記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

カストロ死す

キューバ革命を起こしたフィデル・カストロ議長が亡くなりました。
それにしても、トランプという21世紀の”革命家”の到来によって
時代がまさに大きく変わろうというその只中で、
なんというタイミングだろう。
まさに一つの時代の終焉と、新たな時代の始まりを告げる象徴的な死です。
合掌。



20世紀は良くも悪くも、アメリカが世界の覇権を握り、
アメリカスタンダードによって政治・文化・経済が回っていた時代。
しかしそこにはもちろん明と暗の側面が存在しています。
ソ連共産主義とのし烈な争いは、
世界各国で代理戦争を引き起こすわけですが、
その度にあの手この手で親米派の傀儡政権を樹立させては、
手のひらを返したり、利権を吸い取ったり、
米帝はある意味、強者の理屈を強引に押し付け、
国家として安定を欠く国々からひどい搾取をしてきました。
特に、中南米政策はチリクーデター、グレナダ侵攻、パナマ侵攻etc、
やりたい放題をしてきて、
それらが結果的に反米意識を高めることになるのですが、
そういうアメリカンスタンダードの世界に対して真っ向から立ち向かい、
独自路線で半世紀以上国家を運営してきたのがキューバという国であり、
フィデル・カストロという革命家なのです。
もちろん彼自身の独裁にも明と暗はありますが、
アメリカ、そしてソ連いう絶対的な大国を相手に
堂々と渡り合ってきた器量というものは計り知れないもので、
間違いなく中南米アイデンティティを体現するカリスマだったと思います。