記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

ROAD TO 東京 〜ヒトとヒトをツナグライド〜 前編

金曜日。
早めに帰宅をし、マシンの整備をしたり、ウェアリングの準備などし、
可能な限り仮眠をとる。
夕飯を食べていると、あうさんから東京を22時に出発しますとメールが入る。
おお!マジですか!これはぜひともどこかで再会したい!
善は急げとばかりに、予定時刻より早く22時に出発と、
ヘルメットをかぶろうとしたらいきなり留め金部分がパキッと割れる…
うそん…ォオー!!(゚д゚屮)屮
このままじゃ出動すらままならない。どうしよう、どうしよう。
しばし絶望に浸る…
とりあえず折れた個所を重ねて太めのホッチキスでひたすら縫合し、
そのうえからアロンアルファをドバドバかけまくって固めて、
さらにその上から何重にも布テープでぐるぐる巻きにした。
おかげで折れる前よりも相当に頑丈な作りになった。ホッ。
ヘルメットもロードを始めた時から使っていて、
紫外線を浴び過ぎて色も剥げていて、
そろそろ買い換えないといけないなと思っていたところだった。
これがまだ出動前のすぐに手当てできる時でよかった。
だが、下駄の鼻緒が切れるではないが、非常に不吉な出来事で、
のっけから嫌なカンジです。
でももうこれだけのロングを実行できる休みがないし、
これ以上日にちを遅らせると寒さが厳しくて難易度が相当増す。
行くしかないのです。


出動前にバタバタしてしまい、結局自宅を出たのは23時。
そこからまずちょいちょいと道を縫ってスタート地点の梅田新道へ。
写真を撮ったりなんだして23:30にいよいよスタート!
が!早速忘れ物をしたのでいきなり自宅に緊急ピットインΣ(゚Д゚;)アラマッ
いきなり帰宅したので奥さんもビックリしてました。
すぐに荷物をピックアップして城北公園通りに出る。
若干のアゲインストの風に抗いながら、序盤は慎重な入りで走る。
太子橋でR1に乗ると、うっとおおしいクロスバイクに挑まれ、
そこからペースを上げてぶっちぎる。
大日交差点はIC新設の工事で左折禁止になっていた。
そこから府道13号をペースをキープしながら進んでいく。
なかなか順調に枚方まで到達。
関西医大を過ぎ、走り慣れた府道13号を北上。
樟葉で土手道となるとちょっと肌寒くなってきた。
御幸橋到着が0:30。梅田から1時間だから結構順調。


↓梅田新道スタート!


御幸橋からは桂川CRに入ります。
道幅が狭いし暗いので、ここはペースを落としてまったりと。
ここまで快調に飛ばしてきたのでちょっとブレイク区間です。
周囲が静かになり、リアホイールから異音がするのに気付く。
羽束師橋でCRを降りて、横大路の交差点のところでマシンを降りる。
どうもリアが片効き状態だったようで調整。
ん〜ブレーキバランスといい、どうもリアの具合がよろしくない。
これはまた木馬のお世話にならねばならんかな。
ひとまず異音は収まったのでリスタート。
外環状を東へ進み、新高瀬川でバイパスを迂回して中書島の迷路を抜ける。
観月橋で外環状に復帰して六地蔵までの区間は爆走。
桃山西尾で直進をして、そこからはペースを落として山科まで。
時刻は1:30。
ちょっと小腹も減ったし、休憩を入れる。
三条通サークルKに入り、肉吸とおにぎりでチャージ。
外で休憩すると相当寒いぞ〜。
20分ほど休憩ののちリスタート。
そのまま三条通を東へ進み、追分からR1に入る。
時間的に交通量も少なく危険を感じることなく順調に逢坂越え。
R161に入って京町で右折し、県庁前を通って、旧東海道を進む。
なぎさ公園のところで湖岸道路に出てしばらくして近江大橋到達が2:30。
湖からの風が寒い寒い。


近江大橋


近江大橋を渡り、そのまま幅広の県道18号を進む。
草津川にぶつかって右折し土手道を進む。
草津三でR1に復帰するとさすがに幹線道路だけあって交通量がぐっと増える。
草津を通過し、手原の分岐ではダッシュをしてR1方面へ。
ここからは道幅が狭くなり路肩もガタガタになっていくのだが、
ひっきりなしに大型車が抜いていくので怖い。
名神をくぐった先でR1が新道と旧道に分岐。
当然直進して旧道をチョイスし、湖南の市街地方面へ。
多少交通量はマシになったものの、この時間にしては多い方。
三雲で横田橋を渡り再び新道と合流して幅広のR1を淡々と行く。
山科で休憩してから45kmほど進んできたが、
まだそれほど補給は必要としていなかったが、
水口を過ぎると峠を越えて関まで一切補給ポイントがないので、
少し早いが名坂にあるマクドにインしたのが4時過ぎ。
とにかく寒いのでホットコーヒーとナゲットを注文ししばし暖を取る。
想像していた以上に寒さが厳しく、ここまでで結構疲労している。
朝方になって睡魔も襲ってきているので、少し長めに休む。
今までだったら、序盤にできるだけマージンを稼ぐため、
補給もできるだけ短く済ませてごまかしごまかし走っていたが、
今回は多少マージンを削ってでも序盤からきちっと休んでいく作戦にした。
それはあくまで復路を念頭に序盤から疲弊しすぎない措置だったのだが…
ところで、あうさんにメールをしてみると富士市まで到達している模様。
さすが速い!順調そうで何よりである。


4:30ごろにリスタートするが、店を出た瞬間の寒さったら、もう。
何事もなかったかのように店内へバックしたい衝動を抑え、
レインウェアをかぶって出発。
ここからはひたすら鈍い鈍い上りが20kmほど続く。
リスタート後、R1のバイパスをトレースして水口市街をカット。
走りやすいのでペースが上がる。
野洲川に沿ってR1は鈍く上りながらひたすら単調な道。
周囲は民家も徐々に減り暗くなっていくし、
おまけに吹き下ろしの風が少し出てきた。
途中にあった電光晩の表示では気温4℃。
薄手のグローブに薄手のウェアではさすがに厳しい世界である。
道の駅あいの土山を過ぎ、はるか上空に新名神を見上げながら、
暗い暗い山間部へと突入していく。
寒さで自然と喉がぴゅうぴゅうと鳴り始め息がするのがツライ。
えっちらおっちら上って序盤のピーク地点である鈴鹿峠に到達。
滋賀側からは特に厳しい上りはなかったが、とにかく長くてダレる。


鈴鹿峠


時刻は5:30。
そこから一転関までの8kmのダウンヒルが始まる。
リアのバランスがいまいち良くないし、
横風が厳しいので無理にペースを上げずに下るが、
斜度がそこそこあるし、大型車の風圧で押されてスピードがおのずと出る。
序盤は結構テクニカルなカーブの連続で、膨らまないように集中。
下り線と合流するところからは、一直線の下りが続くので
スピードをうまくコントロールしながら下っていくが、
とにかく寒さが全身にバリバリと張り付くもので、
ハンドルを握る手もキンキンに冷えてたまらない!
緊張と寒さでカチンコチンになりながらどうにか関宿の入口まで
無事に下りきる。ふぃ〜@@
どこかで一服せねばと思い、
いつも利用している関のミニストップのイートインを目指すが、
こんな朝っぱらから酔い潰れたおっさん連中がクダを巻いていて寄りつけず退散。
かといって冷えきった体で屋外休憩は厳しいので、
とりあえずもう少し先まで進むことにする。
亀山JCTをいつものう回路でパスし、布気で県道565号に入る。
そのまま亀山方面へ進んでいると吉牛を発見したのでインする。
温かいお茶をすすり氷解。
そこからゆっくりハムエッグ定食を食べつつ、失神しつつ。
時刻は6:30ごろ。


リスタートするころにはもう朝を迎えて明るくなっている。
だが、日が差すのにはまだ時間がかかりそうで寒さに変わりはなし。
府道28号を淡々と進み、川合町でR1に復帰する。
もう交通量は結構あって、とくに亀山〜四日市の2車線区間は、
トラック同士が並んでスピード合戦をしょっちゅうしている危険区間なので、
それを避けていつものように井田川で右折して県道641号に入る。
平和橋鈴鹿川を渡り、鈴鹿川右岸を淡々と行く。
伊勢湾から吹きつける向かい風が何気に厳しくペースが上がらない。
このまま高岡橋まで13kmほど土手道を進んでいくはずが、
途中から護岸工事で通行止め…
しかたなくルートを変更し、定五郎橋で鈴鹿川を渡って、結局R1に戻る。
このわずかな区間R1は丘陵地帯を貫いているため何気にアップダウンが多い。
大型車の威圧に耐えながらえっちらおっちら上り降りを繰り返す。
内部で左折をして県道407号でショートカットし、追分からはR1。
四日市8:00通過。
十分に休憩をしているのだがここまで30分ほど前倒しできている。
四日市から桑名までのR1でもなかなか交通量の激しい区間は、
いつものようにぶっ飛ばして切り抜けるのみ。
伊勢大橋で揖斐川長良川を渡り、
長島を突っ切って尾張大橋で木曽川を渡れば愛知県突入。
時刻は9:00。


尾張大橋にて愛知入り


空は当然すっかり明るいのだが、薄曇りの鈍い天気で日が一向に差さない。
ペースアップして走っているときは水から発する熱で暑いが、
ペースを落として省エネモードで走ると肌寒くて困る。
ここから熱田神宮までの20km区間はほぼ直線オンリーで道幅もあり走りやすい。
が、過去この区間で3度もパンクをしている相性の悪い区間なので注意して走行。
いつものようにたくさんの川をまたいでまたいでいく。
途中寒いのと、小腹がすいたので、中島のところのコメダにイン。
ドリンクには無料でモーニングがついていてお得。
たっぷりのカフェオレで温まりながら、
優しいバターの香りのトーストにゆで卵。
ロングライド中のトーストはありだな!新発見。


コメダモーニング


リスタートするころにはようやく日が差してきて温かくなってきた。
道幅の広がったR1をひたすら東進。
六番町で新幹線を見送り、白鳥橋を渡れば熱田神宮。時刻は10:00。
ここでチェックしてみるとあうさんは天竜川付近を走行中のよう。
この調子でいけば、豊橋あたりで落ちあえそうだ。
そうなるとモチベーションも上がり、ここからは上げていくことにします。
松田橋から高速の高架下を滑走、
星崎・有松と過ぎて若干のアップダウンが発生する。
フレッシュのときにしんどい時間帯に唯一沸いた桶狭間の交差点を通過。


桶狭間


これまたフレッシュのCPだったほら貝を通過すると豊明まで若干のダウンヒル
豊明ICのところは危険なので、指示に従って旧道へ迂回し、
すぐに今川町で復帰。
昼間にこの区間を走るのは初めてなのだが、
夜間にたがわず交通量はバンバンで、大型車が列をなしてぶち抜いていく。
それも車線を右へ左へと細かく変更しては縫うようにぶっ飛んでいく輩もいて
非常に非常に怖い。
特に車長のロングなやつは、ぬわ〜っとこちらがわへ幅寄せ状態になるので
マジでやめてほしいワー(э_э) =3
知立到達が11:00。
ここからはひたすらR1の激しい交通量に対して集中集中で走る。
矢作橋を渡るといよいよ岡崎です。
岡崎城の周りは観光客でごった返していて注意して横断する。
ちょっとハンガー気味になってきて、ここから上り区間なので
さっとコンビニ休憩を入れます。
あうさんは今から潮見坂をのぼるところらしい。速い!
危険な作りになっている岡崎ICをアタックでしのぎ、
引き続きペースを上げていく。
ほたる橋を渡り、少しずつ山間部へと向かっていく。
藤川宿を過ぎて、名鉄シケイン気味にまたぐと徐々に上りに入っていく。
ドルクス君と初遭遇の地、本宿を12:00過ぎに通過。


鈍く鈍く上りきったら、今度は長い下り坂で一気に豊川まで。
もうじき、あうさんと会える!と気合を入れなおして、
ここは低姿勢をキープし、重いギアでガンガン回してスパート気味に下る。
音羽からは少し渋滞気味でペースダウンを余儀なくされるが、
それでも前の車にベタつきをしてギンギン回す。
250km近く走ってきても、出すときは出すよ!
国府を過ぎ、どんどん増える交通量にひるむことなく回していく。
そろそろ対向車線が気になり、そちらをチラチラチェックしながら進んでいく。
で、豊川にかかる吉田大橋で、白と黒のウェアにTIMEのマシンを発見!
向こうもこちらに気づいて手を振り返してくれている。
間違いない!あうさんだ!
橋の上では道路は分離帯に阻まれているので引き返し、
橋の下をくぐって感動の再開です。
豊川の橋の上での再会なんてなんと素晴らしい!


あうさんとは1年ぶりの再開です。
去年初めてお会いした時も、生麦から戸塚までのわずか30kmの間だけでした。
でも同じ過酷なライドに挑戦している者同士だからこそ感じる
絆というか縁を感じます。
今までの疲れが吹き飛ぶくらい、この再開は最高にうれしかった。
橋の上で15分ほどおしゃべりをしたり写真を撮ったりしましたが、
これ以上の長居は双方無用。
何せまだお互いに全行程の半分しかクリアできていないのです。
お名残り惜しいが、互いの健闘と無事を祈りながら、
別々の方向へと走りだします。何度も何度も振り返って、
お互いの姿が見えなくなるまで手を振りつづけました。
あうさん頑張って!自分も頑張ろう!


↓あうさんと1年ぶりの再開が豊川の上とは!


何というか不思議な感動の余韻に浸りながら、ボチボチと走り始めます。
西八町の交差点は二段階でR1方面に左折し、
その先東八町で慎重に路面電車をまたぎます。
そこからも交通量の多いR1を踏ん張って踏ん張って、
二川CBに到着が13:45。
ここも昼間に来るのは初めてです。
ようやくここまで250km走ってきましたが、
まだあと東京まで半分以上の道のりがあると思うとものすごくショッキング。
しかもこの時点ではまだ往復を頭に入れていたので、
あまりの果てしなさに頭がクラクラしてきました。
いや、今はもう先のことは考えずに、
目の前の目的地を1つ1つつぶしていくことに専念せねば。
写真を撮ったらいよいよ後半戦へ突入していきます。


↓二川CB


後編へつづく…