記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

はらたがわタイフーン

先週の金勝ルモンタウンを攻略した時点で、
いよいよ関西ヒルクラTTの全コースコンプリートにリーチがかかった。
あまり宙ぶらりんのままにしておきたくなかったし、
10月11月も引き続きあれこれ目白押しのスケジュールなので、
この週末で必ず記録達成をしておきたかった。
ただ、体調はこの1,2週間絶不調。季節の変わり目ということで常時薄く発作が出てるし、
体からエネルギーがわいてこない。
奥さんからは顔がやつれていると指摘される始末。
蓄積疲労か、季節性のものか、はたまたどっか悪いのか?
そしてご承知の通り台風17号が襲来というバッドタイミング。
土曜日の長雨になかばあきらめ気味だったが、
23時くらいに起きだしてひたすら天気予報や雨雲レーダーとにらめっこ。
すると、同時に発生している台風18号が起こす逆風の煽りを食らって、
台風17号の進路の右側の雨雲が西へ流されている様子で、
目的の兵庫・大阪県境付近はギリギリ雨雲がかかっていない。
まだ17号の中心が離れているうちは、この状況は変わらないだろうと判断。
ただし、17号本体が急速にペースを上げて近づいてくれば一気にどしゃ降りとなる。
となると、できるだけ早く出発して、台風が接近する前に帰宅すれば間に合うはず。
では、すぐにでも出発をしたいのだが、今度は逆にあまり早くに出すぎると、
真っ暗闇の中でTTをしなくてはならず、それはそれで大変難儀だし、
せっかくのフィナーレの写真を全く撮れないのもなあ。
それに万が一、アテがはずれて夜中に大雨に遭ってしまったら、それこそ一大事。
なのでアタマとオシリどちらの帳尻もあったギリギリのタイミングを見極めねばならない。
で、雲の動きなどを事細かに分析して(嘘、カンですカン)、
3:15出発、8:30帰宅と決定。
これなら日生中央あたりまでのセーフティーゾーンは暗闇でも、
目的地に到着するまでに朝が来る。
逆にオシリはどれだけもっても9:00には雨が降りだすので滑り込みセーフで帰宅できるだろう。
ということで、ほとんど睡眠をとることなく3:15に出発。


出発した時点では雨は上がっていたが、かなり路面はウェットな状態なので慎重に。
ぱしゃ君の家の前を通過したのでヌキウチで突撃したろかと思ったが、
あとでこっぴどくマジギレされる恐れがあるのでスルー。
三国橋で神崎川を越えて、いつもの天竺川沿いで北上。
服部で西に転じ、裏道を通って大阪空港沿いに出る。
さすがに台風が来ているだけあって風がものすごい。しかも強烈なアゲインスト。
早く到着しすぎてもいけないので無理をせずゆったりペースで進む。
軍行橋で猪名川CRに入るが、風はいっそう強まるばかり。
ただ、雲の具合をうかがうとまだまだ雨の心配はなさそう。
4時ごろに呉服橋に到着。


↓4時の呉服橋


呉服橋で猪名川を渡り左岸を北上して県道12号に入る。
鼓滝でR173に入る。まだ夜も明けてないから交通量は少ないだろうと思ってたら、
意外と緒方のトラックやタンカー、あるいは走り屋がいる。
まあ昼間の殺人的な交通量に比べれば全然ガラガラなのだが。
多田を越えたところで吉牛を発見。
少し小腹がすいたし、予定より若干早いのでのでインして補給。
4:45にリスタート、一の鳥居でR477と別れそのまま直進。
だんだんウェットコンディションがひどくなってくる。おそらく直前まで降ってた模様。
時間調整して正解。
山下のところからルート思案。
やはりR173はこんな時間でも交通量がある。
トンネル群を抜ければ楽だし早いがやめておく。
知明湖周遊道路もこんな暗闇・コンディションで、
何かアクシデント(落石とか)が発生したらたまらないので使えない。
ということで、日生中央方面へ。
よっこいせと上りをこなし、消防署前で右折し裏道に入る。
府道603号に入って北上。この道は集落沿いに進んでいるので、
細い山道ながら外灯が等間隔で設置されているので、とても走りやすい。
阿古谷の集落を緩い上りで通過する。
集落の終わりで一度峠越え。1kmほど8%程度の上りをえっちらおっちら。
そのうち空がゆっくりと白み始めてきた。
ピークまで上りきると少しガスっていて、そこを抜ける間朝露で少し濡れる。
そのまま下りに突入して少し寒い。
もう一度小さなピークをやっつけ府道602号に入ってすぐに栗栖。
R173に入って山辺辺りを北上している頃にはもうライトが不要なほど明るくなってきた。
で、5:30ごろにはらたがわ峠南側TTのスタート地点である信号に到着。
狙い通り明るい状態でTTに挑めます。
少しの休憩後スタートします。


北摂の夜明け


スタート地点で信号で本線と別れ、旧道をひた進みます。
小さな橋を渡って序盤の集落内はセンターライン付きの広々とした道で走りやすい。
斜度もほとんどないのでアウターでガシガシと攻めます。
川向かいのキャンプ場への分岐辺りで少し斜度が上がり、
本線への再合流できる分岐手前でもう一段階。
分岐を右手に進み、一里松のキャンプ場を横目に進むと、本線の高架をくぐります。
序盤はもうガンガンアウターで行ける感じ。


↓はらたがわ峠南側スタート地点


↓分岐を右へ


↓一里松キャンプ場


↓1.7km付近で本線をくぐる


本線をくぐってしばらくは民家があり、その区間は緩い。
民家が途切れる地点から、道はぐいっと勾配を上げる。
帰りに見つけた標識では8%の表示。
えっちらおっちら上っていると、右手の川に味のある堰堤が見えだす。
その高さまで上りきり、赤い橋を渡ると斜度がぐぐっと緩む。
ここからは山間に視界が開け、ゴール方面の山が見渡せる。
道は路面良好で、走っている感覚ではほとんど斜度を感じない。
コースの具合が分からないが結構フラット区間が続きそうなので
アウターでガンガンスプリント気味に踏んでいく。
途中左手にキャンプ場への分岐があるところを過ぎて、
しばらくするとセンターラインが消失し、深い森へ分け入っていく。
ここからにわかに斜度が上がっていくがまだアウターで粘る。
いよいよこの辺からヒルクラTTっぽくなっていく。


↓住宅が途切れるところから8%の上り開始


↓堰堤付近から斜度がかなり緩む


↓中盤の見晴らしのいい区間はほぼフラット。アウターでごり押し


↓センターラインがなくなるくらいからいよいよ本格的な斜度に


道はほぼ直線的にぐいっと上がっていく。
道脇の緑が深く、カラスが結構いて、バッサバサ言わすのでちょっとビビる。
しばらく進むと、シケイン状のカーブがあり、そこをこなすと、
はらたがわ峠への分岐ポイントに到達。
この辺まで上がってくると少し雨が降りだしてくる。なんとかもってくれ!
分岐の先からは再び直線的な坂。斜度がいっそう上がりたまらずインナーに落とす。
ここまで結構重いのをガンガン踏んできたせいか、なかなか足が重く、苦々しい。
そのうち本線の高架が上に見えてくる。
あの高さまで上らないといけないということか。
えっちらおっちらと回して本線をくぐった先の標識では12%の表示。
そこを越えるとぐるっとヘアピン。イン側はなかなか急なので外回りでしのぐ。
そこからラストスパートをして、S字を描きながら急坂を上って本線合流地点でゴール。
タイムは17:10でした。
これでTT登録の全コース制覇ですが、ラストの急坂をギンギンにスパートしたので
脚も心肺もゲロンチョリ〜で、感慨にふける余裕なしでヘタリ込む。
しばらく休憩して、ようやく積み重ねてきたプランが一応一区切りついたなあと改めて思う。
でもこれはまだ通過点。登録コースばかりがヒルクライムではない。
未走の山や峠はまだいくらでもあります。
山を愛する人間として、たくさんのクライミングをこなしていきたいと思います。
ひとまず今日のところはお疲れ様でした!


↓森の中を直線的に進む


シケインを抜けるとはらたがわ峠へ向かう道との分岐


↓分岐を超えると直線的な急坂が続く


↓本線を一度くぐるあたりでは12%の表示


↓ヘアピンをこなしたらラストスパート


↓本線合流地点でゴール


さて、あまり感慨にふけっている暇はありません。
すでに降ってきているので、大急ぎでウィンブレを着て上ってきた道を下る。
ピークで記念撮影をしようと思っていたのだが、
急に雨が降ってきたことで慌ててすっかり忘れてしまった…
本当は分岐から峠までもうひと上りしようと思っていたがそれも断念。
下りながらコースのポイントごとに停まって写真撮影をしながら下る。
途中のフラット区間でモトクロバイクに抜かれる。
スタート地点まで下りきると雨はやむ。
おそらく雨じゃなくて標高が高いところだけガスってたのだろう。
下りで腹が冷えてしまったので栗栖のファミマで一旦トイレ休憩です。
トイレから出て飲むヨーグルトをちゅうちゅうしていると、
さっき抜かれたモトクロの兄ちゃんがいて話しかけてきたので少し談笑。
相手さんも9時までは降らないとにらんで、駆け込みライド中だそう。
お互い無事を祈ってお別れします。
栗栖の交差点でR173を渡り府道4号を東進。
明月峠を越えて行きます。


↓明月峠


明月峠を越えた辺りから雨が本格的に降り始める。
本当は余裕があれば、このまま野間峠〜高山と山岳コースで
箕面に下りるルートを考えていたのだが、そんな猶予はなさそう。
ということで、最短でセーフティな場所まで下山するため府道604号で一庫ダムを目指す。
北摂はルートバリエが豊富で、すぐにエスケープできるのがよいね。
ウェット路面に気を使いながらもペースを上げて走る。
一庫ダムに到達し、そういえばせっかくの記念だったのにゴール地点で記念撮影を忘れたと
この時に気づき、代わりと言っては何だがダムで撮影をしておく。
R173に入ると雨はほとんど収まってきた。
なんだあ、山岳コースへ行けば良かったと少し思ったが降られるよりはましか。
まだ早朝なのに交通量はすでに多いので慎重に路肩を進む。
府道12号に入りひきつづき南下。絹延橋から呉服橋まで老夫婦のローディーの後ろにつく。
今から出動じゃあ絶対降られるけどなあと思いつつ、軽く挨拶。
呉服橋を渡って、往路と同じ道を進む。追い風なので結構楽チン。
三国橋を越えたあたりからいよいよポツってくる。
長柄橋を渡るころにはそれなりの雨粒に。
で、軽く濡れながらも本格的な雨にやられることなく無事に帰宅。
予測通り9:30になると雨は徐々に強まり、昼にはご承知の通りの大雨。
今日は天気予測がみごとにはまり、無事に記録達成できてよかった。
不眠状態で挑んだので、帰宅後はバタンQ。気づいたら夕方だった。


獲得標高: 880m
走行距離: 101.27km
TOTAL: 7804.7km