記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

ドカ雨

土曜日。なぜだかやる気が出ない。
午前中はただダラダラして過ごす。
2日前からOPP(おなかピーピー)であまり力も出ない。
これじゃいかんなと昼にようやく出発。
後で思うと午前から出ていれば悪夢に遭遇することもなかったのだが・・・。


とりあえず今日はTTをこなしながら、るり渓まで足を延ばしてみよう。
いつもの関大前〜小野原ルートで西田橋へ。
OPPの脅威は収まらない。平坦でもお腹に力が入らずペースが上がらない。
勝尾寺TTスタート。


いつもスタートから飛ばしすぎて後半で足が切れるので、
今日は抑え目にスタート。
すでに暑い。浄水場あたりからのにわかにきつくなるところも
無理せず気張らずにこなす。
とはいってももちろんアウター縛り。
先週の高野山での17kmアウター縛りの成功で、10%くらいまでなら
なんとかアウターで行けるようになった。(遅いけど)
三叉路を抜け、ようやくペースアップ。
すると前方で右へ左へフラ〜フラ〜と上っているクロス。
残り1kmでスパートの予定で温存していたし、
ぶつからない意味も込めて一気に追い抜くと、
後ろから「は、早い〜」って、全然早くないですよ。
「すいません。ついていけるだけ後ろつかせてもらっていいですか?」
と必死の声がするので、「僕でよかったら全然構わないですよ」
と声をかける。
オーラスの急坂もペースを落とさずゴール。
17:22。
自己ベスト更新だが、まだまだいけるはず。
例えばもっと涼しい時間帯。


日陰で休憩をしていると先ほどのクロスがのぼってくる。
僕よりも少し年上?の男性で枚方から1年ぶりに勝尾寺に来たそう。
日頃は淀川のサイクリングロードメインらしいので、上りは苦手らしい。
しばしの談笑後、箕面方面へ先導。
途中の分岐でさよならをして、高山方面へ向かう。


いつもスルー、もしくは逆の天狗岩TTでチャンスの少ない
北摂霊園TTに寄り道。
一番最初に来た時は10%表示が恐ろしく感じたものだ。
11:32
軽めに上ったので自己ベストは更新ならず。でも次はいけそう。


高山を下って、金石橋から問題の妙見山
もうここいらでは日差しが強くてとにかく暑い。
ダラダラと序盤の上りをこなし、下りではうまくスピードに乗れた。
ラストのザラザラ急坂も踏み込む。
32:00。
一時のペースに比べれば、徐々にペースも戻りつつある。
目指せ自己ベスト。


ここから野間峠〜野間中まで一気に下る。
西の空は徐々に黒い雲が増えてきている。
でも西日も差しているしきっと天気は持つだろうと、ひたすらR477北上。
でもだんだん空模様が怪しくなってくる・・・
R372の手前で、コミュニティーバスの通る道に入り、八田に到着。
この辺りからついに雨が降り出す。
引き返すといっても結局同じなのでるり峡TTスタート。


スタートしたはいいが、雨脚はどんどん強くなる一方。
この間の高野山の比じゃない。眼鏡が曇って前がよく見えない。
好タイムうんぬんではなく、ただ早く戻らねばとペースを上げるが、
雨水が流れとなって道にあふれてくる。
なんとかるり渓温泉まで到着。
28:09
正直ルートも全く頭に入ってないし、リベンジが必要だな。


そこからはもう逃げの一手。
前がよく見えず、迷子になると困るので、R477を目指す。
雨雲が少しでも切れている部分をと思い、大路次川沿いに東へ。
R477に合流したころには少し雨も収まる。
その間に少しでも距離を稼ごうとひたすら飛ばす。
びっしょびしょでとにかく寒い!
眼鏡をぬぐっても水は落ちず、曇るばかり。
それでもひたすら前進。


なんとか野間中まではやってきた。信号待ちの間にルートを思案。
ここから野間峠を越えていくのか。
それともまずはふもとの池田まで直進するか。
悩んでいるうちに、さっきの鉄砲雨の2倍の雨が降ってきた!
そしてとどろく雷鳴。ひえ〜。
野間峠方面の道からは続々と水が押し寄せてきている!
こんな状況であの峠は非常に危険だと判断。
とはいえ、池田までも細かいヒルトップをいくつも越えなければいけない。
果たして帰れるのか?
スタートして一つ目ののぼりの手前で
雨宿りをしてカッパを着込んでいるローディーさん発見。
こちらとしてはもう止まったらお終いの覚悟でスタートしたので
さっと手で挨拶して通過。
上りの途中で少し後ろを振り合えると後を追ってきている。
今思えば、合流して2人で合図を送って危険を回避しながら走ればよかった。
でもそのときはとにかく下山最優先の頭でパニくっていたので仕方なかった。
後ろの人もがんばって!と念じながら今までにないくらいスパート。
雷が近い。雨はまだしも落雷だけはやめてくれと叫ぶ。
雨はもう粒がでかすぎて、目が開けられない。
そして車が遠慮なく水溜りのしぶきをかけてくる。
上から下からの水攻め。
道と平行して流れる川は濁流となってあふれそうになっている。
ヤバイヤバイ。ここで取り残されたらもう帰れない。
必死にペダリングをして一つ目の上りを越える。


問題は下りだった。
普段下りではあえてあまりスピードを出さないのだが、
この状況で40〜50km近くで一気に抜けようとがんばっていたのだが、
水溜りがあまりに深いため、ブレーキが利かない!
ハイドロ〜。
何度かバランスを崩しながら、可能な限りの腕力でフルブレーキングを続け
ペースを30km近くまで落とて、安全運転を心がける。
それでも側溝のフタやマンホール、道路上に書き込まれたライン部分など
路面状況が変化する所で何度か足をとられそうになる。
あれでこけたら取り返しのつかない事態になるのは間違いない。


何度かの上り下りをこなし、けやき台に突入。
ここからは車が多くなる。
このあたりからようやく普通の大雨の状況。
前方が見づらいからだろうけど、後ろの車がなかなか追い抜いてくれず
後ろにずっと付かれてしまう。
ちょっとスリップしたらそく轢かれてジ・エンドなので、
先に行くように何度も手で合図。


問題のR173に合流。ここからは半端なく交通量が増える。
能勢・猪名川の奥地から下界へ下る唯一の大動脈。
周辺の新興住宅地の車が押し寄せ押し寄せ、もっとも嫌いな道。
天気の状況は徐々によくなるものの、路肩を慎重に走るのは大変。
我慢の走行でようやく池田に到着。
商店街の入り口でようやくストップ。
るり渓から休憩なしのノンストップ。
寒さと緊張と恐怖で硬直した体の震えが止まらなかった。
思ったとおり途中で雨宿りなどしようものなら、
同じ状態になって自走して帰れなかったはず。


家に連絡と、しばしの休憩・補給。
封をあけていないSOYJOYがなぜか濡れてびしょびしょ?why?
リュックの荷物、財布の中身(お札)までずぶ濡れ状態。
再スタート時には雨はやみ、余計なコースも考えずR176で直帰。
本当に雨はいやだ。


走行距離:102.72km
TOTAL:2861.2km