記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

ネルに起こされた

今朝。
前日から一気に冷え込みが厳しくなったが、とても不思議な体験をした。
木枯らしがピュウピュウと窓をたたき、その音でうっすらと目が覚める。
奥さんがあわただしく支度をしていて、「起きや〜」と言われたので、
「寒いから気を付けて行きや〜」と言ったのだが、
寒くてもごもごしているうちに、ウトウト。
まだ目覚ましが鳴るのに10分ほどあるから大丈夫と、うつらうつらとしていると
ふとんの上を歩いてくるものがいる。
奥さんが再び起こしに来たのか、あるいは娘か?
と思ったら、どうもネルのようだ。
いつものようにゆっくりと歩いてきて、
枕元にやってきて、チャーと一度鳴く。
ネルが起こしに来たのがわかったので、
ネルやと思って、体を一度撫でてやると、
満足したのか再び足元の方へとゆっくり歩いて行った。
ああ、ネルはやっぱり生きてたわ〜と、奥さんに声をかけたつもりだったが
声が届いていなかったようす。
こちらも暖かい布団で寝ぼけているし、
ネルが帰ってきたのに安心してそのまま二度寝してしまった。
目覚ましが鳴って、起きて辺りを見てみたがネルはすでにいなくて、
あれは夢だったのか何だったのか。
ネルの鳴き声がはっきり聞こえたし、
あの柔らかな毛並みにも間違いなく触れたのだが…


さっき、奥さんからメールがあって初めて気づいたのだが、
今日は、ネルが無くなってちょうど2か月だった。
節目の朝にふらっと帰ってきたのかなあ。
猫に帰巣本能があるのか知らないけれどよく帰ってきたね。
おかえり、ゆっくりしていきや。