらし、ミドリの窓口へ飛び込んだのが20:50。
時間的には最終まで3本ある。おにぎりをぱくつきながら列に並ぶ。
受付のお姉さんにでかい輪行を最後尾の座席の裏に置きたいので、
できるだけ車両の最後尾で空いているのを検索してもらう。
と、その条件だと最終で1席だけ、後ろから2列目確保できるというので
最終でお願いする。
わずかばかりですが時間の余裕があったので、
これまたわずかの所持金で家への土産と、弁当を買う。
弁当はさすがに残っているものが少なく、
東京まで来て結局焼鯖寿司。まあ大好物なんでいいけどね。
あとはあえてノンアルビール。この状況で飲んだら確実に意識失うので。
なんだかんだバタバタし、最後列のスペース確保のため10分前にホームへ。
一番乗りで場所確保し、座席で一息つく。


↓焼鯖寿司で一杯(でもノンアル)


まずは他の乗客が入ってくる前に、汗ふきシート全部を使って体を拭けるだけ拭く。
それから本当にガス欠だったので、焼鯖めしをがっつく。
胃袋が落ち着いたところで、ようやくみんなに無事完走・新幹線に乗った連絡を入れる。
みんな連絡が来ないことに気が気でなかったようで、ご心配おかけしました。
でもいっぱいいっぱいだったのでお許しを。
で、新大阪まで仮眠をとる前にまだ気になることが一つ。
そうです。
自分に出会って、ノンストップで東京まで走りぬくことを決めたドルクス君である。
自分は無事に走り終えたが、彼はまだライドの真っただ中だ。
さすがに箱根は越えているであろうが、今どの辺を走っているのかかなり心配である。
メールを入れてみると、すぐに返信。
どうも自分が一番てこずった藤沢からの魔のゾーンに突入したらしく、
えげつない車の渋滞に半泣き状態のようだ。
自分と同じようにBPにはまってしまったようで軽いパニック状態。
現在地を見失いヘルプを求めてきたので、とりあえず最寄りの交差点名をメールさせる。
すると柏尾小学校の辺りだと帰ってくる。
と言われても、すぐには場所が特定できない。
手持ちの地図を必死に見まわし、どうにか彼の現在地が判明。
とりあえず戸塚は通過しているようなので、最大の難所は抜けている。
どこかR1以外に迂回路がないのかと聞かれるが、もう保土ヶ谷まではR1で我慢でいくしかないと伝える。
保土ヶ谷まで行けばR1も幅広になり、走りやすくなるからがんばれと告げる。
そこからは次メールがいつ入るのか気になって眠ることができない。
メンバーからのねぎらいのメールを見ながらとりあえず絶対安静。
浜松を抜けることにようやく、横浜まで到達したとのメール。
そこからはなんとかR15(第一京浜)に入り、そこからはひたすらその道をトレースせよとアドバイスする。
さすがに名古屋を過ぎてからは意識なく、気付いたら京都を出発するところでした。
あわてて降りる支度をし、新大阪着が23:45。
ヘトッヘトの体で重い輪行をひきずりながら東改札を出て、再びマシンをセッティングして家まで自走。
このわずか5km程度が死ぬほどつらかった。
無事に帰宅し、まずは熱っついシャワーをたっぷり浴びる。
そして本物のビールをが〜っと流し込んでバタンQ。
翌日ドルクス君にメールをして無事に到着していることを確認しておく。
ああ、長かった。辛かった。でも楽しかったし、行けてよかったと本当に思いました。
ご清聴ありがとうございました。