記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

BACK TO 大阪 第1区間(東京〜伊勢原〜御殿場〜静岡)

出発前日。仕事終わりで奥さんと西天満で晩飯を食べた後、
エナジーチューブなぞを買おうかとちょっとだけのつもりで梅パに寄る。
奥さんを待たせるのもいけないので大急ぎで補給品・消耗品を見て回っていると、
奥さんが「ちょい待ち」とウェア売り場の方へ手招きしている。
「ちょっとは負担がマシになるなら、高いのは無理やけど、冬用のウェア買うてええよ」
と、言ってくれる。え、マジ?ううううううれしや〜(涙)
翌日から東京行きはすでに伝えてあったのだが、
朝晩は冷えると知ってすごく心配している様子。
この間のヘルメットもそうだが、ほとんどの装備品はもう限界を超えていて、
毎度毎度ペラッペラのカスッカスで帰ってくる夫を忍びなく思っていたらしい。
心配かけてすまないねえ。
しかし冬物はどれも価格が高い…あとデザインがあまり豊富ではない。
色々物色をしてパールイズミの5℃対応のものを買うていただきました。
見た目より機能重視!冷えたら死んじゃうもの。
おっかつぁん、ありがとよ〜@@
帰宅後は、マシンとウェア関連の荷造りに専念。
去年までは、ウェアの背ポッケもあれやこれや詰め込んでパンパンだったが、
だんだん荷物が少なくなってきているような気がする…
本当にこんだけで東京から帰ってこれるんかいな?自分でも不安だわ。
でも忘れ物もなく、しっかりパッキング。


当日。仕事を早めに切り上げ、帰宅し、家族と晩御飯を大急ぎで食べたら出動。
家族にマンションの入り口まで見送られて出発。
ああ、すでにこんな寒空の中一人さみしく、
大阪まで帰ってくるためだけに今から東京へ行くなんて…
超ロングを走り始める直前までは、いつもこんな憂鬱で不安で苦しい時間帯です。
走り出せば変わるんだけど、出発3日前くらいからはいつだってナーバス。
新大阪駅まで自走し、20:47の新幹線に飛び乗る。
東京駅まで約2.5h、貴重な仮眠を取ろうと思っていたのだが、
車内は異様になまぬるい暑さで、まるで夜行バスの中のよう。
おまけに誰かが持ち込んだであろう551の豚まんの匂いが充満し空気がよどむ。
極めつけは座席の前が中国人グループで、ぺちゃくちゃとやかましいうえに、
意味もなく立ったり座ったりドタバタトタバタ。
そんな状況ではロクな仮眠も取れず、悪戦苦闘しているうちに東京についてしまう。
これは、きっとどっかで深刻な睡魔との戦いが予想されるなあ…
東京駅の八重洲口でマシンを組み立て、スタート地点の日本橋に到着。
あれこれ写真を撮ったり、メンバーに告知したりしてあっという間にスタート時間の0時。


↓また来ちまったよ。マッタク。


それでは東京についたばかりですが、
東京サヨウナラ〜ということで550kmの道のりをスタートします。
スタート直後、銀座界隈を通り抜けるのだが、
タクシーの二重駐車に、頻繁に出入りする高級車たちに阻まれペース上がらず。
のっけからジリジリとじれったいのだが、
とにかくデンジャラスなので安全第一で新橋の先まで抜けると、とたんに交通量が減る。
道が解放されて、ようやくペースをあげ順調かなと思い始めたころに、
田町の札の辻交差点を越えたあたりから、
今度は品川駅に向かって伸びるタクシー待ちの車列が登場し、再び安全モードへ逆戻り。
ごったがえす品川駅前を通過し、八ツ山の小上りを駆け上がって、
新馬場まで来ると再び交通量が安定する。
少しペースを上げて36kmペースで進む。軽く追い風もあって順調。
大森〜蒲田と過ごし、幅広の幹線道路をひたすらに南下。
六郷橋多摩川を渡って、早くも東京都とオサラバで神奈川県突入。
川崎から鶴見までも幅広で快調に走りぬけるが、鶴見からは車線が減り、交通量が増。
路肩の工事跡の仕上げが悪く、慎重に車列を抜ける。
あうさんと初めてお話しした生麦を過ぎ、子安〜神奈川と過ぎて、横浜へ。
ここで水分補給のためにいったん自販機休憩。
ウィンターウェアがとてもしっかりしていて、
ここまでまずまずあげてきたので汗びっしょり。
前は全開にできるのだが、袖とか背中とかがオーバーヒート気味。
脱ぎ着できないのでなかなか調節が難しいなあ。


すぐにリスタートして、横浜を通過する。
高島を直進し、R1に入る。ここから保土ヶ谷橋交差点までは幅広の快走路。
保土ヶ谷橋で慎重に右折し、軽く上り区間に突入する。
狩場ICの先で道幅が狭くなると徐々にのぼりが増していく。
えっほえっほとダンシングをかけてじっくり上っていく。
さすがにこの時間帯は交通量がない。
やはり、箱根以東のエリアはできるだけ夜間、
交通量が少ない時間帯にクリアしておくに越したことがない。
権太坂をやっつけると、逆方向に下る。
環2をまたいで、いつも焼き立てパンのにおいのする区間を過ぎたら、
不動坂で旧道R1へ。
原チャリ2人組について順調に進んで、戸塚駅到着が2:00。
いつもはここから大坂を上って藤沢BP方面へ進むのだが、
今回は、初めての試みで、御殿場ルートを走ってみることにする。
御殿場ルート=R246なので、日本橋から青山方面へぬけて
直接R246にアプローチしてもよかったのだが、渋谷とか三茶とかややこしそうだし、
ペースを出しやすい第1京浜を横浜まで抜けた方が安全かつ早いと判断しての戸塚。


↓ここから新ルート!R1にお別れをして長後街道へ。


戸塚のバスセンター前交差点を右折し、県道22号ブルーラインに入ります。
すぐに少しきつい目ののぼりがスタート。
矢沢でR1戸塚BPをくぐり、なおも斜度がきつくなる。
踊場までの1駅分がっつり上りきると、あとは細かいアップダウンの応酬。
道幅は広く、交通量もないので、順調。
立場〜いずみ中央と進んでいくが、まったく土地勘がない。
雰囲気的には千里とか泉北のニュータウンの中の大通りといった感じ。
高鎌橋で道は大きく左へとカーブを切るが、
この辺りで住宅地もはずれの方なのか周辺の明かりも少なくなり、さみしい感じに。
R467をまたぎ、小田急線をくぐる。
周囲もますます暗くなり、寒さが少し強くなった気もする。
交通量のほとんどないさみしい道をぽつんと進む。横風が少しあるのが難儀。
用田の交差点で県道22号は若干シケイン気味となり、そこを抜けて、
少し登らされたところの名もなき交差点を標識に従って左折し、
県道22号をトレースする。


↓分岐を左折し、県道22号トレース


若干アップダウンをこなすと、周囲が再びにぎやかになってくる。
工場も少しあるようで、トラックが目立ち始める。
片側1車線ずつの狭い生活道路で、路肩はあまりよくない。
門沢橋でJR相模線を高架でまたぐと、相模川にぶつかり、長く平坦な門沢橋で渡る。
交通量の多いR129とクロスし、しばらくいくと伊勢原市突入。
こんなとこ、はじめて来たわ。どこここ?
しばらく工場地帯のようなところを抜けていくが、
東京から60kmほど走ってきてそろそろガス欠。
夜も更けてきて結構寒いので、何でもいいからコンビニじゃなく室内で食べれるところ!
と、思っていたらちょうどマクドがあったのでインします。
食べれるものが全部油っこい!そして温かい飲みものがコーヒーしかない!
ということで胃腸に多大なダメージを及ぼすので、
本当はマクドは避けたいのだけど…贅沢は言えにゃい。
時刻は3:00。
眠気はまだそれほど深刻ではないが、それでも眠いのは眠いし、
仮眠も含めて30分ほど休憩。
店内に入ってきたときは体が暑くてカッカしてたのに、
仮眠してリスタートするころには体が冷えまくって相当ヤヴァイ。寒すぎる@@


↓門沢橋で相模川を渡る


伊勢原市突入


リスタートしてすぐは、とにかく暖を取るため回しまくる。
そのうちウェアが本領を発揮してポカポカ。
戸塚からずっと走ってきた県道22号ですが、いよいよ上北ノ根の交差点で終点。
ここを左折していよいよR246に入ります。
R246は、片側1車線ずつでそれほど幅広の道ではない。
しかもさすが幹線道路といった交通量で、
頻繁にというほどではないが大型車もそこそこ通る。
伊勢原市街を通過すると、東名高速をくぐる。
そこから道は直線的に上り基調へと変化していく。
約3kmの桜坂に突入です。
標識を確認すると5〜6%から始まり、上るにつれてじんわり斜度が上がります。
何よりドストレートに近いため、前方を確認すると
道は果てしなく続いているように見えるので精神的にきつい。
中腹まではあまり十分な路肩がなく、交通量も多いのでそちらも厳しいのだが
途中から登坂車線が登場する。
えっちらおっちら上り詰めると煌びやかなホテルが見え、
道の前方にトンネルが口を開けている。
ここがピークの善波。


↓上北ノ根よりいよいよR246に入る


↓桜坂を上りきると新善波隧道


短めの隧道をくぐると、今度は奉野に向かってどしゃっと下っていきます。
薄手のグローブではすでに厳しくなってきたので、ここで厚手のグローブにスイッチ。
今回は寒暖の差を考慮して2種類のグローブを持ってきました。
坂道を下りきりしばらく進むと、R246は奉野市街を避けるように右へとカーブするが
その起点である名古木の交差点には「ヤビツ峠」の文字を発見!
東の峠の代表としてその名前は当然知っていたが、こんなところにあったのだね。
思わずピークハンターとしては寄り道をしたくなるが、
まだまだ序盤で無理できないし、なんてったってまだ4時台で真っ暗。
アプローチの仕方は分かったし、また次機会があればいってみよう!


↓名古木交差点。いつか行ってみたいヤビツ峠


奉野市街をかすめながら、そこそこアップダウンを繰り返しながらR246を進む。
思った以上に交通量があるのが誤算だが、といって危険を感じるほどでもない。
まだまだ朝の気配はなく、真っ暗なので周囲の様子もあまりわからず黙々と進む。
渋沢を過ぎると、市街地を抜け、若干の山間部へと投入する。
こちら側からは下りとなるので低姿勢になってペースを上げていく。
顔が寒さでピキピキ張り付く〜@@
川音川にそって、しばらく下っていくと、前方上空に巨大な東名高速の高架。
その真下の交差点は、JCTめいた構造になっていて、
ロストしないようにしっかり確認してR246トレースの右折の中央ライン。
その先の合流ポイントで、トラックが左手R255方面から次々合流するので
しばらく中央ゼブラゾーンで待機してから合流。
ここは昼間交通量が多いときの合流はちょっと要注意かも?
(あとで地図を確認したらその1つ下手にある県道72号にエスケープが正解かも?)
松田市街地を左手眼下に見ながらバイバスのようになったR246を疾走。
時刻は4:30。


↓R246から松田市街を見下ろす


2車線ずつでバイパス化したR246では、閏間のスピードが先ほどより格段にアップ。
しかも交通量がにわかに増加し、こちらも緊張を強いられる。
こはちょっと踏み込んでぺーうアップで切り抜ける。
JR御殿場線東名高速にはさまれながら、
夜闇にうっすらと浮かぶ前方の山並みに向かって進んでいく。
いったん高架橋でJRをまたいでいくのだが、そのあたりになると交通量が激増。
せっかく高速あるんだから大型は高速使えよ!と毒づきながらも、
必死に耐えて進む。
本格的な山間部に入る前に、いったん休息が必要と判断し、
山北のところでサンクスを発見しイン。
温かいお茶とおにぎりを2個補給する。


宮地の交差点で交通量の激しいR246をいったん離れ右折し、県道76号へ入る。
おそらく旧R246が県道降格になったのであろう、立派な道で街頭もしっかりある。
こちらはほとんどといっていいほど交通量がなくエスケープ路としては申し分なし。
本当はもっと手前の段階から入れたのだが、分岐を発見できていなかった。
山北の集落を楽々と抜け、ドンツキを左折すると、樋口橋で再びR246と合流する。
が、R246は渡らず、小さなトンネルを挟んだ次の安戸交差点で再び県道76号に入る。
この道も交通量は皆無で、酒匂川に沿ってワインディングしていて走りやすい。
対岸には山を切り抜いてストレートに走るR246が煌々と光っているが、
弾丸トラックが爆音をとどろかせて飛び交っている。
アップダウンというほどのアップダウンもなく、快調に走っていると、
反対側から年季の入ったローディーさんが走ってきてご挨拶。精が出ますね!
新鞠子橋で再びR246と接するが、ここも県道の方へ曲がる。
さすがに山間に入ってきただけあって、非常に冷えてきた。
ギアを軽めに落とし、くるくる回して暖を取る。
再び東名高速をくぐって、軽く上って対岸へ渡る。
谷蛾の集落を通過し、もう1度高速をくぐった先でエスケープ路は終了。


↓新鞠子橋


↓谷蛾。上は東名高速


ここからは交通量の激しいR246に再び躍り出る。
電光板の表示では気温1度。どうりで寒い。
しかし、もし今回も箱根峠超えをチョイスしていたらと考えるとゾっとする…
清水橋から少し登り勾配をやっつけ、小さなトンネルをくぐる。
この辺はコンクリ壁で左右ガードされ、無数のランプとゼブラと物々しいので
気分的に嫌な感じ。
幸いにして通過時にほとんど車が来なかったのだが、時間帯によっては地獄かも?
トンネルをくぐって、危険なS字を描きながらダウンヒルが始まる。
そこはダッシュかまして切り抜け、平坦になってきたなと思ったころに
県境の標識を発見。いよいよ長い長い静岡の旅がスタートするのだ…


↓1度だよ。寒いよ。


↓長い長い静岡がスタート


酒匂川、その向こうに大蛇のごとく山に取り巻いている東名高速を見ながら、
ひたすら西へ西へと進む。
そろそろ空も白み始め、周囲が明るくなってきた。
そうして、生土交差点までたどり着き、
危険なR246からエスケープ路である県道394号にはいる。
そうして、前方を見ると…あれはもしや!?


↓富士山!


↓もういっちょド〜ン!


そうです!富士山!ニッポンイチのお山が、突然目の前に現れてきたのです。
スゲースゲー!あの突然の登場の演出はさすがに感動してしまいます。
しかも鈍い朝日に照らされた富士は、うっすらとワイン色に染まり、
それはそれは艶やかなお姿。
山頂から広大な裾野まで、ただ1つの雲がかからない完ぺきなシルエットの富士。
これほどすばらしいご褒美があるだろうか!?
寒く長い夜を耐えに耐えた甲斐がありました。* ̄∇ ̄|ニヤッ


さてさて、ここから沼津まではほとんど富士山の姿を確認しながらの
贅沢なライドが続きます。
県道394号をしばらくいくと小山町の集落に入ります。時刻は6:00。
普通ならこのまま県道394号をトレースしていけばいいのだが、
ちょっとだけ寄り道していきます。
駅へ向かう橋を渡り、対岸を少し下ったところでお目当てのスポットを発見。
国の登録有形文化財の登録され、鉄の橋百選にも選ばれた40mほどの鉄橋、森村橋です。
これは邦人が設計・作成した鋼製トラス橋としては我が国初期の遺構。
富士紡績小山工場の門前に架けられたこの橋は、
国鉄線からの引き込みでトロッコを走らせるために架けられたものです。
昔は輝いていたであろう赤いフォルムは至る所に錆や劣化が激しく、
ちょっと物寂しさを漂わせていました。


↓森村橋


さて、産業遺産ネタを終え、再び県道394号に戻って、ライドを再スタートさせます。
カムバックしてすぐ須川を渡ると短めながら一気の急勾配が登場し、
ダンシングでしのぐ。
そこから高台に出るのだが、ずっと予想外の上り基調が続く。
山間部を越えてもう上りは終了と思っていたのに、
どこまでもダラダラと鈍い上りに萎える。
時折、見晴らしのいいスポットを見つけると停止して、何枚も富士山の写真を撮る。
その度に停止して時間を食っている間に、体が心底冷え始める。
そういえば、路面もうっすら凍結し、周囲の田畑も白いお化粧をまとている。
放射冷却の影響なのか夜中よりも冷え込みが一層厳しくなってきた。ブルブル@@
県道394号を南へ南へと進んでいく。とにかく寒い。
途中で道は大きく右へと曲がり、チラチラと富士山を真正面に捉えながら進むが、
ポコンと空に向かって唯一そそり立っている富士山のスケールが
あまりにデカすぎていまいちピンとこない。
それにしても富士山は本当に見事な独立峰だと思う。


↓朝日に燃ゆる富士。アッパレとしか言いようがない


吉久保まで予想外に長く10kmほどダラダラと上り、思ったより疲弊。
寒さが厳しいのもあって体が鉛のように動かないのだ。
くるくる回す元気もなく、白んだ朝の里山をひたすらに南下。
杉原で県道78号(足柄街道)と合流し、路肩の狭い生活道路を進む。
徐々に町も起きだしたのか、人や車も増えてくる。
R138をまたいでしばらく進み、そろそろと左折をしたらJR御殿場駅に到着。
時刻は7:00。
ちょっと寒すぎるので温かいものを入れたいと駅前のセブイレで休憩。
本当はどこか店内で休憩したかったのだが、
駅前にそれらしい店は一切なく(あっても開店前)、
仕方なくホットコーヒーとサンドイッチで朝食をとる。
寒さが厳しくて厳しくて、休憩自体が体力をそいでいくが、
疲労と睡魔で動きが鈍く、結局30分ほど滞在してしまい、すっかり凍りつく。


御殿場駅


7:30リスタートをする。吐く息がモワモワと白く、
耳と鼻がキ〜ンと冷えまくっている。
寒さで凍りついた鈍い体を再び稼働させてペダルをこぎ始める。
必死でくるくると回して暖を取るが、しばらく走ったところで急にさしこみが…
どうも腹を冷やしてしまったみたいで、エマージェンシー発動。
ちょうど南御殿場駅を発見し、公衆トイレに飛び込む。ふぃ〜間一髪。
リスタートをして、ゆるく下り基調の道をペースを上げていく。
これまで稼いできた標高を一気に吐き出していくかのごとく、ひたすらにダウンヒル
それにしても切る風の冷たさよ。
せっかくの下り一辺倒だが、ありがたいのかなんなのか。
そんなこんなで岩波まで一気に下ってくる。
JR線をまたいだら、R246の裾野バイパスと合流。
ここからはちょっと気を引き締めて、車の流れに従って高速巡航をスタート。
デカいタンカーやバスがひっきりなしに真横をかすめていくなか、
40kmオーバーで滑走していると、寒さも吹き飛ぶゼ!
雄大な富士の裾野がずーっと右手側に広がりなかなかのスケール。
千福をすぎ、徐々に上り勾配となって、東名高速と並走する。
ここまでせっかくいい感じで飛ばしてきていたのだが、
短いトンネルをくぐった先でいきなり二輪通行禁止の通告。
仕方がないので、マシンを降りて階段を駆け下り、バイパスから離脱。
よくわからない住宅地を縫いながら、とりあえずバイパスを見失わないように進む。
そのうち再びバイパスに復帰することができた。


↓いきなり裾野バイパスから締め出し


そろそろ、三島・沼津の市街地も近づいて交通量が一気に増える。
長泉ICを通過し、城山の鈍い上りをこなす。
そこから少し下って、沼津IC南を直進。
この辺は高台になっていて、前方に市街地、その奥に駿河湾が広がっている。
まだこの先道が完成していないようで、工事区間を迂回する道を走って一般道に入る。
そろそろ朝練の時間なのか、地元学生のちゃりんこが多い。
新幹線をくぐって、市街地の道へ入ると、車通りが非常に増える。
そこを縫って沼津高校の脇を通過し、R414に入る。
沼津駅の東側でJR線をくぐり南側に出る。
三園橋のところで県道380号に入り、これでいつもルートに復帰しました。


戸塚〜沼津までの約100kmの新ルート。なかなか面白かったです。
ルートとしては箱根越えと比べると20kmほど伸びるが、
厳しい上り下りがない分負担は少ない。
特に東京→大阪の方面であれば、御殿場からの下りは有効的。
逆向きはしんどいのかなあ?
交通量については思ったより違いはなくて残念。
いずれにせよ箱根というのは大きな壁だなあ。


さてここから、県道380号を少し進んでコンビニを発見していったん休憩。
時刻は8:30。
この先、東京〜大阪の中でも鬼門中の鬼門である千本松原・田子の浦エリアである。
ここでいつも睡魔や空腹に苦労しているイメージがあるので、
その前に一服です。
温かいドリンクと、甘い系のもので疲れを癒す。
そして夜も明けたので、方々に連絡を入れておく。
30分ほど休憩ののち、リスタート。
県道380号を進んでいき、西門間の交差点に到達。
いつもならそのまま直進し、海岸線の真横をただただ単調に進むのだが、
今回は右折して、県道163号を選択してみる。


↓西門間からは別ルート、県道163号に入る


県道380号も県道163号も結局は東柏原で合流するし、
ただ1本筋が違うだけなのだが、ひょっとしてこっちのほうが走りやすいのか?
と、いつも分岐で迷いながら県道380号を選択していたので、今回実際に走ってみます。
右折をすると、ちょっと道幅の狭い生活道路で、車の行き違いもちょっと大変そう。
際際まで住宅があり、一段上がったところに歩道があるため、
自転車の走行ラインは極めて少ない。
景色は県道380号と比べて飽きはしないが、決してペースは上がらない。
しかも、道中2回もJR東海道本線を踏切で渡らねばならず(2回ともひっかかる…)、
先を急ぐ身としてはやはり県道380号の方が走りやすくてよかった。
ただし、右手側に立派な富士山を拝むことができて、それはなかなか素晴らしい。


↓やっぱり富士山


東柏原で県道380号に合流、その先の槍で左折し、県道170号で吉原を抜け、
田子の浦の港を抜ける。
このころになると日差しもずいぶん強くなってきて暑くなってくる。
寒いより暑い方がいいぞ!グローブを薄手のものに交換。
旭化成のわきからR1富士由比バイパスに合流し、そこからはペースアップ。
4kmほどのドストレートを混雑する車の流れに合わせて疾走。
道の駅富士のところから歩道に乗り上げ、富士川を渡ったのが9:30。
今日はいい天気になりそうだなあ。


↓おだやかな駿河湾の向こうに伊豆半島


新富士川の歩道から降りるには階段を使わねばならず、
マシンを降りて押し歩きで土手に出る。
そこでローディーさんがいたのでご挨拶。
蒲原東ICのところで右折し、いったんR1と離別。
JR線沿いの道にでて、西へ進み蒲原駅前を突っ切ってさらに西へ。
ごにょごにょと裏道を進み、JR線をまたぐ踏み切りでまたまた足止め。
結構長めの踏切で、その間に単独さんやらサイクリスト集団やらが後ろからきてご挨拶。
そろそろ地元のローディーも動き出しはじめているのかな?
東名高速の高架下から県道370号に入る。
ここは東海道由比宿の間を抜ける道で、なかなか風情がある。
観光客が結構歩いているので注意しつつ進む。
この由比の名物といえば、駿河湾で獲れた桜海老とシラス!
毎度毎度ここで飯を食べたいと思いつつ、
お店のやっていない早朝や夜間にしか通過していなかったため残念な思いをしていた。
今回はドンピシャ、お昼前の時間ということで、
ここは時間を押してでも食べます。
で、事前にリサーチしていたお店へ向かうことにします。


県道370号(由比さくらえび通り)をぼちぼち進み、由比川にぶつかったら
左折。怪しい怪しい川へと下る道を下ると…
のわ〜!!!
JR線の鉄橋のスレスレを道が続いている!
しかもしかも路面は砂浜!
ほんまにこの道で合ってんのかいな?と心配になりつつも、
砂浜にはたくさんの足跡や自転車のタイヤ痕がついているので、
誰かが通行しているのは間違いないので、進みます。
天井が低すぎて立っては進めないので、思いっきり屈んで進むが、
ビンディングシューズが砂に埋まってなかなか思うように進めないゾ。
どうにか反対側にくぐると、R1バイパス沿いの道に出る。
で、お目当ての店はそのロードサイドにありました。
「さくら屋」さんというお店です。
すでにたくさんの車が駐車場に並んでいます。
車利用の客はともかく、自転車や歩きの人にとってはかなり穴場の店です。


↓秘密のルートでアプローチ


↓さくら屋


さっそくお店に入ります。
時刻は10:30と、まだ昼前というのに結構繁盛していますが、
どうにか入り口付近のカウンターに陣取ります。
色々メニューがあって、どれもこれもとってもおいしそうなのだが、
ここは桜えび定食にします。
うどん・そばがついているそうで、冷えているのに思わず、冷たいおソバにしてしまう。
だって、こちらのツユは…
しばらくしてお盆に乗って定食が登場。
生桜えびに、桜えびのかき揚げ、桜えびの釜揚げ、桜えびの甘露煮と、
まさに桜えび三昧♪(ちなみにパナメイエビも芝エビもありませんでした)
どれもこれも美味しく、お替り自由なので白飯もがっつりいただく。
あと、さすがお茶処静岡らしく、お茶が異常にうまいの〜♪
まさに念願かなっての桜えびまみれで大満足。復活です。


↓桜えび定食♪


さて、無事に名物を堪能し、腹いっぱいになったところでリスタート。
再び怪しげな裏道を使って県道370号に戻り、そこからは西へ西へ進みます。
由比駅からいったんちょいっと上り、寺尾の交差点でR1バイパスをまたぐ。
そうしていつもの太平洋岸自転車道へ入ります。
前回は逆向きを夜中に走行して大変難儀したが、今日は視界も良好でラクチン♪
途中駐車場を抜けるところで、珍しく磯の方へ出てみると、
これまで走ってきた駿河湾の海岸線の向こうに、立派な富士山がど〜ん!
ここはなかなかの絶景ポイントですなあ。
いつもはスケジュールやタイムばかりを気にして素通りだったが、
こうして一歩はいれば新しい感動や発見があって面白い。
でも、色々写真撮影をしすぎて結構タイムロスをしてしまった…
富士山とはここでお別れです。


由比ガ浜にて。ここで富士山とはお別れ


太平洋岸自動車道をそのまま興津まで突っ切り、旧道R1に入って、ひたすら南進。
清水からはR1に乗って、幹線道路をペースを上げて進みます。
若干のアゲインストながら、車の流れがあるのでそれに乗って36kmペースで。
東静岡あたりでオサレバイクの阿呆がバトルを仕掛けてきたので、
40kmまで上げてプッチンプリン
本当は「しぞーかおでん」でも食べようと思っていたが、
由比で思った以上に食べ過ぎた直後だったので、やめておきます。
静岡駅前を通過したのが11:30。
ここで約200km走行してきましたが、まだ全行程の1/3…
R1の標識にはシレっと名古屋まで200kmの文字が…簡単に書くなぁ〜!!
ということで、まだまだ続きます。


第2区間へ続く…