記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

大山崎の蛇

京都縦貫道開通によってさらに巨大化してカオスと化した大山崎JCT
ジャンクションの間を新幹線が走り抜けていくという
おいしいシチュエーションです。








こういう無機質な景観の写真は、ナチュラルな仕上げより、
露骨なくらいコントラストや色合いを利かせた方が、
異質な感じがしていいなと思います。
ただ、普段の自分の写真の作風は
こんな無機質な感じと全然違うんですけどね。
昔グループ展とかしていたころの写真、全部ネガやらポジやらなのです。
全部デジタル化するなんて気の遠くなるような作業は嫌だしなあ…
こういう産業遺産の写真は、被写体の主張がはっきりわかりやすいので
露光とかそういうテクニック的な決まり事さえ守っていれば
簡単に撮影できます。
もちろん、腕の良しあしも多少は影響しますが、
デジタルだから色々試して撮りまくっていれば1枚くらいはカタチにできます。
でも自分の中では写真は構図が命だと思っています。
何気ない日常の1シーンの声なき声を拾うこと。
日頃素通りしてしまっているが確かにそこに息づいている1コマ1コマを
いかに見つけ出すかだと思います。
そう考えると、アナログな時代は一撮必殺、1枚1枚が勝負で、
色々なところにアンテナを張って、上から眺めたり、下から覗いたり、
被写体に必死に向き合っていたような気がします。
デジタルの時代になって、そういう世界の隅っこを除く視力というか、
嗅覚というか、確実に衰えたなあと思う今日この頃。