記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

みっともない

今まで見てきた中でも特にひどいゲームだった。
ホーム、ほぼベストメンバーの布陣。
格下相手、それもタッパもなければ、パワープレーできるガタイもない。
ほぼ自陣で閉じこもってくるのがミエミエの相手に
勝って当たり前。
昨日のはほとんど負けに等しい。
正直、日の丸に値しない。


前半はまだいい。
やはり親善試合とは勝手が違うわけで、
ハリルJAPANの公式初戦で、やはりW杯の予選。
連携の不安定さとか個々の動きの固さとか、微妙なボールタッチのズレとか
立ち上がりでもたつくというのはどんな大国、
どんなスーパースターでもありうる。
それらを試合の間にどれだけアジャストしていくかというところがポイントで、
それが本当にお粗末だったことが大問題。


確かに相手GKのファインセーブもあった。
なぜか相手GKがやたらミラクルミラクルと持ち上げられているが
正直本当にすごいセーブは90分通じて2度だけ。
あとは際どくても止められるべくして止めている。
相手だって格下と言えど代表レベル。止めるのが普通。
むやみに相手GKがすごいすごいとはしゃいで、
敗因の本質を逸らすのは正直よくない。
相手がすごかったから点が取れない、勝てなかったわけじゃ決してない。
自分たちの問題だ。


後半はあれだけシュートを連発し、
何度も相手陣営の深くまで侵入していたが、ほとんど得点の匂いがしなかった。
あそこまで深く守られてしまえば、
もう中盤の組み立てとか戦術とかどうでもいいわけで、
ボンボンアウトから放り込んで、あるいはドリブルで切り込めばいいのに、
マゴマゴと狭いところでグルグルやっている。(あれは香川の悪い癖)
そういう時こそ、堂々と落ち着いて粛々と攻めればいいのに、
残り時間が少なくなって焦りと苛立ちが前面に出て、
パス、トラップ、シュート、1つ1つの精度がどんどん悪くなって、
ただでさえシュートタッチが微妙に精度を欠いて点が入らなかったのに、
さらにプレーが荒削りになってしまえば修正できるものも修正できるはずがない。
自分でどんどん歯車を狂わせて、完全に自滅してる。
最後の方は、吉田も酒井も長谷部も集中力を完全に欠いてひどい有様だった。
あそこで、全体を落ち着かせる遠藤のようなプレイヤーがいれば、
また立て直しも可能だったかもしれないが、
いずれにせよ余裕をかましていたのが焦りに変わると、
途中からアジャストするのはサッカーに限らずなんだって難しい。
相手はアウェーで勝ち点1ゲットできれば十分ミッションクリアなわけで、
深く守って守って、相手を焦らせて、焦らせて、
全く相手の思うツボにはまってしまった。
そういう展開になることは最初からわかっていたはずなのに。
ほとんど意味のない国内での親善試合で大勝して、
心のどこかに油断が芽生えていなかったかと疑ってしまう。


試合後の中継で解説人が、
「次の試合からは大丈夫。あとは得点するだけなんで!」とか
眠たいことを言っていたが、
得点力不足、決定力不足なんてのは、昨日今日始まったことじゃなく、
はるか昔(あなたたちが代表を張ってた頃からすでに)から、
JAPANの不治の病なのだから、相当深刻にとらえなければいけない。
確かに、予選は一発勝負ではないので、昨日の試合だけでどうのということはない。
でもW杯出場することがもはや目的ではなく、単なる通過点で
本当の目標、さらなる高みを目指す上で昨日の試合は汚点でしかない。


会場では試合後ブーイングが結構あったようだが、
中継を見ているだけでは、試合後黄色い声援を送る女子や、
それに応えて笑顔で手を振る選手なんかもいた。
スーパースターやイケメン選手みたさのミーハーも結構だが、
駄目な時はちゃんと駄目だとはっきり選手に伝えるのも、
12人目の選手であるサポーターとしての役割である。
次は頼むぞ!