記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

『だからこそ、自分にフェアでなければならない。』出版記念 小林紀晴×竹内洋岳トークショー

この週末は諸々の用事で東京へ遠征に行っておりました。
今回のメインは、渋谷の丸ジュンで行われた
『だからこそ、自分にフェアでなければならない。』出版記念トークイベントに参加です。
小林紀晴さんといえば、『ASIAN JAPANEASE』などで知られる写真家&作家さんで
バックパッカーのあこがれの1人として有名ですね。
自分も若いころはよく読みました。
一方、竹内洋岳さんといえば、
日本人初、世界の8000m峰全14座を登頂した世界的な登山家です。
自分にとってはもうこの組み合わせは黄金タッグ。
例えは悪いですがエイリアンvsプレデターみたいなもんで、
一度に2人のお話を聞けるのはめちゃくちゃおいしいイベントでした。


↓渋谷のジュンク堂にて


小林さんは、さすがに自身もバックパッカーとして、
現地を実際に経験してきたという土台があって、
そのあたりでルポライターとして非常に的確に竹内さんから話を引き出しており、
またちょっとした部分を見逃さない鋭い観察眼がありました。
写真というのは、もちろん技術的な部分というのも大きいのだけど、
経験というか、その人の持つ嗅覚、視点が最もモノを言うジャンルなので、
そういうところが生きてくるのだなと感じました。
このあたりは沢木耕太郎さんにも通じる部分があるように思いました。
(沢木さんの場合は、山野井さんを取材されていました)


↓写真家・小林紀晴さんと


一方、竹内さん。
一度ぜひお会いしてお話ししてみたかった登山家の一人でした。
以前にも書きましたが、その声質とか、しゃべり口調、言葉の選び方や、
論理的に説明していこうという感じが、非常にイチローに似ているなあと感じました。
なんというか、自分の中で確固たる理屈が確立されていて、
どんな質問に対しても非常に明快かつスマートに受け答えされていて
さすがだなと感じました。
色々なお話をしていただきましたが、
さすがに死の世界で、自分の想像力と判断力で壮大な冒険に挑み続けてきた人の言葉は
ものすごく説得力のあるものでした。
またプロフェッショナルであるということに非常に責任と自覚をお持ちで、
その姿勢はどの分野の人でも見習うべき姿だなと。


↓14サミッター竹内洋岳さんと


トークショーの後はサイン会が開かれ、
お二方ともにサインと記念撮影をしていただきました。
少しお話をもさせてもらい、とても楽しい2時間でした。


しかしまさか、この1年で、
プロアドベンチャーレーサーの田中陽希さん(改めて百名山一筆書きGOALおめでとう!)、
伝説の登山家、山野井泰史さん、そして14サミッターの竹内さんと、
お会いしたかった3人の冒険家にお目にかかれるとは!
そもそも日本にいないことの方が多く、めったに人前に出てくる人たちではないので
本当にラッキーでした。
なーんだ単なるミーハーかよと思われるかもしれませんが、
しかし実際に経験豊かな人の話を直接聞くというのは、本当にためになることで、
3人共から生きていくうえでの糧をいただいた気がしています。
面白いのは、実は3人とも登山に対するメソッドはほとんど一緒
(単独行・人力・軽量スピード重視)なのに、
登山に対するスタンス・思考(哲学といってもいい)が全然違うというところです。
そのどれか1つが正解というわけでなく、どれもが各人の個性なのだと思います。
そしてその3人ともに共通するのは、
常に自分で考え、自分で決断し、自分で実行するということ。
登山とは想像する行為そのものなのだということです。
そしてそれが可能な人間は、山だけではなく、どこでだって常に強いのです。


↓サインいただきました


イベントが終わって渋谷に21時。すでに大阪には帰れません。
元々そのつもりで、せっかくの遠征なので、
コミコミパックで翌日にむけて山行の準備をしてきていました。
終電で小田原に向かうまで少し時間があったので、ちょいと呑みましょか。
ダメ元で、ナベシに連絡をしたら、たまたま近いところにいたので、
品川駅で久々に再開。
ちょうど港東口のロータリーで東京の地酒まつりみたいな屋台群があったので
そこでささやかな小宴。
1時間ちょっとでしたが、久々に会って互いの無事を確認し、盃を酌み交わす。
それで十分でした。
ナベシ、サンキュー!
ナベシのお見送りを受けて、小田原に到着したのが日付が変わる直前。
いくつかビジネスホテルを当たってみたがどこも満室で、
仕方なく駅前のネカフェで一泊。


↓久々ナベシと


↓東京地酒フェア


↓まずは金杯特別純米


↓澤ノ井のしぼりたて