記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

なんちゃってキャノンボール2017 ズッコケ三人組

夏、久々に再会したROADYASAIさんが、酒の席で放った一言
「一度arkibitoさんと東京ー大阪を走るのが夢なんですよ!」
それがすべての始まりでした。
元々うめさんとは、いつか一緒にやってみたいねという話をしていたのだが、
スケジュールも含めて、なかなか踏ん切りがつかずに棚上げになっていた。
だが、その一言はきっと、今こそ踏み出すチャンスなんじゃないかと
3人で大盛り上がり。
早速、決行日を11月初旬の連休と決めて、
夏場からプランニングや、トレーニングを少しずつやってきました。


自分はロングライドを主戦場としていて、
東京-大阪は西向き東向きあわせて4回成功させている。
さすがにホンモノのキャノンボーラーのように24時間以内は無理だが
32時間でならゴールしたこともある。
でも、すでに自転車をメインに活動していたのは4年も前の話で
最近ぼちぼちと復帰してはいるが、
いきなりそんな大プロジェクトできるんかいねえと不安満載。
2人とは以前にFlesheでご一緒して、その時も500km近い長丁場だったが、
それほど超ロングの経験がないので、
どうにか無理のないスケジュールを組んで、
速さではなく確実に安全に走りきることを最優先したプランを練る。
アスリート的な走りではなくブルべ的な走りで、
連休目いっぱいかけていけば完走できるだろう。
そうなれば、無理に不眠不休で夜通し走る必要もないので、
全行程の約600kmを半分に割って、
1日目は浜松で宿泊することにして、
ええ感じのゲストハウスを見つけて予約ボタンをポチ。
これでもう後戻りできません!!
あとは、おそろジャージはさすがに無理でも、
なにか連帯を示すものがあればと思って、今回もやはり工作。
記念バッジをば。


↓記念バッジ


そしていよいよ本番。
木曜日の仕事終わりで東京へ向かいます。
みなで合わせて同じ新幹線で東京入りをして、駅で合流。
組み立てと準備をして0時ジャストにスタート。
この連休は降らない予報だったはずが、
いきなりポツポツ。
銀座を抜け、品川を通過するころには本格的な土砂降り。
のっけからどえらい洗礼。
雨男ががっつり本領発揮。うめさんコラァ〜!!
普通なら家から一歩も出ないレベルの雨ながら、
3人ともテンションが上がっているし、
もう東京に来てしまって新幹線もない時間帯という背水の陣で
ひたすら前進あるのみ。
横浜〜保土ヶ谷〜戸塚〜藤沢と、相模の丘陵地を抜ける。
この一帯は首都圏の中でも大渋滞のメッカなので、
交通量が一番少ない深夜帯に抜けられるようにプランニングしたので、
問題なく通過して、茅ヶ崎海岸からはいよいよ湘南ライド!
といっても真っ暗闇なので、海も何もなく、
ひたすらにストレートな道を進みます。
平塚のあたりで、ようやく、ようやく雨が止みましたが、
70kmほぼ土砂降りで時すでに遅し。
3人ともウェアも荷物もずぶ濡れDEATH@@@
小田原に到着したのが5時ごろ。
雨のせいですでに50分ほど予定より遅れてしまいました。


↓0時日本橋


小田原で十分休息を取ったら、
今回のライドの最大最強ボス、箱根越えが待ち受けます。
いくつかルートはありますが、
今回はオーソドックスにR1をトレースしていきます。
正月の箱根駅伝のコース。
箱根湯本までは緩やかで、そこから徐々に斜度が上がる。
まずは太平台の名物ヘアピンを抜けて宮の下。
ここまで雨とナイトランの影響で
グロッキー状態だった野菜さんが出遅れて心配したのだが、
登りに入ると、スイッチが入ったようで、
飛ぶ鳥を落とす勢いで登って完全復活!!
Oh!ベジタブル!!
富士屋さんのところで小休止後、小湧谷までの激登。
ここで自分は脈が飛んでしまって、
2人にはご迷惑をおかけしました@@
そこからえっちらおっちらと登って、
今回のルートで最も標高の高い874m地点にとうちゃこ。
ガンバッタ!!


国道1号最高地点


そこから、朝霧でホワイトアウト気味のダウンヒル芦ノ湖まで。
標高の高さと、朝の底冷えで、気温が4℃とかで、
ウェア、シューズ、グローブもまだオクに乾いていないので
とにかく激寒@@@@
死んじゃうよ〜
とりあえずコンビニで暖を取り、
休息を済ませたら、箱根峠までひと上り。
ここからいよいよ、長い長い長〜〜〜〜〜〜〜〜い静岡が始まります。


↓箱根峠


そこからは一転して約15kmにもわたるダウンヒル
しかも天下の国1は交通量が激しいうえに、
大型トレーラーや観光バスもバンバン。
そして見晴らしの良い下りでみな気分良く飛ばしていて、
路肩を走る我々にとっては恐怖そのもの。
風によって煽られるマシンを
どうにかこうにか押し付けるようにして下っていくが、
前日の雨でどっぷり濡れたブレーキシューの効きはすこぶる悪く、
意図しない形でどんどん加速しながら、
まるで奈落へと落ちていくような感覚。
全く生きた心地がしません。
とりあえず3人そろって走るのは危険なので、
車間を十分に、各々のペースで下り、
途中途中でブレイクを挟みながら、
どうにかこうにか三島へ下りきった時には、
もうハンドルを握る手や腕はバキバキ、
強烈な風を浴びて前進ひやひやで満身創痍@@@
立て直しを図るために、
事前リサーチしていた極楽湯さんで休憩タイム。


↓恐怖のダウンヒル@@


温泉にどっぷりつかって、復活を果たした一行は、一路西へ。
絵にかいたような日本晴れに富士山という
これ以上ないシチュエーションながら、
肝心の富士山はボウズ。でも、それもまあレアでよいか。
それにしても太陽さんが張り切り過ぎて、日差しがあまりにも強く、
暑さバテのようになる。
ついさっき、箱根のお山の上にいた時は、
寒さに死ぬ思いをしていたはずなのに!!
自然の無慈悲さと、ニッポンの国の豊かさを感じつつも、
じゃんじゃんウェアを脱いで、ガンガン肌を焼きながら、
駿河湾をなぞっていきます。
で、富士川の手前の道の駅で????
いやあ、今回野菜さんはいろんな伝説作ってくれます。


新富士川大橋よりボウズ富士


新富士川大橋を渡り、裏道を抜けて由比宿へ。
今回は東海道をなぞっていくような形なので、
いくつもの宿場町を抜けていくことになりました。
1つ1つを丁寧に見て回ったり、見学したりはできませんでしたが、
歴史の香りをほのかに感じつつ。
そうして、このコースのハイライトの一つである、
由比ヶ浜のダートコースへ。
由比〜興津の間は、険しい山肌が駿河湾と直接ぶつかる難所で、
極めて狭い平地に、新幹線、東海道本線
東名高速、R1がひしめきあっています。
よく、新幹線の右側の窓から唯一富士山が見えるスポットとして、
よくメディアとかでも取り上げらえる場所ですが、
主要な交通手段のルート確保に対して、
自転車道は本当に肩身が狭く、
この区間は、国道の荒れた路肩はもちろん、
駐車場のダート、防波堤のヘリなど、
およそ道と言い難いようなところも
太平洋岸自転車道正規ルートとして設けられています。
そこを抜ける途中で、少しだけわきへ入って、小休止。
駿河湾越しに見る富士山を愛でます。


↓ズッコケ3人組


↓由比海岸


お昼寝の誘惑を振り切ってどうにかリスタートしたら、
そこからはお昼の静岡おでんの誘惑に
色めき立った野菜さんの強力な牽きがスタート!
清水からのR1をあっという間にクリアして静岡市街にイン。
ちょこちょこぬけて、
静岡のなじみの店「おがわ」にておでんにありつきました。


↓おがわでしぞーかおでん


ここから浜松までは80km。
日没までにどれだけ稼げるかの勝負になってきました。
まずは静岡から藤枝へ抜けるために宇津ノ谷の峠越え。
ここはR1の側道で、
大動脈のエキゾースト音鳴り響くトンネルを聞きながらクリア。
夕暮れの帰りを急ぐ車で渋滞気味の藤枝、島田の市街地を抜けて
いよいよ大井川を渡りますが、そのころにはもうあたりは真っ暗。
2回目のナイトランへ突入は、金谷の丘越え。
ここもなかなかの斜度があって大変でしたが、どうにかこうにか。
そして掛川へ入る長めのダウンヒルは慎重に慎重に。
掛川〜袋井〜磐田のあたりは、R1のバイパス化が激しく、
ことごとく迂回を強いられます。
また丘陵地のために、そこそこアップダウンを繰り返す。
日も暮れ、消耗も激しく、徐々に口数が少なくなり、
ペースも落としながらも、ようやく天竜川を渡ります。
そこから浜松市街へは向かわず、
助信駅近くのゲストハウス365BASEさんへ。
なかなかおしゃれで使い勝手の良いところを見つけました。
これはよい。
荷物を整理したり身支度を整えたら、
近くの焼き鳥屋さんで小宴。我慢してたビールがおいちー!!
それほど馬鹿呑みしたわけじゃないけど、
疲労のために酔いが早く、ヘロンヘロンのまま宿へ。
翌日の準備もままならないままに、寝落ちしてしまいました。


↓浜松は助信にあるゲストハウス365BASE


翌朝、奇跡的に時間通りに起床。
お天気も引き続き良い感じ。
3人とも前日のダメージを引きずりながらも、
元気よく2日目をスタート。
朝イチからうめさんの強力な牽きで浜松を抜け、
松並木の美しい旧街道を進めば、浜名湖が目の前に広がります。
すっばらしい朝だ!!


浜名湖弁天島


そこから野菜さんのリードで西へ西へ。
本日一発目の登りである潮見坂をクリアすれば、
その先で念願の標識が!
そうです!いよいよ静岡とおサラバです!長かった!


↓アディオス!静岡


そこからR1に乗って進んでいくと、
もう1つ今回のルートでは外せないスポットにたどり着きます。
豊橋の手前の二川にあるボウリング場です。
ここはある意味でローディー、ロングライダーの聖地なのです。
なぜならこのボウリング場の名前が「キャノンボール」なのです。
1981年に上映された『キャノンボール』という映画があって、
北米大陸を車でどのくらい速くで横断できるかという
カーアクションなのですが、
そこから大陸横断的なドライブや旅のことを
キャノンボールと称することが一般的になり、
自転車のロングライドでもそれをもじって、
キャノボというようになりました。
その言葉を店名としているわけですが、もう一つミラクルがあって、
この店が立っているのが、
まさに東京〜大阪のほぼ中間地点にあるのです!!
おそらく、店の人はそんなことを知らないだろうと思いますが、
そういうわけで、”キャノンボーラー”は
ほぼ間違いなくここで記念撮影をします。
もちろんわれわれもパチリパチリ。


↓CannonBowl? YES! CannonBall!!


さあ、しかし、ここでようやく半分の道のりです@@@
気合を入れて前進あるのみなのですが、
ここからはひたすらにR1をトレースしていかねばなりません。
そしてこの区間最大の敵は、車です。
いわゆる”名古屋走り”と恐れられるやつです。
恐ろしくクイックに、しかも予想以上に接近して幅寄せをしてくる車に、
エキゾーストを遠慮なく響かせる輩、
うんうんと悪魔の唸り声のような重低音を出しながら、
巨体を震わせる様々な種類の工業用のトラックやトレーラーに恐怖しながら
必死で進みます。


豊橋の先で、運よく裏道を発見し、
本宿の登りをうまくやり過ごして、岡崎。
そこから、降らないはずの雨がやってきて、
強烈な向かい風に悩まされました。
それでも安城知立と順調に距離を伸ばしていた一行ですが、
豊明を過ぎたところの登りで、野菜さんにメカトラ発生。
どうも妙な異音がリアから発生し、変速も満足にできない状況。
桶狭間の手前のところにあったサイクルあさひに緊急ピットイン。
応急処置としてオイル注入をしましたが、症状は改善せず。
とりあえず行けるところまで騙し騙し行くしかありません。


名古屋市街へと突入していくほど、
トラフィックの困難さは過酷さを増し、
2度ほど、危険なダンプの幅寄せもあり、緊迫する時間帯。
松田橋で北進から西進に進路を変え、
熱田神宮を過ぎたところでお昼ご飯タイムで立て直しを図ります。
そこからは、ひたすらR1がストレートで続いていきますが、
広大な濃尾平野に流れ込む幾多の川を越えるたびに、
細かい橋のアップダウンの応酬。
弥富を過ぎて、尾張大橋を抜ければ、
ほんの一瞬だけ三重県に突入します。


東京-大阪のキャノンボールのルートといえば、いくつかあって、
このままR1をトレースして、
四日市鈴鹿〜亀山を経て鈴鹿峠を越えるルートや、
亀山の先でR1と別れて
国道25号でイシバシダート〜伊賀上野に出て、
R163でダイレクトに大阪を目指す山間ルートなどがあるが、
今回は長島で右折をして北上し、
鈴鹿山脈を大きく北へ迂回するルートを取ります。
このコースを選択したのにはもちろん理由があって、
まずは距離は伸びますが本格的なヒルクライムを回避できることです。
新幹線や高速など主要な交通網がそちらを通っているのも、
立ちはだかる山脈の一番弱点を突いているからです。
そして、このコースは3人ともFlesheの時に実走済みであるということ。
全く見慣れぬ、先の読めないルートと、
一度走って既視感のあるルートでは精神的な負担が全然違います。
ライドも終盤に差し掛かる段階で、
ここまで来たらゴールまでなんとか行けそうという
希望が持てるのは、ちょっとしたことだけど大きいのです。
そして、もう1つの理由としては、
先の2ルートで万一何かあったりリタイアを余儀なくされた場合に、
山間部では身動きが取れなくなってしまいます。
こういった超ロングやブルべでのリタイア率は当然終盤に高くなります。
このルートの場合なら、万一でも米原から新快速1本で帰れるし、
米原、箱根、近江八幡と比較的大きな町を通るので
リカバリーも十分できるという安心感があります。
あくまで今回は速さを競うのではなく、
確実に完走するということが目標ですから、
その最善の策を打ったわけです。


長島でR1に長い別れを告げて、北進を始めると、
強烈な向かい風が猛威を振るい始めます。
この一帯は木曽川長良川揖斐川木曽三川にはさまれた
輪中と呼ばれる広大な低地の田園地帯で、
その風を遮る高い遮蔽物が一切ない吹きっさらし。
完全なノーガードで容赦なく浴びせかけられる風に、
ノックダウン寸前です。
このあたりから野菜さんがどんどん遅れ始めて、
ライドに黄色信号が灯りますが、とりあえず頑張れるだけ頑張る。
この一帯ではFlesheの際に苦い思い出があるのですが、
今回もまた、どえりゃ〜長い長い道のりで、
ようやくたどり着いたのが、
地元で”おちょぼさん”の名で親しまれている千代保稲荷神社。
伏見稲荷豊川稲荷と並ぶ日本三大稲荷とされていて、
年間200万人以上が訪れる東海随一の観光スポットでもあります。
ここでお参りを済ませ、お目当ての名物グルメにありつきます。
おちょぼさん名物といえば、やはり玉家の串カツとどて!
到着したのがすでに17時を回っていて閉店が近かったこともあり、
イートインではなく、店頭立ち食いで。
ウマァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜。


↓おちょぼさんこと千代保神社(日本三大稲荷)


↓おちょぼさん名物といえば玉家の串カツとどて!


絶品グルメで心も体もリフレッシュをしたら、
次に目指すは天下分け目の関ケ原
ここから3回目のナイトランに突入していきます。
引き続き広大な輪中の中を進み、福束大橋で最後の揖斐川を渡り、
養老の集落へ突入していきます。


山間部に入る手前で防寒準備もかねて休憩を入れたところで、
野菜さんがリタイア宣言されました。
やはりメカトラが改善せず、
ハンデを負った状態で走り続けるのは負担が大きすぎて、
メンタル的にも限界が来てしまったようです。
ここまでともに走ってきた仲間を失うのは極めて残念なことですが、
キャノンボールは誰でも完走できるような
甘っちょろいものではないというのもまた事実。
たくさんの人が挑戦をして、たくさんの人が涙を呑んできました。
それよりも、冷静に自分の状況を把握し、
事故や大きなトラブルに発展する前に、
自らリタイアする決断を下した野菜さんの勇気を讃えたいと思います。
とはいえ、ここで即お別れしても全く置き去りになってしまいますので、
それなりに帰れるポイントまではご一緒します。


リスタート後、牧田川沿いに山中へと進み、
R365に入ると鈍い上り区間
そこをえっちらおっちらやっつけてようやく関ケ原に到達。
時刻はすでに19時を回っています。
ここから国道21号に入り、米原まで抜けます。
柏原までは引き続き上りでヒーハーして、
そこからは緩やかなダウンヒル
気温もみるみる下がって、ダウンヒルで浴びる風がすこぶる冷たい@@
満身創痍の状態で米原にどうにかたどり着いたのが20時ごろでした。
駅に着くと、野菜さんとのお別れ。
もう完全疲労困憊の様子でしたが、
野菜さんなりにやりたいことはできたという
充実感も垣間見れたのでちょっと安心。
もちろん一緒に最後まで行きたかったですが、
完走できずとも野菜さんのタマシイは最後まで連れていきます。
では、さらば!


野菜さんに見送られてリスタートし、
小雨が降る中、引き続き前進します。
彦根でいったん立て直しと本格的な補給ということでピットイン。
ここで今後の作戦会議。
当初の予定では、トラフィックの安全性を考えて
湖岸道路を行くことにしていましたが、
それでは大きく回り込んで距離が延びるし、湖の風をもろに受けてしまう。
予定時間を大きく過ぎていてトラフィックはそれほど影響がないし、
より安全で、ダイレクトに大津方面へ抜けるため、
県道2号を利用するルートに変更することにしました。
この道はこちら方面への遠征では昔からよく使っている道なので、
久しぶりではありましたが、迷うこともなく、
能登川〜安土〜近江八幡野洲〜守山〜草津と抜けていきました。
そうして、ようやく近江大橋を渡って大津にたどり着きます。
ここまでくれば、よく週末に半日ライドで来る射程エリア。
気分的にはずいぶんと楽になってきました。
でも油断するといけませんので、
最後の最後の最後まで、
ここまで積み重ねてきたのと全く同じスタンスで
焦らず淡々と確実にゴールを目指します。


近江大橋


近江大橋を渡り、浜大津から逢坂越えを選択。
長島でお別れして以来、久しぶりにR1に復帰して、
最後の本格的な登りを無事にクリア。
そこから山科へ出たら、外環状道で六地蔵へ。
こんな時間でも何気に交通量は多い。
途中で、また脈が大きく飛んで気分が悪くなったので、
六地蔵で休憩を入れる。
そこから観月橋中書島とつないで、淀の宮前橋から桂川CRへ入る。
そうして御幸橋にとうちゃこ!!!
あと一息!!


御幸橋


御幸橋からはおなじみの県道13号を進んで枚方へ。
ちょちょっと裏道を抜けて再びR1に出て
鳥飼大橋まではそこそこ回す。
その先からは淀川CRに入り、
ゆっくりフィナーレを味わいながら毛馬まで。
そうして市街地を抜けて抜けて、
梅田新道のところにある道路元標でゴール!!!
やりました!やりました!
東京→大阪579kmを、53時間(実走43時間)で走り切りました!!
初っ端の土砂降りに始まって、極寒の箱根越えと恐怖のダウンヒル
灼熱と退屈の静岡地獄に、愛知のトラフィック
岐阜のアゲインストの風に野菜さんの離脱etc.etc.
幾多の逆境に耐えて、遂に遂にたどり着きました。
ひとまずうめさんとがっちりと握手を交わし、
うめさんがせめてもということで、
用意した野菜さんの魂をお供えをして記念撮影。
成仏してください(笑)
すると、見覚えのある方がやってきました。
なんとtrekyさんではないですか!!
わざわざ早朝にお出迎えありがとうございます!


しかし、正直、東京→大阪を完走したという実感や感動よりもまず、
もう走らなくていいんだという解放感と、その油断によって、
全身からみるみると力が抜けていくような感覚に襲われ、
ほろ酔い気分な感じになっていました。ポワポワ〜@@
ひとしきりゴールを味わったら、そこからは岐路に。
trekyさんにうめさんを託して、
ひと足先に自宅へ戻ったのが朝の6:30でした。


↓GOOOOOOOOOOOOAL!!


ということで、概要だけでもこの長文ですが、
各セクションの詳細は例によってぼちぼち。


それにしてもそれにしても、
人と走る、チームで走るのは難しい!
ひっさびさに人と走ったというのもあるし
そもそも自分がソロイスト気質というのもあるけど、
やっぱり三者三様で、走るペースも違えば、
クライマーだったりスプリンターだったり得意分野も違う。
細かく言えば走行ラインの取り方や
信号待ちのタイミングの取り方も違う。
お腹が減るタイミングも、食べたいものも、
眠くなるタイミング、トイレのタイミング、
テンションハイから絶不調に陥るバイオリズムも違う。
誰かがイケイケでも、他がそれに合わせれなかったり。
自分がダメダメだとほかの2人に迷惑かけられないと、
ネガティブなサイクルに入ったり、無理をしてしまったり
ソロならば全部、ある意味気軽に
自分で背負えて、諦めて、怠けられるものもそうはいかない。
そういう違いを違いとして認識しつつ、
チームとしてのバランスを常に取っていかないといけないし、
実際にそうやってうまく間合いを取りつつ走るんだけど、
これほどの長丁場ともなると、
当然疲労や空腹、睡魔や寒さによって
マインドが容赦なく蝕まれるので、
そういう違いを許容できなくなったり、コントロールできなくなったり、
厳しい時間というのは3人とも少なからずあったように思います。
あって当然です。
でも、そういった困難をいかにして乗り越えて
いかにうまくシンクロしていくかというのが
チームで走る醍醐味だと思うし、
実際それを乗り越えて目的地へたどり着いた達成感は
ソロでは味わえない格別のものがありました。
それは自転車だけじゃなく、
音楽でいえば、バンドやアンサンブルズをする時の
あの難しさと一体感といえばわかるかなあ。
色々とこのライドを通じて学ぶことは多かったです。
そして何より、これだけの出来事を実体験として
共有できる相手がいるというのは、
これらの困難を支払ってでも有り余るお釣りがくるほど
幸せなことだと実感しています。
そしてこのトリオなら、まだまだ色々やれそうな予感がしています。
熱い好奇心と奇想天外な面白さでチームを盛り上げてくれた野菜さん、
抜群の安定感と力強さでけん引してくれたうめさん、
お疲れ様でした!そしてありがとう!


<1日目 第1区間: 東京〜三島 128.3km/1282m>
◎新幹線 新大阪⇒東京 20:13⇒22:50
0:00日本橋⇒0:25品川⇒0:50六郷橋⇒1:45横浜⇒
2:00保土ヶ谷2:30⇒2:50戸塚⇒3:15藤沢⇒5:00小田原5:30⇒
6:00箱根湯本⇒6:30宮ノ下6:40⇒7:00小涌谷
7:40国道1号最高地点⇒7:50元箱根8:15⇒8:30箱根峠8:40⇒
9:15三島⇒9:35極楽湯
極楽湯にて小休止



<1日目 第2区間: 三島〜浜松 136.3km/370m>
10:30三島(極楽湯)⇒12:40新富士川橋⇒13:05由比⇒
13:20由比海岸13:40⇒14:50静岡(おがわで休憩)15:20⇒
16:20平成宇津ノ谷TN⇒17:50大井川橋⇒
18:30掛川城⇒20:08天竜川橋⇒20:40浜松
◎助松の365BASEにて宿泊



<2日目 第3区間: 浜松〜おちょぼさん 145.8km/281m>
◎5:30起床
6:15助信⇒7:30弁天島⇒8:00潮見坂⇒8:40二川CB8:50⇒
9:10豊川⇒10:45本宿⇒11:15岡崎城⇒13:00桶狭間
14:00熱田神宮⇒15:25尾張大橋⇒
16:00木曽三川公園(水と緑の展望タワー)⇒16:55おちょぼさん
◎おちょぼさんにて小休止



<2日目 第4区間: おちょぼさん〜大阪 167.6km/344m>
17:25おちょぼさん⇒18:00福束大橋⇒19:20関ケ原
20:20米原20:30⇒21:00彦根21:50⇒
0:50近江大橋⇒1:15浜大津⇒1:25逢坂⇒
3:25御幸橋⇒3:40樟葉⇒5:30梅田新道



<総合計>
走行距離:579km
獲得標高:2277m
TOTAL:1186.25km