記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

目指せ桂浜ライド 復路

毎週末イベント尽くしでブログもおっつかないが、
書いていかないとまた次のイベントがと自転車操業
記憶が薄れないうちにがんばって書きます。


さて、目的の地・高知桂浜に無事に到着し、
目的を果たしたので一路高松を目指して帰ります。
現在10時ジャスト。フェリーの出港が19:20。
遅くても19時には港の到着。パンクなどトラブル予備でさらに30分余裕をみて、
8時間半で帰りつかなくてはいけません。
ここまで神戸までも含めて180kmほど走ってきている疲れ、
そろそろ顔を出してきた睡魔。
そして何よりこの南国のギラギラとした暑さ!
なかなかシビアな条件が勢ぞろいですが、事前に立てたプランニングでは十分いけるはずです。
というかそうじゃなきゃ帰れないので行くしかない。
アツアツに焼かれたただっ広い駐車場を後にし、もう一回えっちらと上り返しがキツイ!
元の道へは行かず浦戸大橋を渡るが、
交通量が多い割に路肩がなく、フェンスに囲まれていてひやりとする。
橋は内港へ船が通行可能なようにかなり高く造られているので市街が見渡せる。
大橋をじゃーっと下り2つ目の交差点を左折。
すでにゆでダコ状態でダラダラと県道35号を北上。
五台山に上る気力もなく、新青柳橋を渡って市街地の突端を行く。
R32をまたいで県道374号(大津バイパス)に入り、少しペースを上げる。
日陰が一切なく、この区間だけで相当体力の消耗が激しい。
再び北進するR32にぶつかって左折し、高架でJRをまたぐ。
今朝パンクした地点を過ぎると前方にこれから上り返していく山々が見え始める。
どうもこちらの平野部はカンカン照りだが山の方は黒い雲が低く垂れこめている。
多少降るくらいならむしろウェルカメ。
でも灼熱も辛いが、どしゃ降りも辛いぞ。


↓南国は暑いぜっ!


ただっ広い国道をひた走っているとついに雨が降ってきた。
それも短時間でいきなり激しい雨になったので、
たまらず道の駅南国風良里に逃げ込む。
ちょうどここから約7km、根曳峠までの上りがスタートするのでグッドタイミングの休憩です。
あまりに顔がカッカして暑くて仕方がないので、もっかいアイスクリン食べる。
ここの名物の碁石茶のアイスうまし。
雨は一時的なものだったのか止んできたので10:15にリスタート。
南国ICを左手に通過し、高知道をくぐった辺りからヒルクライム区間が開始。
クネクネと右に左にカーブを繰り返しながら上っていきます。
標識を見ると大体8、9%くらいの斜度であまり変化なく上っていく。
交通量もそこそこあるのだが、ところどころ登坂区間があって道幅が広いのであまり気にならない。
徐々に高度を上げながら山間部へと分け入っていく。
採石場を越えてようやく半分くらい?ダラダラとした上りであまり気が引き締まらない。
少し開けた集落みたいなところで一旦斜度が緩むが、それもつかの間で
そこから峠までの2kmは結構斜度が上がってしんどい。
しかもこの辺から雨が本格的になってきて、路面は川のように水があふれ出すし、大変。
ようやく根曳峠に到達したのが11:45。予定より30分ほど早い。
これで高知平野ともお別れです。
反対側へしゃーっと下っていきます。
行きにはそんなに上ってる感覚なかったけど、まずまずスピードも出るので慎重に。
こちら側も路面はウェットだが、雲が山を越え切れていないのか雨はぴたっと止んだ。


少し下って繁藤の交差点で標識を見ると左が「穴内川ダム」とある。
距離は書いてなかったが手持ちの地図を見るとそれほど距離はなさそう。
さすがに早明浦までは寄り道は難しそうだったし、せめてこのダムだけでも行ってみようか。
30分アドバンテージがあるし、それで埋め合わせになるでしょうと安易に判断して左折する。
集落を抜け、雲ヶ畑コースに雰囲気が似ている緩い山道を進む。
もうすぐそことばかり思っていたが、行けども行けどもダムらしき姿が見えてこない。
たまたま通りがかったおばあちゃんにあとどのくらいか道を聞くと、
あそこまではクネクネ厳しいよ〜と教えてくれる。
向かいの山をひょいと越えたあたりらしいので、乗りかかった船で行ってしまうことにする。
再び集落が現われ、そこから勢いよく道が山に切れ込んでいる。
一気に斜度が上がり、まさに九十九折れで何度も道が蛇行しながら斜面を駆け上がる。
おおう、さっき峠越えしたばかりでこんな坂あるなんて聞いてないよ〜。
やけくそでなんとか上りきると、そこはダムの天辺でした。


↓穴内川ダム


周囲は山に囲まれ何もなく、ダム湖の湖面はしずかに佇んでいました。
ダムカードゲットのため、事務所を探すがない。
どこだと目を凝らすとダムの対岸に小さい建物。
ということでダムの天辺にある作業用の細い通路をビンディングでガンガン言わしながら対岸に渡る。
室内は電気がついているのは確認できるのだが、ノックしても声をかけても無反応。
まあそもそもカード自体があるかどうかも怪しい。
裏手に回ると「四国堰堤ダム88箇所」なる怪しいスタンプがあった。
果たして四国に88か所もダムがあったかは不明だが、
怪しげな遊びをしておる人が四国にもおるということだな。
待てど暮らせど反応がないので諦めてR32に戻ります。
収穫なしで、結局30分のアドバンテージどころか15分のディレイ状態。


↓四国堰堤ダム88箇所めぐりって気になる…


R32に戻り、アップダウンをこなしながら、遅れを取り戻すべく35kmペースで上げていく。
しかしさすがにヒルクライムを2本こなした直後で結構お疲れ気味。
暑さで頭がぼんやりするし判断力が鈍い。軽いハンガー気味なのかもしれない。
気付けばもう昼時。
長い長い一の瀬トンネルを抜けたところに道の駅大杉があったのでそこでしっかり補給することにする。
食堂で、この辺の名物らしい立川そばを注文。
待ってる間、アホみたいに水をがばがば飲んでたからか、お店のお姉さんがうろたえてた。
出てきたそばがこれまたダイナミック。
そばじゃなくてうどんかというくらいの極太麺で、
太いせいで長さが保たれずに短くてぼそぼそ。なんかだんごを食っているような感じかな。
喉越しなんて度外視で、なかなか満腹感あり。自分は結構好きです。


↓道の駅大杉の名物・立川そば


↓極太の麺


さてたっぷりと補給をし、水分とって涼んだことで、一気に体力回復!
高松港までのプランニングをもう一回練り直す。
現在13:30。遅くとも19時に高松とすると残り5時間半。
阿波池田には遅くても15時半。そこからひと山越えて琴平に17時がデッドラインか?
終盤は峠越えもありゆとりをもって臨みたいので、時間を稼ぐならこの区間しかない。
ということで阿波池田までの緩いアップダウンのある渓谷を
できるだけ早く駆け抜けることにする。
といってもここまですでに200km以上走ってきてバテバテなので、
上げるといってもせいぜい35kmくらい。
豊永辺りでは交通量も少なく青空のもと順調に進む。
吉野川沿いに文字通りの夏ライドって感じです。
と思いきやいきなりどしゃ降りの雨が5分だけ降るとか、全く優しくないなあ。
往路ではまだ辺りは真っ暗で、県境を確認できなかったので帰路でしっかり確認。
なんとなく中途半端なところで境になってるのね。


↓徳島・高知県


大歩危に入ると観光客の車でにわかに交通量が増える。
夜中に通った時は周囲の状況が分からなかったが昼間に通ると結構険しい渓谷だなあ。
ちょっとゆっくり見てみたいが、でっかい観光バスなんぞがじゃんじゃか行き交っているので
よそ見できない。
なんか碑があるのが見えたので、写真だけ撮る。
ちなみに大歩危小歩危の違いはあんまりよくわからなかったなあ。
徐々にアップダウンの差も減ってきて、平坦に近くなってくる。
ペースの上げ時だが、この辺になるとかなりヘバリ気味。
とにかく暑いのよ!少しでも上げると顔がカッカしてパフォーマンスが下がってしまう。
で、祖谷口のところの電光版を見たら、35℃・・・ヘタしたら死んじゃいますヨ。
そうしてどうにか池田町に入ったのが15:20くらい。なかなかシビアな展開。


大歩危


大歩危ってあっしのことですかい?せめて小歩危でお願いします


↓35度て…


なんとかかっ飛ばして予定時刻より少し早く到着できた。
ここでまたもや欲張りの虫がうずく。
R32から対岸に渡れば吉野川にかかる池田ダムがある。
先ほどの埋め合わせにはちょうどよいと時間がない中寄り道をする。
ダムの天辺で川を渡り、事務所で事務員を呼び出す。
カードがあるようで少し安堵するが、ヒマなのかモタモタダラダラ10分も待たされイライラ。
こっちはフェリーの時間がかかっとんねん!
とりあえず本日唯一の自分へのおみやをゲットできてよかった。


↓池田ダム


さて、いよいよ最後の難関、猪の鼻峠のヒルクライムです。
ダムでは無駄に足止め食らってしまったが、補給をできなかったので
上り口の直前にあるローソンにピットイン。
アイスココアにSOYJOYでたっぷりカロリーを摂取。
そして少し大きめのペットボトルの水を買い、半分水浴びに使って半分ボトルにイン。
いよいよ8km弱の上りに取り掛かる。
最初は直線的に8、9%で州津まで上がる。そこから大きくヘアピンで方向転換し、
集落に入ると斜度が緩む。交通量がそこそこあって路肩いっぱいに寄って走る。
トンネル区間に入り、そこからは池田町が眼下に広がる。
12%前後の上りをえっちらおっちら上がっていく。
なんだかえらく高度感があるなあ。
県道6号との分岐まではずっとそんな感じ。
途中、眼下をのぞいたらJR線は遥か谷底を走っている。
どこかで見たなあと思ったら、ここは撮り鉄の人のベストショットスポット
18きっぷのポスターなんかにも使われたり、結構有名なところだった。
三豊市との分岐を越えると、長いトンネルが2本あり、そこを耐えて抜けると猪の鼻峠でした。
おつかれっした!
一応最大の難所はなんとか越えたゾ。


↓徳島とお別れ


↓猪の鼻峠の香川県側の難所


峠を越えると一転急な下り。往路、真夜中に上った時はそんなに斜度も感じなかったし、
アウターでガシガシ上ったが、結構急だなあ。
急なのはいいのだが、長い区間タテラインのグレージングを採用していて、
スピード出すのが怖い怖い。
意外と大型トラックなどがスピードを出して追い抜いていくので、
とにかく必死にバランスをとりながら下っていく。
財田で一旦下りが終了し、琴平まで小さなピークをもう一度越える。
大した距離でも斜度でもないが、疲労が目に見えて表れ、特にマインドが溶けだしてきたので
なかなかしんどかった…
買田で右折し、あとは30km広々としたR32で高松を目指すのみ!
この時点で16:30.なんぼ遅くとも18:30高松着は確定!これでフェリーに間にあったゾ!
ただこのR32は丘陵地を縫うように走っているので、意外とアップダウンがある。
広い幹線道路なので照り返しの強い西日をもろに受け、暑さでどんどんパフォーマンスが低下。
それにもうアベ20でも十分時間が余るとわかっているので気合が入らず、
もう20kmそこいらしかペースが出せない。
一度気持ちが抜けてしまうとどうもいかんなあ。
ヒーヒー言いながら幹線道路をひた走り、高松入りしたのが18:00を少し越えたくらいでした。


こんぴらさんの夕景


まだフェリーまで1時間余裕があるし、どうせならうどん食って帰ろうかと
高松市内をウロウロする。
うどん県とはいうものの、夕方営業、しかも日曜というのはあまりにハードルが高く、
結局行く店全て定休日かすでに閉店でじゃんねん。
もう色々動き回るのも疲れたので、ちょっと早いがフェリー乗り場へ行って休憩することに。
で18:40くらいにフェリー乗り場へ行く。
が、どうも様子がおかしい…まだ出港まで40分もあるとはいえ、
待ちのトラックも人も誰もいない。
フェリーターミナルも電気を消しているし、どうなってる?
ターミナルに係りの人の姿が見えたので事情を聴くと
今日は夏休みダイヤで、さっき18:30の便が出港したから、次は1:00の便ねと言うではないか!
はい?私ちゃんと神戸で確認しましたけど?
ああ、そうですか〜。それは残念でしたね〜(笑)
と、悪びれるどころかちょっとこちらをおちょくるような言い方をしてきたので頭にくる。
ブチ切れたろうかと思ったが、それでフェリーが戻ってくるわけではない。
目の前にいる頭の悪い係員の相手をしている暇があったら、
どうやって今日中に家に帰るか考えないといけない。
朝までに帰らねば奥さんは娘1人置いて出勤できないし、自分も仕事に間に合わない…
で、色々電話したり調べ物をして、結局新幹線で帰ることにする。
往復で買っていたフェリーチケットを払い戻しし(手数料とられてムカッ)
お急ぎで3km先のJR高松駅へ。
岡山行きの快速〜こだまのラインで無事に帰路を確保する。
いやあ、今回は陸続きではないエリアなので、
万が一を考えて輪行袋とクレジットカードを持ってきていたのだが、なんとかそれで命拾いした。
もし郡上の時のように残金1500円とかだったら、もう泣くに泣けないワ。
で、19時台の快速で瀬戸大橋を渡り、岡山へ。
そこからあえて新大阪ではなく新神戸で下車。
本当なら神戸港からは自走のつもりだったし、同じ条件で帰らねばなんか気が済まなかったので。
ぱしゃ君にお迎えに来てもらえればよかったが、ケー隊の充電が底をついてしまった…
一回体を休めた後、もっかいリスタートというのはどえらいしんどいもんで、
もうヘロンヘロンの状態でR2を走る。全然足が回りません〜。
で、なんとか帰宅したのが23:00でした。


↓本日のおみや


まあ色々ありましたが、ライドとしては実に面白いコースでした。
四国の道もだいぶ分かってきたし、まだまだ行きたいところがある。
四国なかなか面白いところですが、誰が一緒に走る人いないかなあ。