記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

昨今の山雑誌に苦言

山雑誌が随分にぎわいを見せている。
本屋めぐりでも、山コーナーの充実ぶりについ滞在時間も伸びてしまうこの頃。
でもちょっとこの現象は怖いなと思う。
初心者を意識した雑誌が次々と発行されていて、
お気楽な格好で、かわいらしいモデルが
やれ富士山だ、槍だ剱だ、なんなら北アルプス縦走だとやっているけど
それを見て安易にじゃあ行ってみようっていうのはとっても危険じゃないか。
実際僕自身、記事読んで、これなら行けそうとか、行っちゃうかと思う。
ただ、自分はそんなレベルじゃないと自覚しているから安易な行動をしないだけで。
山はそんなに甘くない。いや全く甘くない。
同じように盛況な自転車雑誌の場合、
わあやってみたい!で盛り上がってあとで後悔したとしても
高っかい買い物したなあで済むけど、
山の上で、しまった!雑誌見てうかつに来たけどヤッバイとなったら
マジで死んじゃう。
確かに今まで山の世界を知らなかった人たちに、
やさしくわかりやすく山の素晴らしさを伝え、
気軽に山登りを体感してほしいというのはわかるし、
購買者のすそ野を広げることでシェアを高めるという戦略もわかるが、
ちょっとヤバいんでないの?
油断しまくりの初心者が無理な登山で事故が各地で多発しているけど
こういった安易な企画を通しまくっているこれらの雑誌にもその責任があるんじゃないかと思う。
人を阻む山の姿そのもののように、
山雑誌も少し一般の人を寄せ付けないような威厳があってもいいのかなと思う。