記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

六甲全山縦走② 高取山〜摩耶山(16.5km)

<コース> *時間はおよそ
高取山→丸山→鵯越駅→(石井ダム11:30)→菊水山(12:30)→天王吊橋→
鍋蓋山→大龍寺(14:00)→市ヶ原(14:30)→天狗道→稲妻坂→摩耶山(16:30)


高取神社で一服後、縦走路へ復帰する。
眺望がよく前方は海。そしてずんずん住宅地が下ってくる。
このままの方角で大丈夫かな?下り口を間違えたかと思ったところに
安井茶屋にぶつかる。
そのまま直進して下ってしまうと長田方面へのエスケープになってしまうので左折。
しばらくウニウニと山道を下ると住宅街に入る。


↓安井茶屋


高取橋東詰交差点をまたいで、1本目の角を左折する。
ここから2人組おっちゃんハイカーとなぜか軽いバトル気味に抜きつ抜かれつになる。
急な住宅の道ををクネクネと上っていくうちに方角が?になってしまうが
この丸山地区には小まめに案内標識があるのでそれに従って行く。
GSのある交差点にぶち当たり、左手の細い道へと分け入っていく。
そのうちバス通りに出て道なりに。おっちゃん達はしつこく食いついてくる。
こっちも負けへんで!
と、お互い静かながら熱き戦いを繰り広げていると、
後方からトレランの大集団がどば〜っとやってくる。
なんじゃいなんじゃい!2,30人ほどの大群がジャーアジャーと走り去っていく。
あまりに圧倒されたこともあり、おっちゃんとのバトルもご破算になる。
自分はこの機に乗じて、おっちゃん連中を置いてきぼりにする。
橋を渡ると激坂が始まり、トレラン集団もダラダラとペースを落として歩き始める。
君達、走りたまえよ。
神戸電鉄をくぐり、大きめの道路の高架をくぐって源平町までは
このトレラン集団とランデブー。おっちゃんたちはもう見えなくなりました。
そこでひとしきり上りが完了すると、思い出したようにトレラン集団は走り去っていきました。
しばらく路地を歩くと鵯越駅に到達。


↓高取橋東詰交差点を渡る


↓ここで左折


↓丸山で大トレラン集団に遭遇


鵯越


鵯越駅の右脇の公園から緑の道を悠々と歩く。木漏れ日がなんともいい感じ。
そのうち小さな川沿いになり真北の方角に転じる。
山麓バイパスの下をくぐるってしばらくいくと、急な上りがスタートする。
鈴蘭台処理場の脇を迂回するようにかすめて上り、
あやしげなカフェ?を過ぎると水平に。
前方に神戸電鉄が見えてきて、道が分岐している。
ひとつは直進する縦走路。もうひとつは石井ダム経由で鈴蘭台へ向かうルート。
ダムの天辺にある事務所へしんどい思いをして上がるか、
そのままスルーするか悩むが、ここはチャリでたどり着くのが困難なので、
ここは覚悟してダムを上ることにする。
下から見上げると結構デカイんだこれが。
ヒーヒー言いながら脇の階段を上っていく。
途中であまりにもしんどいので、誰も来そうにないので荷物を踊り場にデポして駆け上がる。
なんとかがんばって天辺にでるとすぐそこに事務所がある。
荷物も心配だしと即効でチャイムを押すが、反応がない。
何度押しても反応がない・・・・・・
もうっ!
これから最大の難所、菊水山を上る前に、わざわざリスクを冒してダムを駆け上ってきたのに・・・
このときは心底疲れました!バカバカバカ!


↓石井ダム


↓上から


くよくよしていても時間が惜しいので、ここはカードをあきらめ、
即効で荷物を回収して縦走路に復帰する。すでに30分もロスしてしまった。
さて、橋を渡って少し広場みたいなところからいよいよ最大の難所・菊水山への上り。
序盤から急峻な階段がひたすら続いていく。
この頃になるとハイカーも増え、みな階段地獄に苦しんでいる様子で、
ちょっとしたエスケープ場で一息入れている人や、
今にも崩れ落ちそうになりながら必死で上っている人など様々。
自分は渋滞に巻き込まれないようにうまく遅い人をパスしてペースを維持する。
が、行けども行けども階段は終わることなく、かなり苦しい。
さっきの石井ダムもはるか下に見え、東側にはゴルフ場が広がっている。
それでもまだまだ階段地獄は終わらない。
ふんばってふんばって1歩ずつ確実に高度を上げていくが、辛いの何の、南野陽子
いっぺんに噴出す汗。こまめにハイドレで給水しながら息も絶え絶え上って行く。
お決まりのダミーてっぺんに何度もげんなりしながら、上っていると
途中から通り雨が降ってくる。オーバーヒートした体にはちょうどいい冷却。
大格闘の末、ようやく山頂に上り詰める。
山上ではたくさんの人が休憩やランチをしていた。みな火照り顔である。
自分もさすがに疲れたので一息入れる。
どえらい上りで汗がびしょびしょで不快なのでシャツを取替え、
朝ごはんの残りのアンパンをぱくつく。
電波塔のところにある展望所みたいなところから西を望むと、
今まで歩いてきた山々が連なって、思えば遠く来たものだと思ったりする。
でもまだまだ全工程の半分も消化していない。
1つ目の難所・菊水山はクリアしたが、もう1つ摩耶山というオバケが残っているし、
無駄なタイムロスもあって、予定よりも1時間ほど遅れているので
さっさと菊水山を後にする。


菊水山


菊水山から今まで歩いてきた道程を望む


菊水山からは少しの間は尾根伝いに進み、
鈴蘭台へのエスケープ分岐からは一転の激下り。
遅いハイカーを抜きつつ、速いトレランランナーには抜かれながら、
マイペースで下っていくと堰とため池のようなものがあり、その脇を進む。
R428(有馬街道)を横断するために架けられた天王吊橋を渡ると、
再び、鍋蓋山への険しいのぼりにさしかかる。
ここは緑が深くうっそうとしていて涼しげなのが救い。
時折海側へ向かって強い風が吹き荒れて、それがまた熱を奪ってくれるので助かる。
ただし上り勾配は急。でも階段よりはよっぽどマシです。
しばらくして鍋蓋山を登頂。ここは南側の展望がわずかに開けていることもあって、
休憩している人が多かったが、さっき休憩したばかりなのでスルー。
この頃には雨も止む。


↓天王吊橋


↓鍋蓋山への上り


↓鍋蓋山


鍋蓋山からはハイカーの数がものすごく増える。
諏訪山あるいは布引方面からの日帰りハイカーが多いのだろう。
山道も分岐がたくさん登場し、この辺りのコースの充実振りがうかがえる。
ロストしないように、市が原・大竜寺方面の道を選択してひたすら進む。
この辺はアップダウンは激しくなく、徐々に下っていく感じ。
大竜寺のところに自販機があり、ここで簡単に昼にする。
本当は市が原でお昼と思っていたが、あそこは西六甲の大交差点なので
きっと人が多いだろうから、ここらで落ち着いてご飯にする。
色々持ってきてはいるが、時間も押しているので、あれこれせずに
ラーメンを作って食べる。
なかなか風が吹き荒れていたが、プリムスの強力バーナーはがんばって踏ん張っていた。
ハイドレの水が一気に底をついたので、炊いている間にチャージしておく。
歩いている時はそうでもなかったが、風が強いのもあって結構冷える。
ラーメンで温まって、いざ再出発。まだ半分!


↓簡単に昼食。マルちゃん正麺


しばらくいくと大きい道に出る。ここはお馴染みの光景。
再度山TTのコースです。
そういえば数日前に死体遺棄事件があったっけ。
六甲って以外に物騒な事件が多い。
車に気をつけながら横断して、何かの管理道をえっちら下っていく。
舗装道が終わって、前方がなにやら騒がしいと思ったら、市が原の大きな河原に出る。
さすがにGWだからか人出が多く、たくさんの人がBBQやら川遊びやらで賑わっていた。
やはりこんなところで一人寂しく昼飯にしなくてよかった。
少し冷えたのもあって、トイレ休憩を済ませておく。


↓大龍寺。手前は再度山TTコース


↓市ヶ原


市が原の大混雑を横目に、山道を北へ進む。
にわかに上っているが大したことはない。
しばらくいくとトゥエンティクロスと摩耶山との分岐に到達。
当然天狗道の方を選択して、のっけから厳しい上り坂に突入する。
えっちらおっちら上って、布引ハーブ園から来た道と合流。
目の前に山が聳え立っているというのに、一転して下りに入る。
下ってからまた上らされるわけです。
下りきったところに、なにやらケーブルか何かの工事場があり、
そこをくぐったところから再び険しい上り坂が始まる。
いわゆる稲妻坂です。これがまた足を削る削る。
どうもずっと締め付けられてブーツの中でくしゃくしゃになっている指先が限界になってきた。
それに足が全然持ち上がらないのです。
筋肉が疲労しているのは当然としても、
膝の裏辺りや、足の付け根あたりのスジがどうもシビれてきてうまくいかない。
古傷の左膝はまだ爆発しなさそうだが、それを恐れて自然とかばっているのか
右の足首・膝がひりひりしてきた。
それでも泣き言を言っても始まらないので、黙々と上り続ける。
どれだけ上ったか、ようやく学校林道と合流し、少し傾斜がゆるくなる。
しかし尾根道に出たとたんに左手から右手に向けて強烈な横風。
疲れてフラフラの足元をすくうような強さ。
さすがに飛ばされはしないがペースを落とさざるを得ない。
これは今日六甲に上がったローディーは大変だなあなどと考えながら、
北西の空を見ると真っ黒な雲が空を覆い始めている。
そのさらに向こうには空が見えているので、大雨に見舞われることはなさそうだが
一時的に雨にやられるかもしれない。
とにかく吹き付ける風で体が一気に冷えてきたので、
ここでレインウェアをウィンブレ代わりに着込む。
ようやく前方に摩耶山が現れるのだが、道は明らかに下りで、
これまた厳しい上り返しが待っているのかと思うと、萎える萎える。
で、案の定、長い長い上りが再び始まる。
えっちらおっちら、我慢の時間をすごして、ようやく電波塔の横を通り過ぎて
摩耶テラスに到着。
菊水山よりは厳しくはなかったが、とにかく長い上りで忍耐が必要だった。
到着してまずは足を休めながら補給をする。
どうしてもコーラが飲みたくて自販機で買って一気する。
これで一応六甲山上には上がってこれた。あとは勝手知ったるエリアだが、
今度は日没との戦いが始まっていく・・・


↓天狗道


↓摩耶テラス


その③へ続く・・・