記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

自走アワ1 前編

前日の神戸までのご近所ライドから帰宅後に大慌てで準備&下調べ。
対パンク装備はゲットしたし、勝手知ったるルート、天気も悪くなさそうだし、
一応出動可能な状態。
ただ心の準備というかが足りず、不安でいっぱい。
まあいつもロングライド前夜はソワソワするんだけども、今回は不安材料がいくつか。
まずは夏場のライドと違って寒さが厳しいという難条件。
しかも常に潮風を受け続けるルートなのでなおさら。
そしてもう一つは、履き替えたばかりのホイール。
まだ200kmも走っておらず、重量増がどの程度ロングライドで足かせとなるのか。
ほぼ平坦とはいえ、水仙渓を含め4か所は本格的な上りがある。
このホイールではまだ上り未経験というか、インナーにすら入れてない。
島という特殊なエリアということで、帰りのフェリーに乗るまではDNF不可。
まあDNFしたことはないが、それでも心のゆとりがあるとないは違うのだ。
それから前日から痛んでいる左足の親指の具合があんまりよくない。
まあわあわあ言うとりますが、行くと決めたら行っちゃうのだ。


3:00出発のつもりが、3:30起床で、大急ぎで身支度をして4:15出動。
一歩家を出た時点で、しれっと布団に戻ろうかと思うくらい寒い。
ひとまず淀川沿いに出て、R2に合流。さすがに早朝の時間帯は交通量も少なく快適。
ペースが上がると体温も上がり、寒さをしのげる。
ただ、前日思った以上に強度が高かったため体が疲労していて全身が重い。
武庫川のところで気温4度。十分十分。
5:00ジャストに芦屋の業平橋に到達。
本山で反対方向を走るローディーさん発見。こんな時間にご苦労なこって。
慌てて出動して何も食べずにきたの腹が減り、住吉のローソンで小休止。
なんか店員さんに食い付き気味にあれこれ話しかけられた。
ミートドリアをがっつり食べて再出動したものの、
わずかながらパラパラと小雨が降りだす。本格的ではないので直に止むだろう。
5:30に三宮を通過。
ここから須磨までやたら信号にひっかかり、ストップ&ゴーがめんどくさい。
須磨まで来ると雨はやみ、その代わり海風が猛威をふるい、ペース上がらず。
6:30に垂水通過。うっすらと夜が明けてきた。
てっきり6:40がフェリーの時間だと思っていて、次が7:20だから慌てずにペースを落とし、
ジェノバラインの乗り場に到着したのが6:55。
しかしリサーチした時刻表が古かったらしく、実は7:00発!しかも次便が8:20!
思いがけず綱渡りで7:00便に乗船。
しかし、なんか係員のおっさんの感じ悪いぞ?


↓夜明けの明石港


フェリーはわずか13分間しかない。とにもかくにも仮眠。
寒い。体が冷える。そしてモーレツに眠い。
元々休憩すると調子を崩すのだが、寒さのせいでいつもより具合悪い…
ほんまにこれから150km一周できるんかいな。
仮眠というより目をつむっただけですぐに岩屋港に着岸。
7:30にいよいよアイランドライドスタート。
フェリーでの小休止で体が冷え、ペースが一向に上がらない。
綺麗な朝焼けを見ながら無理せずに走るが、
今日にいたっては寒さと前日の疲れのせいか、
いつもなら中盤に襲ってくる疲労と眠気が早くもピークに。
しかも住吉で補給をしたはずなのに妙にお腹が減り、ハンガー気味。
佐野の集落でR28をはずれ、住宅道でペースを落とす。
全然前に進まない・・・。準備不足と寒さを痛感。
たぶん岩屋〜洲本間がこの日一番精神的に厳しかった。


↓東浦の観音様からみる朝焼け


どんどん腹が減り遭難しかけの状態。
本当は洲本までは我慢しようと思っていたが、残り10km我慢できず
大谷のファミマでどん平衛とおにぎりとティラミス。
駐車場の地べたから寒さがおしりからやってきて辛すぎる。
こんなんで、ほんまに無事に完走できるのかいな。
補給を終えてトイレを拝借したのだが、
あまりの眠気に気付けばしばらく眠りこんでしまっていた…
再び走り出すもののテンション低く、体も全く言うことを聞かない。
ふきすさぶ向かい風のなか、淡々と回していくが、長続きせず、
ニューアワジの先のファミマに再び駆け込む。
ここから福良までは補給ポイントが全くないので色々買いこみ、
入念にストレッチしていると団体ローディーさんがやってきた。
ジャージからして某サイクルショップの人たちの様子。
挨拶するも反応がよろしくないので、長い無用と切り上げて走り出したのが9:30。
よく考えたら岩屋からの35kmに休憩も含めて2時間もかかってる・・・


しばらく海岸線を走り、由良の集落を抜けると、お待ちかねの上り区間1発目です。
途中下り区間もあるし、そんな大したのぼりでもなかったと記憶しているが
なんにせよコスカボで初の本格的な上り。
しかもこれまで250km程度走ってはじめてインナーにギアチェンをするので
どんな感触か全くの未知数。
まあ少なくとも山用に軽量にできているわけではないし、
それは承知の上で自分が乗りこなすことができるかどうか。
まあ、家までの道のりは長いし、こののぼりであえてTTする必要もない。
というかパーティーでのライドと違って、ソロでアワ1の場合、
上り区間より長い長い平坦区間で潮風を浴びながら耐えるほうがよっぽとつらいので
そちらに体力を温存しておかなくちゃいけない。
集団なら楽しくとも、ソロアワ1は実は結構難易度が高かったりする。
まあとにかく、ここは感触をつかむ意味でのんびり攻めるつもりでスタート。
最初の分岐を越えるとぐぐっと斜度が上がる。
すぐにインナーに切り替えるがやはりEA90SLに比べると
よっこいせと持ち上げている感覚。
EA90SLの場合はケイデンスをかけた分だけくるくると回ってくれるのに、
コスカボはゴリゴリと反応が鈍い。まるでアウター縛りでのぼっているような感じ。
イーストン時代から、花背クラスの上りなどでは
あえてアウター縛りでシミュレーションしてたから単に上る分には問題なし。
ヘアピンを通過し、斜度が一段楽したのでちょっとペース上げようかなと思ったところ
背後に気配がする。誰だと思ったらさっきの団体さんの1人がアタックで抜かれる。
後ろを見ると続々と他のメンバーも上がってきている。
まあこっちは鉄ゲタだし、無駄にこんな上りでエネルギーを消費してしまうのもなあと思いつつ
あまりバンバン抜かれるのも正直気持ちの良いもではないのでちょっとペースをあげていく。
さすがに抜いていった一番速い人には追い付けなそうだが(イーストンだったら十分)、
一定距離を保ってナゾパラに到達。
写真を撮ろうといったん立ち止まると、待ち構えたように係りのおばちゃんが寄ってきたので
こりゃヤバイとすぐに動いて、ちょっと先のドライブインから写真を撮っていると、
さらに2人が下り区間で抜いていったので、獲物発見とばかりにすぐに追走。
再びの上りで、じわじわと差を詰めていく。斜度が上がるところでアタックかけようかと思ったが
ピークはもうちょい先のはずだから、じっくり攻めようと思ったらそこがピークだった。
あれれ?こんなに上り短かったけか?
結局ダンシング一切せずに1つ目の上り区間終了。
団体さんのうち3人には抜かれたが、途中撮影で停止もしてたし、
まあめちゃくちゃ遅いというわけでもなかったから、
このクラスの上りならコスカボでも十分ということか。
そこからテクニカルな下り区間
かなり慎重に下ったものの、あっという間に先行していた1人に追い付く。
さらに水仙渓ラインでジワジワもう一人に追いついてパス。
最後の一人はモンキーで休憩中だった。集団はここで一旦合流して休憩だろうから
写真だけ撮ってすぐにリスタート。
序盤あれだけダレダレだったはずなのに、なんかこの上りのおかげで覚醒してしまいました。


水仙渓入り口


↓恒例のナゾパラを裏から


↓モンキーパーク


天気は徐々に雲が晴れ、海は銀板のごとくキラキラと光っている。
ああ、キレイだなあと感慨に浸りながら走るのだが、
難儀なことに風が強いので、ときおり下ハンの姿勢になりつつ進む。
黒岩水仙渓はずら〜っと車の行列。
こんな辺鄙なところでも行列かい、ヤレヤレと思ったら、今がシーズンだったのね。
しばらくして沼島が近づいてきて、灘土生の港を通過。
ここではあえて休憩をはさまずに上り第2弾の灘大川の激坂に突入。
まずは本チャンの前に一度ぐいっとゆさぶりがかかる。
そっから一旦下りが入ってからの激坂区間突入。
のっけからどえらいしんどいです。
ダンシングするも回転が鈍く、全然前へ進まない。
全くもってマシンが重い重い。
ただ、ホイールが軽い分、ダンシングすること自体は容易で、長いこと持続できる。
ぎこぎこと耐えに耐えてなんとか上りきるが、
コスカボが対応できるのはせいぜい10%そこいらだな。
水仙渓と比べるとやっぱりこっちの方が辛かった。


↓おだやかな海


↓灘の上り


最大の難所、灘大川の上りを過ぎ、向かい風の中一転の下り。
でも風が舞っていてコーナーで攻めると煽られてコワイコワイ。
途中でピンクウェアが決まっているミニベロのおっちゃんを挨拶してパス。
(この後この方とは3度ほどお会いすることになります。)
そして間髪いれずに上り第3弾。
県道25号を直進せずにちょっと寄り道でプラザ淡路島までの上り、
その名も押登峠(縁起ワルッ!)。
地元の野球部の子らが逆回り(下り)でランニング中で、
時々、声援をもらいながら上っていく。
そんなん言われたら、恥ずかしいところ見せれないじゃないか!
お前らもガンバレ!
ということで、いたってクールを装って、シッティングで上る。
でも思ってた以上に距離が長くて、内心はずっと「まだかい!まだかい!」と叫んでました(笑)。
さすがに休憩なしで上り3発目。しかも3発の中で一番距離が長くて後半ダレッダレで
なんとかホテルまで上り詰める。
展望台から福良の港と、遠くに徳島市街、そして鳴門大橋が一望し、記念撮影。
まだロード乗り始めて3ヶ月のペーペーの時に、木馬のイベントで、
ビギナー組のコースを蹴って、ベテラン勢に混じって命からがらやってきたことを思い出す。
あの時はサイクルウェアさえ持ってなかったなあ。
しばらく景色に見惚れてから、すぐにリスタート。
なにせ3つ上りをこなしたので腹が減って仕方がない。
今日は福良の港では食べずに、さらに先の道の駅うずしおで食べるつもりなので
ここでSOYJOY1本だけ食べてごまかす。
風車の所までさらに鈍く上って、シャッと下って県道25号に復帰。
いったんさらにコルを越えて、テクニカルな下りを駆け下りる。
福良港ターミナルには12:00に到着。
すると、なにやら湯気が沸いているので見てみると、足湯!
しかもうず潮チックにグルグル流れている。
休憩のたびに脱げばいいのだが、シューズカバーはしているし、
脱いだら寒いしというので家からずっとぎゅうぎゅうに締め付けたままやってきたので
脚が疲れきっているし、しかも例の親指も限界に達していたので、
迷わず足湯に入る。
なんて気持ちのいいこと!気持ちよすぎてまたもやそこで30分も仮眠をしてしまう。
ちょっと予定外にタイムロスをしてしまったが、
脚が復活したので後半に向けて、意気揚々と出発するのであった。


↓福良港ターミナルの足湯


後編へつづく・・・