記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

曽爾高原バースデーライド 往路編

今年も残りわずか。そろそろオーバーホールに出す予定なので
それまでに少しでも年間走行距離を稼ぎたい。
誕生日なのに丸一日家をあけるわけにも行かないので、
午後イチくらいには帰宅できるところ、大体200kmくらいの範囲で目的地を探す。
ちょうどタイムリーな季節だし、山岳エリアがよかったので曽爾高原へ。
日付変わってすぐに出動の準備。
天気予報を見ると、到着時刻までには雨は止む感じ。
そっち方面は3:30〜4:30くらいにちょっと降りそうな感じだったが、覚悟の上。
0:30出動。
今日は思ったほど寒さを感じないが、天気の移り変わりが早く風がキツイ。
今日は上りが多いコースなのでゲロゲロになるまでは上げずのんびり行くつもり。
城北運河をゆっくりめに走り、緑からR163。寺方で曲がって第2京阪といういつものルート。
中野ランプに到着。今日は随分着込んでいるし、
ペースを上げすぎて汗かくと下りが辛くなるので自重してスタートするが、
2個目の信号くらいから徐々にペースが上がる(若干の追い風)。
新しくなったラブホに次々と車が入っていく。何かいかがわしいパーティーでもあるのか?
シッティング縛りで上りきる。一応タイムは13:44。
上で止まって休んだら絶対冷えるので、まだ体がカッカしているうちにダラダラと下る。
高山大橋で右折し、県道7号へ。緩やかな下りでスピードが出るはずが向かい風。
2:00すぎぐらいに大和郡山を通過。大和中央道に入る。
本当はここから大和川CRで桜井を目指すつもりだったが、よく考えたら真っ暗闇。
この時間は交通量も少ないし、外灯が多い幹線道路でいくことに。
ということで大和小泉R25に入り東進。天理市街は県道51号で抜けて、
最終的にR169ルート。最短ではないし、山際なので微妙なアップダウンがあるのだが、
道をロストしないことを優先。
ただ、この道、この時間、やったら暴走バイクの集団や、
若い兄ちゃんの乗ったいかにもなクルマが頻繁に走っていて、
すれ違いざまに意味不明な大声出されたり、バンバンクラクションならしたり、
幅寄せしてきたり、全く落ち着くことがなかった。
お前らヒマか、家かえって寝ろ。
そんなこんなで三輪までやってきたのが、3:00すぎ。
予報どおりちょっと小雨が振り出してくる。
そんなに気になるほどではないが、ちょうど腹も減ったのですき家エスケープ。
で、食べて出てきたらぴったり雨は止んでいる。


↓R169から二上山方面を望む


さてさてここから本格的な山岳地帯へ突入。
外山からR166に入り、忍阪東でいったんストップ。
上着を脱ごうかと思ったが、寒すぎてそんな勇気でず。
序盤は緩斜面。無理せずに進む。で、登坂車線登場で斜度が上がる。
暗くて先が見えないので昼間上るよりは絶望感はないが、やっぱりしんどい。
上の交差点のゼブラーゾーンに潜むアイキャットの地雷を慎重に避け左折。
分岐を右へ巻いて、軽くスパート。真っ暗すぎ!
宇陀市の標識でゴール。20:02。
ええタイム出るわけなし。
TTするつもりはなかったんだけどなあ。で、汗びっしょりで榛原へ下る。
疲れてしまったのと、これ以降コンビニが一切ないので、一旦休憩。
補給をしつつ、今日明日香HCに出場するkurubiさんにモーニングメール入れる。
何処におんねん!と鋭いツッコミが帰ってきたので、今日はやってくれることでしょう。


↓榛原の分岐


はてさて榛原の分岐にやってきました。
まだまだ夜明けまで3時間あるので、安パイで行くならR165。
外灯の数も多いし、交通量もまだ少ない。そしてブルベで夜間走行済みだし。
しかしそれはそれ、せっかく冒険に出ているのだし、
恐らくR165に比べて暗くて険しいがあえてのR369へ右折。
曽爾村まであと約20km。
序盤はポチポチと集落があり、家の明かりがわずかながらにもあって心強いが、
集落間が真っ暗で怖い怖い。1人はとても心細い。
上り基調ながらも金剛RWのところのようなユルさでひょこひょこ上る。
最後の民家を過ぎると余計に暗さが増し、左右の森がガサゴソやかましい・・・
一番怖いのは突然のシカの乱入や、野犬のチェイス
完全にビビリながら、シャカシャカ大急ぎで回す。
そのおかげか寒さはあまり感じないが、とにかく心細いのなんの。
早く明かりのあるところへ!
徐々に勾配が上がってきているのがわかる感じになり、
ダンシングも交えながら孤軍奮闘していると、目の前にでっかいトンネルが現れる。
交通量少ないしそのまま行ってもよかったのだが、律儀に旧道の方へ。
全く何も見えませんがな。そして一山越えると途端に寒さが厳しくなってくる。
指先が冷たい。
で、一旦本線に戻ってきて、再びでっかい栂坂トンネルを横切って、
旧道で漆黒の栂坂峠を目指す。
本線よりも道幅が狭く、黒い森のカタマリが近いので余計不気味。
寒いよ〜狭いよ〜怖いよ〜と面堂終太郎状態。
こんなところ来るんじゃなかった〜と泣きべそをかきながら
とにかく長居無用なのでダンシングでひたすら攻める。
そのうち曽爾村の看板でトップ通過、写真撮ってみたが真っ暗で使い物にならん。
ウィンブレを着込んで、そこから一転下りだが、この下りがまたツライ。
とにかく寒い。暗くて先が見えずらいし、突然の乱入者に備えてゆるゆる下る。
しばらく進むと掛の集落の信号で松阪方面との分岐を直進。
5:40、ようやく曽爾村にやってきました。
あまりに寒いので村役場の近くで缶コーヒーで暖を取っていると、
わずかながらに空が白み始めた。
あの厳しかった夜がもうじき明ける。
少し進んで曽爾高原の入り口に当たる太良路橋に到着。


さあ、目的地まで残すところ、この橋から始まる約4.1km、平均7.6%の上りのみ。
ちょうどいいコースなのでTTします。(やるんかい!)
橋を渡ってしばらくは緩い上りで、狭小な山道。
前日の雨のせいで路面はウェットで、道の上には多量の枝や枯葉が散乱しててスリッピー。
変なものを踏んで転倒したりパンクしないように慎重に上る。
少し斜度が急になりそこを上ると、ぐる〜っと大きく右へヘアピン。
そこを通過するとファームガーデンとお亀の湯の前に出る。
そのくらいから徐々に朝が開けて明るくなってくる。
ここからは道幅も広くなり快適そのもの。
この時期なら高原の入り口までこの辺からすでに大渋滞が始まるのだが、
今日は人っ子一人いない。
そこからしばらく緩急をつけながらも上りは続く。
何度も蛇行を繰り返すのだが、ヘアピンに差し掛かる手前に来るたびに斜度が跳ね上がる。
青少年自然の家の前を通過すると、よりいっそう斜度が厳しくなり最後の直線。
上りきった分岐を左へ折れ、さらにちょっと上って駐車場の前でゴール。
20:32。


↓ここから約4kmの上り


↓ここからは下り時に撮影したコース


↓何度か蛇行を繰り返しながら上る。奥の黄色い斜面が目的地。


↓この辺が一番斜度がきつく感じる


↓青少年の家の付近。一旦斜度が緩む


↓ここを左折し、残り50mほど


↓ここがゴールの駐車場前


さあ!ついにやってきました曽爾高原!
ジャストタイムで朝も明け視界良好♪
当然誰一人おらず、独り占めです。
さすがにぬかるんだ泥道をビンディングで上まで行くのは無理なので、
手前で撮影タイム。雲がものすごい速さで流れていく。
まだ完全に明るくないのでススキは黄金色には輝いておらず、
どちらかというと荒野にポツンと佇む感じ。
何度も来たことがあるし、わあすごい!という感動はないが、
遠路はるばる自転車で夜を駆けてきたことの充実感に浸るには十分すぎるシチュエーション。
誰もいない。何も聞こえない。ただ吹き付つける風がススキをざわざわと泳がせる。
それで満足。


無人の曽爾高原


↓一面のススキ野原


復路編へつづく・・・