第1回ヒルクライムチャレンジシリーズ 養父ハチ高原大会 詳細編
決戦前日。
土曜日はいつものように午前中は娘の音楽教室へ。
昼にくら寿司へ行き、マルジュンで本を購入。
行きつけの珈琲屋でしばしまったりして家族の時間を過ごす。
15時に帰宅し、レースに向けて準備。
まずは前輪をコスカボからイーストンに履き替え。
で、断念していたFUSION3を大格闘の末どうにか装填に成功。手の皮剥けるワ。
今回は宿泊があるのでリュックを持っていくが、
翌日自走で帰る予定なので、必要最小の荷物でないといけない。
かといって山陰方面の山の上は相当に寒いだろうから防寒装備がかさばる。
なので着替えは積み込まず、2日とも同じ服装でしのぐことで荷物を減らす。
結果これが自分の首を苦しめることに…
16:15発の新快速に乗り込んで姫路まで。
5分しかない乗換なのに3分遅れだから大慌てで播但線に乗り換える。
播但線では、姫路で何のアナウンスもなかったのに
途中でいきなり臨時列車が発生しているのでしばらくダイヤ変更しますとアナウンス。
最近国鉄さんとの相性悪し。
寺前で一旦乗り換えをして和田山着は結局予定通り19:05着。すでに辺りは真っ暗。
hideさんとkurubiさんが待つホテルがどこかわからないので交番で道を聞いて、
輪行担いで1kmほどトボトボ歩いて到着。建物の前でお二人と合流。
チャリはそのままhideさんの車に積み込んでもらい、荷物を部屋に置いて、
晩飯ならぬ晩飲みのためつぼ八へ。つぼ八で順番待ちするとは思わなかった。
ビールを飲みながら、翌日のレースの展望や、チームライドについて話す。
お二人はコース下見をしてきたようなので色々と情報を仕入れる。
路面は落ち葉だらけで滑りやすいこと、前半緩めで後半はアップダウンの応酬。
下りはタイトなカーブになっているので攻めすぎるのはリスクが高い。
スタート直後はコース幅が狭いので位置取りを高くする必要がある等々。
21時にはお開きをして、部屋へ。
テレビつけたらIPPONグランプリをしててついつい見て寝るのが遅くなる。
決戦の朝。4:30に起床し、外を見るとそこそこ雨が降っている。
これは相当寒くなるし、路面状況が心配だ。
眠気覚ましにシャワー浴びようと思ったら、
夜間はお湯が出ず6:30まで無理とな…ガーン。
前日に買っておいたレーズンパンを詰め込めるだけ腹に詰め込んで、
5:30に玄関集合。
kurubiさんの車に同乗させてもらって会場へ。
現地に近づくにつれ雨模様は悪化の一途をたどり、気温も下界で9℃前後。
こんなんで山上へ上がったら3,4℃?
2人ともモチベーションが急下降。
30,40分ほどで会場からかなり手前の選手用駐車場に到着。
チャリを組み立てる気力もうせる感じの雨と底冷え。
とりあえずマシンは置いておいて、
荷物を預けに会場となっている学校まで傘指して1kmほど歩く。
まだ参加者の数もまばら。
荷物受け付けは校舎の裏と言われそっちへ回るがそれらしい場所がなく、
結局敷地を出たとこの駐車場に待機しているバスが荷物受け付けで、
ちょっと不案内でわかりにくかったかな。
すぐに駐車場へ取って返してマシンセッティング。
送られてきた大会要領によればなぜか前尾灯必須とあったのでしっかり装備。
(でもほとんどの人が装備してなかったゾ?)
防寒類はすでに預けてしまったので、ウィンブレのみで寒さをしのぐ。
結局最後まで手放せず、ウィンブレを着たままレースに臨んだが、
やっぱりオーバーヒートしてしまったのがちょい失敗だった。
さて、マシンのセッティングを終えて会場へ舞い戻ると、参加者が続々と集結していた。
印象としては思っていたよりもこぢんまりした大会かな?
開会式までの時間何もすることがなく、雨を避けて建物の軒先で寒さに耐える。
わずかだが販売ブースもあって、少しのぞく。
大量発注しすぎたのか、売れ残りか、
大量のロックレーシングのジャージが大放出されてた。(笑)
と、いきなり近くで何かが破裂するものすごい衝撃音が!
よく見ると、ブースの一つでタイヤに空気を入れていて、入れ過ぎたためにバーストしたよう。
破裂するとあんなデカイ音するのね。かなりビビった。
で、ようやくカテゴリーごとの整列の指示がかかり7:30に開会式。
市長をはじめ挨拶が続く。来賓によると絶好のサイクリング日和だそうで…
じゃあこのどしゃ降りの中走ってみるかい?
8:00にようやくパレード走行スタート。雨は止む気配を見せず、
路面にも相当水がたまっている。
ダラダラと行列をなして計測スタート地点まで進むが、
ペースは上がらないし、前の人のしぶきを浴びるので当然体はどんどん冷えていく。
なので少し前方との車間をゆとりを持たせて、ド平坦だがインナーに落として
しゃにむに回転させてとにかく体を温める作戦。
そんなことをしていたので2人と少しはぐれて先行してしまったので、
徐々に下がって再合流。
kurubiさんはお知り合いの方と自分はhideさんとこれからの作戦とか話しながら進む。
こんな雨の中、沿道に出て応援していただいている地元の方や、
警備の方々の姿をたくさん見かける。
まあレース前なんでみんなそんなことしないのだけど、
自分はちゃんとこちらからも声をかけて応えるようにした。
あまりナーバスになると余計心肺に負担がかかるので、リラックスする意味もあります。
そうこうしている県道が二手に分かれているところに出て
右手に少し上ったところでパレード終了。
ここからいよいよ約10kmのヒルクライムレースが始まる。
当初の時間だと8:30から順次カテゴリーごとにスタートのはずだったが、
まさかこんなところで20分も足止めされてはかなわんなと思っていたら、
スタート時間が早まるようだ。
自分たちより後ろにいたkurubiさんに前へ出るように促し、
8:20に自分たちのクラス男子B(30代)のスタートが切って落とされる。
では行ってきます!
スタート直後、前方にいた早い人たちはぴゃーっと緩斜面をダッシュで先行していく。
kurubiさんもあっという間にその一団に交じってさようなら〜。
ああ、教官〜、私はドジでノロマな亀です。
hideさんは自分の真後ろ?ちょっと確認できなかった。
序盤は緩斜面と聞いていたし、実際大正池とか勝尾寺の前半のような感じなのだが、
こういうついつい強い負荷をかけがちなパートで
調子に乗って無理するとこないだのような状況になるのは間違いない。
しかも今日は全くアップもせず、走り始め。慎重に入らないと取り返しがつかない。
レース的には出せる区間でペースを出したいのは山々だし、
スタート直後で他の走者が入り乱れて、ついて行きたいパスしたい欲が出るところを、
ここは相当意識して自重。
うまく説明しにくいが、経験則で、心肺が跳ねるキザシがギリギリでない程度の負荷で走る。
大体この時は時速にして20km前後くらい。
右手は山、左手はさっき分岐した県道がぐんぐん眼下に遠くなっていくのを見ながら進む。
そのうち道幅の狭い集落を抜け、山間へと入り込むと道幅も広がり、
わずかに緩急をつけながらも緩斜面は変わらずに淡々と進んでいく。
路面は事前の情報に比べたら、状況はよく走りやすい。
先行していた赤いゼッケンの人たちが早くもポロポロ落ちてくるが、
逆に後ろから名だたるクライマーたちが異次元の走りで追い抜いて行く。
くっそう、俺だってという気持ちで軽く後ろに着いたりして一時ペースを上げたりするが、
やはりいつドカーンといくともわからないという不安が先立ち、
いかんいかんと頭を冷やしてペースを戻したり、何気に序盤は葛藤の連続でした。
山間を抜けると小さな集落内に突入。
沿道にいる応援の人とかに「ありがとう」とか手を振ったり、調子乗ってるのは自分だけ。
そのうち、県道を封鎖し、ぐるっとUを切るような感じでハチ高原へ続く道へ入っていく。
ここからいよいよ本格的な上りがスタートする。
上り口の連続ヘアピンの急斜面を抜けると、2ケタはある直線的な上りが展開。
ここは、いきなり斜度が上がり登坂リズムが急転するターンポイントで、
また先が見通せるだけになかなか気分的にシビア。
自分もテンポが崩れるポイントでむやみにダンシングなどすると一番危険なので、
ダンシングは禁じて、シッティングでゴリゴリと11〜12kmペースで耐え忍ぶ走りに徹する。
自分としては、おそらく緩斜面よりもまだ斜度が急なところの方が
リズムを安定させやすいのでやりやすい。
前から落ちてきた人を慌てず騒がず、一定リズムを刻んで淡々とパスしていく。
この区間だけは後ろから抜かれなかったし、5,6人は抜けたかな。
この長いストレート区間が過ぎると、再び前方の道を封鎖しているところが登場し、
指示に従って再びUを切るような形で左へ旋回して集落の道へ。
ここで一旦斜度が一気に緩みます。
再びヘアピンがあり、上がってるのか下ってるのかその先がどんな具合かわからないが、
この辺りから心肺が安定してきたという実感が出てきたので、
思い切ってガーンとアウターにかけ、踏み込んでペースを上げて行く。
ヘアピン明けはほんのわずかに斜度が上がるが、どうにか乗り越えると、再び平坦。
今度は右に大きく道が振られ、若干の下り。
でもすぐ先から再びドンと斜度が上がって上りが始まっている。
ので、できるだけ助走をつけてその上りに取りつく。
この辺りからゼッケン140番が登場。
相手は緩斜面や下りでペースが速く、そこで勢いをつけて上り口は速いのだが、
絶対に上りの途中で失速して自分がピークまでにはパスする。
それがまたアップダウンが細かく連続しているので、抜きつ抜かれつになる。
まあまあの斜度の短いストレートを二つはさみ、
その先で集落の道からさっきの高原に続く本道に再合流するところが、
ほんの10、20m?ほどだがシャープな激坂になっていて、
そこはさすがに失速しないようにダンシングを解禁。
くいっと直角に左折するような格好で元の道に復帰。
ここで斜度が再び緩む。
徐々に集落らしい感じになり、応援の人の姿もちらほら。
声援にこたえつつ、斜度が緩んだことで再びペースアップ。
途中ガレージみたいなところで、子供たちが6.7人で「ガンバレ〜」と声援を送ってくれたので
「オラ〜!お前らも応援ガンバレ〜!」と思いっきり叫び返すと爆笑された。
そこから少しだけ斜度が上がり、えっちらおっちら上がっていくと
赤いコーナーが並んだショートコースのゴール地点。
大勢の人が左右の沿道で声援を送ってくれるので、「あざーす!」と叫びながら
ええ格好しいで、急にスパートをかけたら、案の定心肺が乱れて、気分が悪く…(アホ)
しばらく集落内は平坦だったので、ペースを落としてとにかく安静、安静に努める。
その先の下りでは漕がずに姿勢を決めてペースを出し、
その間にどうにか安定してひと安心。
その先、なかなかの上り返しでは無理せず一定ペースを心掛けて上るが、
例の140番がその間に追い上げてきていたので、
ここはクイッと一瞬ペースを上げてパスする。
上りきると左手に見事な棚田が広がり、その奥に兵庫県最高峰・氷ノ山が、
山上を白く染め、雲と纏いながら悠々と鎮座していて、思わず息をのむ。
上りも下山も必死で写真撮れずにじゃんねん。
後半のきつい時にこの風景のおかげで随分リラックスできた。
そこをすぎるとまとまった下りが発生。
雨のせいで若干スリッピーだったが、アウターにかけて40kmペースで果敢に下っていく。
が、140番にここで突き放されてしまった…
その先、再び山肌に沿って上りが長々と続くのだが、
自分の少し前で3,4人が固まっていて、
そのうちの一人がものすごい雄たけびを上げながら上っている。
苦しいのは分かるが、いきなり間近ででかい声出されたら迷惑やで。
この辺りで中学生かな?かなり若い子で吉牛マークの入ったジャージの子にパスされる。
表彰台に乗っていたので若いクラスの有力株の子だったのでしょう。
ラスト500mくらいになり、いよいよ高原の入り口。
スパートをかけたいが、心肺の”タガ”がギリギリ外れそうかどうかという感覚だったので、
完全には踏み込めず、鈍いスパートでゴールラインを通過する。
いやあなんとか死なずにゴールできました!
タイムはさすがに大したものではないですが、
こないだの状況を鑑みれば自分の中では奇跡のカムバックといった感じで、
超解放感に浸りました。
お疲れ様でした。ありがとうございます!
↓兵庫県最高峰・氷ノ山
ゴール後すぐにkurubiさんを発見して合流。
チップを返却している間にhideさんも無事ゴール。
お疲れ様でした!
とにかく寒いので小屋に駆け込み、水と荷物を受け取る。
それから鍋の振る舞いがあったので頂きます。温かくておいち。
思わずお代わりしてしまいました。
それからは下山時間まで待機。
気温の低さと、全身ずぶ濡れ状態のため、身を切る冷えに意識がぼぅっとする。
一瞬日差しが差し込むこともあるが、
だいたい黒々とした雨雲が鳥取側からめまぐるしく流されてきていて、
いつまた天気が崩れるかわからない状態。とにかく早く下山したい。
予定では10:30下山開始だったが、最後の走者が無事にゴールしたとのことで、
10時より下山開始。
天候が読めない以上、できるだけ早く下山するのが鉄則なので、第2便で下山を開始する。
こんな悪天候の中、わざわざ沿道で応援してくれた人たちや警備の人たちに
ねぎらいの声をかけつつ下山していく。
最初は雨も小康状態で、スリッピーながらもコントロールで来ていたが、
東鉢を過ぎたくらいから、どどどっと雨粒が激しくなる。
3人固まって下山をしていたのだが、ペースをそろえる余裕もなくなったので、
各々のペースで下山することにする。
上からの叩きつける雨、巻きあげられたしぶきの強烈ダブルパンチで、
眼鏡が曇って視界が遮られるし、目の中に入り込んで目を開けるのさえも厳しい状況。
そして路面も落ち葉あり、アスファルトのタテラインの陥没ありと全く気が抜けない。
なのにぐっしょりと中まで濡れ切ったグローブに包まれた指先は、
風に当たってどんどんかじかみ、うまくブレーキングやハンドリングができない。
おまけに途中から妙な横風まで吹いてリアをばたつかせる。ヤメレ〜。
県道手前の長いストレートの急斜面では、雨水が路面上で小さな川となって横断していて
ハイドロ状態で滑る滑る。アワワと相当パニックになりつつも、
どうにか挙動を押さえつけてコース序盤の緩斜面まで命からがら下りてきた。
ふぃ〜、難易度最高峰のダウンヒルだったぜ。
あとは、前後衝突しないように上手に車間をコントロールして小学校まで。
他の2人も下山のあまりの過酷さにどっぷり疲労して閉口。
下山して完走証を受け取りに行く。
リザルトが記入されたしっかりしたもので、こういうのはうれしい。
とにもかくにも体が強烈に冷えて震えが止まらない、体が言うことを効かない。
とりあえず温かいものを食べるのだと、ブースにある色々なご当地グルメの中から、
500円ワンコインで3つのカレーが楽しめる「まいたうんカレー」を購入する。
これは何かコンテスト形式らしく、
この3つのうちおいしかったものBOXにスプーンを投票するらしい。
奥が山椒カレー、手前がジブエカレー、右がトマトカレー。
どれもそれなりにおいしかったが、
右の奴が一番手を加えて作った本格的なカレーだったのでそれにしました。
そういえば結果聞いてないな。
この時点でもう自走の線は完全に消えてました。
空模様はまだ予断を許さない状況だったし、もしこの後一切降らなくても、
もう全身がぐっしょりと濡れていて、乾きそうにないので、
帰るまでずっと体が冷えた状態は改善しそうにない。
そしてこの寒さ冷たさで筋肉が硬直し、疲労がハンパない。
この先調子を崩すくらいなら、無理しない方がいい。
せっかくhideさんが車に乗せてくれると言っていただいているので甘えさせていただきやす。
自転車が当たる抽選が表彰式の後にあるのだが、
表彰式まで時間あるので一旦車に戻って荷物の詰め込みとか。
自分は自走前提で替えの服を持ってきてないので、ホッカイロを張って、
その熱でちょっとでも乾かす…。
そこから再び会場に戻り、ダラダラしていたらkurubiさんがお知り合いとお話されてて、
紹介されると梵天○さんでした。ハジメマシテ!&クラス優勝おめでとうございます!
アホな当ブログを見ていただいているようでありがたや。
そうこうしているうちに表彰式がスタート。
ここはもうチームSakataniの独壇場。
もう何年もこの大会を続けて行くんなら、
今のうちにSAKATANI専用の大根畑を贈呈しちゃってくださいというぐらいの大根ラッシュでした。
表彰式の後はお待ちかねの抽選会。
参加人数に対してあまりに多い抽選権の数。1200枚もあったら、そら当たらんわな。
で、退散します。
kurubiさんとは駐車場にてお別れです。
ご本人はまだやれる感じと言うちょっと不満そうでしたが、
それがkurubiさんの向上心・原動力なのでしょう。お疲れ様でした!
そこからはhideさんの車に同乗し、レースを振り返ったりしながら、
家の近くまで送っていただきました。hideさん色々とありがとうございました!
帰って速攻風呂に突入して、氷解。でも一度芯まで冷えた体はなかなか戻らないみたい。
奥さんと娘がおでかけから帰ってきて、すき焼きパーティーして一人ビールで祝杯。
お疲れ様でした。
これで今年予定しているレースは全て終了。
といっても自分はレース主体ではないので、厳密にはシーズンオフではないのだが。
ただ冷え込みがハンパないのでロングも夜通し山間部を走るとか正直もうキツイ。
ので冬に向けてちょっと規模は縮小していきます。
とりあえず年間10000km達成のみ年内マストがんばります。あと500km弱。
その前にドロドロのマシン洗わにゃ…