記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

四国一周 第2区間 高知〜須崎〜窪川〜中村〜宿毛〜宇和島

さて、無事に第1区間を制覇し、いよいよ本格的なナイトライドに突入します。
ここまではいわばウォームアップ。本当の四国一周、本番はここからです。
桂浜を後にし、黒潮ラインに乗る。
左手には太平洋はド〜ンと開けているはずだが、
手前の防波堤に打ち寄せる波はほのかに白く浮かび上がる以外、
左手は全くの闇が広がっていて非常に怖い。
アワ2の時など、真夜中に海岸線を走った経験はたくさんあるけど、
あれは内海で、遠くでも対岸の灯がほのかに見えたり、船舶の明かりが見えて、
それだけでも人の気配を感じることができて随分違うのだが、
外海はひたすら闇が闇を呼んでいるため、本当に怖いと感じる。
山もいろいろ見えたり出てきたり怖いけど、
それよりも無の世界である海の方がよっぽど怖いと思う。
こないだ太平洋で遭難した人たち、個人的にはあまり好きではないけど、
助かって本当によかったと思うよ。
さて、ひたすら西へ西へと平坦なストレート道を進んでいきます。
真横は漆黒の闇。だけどザバ〜ンザバ〜ンと激しい波の音が響いている。
進むにつれて周囲もさみしくなり、
衝突防止なのか青白いランプが等間隔に並んでいてそれが揺らめいて不気味。
文庫鼻という先っちょをトンネルでくぐり、しばらくまっすぐ進むと、
四万十川と並ぶ高知の清流、仁淀川の河口に到達。
長い長い河口大橋を渡る。
次の目的地の須崎へは、そのまま直進して宇佐から横浪黒潮ラインで進めるのだが
こんな夜中にわざわざ難所を通らなくてもよい。
ということで、少し回り道になるが、R56に出て安全策で行くことにする。
夜間は幹線道路に限る。
明かりもあって安心だし、交通量があればアニマルも出没しづらい。


仁淀川河口大橋


県道282号を北上。5,6kmくらい北上してR56に出る。
さすが幹線道路、片側2車線の幅広で快適♪
交通量もそれほど気にならない。
土佐ICを過ぎてしばらくすると道幅が減り山岳に突入する。
少し山間に入ってきたからか若干涼しく感じる。
高速をくぐるあたりからじわじわと上りが始まるが、それほど気にならない程度。
それより一気に暗い…
一応完全な山中というより集落の間を抜けているようなのだが、暗いは暗い。
ナイトライド自体久々だし、しかもソロとなると随分ごぶさたで闇に慣れてない。
交通量も一気に減り心細し。
再び高速をくぐるころには完全に山中。
吾桑トンネルは一気の下りでは、
ちょうど大型が後ろからやってきて相当煽られてビビる。


22時過ぎ。須崎東ICを過ぎると、
いきなり妙にハイソな郊外タウンのような趣になる。
ほお、栄えておるなあと感心していると、須崎に入ると上空から冷たいものが…
ん〜夜間に山中で雨はマズイぞ…
そのうち道は高速と同じ高さとなり、バイパスのような感じとなって城山トンネル。
トンネルを抜けて市街地に入ると雨が一気にひどくなる。オーマイガッ!
一気に降り出してきたので、これはさすがに今から山中に突っ込むのはヤバい。
そろそろ補給も必要だし、どこか雨宿りできそうなところはないか。
須崎中央ICで一旦R56を降りて、市街地方面へ。
うまくいけば大好物の須崎ラーメンを食べれるかなと思ったが、
店らしい店もありそうになく、雨は一段と強くなり悠長に探している余裕なし。
2km先に道の駅ありの標識があり、とりあえずそこへ逃げ込むために進む。
小さなトンネルを抜けると、すぐにジョイフルを発見。
もうこの際なんでもええわ、
むしろ24h営業でゆっくりできるぞと迷いなく逃げ込む。


とりあえず、この先、時間帯的にもエリア的にも
しばらく補給ポイントがなさそう。
なので、あまりまだ腹は減っていなかったが、しっかりと食事をとる。
おろしハンバーグ定食?を注文し、ドリンクバーを付ける。
雨にやられたウェア類をソファーに並べて乾かし、ダラダラと飯を食べる。
それから、あほほどドリンクバーをお代り。
雨の具合が心配で携帯でチェックしてみるが細かいところまでは分からない。
明日は晴れの予報だったし、きれいな夕焼けだったから、きっと通り雨だろう。
しかし、これから夜中、山中で雨は相当リスクが高い。
幸いなことにここまでマージンを稼いでいるのでそれほど問題ではないが、
はたして雨はいつ止むのか…
詳しい情報が知りたかったので、明日会う予定のドルクス君にメール。
いろいろやり取りをしていると、宇和島の方は雨が降っていないらしい。
でも、予報では明日いっぱい愛媛は雨らしい…んん〜@@。
しかも明け方にかけて南部は集中的に降ると言ってきたゾ。
これはちょっと予想外というか、マズイ感じだ。
とりあえず後には引けないので、突っ込めるところまで突っ込むことは変わらない。
ダラダラドリンクをお代わりしつつ、2時間ほど待機して、その間仮眠。


↓須崎から雨降り…


0:30となり、一応雨がやんだようなので出動します。
仮眠を十分取り、補給もバッチリで体は全く問題ないが、
雨のせいで少し肌寒いのと、路面が相当ウェットで滑る。
いつ降り出すかわからないので、
予備で持ってきていた山用のレインウェアを被って走りだす。
道の駅のところでR56に復帰すると、すぐにじわじわ上りだす。
交通量はほとんどなく、明かりに照らされた港を眼下に角谷トンネルに入る。
トンネルを抜けると急でテクニカルな下り。
しかも町並みが一切なくなり、山と海だけで、一気に暗くなる。
少し霞がかって見通しが悪いし、路面は滑る滑る@@
そこを抜けて焼坂の長い長いトンネルの上り。
トンネル内は乾いているので楽といえば楽なんだけど。
ようやくトンネルを抜けると右手に中土佐ICがあり、そこを通過すると
土佐久礼の集落が開けて、また少し安堵。
時々この先の標識があるのだが、四万十町四万十市って同じ所かと思いきや
20km近く離れているようだ。まぎらわしいなあ。
しかし、そのわずかな集落を抜けると、
いよいよここから真の闇との孤独な戦いが始まる…。
集落のはずれの信号を過ぎると、とたんに全く外灯がなくなる。
ただ自分のライトと、その光がガードレールに着いた反射板に跳ね返るのみ。
すると、8km先七子峠の標識を発見。
そこまで本格的なヒルクライムがスタートするという合図…むむむ!
一番暗い時間帯に一番暗いエリアを通過することになろうとは…
まだ下りではなく上りなので、暗くても危険は少ないし、
集中して上れば気がまぎれる…はず。
しかし七子って、七つの子って意味か?
おいおい、通おりゃんせかよ〜。
あの歌って実は怖い歌じゃなかったっけ?行きはよいよい帰りは怖い〜♪
と、何も考えないつもりが余計怖くなることを考えてしまっていかん。
本当に全く何の音もせず、何も見えない。ただ確実に結構上っている感覚だけ。
時折、思い出したようにトラックが後方からあわただしく通過していく。
ひたすら長い上り。
登坂車線に差し掛かるとその案内板を照らす小さな明かりがあり、
それだけでもちょっとほっとする。
とにかくこんな暗いところは早く抜けてしまいたいと、
結構頑張っているのだが、レインウェアを着込んでいるせいで汗だく。
それでも冷や汗の方がすごいので、必死でダンシングを織り交ぜつつ進む。
時々、峠までの距離を示す案内板があるのだが、
一向に距離は縮まらないから焦る焦る。
いくつかトンネルを過ぎ、随分のぼってきた感じ。でもまだあと半分ある。
と、左手を覗いたら、くぼ地のはるか下に
高知道の青いランプがぼおっと光っていて、それがまた不気味すぎて怖い。
少し長い目のトンネルをくぐり、陸橋みたいなところを渡ると、
「久礼坂」という案内板。
そのあたりからまたもや雨が降り出してくる。
おおい!こんなどこにもエスケープできんところで!容赦ねーな!
そこからさらにペースを上げて、必死のパッチで七子峠通過。
これほどこの区間が暗いとは思いもよらなかった。ああ、怖かった〜@@


↓久礼坂、暗れ〜


↓七子峠


そこからは鈍い下りなのだが、峠を越えると雨が一層強くなる。
大雨といっていいほどの雨脚に正直萎え萎えですが、
避難する場所もないし、ひとまず15km先の窪川を目指す。
それしか今はできることがない!
四万十町東ICを通過し、徐々に民家が登場して少しだけ安堵。
右手からは線路がやってきて並走する。
一旦線路をまたいで平坦路を滑走する。もう上からも下からもボトボト。
冷えてはいかんととにかく必死に回して熱を出す。
長らく線路と並走していたなと思ったら、
再び軽く丘越えがあり、エイヤっと越える。下りは滑る。
下ったら右手に道の駅があり、そこで一旦避難しようかと思ったが、
さらに先にあるJR窪川駅まで行くことにしてスルー。
またそこから鈍く上りが始まり、しばらくしてR381とのでかい交差点に到達。
案内板に従って、窪川駅に到達したのが2:30前くらいだったか。
残念ながら駅舎は開いていなかったが、
ベンチがあったので座ってドリンクを飲みながら雨宿り。
フロントバックにタオルを持参してきたので、それで頭を拭く。
それだけでも随分不快感が解消される!さすがに着替えは持ってきてないケド!
それで少し落ち着くが、さてこれからどうするか…
少なくとも夜が明けるまであと2時間はある。
かといってこんなびしょびしょのまま吹きさらしで待機するわけにもいかぬ。
雨はやみそうにないが、突っ込むべきか待つべきか…
休憩しつつ、思案していたら、ほどなくして少し雨脚が弱まってきたので、
これはずっと強い雨じゃなく、降ったり止んだりかもしれない。
それにここは標高200mと少し高い山中なので、
山を抜けて下界の中村へ出れば、晴れは期待できずとも雨脚が弱いかもしれない。
ということで多少のリスクを覚悟で出発を決意。
とにかく中村にたどりつければ今の状況よりは改善されるはず、
という根拠のない期待を抱きリスタートする。


窪川


R56に復帰し、少しのぼるとローソン発見。
そういえば補給をしていなかった。あわてて駆け込んで、
パインゼリーと今回初のレッドブルドーピングでチャージ。
すぐにリスタートして、上りにさしかかる。
こちら側はすでに高台なのでピークである峰の上まではすぐに到達。
そこから長い長い一気の下り。ここからが雨との本気の闘いの幕開けだった…
ピークを越えると雨が再び強まりだす。
ブレーキがキイキイと金切り声をあげながら頑張っているのだが、
もう道路は滝のように水があふれ出し、ブレーキが十分に効かない!
斜度もそこそこ急で、減速しているはずなのに制動がかかってない!
あわわわわ〜っとあせりつつとにかく必死でスピードを抑えにかかる。
こんな時間こんな場所でこんな天気にもかかわらず、この辺は交通量が多く、
一体どこに何を運びたいのか大型トラックがバンバン真横をかすめ、
ただでさえ難しい下りをより難しくしてくる。
何かの拍子でスリップ転倒したら、もうイチコロなので、
どうにかバランスをキープするため、ついに左足をはずして下ることにする。
本来ならここまで夜間の上りで落としていたペースを、
一気に挽回できる区間のはずが、
予想外の雨で恐怖のジェットコースターゾーンと化してしまうとは…
とにもかくにもとにかく姿勢だけをしっかり保ち、
ブレーキを握りしめて急坂を転がり落ちていく。
途中、やけに急なヘアピンがあり、
スピードを落としきれずに路肩に突っ込みそうになるが、
どうにか足でコントロールをして事なきを得る。
そこから延々15km近くの下り。
さすがにこの緊張とブレーキングの疲労でいっぺんには下れない。
それに下るにつれてどんどん雨脚が強くなり、
ついに前方をまともに直視できないほどの雨粒となる…
これはさすがにまずい、どこか民家の軒先でもいいから緊急避難せねば!
と、必死で下りつつ安全地帯を探すが何もない…
そしてずずずーっと下ってようやく集落らしいところに入ってきたが、
雨をしのげそうなところがなく、ふらついていると、
ちょうどバス停があり、その祠のような待合所に飛び込む。
あまりの土砂降りぶりにかなり怖さを感じるくらい。
バス停の前をビュンビュン容赦なしに走りぬける車がはねた水がじゃんじゃか飛んでくる。
幸いレインウェアのおかげで上半身は我慢できるのだが、
下半身はびしょびしょ。
いまだ明けやらぬ山中でこのままひたすら待機を強いられれば、体が冷えてしまう。
とりあえずさっとタオルで体をふき、
念のため持参していた貼るカイロを腹に張って暖を取る。
しばらくして熱がこもってきて体が温まる。
夜中にこんな暗いブロック塀の中に閉じ込められているのが嫌になり、
意を決して15分ほどでリスタートする。


集落を抜けるところで軽い上り返しがあったが、
その先も基本的には下り基調。
といっても本格的なダウンヒルは終わり、緩やかな斜度なので、
さっきのように制御不能の恐怖に陥ることはない。
思いっきりペースを上げてさっさと中村にたどりつきたいが、
安全第一で無理のない程度に上げて進む。
雨がバシバシ顔にあたって痛い!
線路とクロスをして、川沿いの道となるが、
徐々に川幅が広くなることで河口が近くなる予感。
土佐佐賀の駅前を通過し、少し長めの横浜トンネルを通過。
トンネル内だけは雨が降ってないので楽だ。
トンネルを抜けると海。
遠くから朝の気配がやってきているようだが、
それよりもどんよりと雲が立ち込め、海は大しけ。
ああ、完全に自転車で走ったらいかん天気だよねえ…
ここからしばらくはアップダウンの急なシーサイドライン
雨は一時よりもマシにはなってきているが、
上からの雨と下からのはね上げと、もうズブズブです。
途中大きく上って、急カーブを過ぎて小さいトンネルをくぐると徐々に町が開けてきます。
空も少しずつ明るくなってくる。
雨は相変わらず。でもなんとか凶暴さは抑えられているが
またいつ牙をむくともわからないので、とにかく中村到着を急ぐ。
街中ならまだ雨が降ってても安心感があるし、
残念ながら今日はきれいな朝日を拝むことはできなさそうだが
やはり夜が終わるというのはなによりも好材料
体は雨と疲労でピンチだが、気分は不思議と前向きになってきた。
まあどうせここまで来たら逃げようがない。
そんなことをブツブツしゃべりながら、
ひたすら海と空の境界がわからない海岸線を進む。
道の駅を1つやり過ごし、鉄道と再びクロスしたら、栄えている集落に入る。
コンビニは1つあったので入ろうか迷ったが、
ドーピングのおかげか、まだ大丈夫そうだったので、
というより気持ちが切れたら動けなさそうだったので
中村までの残り10km先片づける。
少し海岸線から距離があるR56をそのまま進み徐々に山間へ。
もうひと山あるのかと思いきやそれほど大した上りではなく、
集落を抜けていくような感じ。ピークを過ぎてすぐ短めのトンネルを抜ける。
じゃっと下っていくと街が栄えている。分明って素晴らしい。
川と線路を同時に越える。駅の方へいったん離脱しようと思ったが、
交差点の先にコンビニを発見し、そこで補給品を買い込んでから駅へ。
中村到着5:00すぎ。


いつの間にかもう夜は明けていたが、もうそんなことを気にしていられなかった。
駅舎があいていて中のベンチでとりあえず一服。
缶コーヒーで暖をとりながら、マネケンワッフルといつものフルーツゼリー。
暑くて前を開けていたので上半身も汗だか雨だかドロドロ。
死守したタオルも湿気ていてなかなか不快だが、それでもまだあるだけマシ。
眠たいとかしんどいとか、もうわからん。
寝ようと思えば今ここで寝れるんだけどね。
腹に温かいものを流し込んで、少し乾いたらちょっと落ち着く。
で、とにもかくにもこの先どうするか考えねばならない。
ずっと走りながら空を見てきた様子だと、南へ下るほど雲が黒く分厚く、
これ以上の激しい雨が予想される。
晩にドルクス君とのやり取りで聞いた話だと、
ちょうど今時分から激しい雨が降る予報。
これ以上南へ下るのは明らかにリスクが高い。
四国一周で足摺岬にたどりつけないというのは、飛車角落ちもいいところで、
自分も今回のハイライトとして相当楽しみにしていたのだが…
天候にばっかりはこれ以上抗えないと判断し、
熟考の末、断腸の思いで断念することに。
いやあかなりダメージ大きいです。
でも、どのみちここに居座るわけにはいかないのでその先を考えねばならない。
それに足摺へ行けないかもしれないが、その分四国一周は絶対に断念したくない。
完走する、そういう思いが一層強くなりました。
まあ、四国もこれでラストというわけじゃないし、また来ればいいっしょ。
そうするとルートはおのずとR56をトレースして、西にある宿毛へ突っ切って、
そこから北上することになる。
そういえば、ドルクス君には宇和島着を昼から夕方にかけてだからねと伝えていたが、
足摺方面120kmをがっつりショートカットするため、
昼前には到着する見込みになってきた。
そこで、ドルクス君にメールを打とうとしたら、ケータイがフリーズして動かない!
んんんんん、マジでっ!どうすんの!
あれやこれや押してみたり、振ってみたりするがウンともスンとも言わない。
そういえば終盤は着こなしが崩れて、
横着してレインウェアがしっかりかかってなかたかもしれない…
なにせ背中のポッケはぎゅうぎゅうパンパンなので。
ウェアがびちゃびちゃだから軽く水没した状態なのか!
ええ、どうなんだ!
とりあえず可能な限りのことをして(電池一度はずしたり)、
持参していたジップロック袋に包み(先にやっとけ!)、
その中に、ちょうどさっき買ったワッフルの包装紙に入りついていた乾燥材を入れる。
これでダメなら全く連絡付けれないぞ。
しかし、これ以上どうのすることもできないし、でジタバタしてもしようない。
とにかく行先が決まったので、十分に休息と補給を終えてリスタート。
とにかく南側に行けば雨がヤバイということは、
この南西部さえ抜ければ、言い換えれば、
太平洋沿いから瀬戸内沿いに行けば天候はきっと回復する。
それを信じて前進するしかない。


30分ほど休んでのち、意を決してリスタート。
ちょうどタイミングよく雨は小康状態。行くっきゃない。
グズグズできないので最初からペースを上げていく。
R56のバイパスの入口を過ぎてすぐにでかい四万十川を渡る。
四万十川もいずれ攻めてみたいな。
線路をくぐって、徐々に町の規模も縮小し、田園地帯のヘリを進んでいく感じ。
幸いにしてアップダウンはほとんどなく、のどかな平坦道。
車はバイパスへ逃げているのか少なく、雨さえなければ快適なのだが…
ひたすらTTモードでペースを上げていくが、
それと対抗して(?)、雨が再び強くなってくる!おいっ!
途中でバイパスが終わり、そこから交通量が増える。
一体なぜに四国はこんなにトラックが多いのか。
せめて脇を抜けるときは手加減してくれないと、路面の水を被るんだけどなあ。
そこから少し上りが発生するが大したことなく、下りは慎重に下って、
じきに宿毛に到達。したはずなんだけど、集中してR56を疾走していたので
駅に気づかず、そのまま上りに入ってあっという間に市街地脱出。
いくつか短いトンネルをくぐり、山岳区間に突入すると、
冷たい雨がもうね、ヤメテ。
徐々に斜度も厳しくなり、無理せずインナークルクル。
クルクルというよりオイルが流れているのかキュルキュル。
センター回りの一番使ういギアがこの辺から入りづらく不快。
うにうに格闘していると、とある標識。
そうです!ようやく、ようやく高知県脱出!
今まで静岡県が一番エグイ、ロング県だと思っていたが、
いやいやどうして高知県長いワッ!
もういっそ、足摺岬室戸岬のさきっちょ同士をキュっと結んでやりたい!
感慨もひとしおですが、上りの途中だし、雨の中携帯出すのが面倒で、
立ち止まらずあっさりスルーです。
今はとにかく必死でペース上げて安全圏に脱出せねば…。
短いトンネルを下ってピーク終わりかと思いきや、
ひたすらまだまだ上ってるし…
雨とレインウェアの中にこもる熱と汗でもうドブネズミ状態。
そしてようやく、下りに突入。
結構攻めてきたので余力なく、しかもハイドロ状態なので
漕ぐのをやめて惰性で下ります。
再びトンネルの手前で短いが急な登り発生し、2つトンネルをくぐる。
くぐると町が開けていて、7:30ごろ愛南到着です。
まだ空いていない道の駅みしょうMICにて小休止。
自販機で温かいコーヒーと手持ちのSOYJOY&羊羹をかじり補給。
残り宇和島まで40km待ってろドルクス!


あまり長居すると動けなくなるのでさっさと補給をしたらすぐにリスタート。
ここからはまたギザギザの海岸線に沿って道がアップダウンしていく区間
町並みを外れると、また鈍く長いダラダラとした上りが続く。
えっちら上って黒々とした海岸線に出る。
すると、ようやくこのあたりから雨が止む。ホッ。
これでちょっと油断したというか気が抜けて、ペースが自然と落ちる。
ダラダラと海岸線を進むが、もうすっかり海のありがたみはなくむしろ飽き飽き。
しかもなぜかこの辺は交通量が多くてしんどい。
海側を外れて、トンネルまで鈍いのぼりをこなしたら、
そこから内陸に切り込みながら緩〜い下り。路面も乾いてきてペースが上がる。
しばらくして宇和島道路の南端である津島に到達。
そういえば走るのに必死で、
肝心のドルクス君に連絡を入れるのをすっかり忘れてた!
ちょうど交差点のところにサンクスがあり、そこで休憩を入れて、
恐る恐る携帯を出してみると…イェイ!復活!
さっそく電話してもうすぐ宇和島に着くことを告げる。
待ち合わせ場所、宇和島駅ぐらいはわかるかと思っていたが、
そこから先へ少し行った和霊神社にいますとのこと。わかるかなあ。
とりあえず、行ってみよう。


宇和島道路入口(津島)携帯復活して久々の一枚ダ。


リスタートしてすぐに上りがスタート。ここさえ抜ければ宇和島市街か。
で、上りきったらデッカイ松尾トンネルが待ち構える。
このトンネルがまた1.7kmと長大で長い!
交通量は増える一方なので、おとなしく歩道へ乗り上げて進む。
微妙な登り基調でえっちらおっちら。
路面はでこぼこしているところもあり、
また泥がたまって滑りやすい個所もあるので慎重に。
横はでかいバスやトラックがビュンビュンかすめていって怖い。
やはりトンネルは慣れないなあ。
余談だが、小さい頃大阪空港の下をくぐるトンネルを走った恐怖がいまだにトラウマ。
ようやくトンネルをくぐりぬけると、
真横に宇和島道路と並走しながら、一気に下り。
宇和島南ICで右折し、引き続きR56トレース。
市街地へ入ると道幅も急に狭くなり、路肩を慎重に進むが、
路肩だけは水が引いておらずちょっと嫌な感じ。
中学校のところで右折、そしてその次を左折、その次を右折と、
忠実にR56をトレースするが、こんなに細かく道を曲げられている国道もあんまりない。
左手の小高い山の上には宇和島城がちいさく見える。
闘牛の町という看板があるアーケードに入り、のんびりと下る。
そうしてヤシの木?が並ぶ大通りへ出て、すぐに宇和島駅に到達が10時ごろ。
ようやくここまで来ました〜!


↓長すぎる松尾トンネル


宇和島城


↓終着駅、JR宇和島


↓やさしい〜お味


そこから地図を確認して少し進み、和霊神社なるところの前のローソンで待機。
ドルクス君に電話を入れると、しばらくして遠くから歩いてくるでかいシルエット。
おお、ドルクス君ではあ〜りませんか。
事故後、療養のため実家に帰省していて約1か月ぶりの再開です。
って、なんかデカイ。いや確実にデカイ!一体どうした!?
1回り、いや2回りでかいくなっとるやん!
聞けば、実家に帰ってから食べるだけ食べて運動していないせいだそうです。
ハハハ〜。
さて、久々の再開を喜びつつ、補給のためにどこかお勧めの店を紹介してもらう。
本当はせっかく宇和島に来たので鯛飯を食べたいのだが、
あまり食欲がなく、優しいお出汁のうどんなんかええなあとなった。
お目当ての店は朝早くてまだやっておらず、
駅前で開いている食堂に入って肉うどん。
やさしい〜お味が染みわたる〜@@
これまで走ってきた区間の話や、これから進むエリアのレクチャーを受けたり
1時間ほどしゃべって楽しかった。
ドルクス君もだいぶ元気そうだし、
大阪に戻ってきたらまたみっちり体絞ってやらなきゃね。


宇和島にて


お名残り惜しいが、あまり時間の余裕もないので1時間ほどで出発します。
と、同時に雨がまた降り出してくる…
ドルクス君に見送られて、いよいよ怒涛の撤退戦が始まる最終章へつづく…