記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

GOBO 30/30 復路

さてさて時刻は12:30。
予定では長い待ち時間を想定していたため、
ここでタイムスケジュールに追いつきました。
さあ、あとは帰ります。
が、せっかく御坊まで来たのでちょっくら観光もしたい。
それに行きと同じルートも面白くないので、ちょっと遠回りして帰ることにします。
行きが約140km、帰りは180kmになります。
まだまだ先は長い!


まずは店を出てすぐのところにあるJR御坊駅へ。
ここは一見するとただのJR駅にしか見えませんが、紀州鉄道の起点駅でもあります。
紀州鉄道は営業区間わずか2.7kmのローカル私鉄。
親会社は不動産がメイン。
鉄道会社と言うネームバリューのためだけに営業しているという変わった運営。
見てくれは完全に普通のJR駅だし、特に変わったところもないので
写真を撮ったらすぐにリスタート。
駅前から始まる大きな通りを南へと走らせます。
少し大きめな交差点で右折し、御坊の市街へと分け入っていく。
なかなか古い家が立ち並ぶ込み入った路地が多い。
ごにょごにょと走って、反対側の終点・西御坊駅に到着。
こちらは御坊駅と比べるとかなり古めかしくて味のある駅でした。
ちょうど1両の電車が止まっていたので合わせてパチリ。


紀州鉄道の終着駅・御坊駅


御坊駅からわずか2.7kmの西御坊駅


さてさて、他に見るべきところも特にないので帰ります。
行きはR42の最短ルートで来ましたが、せっかくなので帰りは海岸ルートを選択。
R42をまたぎ、小さな川を渡って西進すると、
前方に見事な松原が現れます。その間の小径をのんびりと進みます。
この一帯は煙樹ヶ浜といって全長4kmにわたって弓なりに続く海岸。
砂浜ではなく砂利の海岸だそうで、
すぐに海が深くなっているため海水浴には向かないらしい。
しばらく進むと自衛隊の駐屯地があり、その先からは海岸線の真横を進むようになります。
南側はもうどこまでも広がる海。左側に御坊の町並みや発電所
その奥にうっすらと白浜らしき舳先も見える。
なんとも素晴らしい風景。


↓煙樹ヶ浜


写真を撮ったりしばらく滞在したらリスタートし、県道24号を西へと進みます。
道は海面とほぼ変わらない高さでフラットなのだが、強烈な向かい風に難儀する。
浜がなくなって、左手は岩礁がいくつも出てくる。
集落に入り、分岐点が現れる。
せっかくここまで来たので、寄り道で左折し日の岬へ向かう。
岬が近づくにつれ、上りが始まる。
別荘地を縫いながら結構急な上りを2kmほど。
軽く寄り道のつもりが、意外と骨が折れた。
最奥に灯台があるようなのでそちらへと足を運ぶ。
この日の岬は紀伊半島の最西端に位置しているらしい。
灯台からの眺望はあまり良くなく、眺望は日の岬パークからの方がよかった。


↓日の岬までしんどい上り


紀伊半島最西端の日ノ御岬灯台


先ほどの分岐まで戻り、左折して県道24号に復帰。
相変わらず強烈な向かい風が容赦なく、しんどいぞ〜。
細い道ながら意外と交通量もあり、路線バスもやってくる。
対向から女性ローディーさんがおひとり来られたので挨拶。
先へ進むと、ただっ広いで沼地に出る。
沼の向こう側はそのまま海へと落ちているので、向こう側が開けている。
その横を過ぎて、舳先を回ったら産湯に到達。
集落内に対面信号があり、そこで対向から気たローディーさんと挨拶。
地元ローディーにとっては格好のコースなのでしょう。
そのまま真新しい県道189号を進むと分岐があり、
今進んでいる道だとR42へ戻ってしまう道とわかり、慌てて左折して軌道修正。
比井の集落を抜けて、県道24号に復帰。
ところで、この県道24号は「キララときめきロード」という愛称が付けられていて、
有田市湯浅町・広川町・由良町日高町美浜町御坊市にまたがる全長60kmの道。
今日は千葉山が残っているため全走はしませんが、これで湯浅まで行きます。


↓キララときめきロード


比井から先は少しアップダウンが発生する。
さすがに海岸線をなぞる道なので、集落と集落の間はどうしても上り下りがある。
それより向かい風がハンパなく、体力がどんどん削られる。
方杭では、この辺りの名物である「クエ料理」のノボリがちらほら。
仕事で天然クエをたらふく食べたことがあったが、確かにあれはうまかった。
今度はお好み焼きではなくて、クエ鍋ライドでもいいなあ。
おだやかな海を横目に、
道幅の狭い道はクネクネとカーブしながら上がったり下がったり。
向かい風に抗いながらその道をやっつけ、由良港に到着。
こんな小さな港なのに、ドックがあるらしく何隻かでっかい船が停泊してました。
自衛隊の駐屯地でもあるらしく、運が良ければ潜水艦も見れるらしい。


由良港


由良港をぐるっと回り込み、ひたすら海沿いの道をトレースしていく。
真横はもう紀伊水道で、お向かいは四国。
なんだかとっても遠くまで来たような感覚になるほど、最果て感がある。
その先に白くでっかい物体が待ち受けている。
それが白崎と呼ばれる一帯。
この辺りは昔良質な石灰石採石場だったらしく、今はスキューバのメッカらしい。
ここまでの海岸線と違って、真っ白な岩肌と海の青のコントラストで
なかなか雰囲気満点です。
キララときめきロードの一番のハイライトなのですが、
なぜか写真が保存されてない…(涙)
グローブ脱ぐのを面倒がって、そのままグローブ越しに操作したからかな?
ん〜、また来よ。
ここで一服して、手持ちの豆大福を食べる。
今日はそこそこ強度が高く、何気に暑いので、水分がどんどん出て行くせいか
顔中に塩がたまっている。
とにかく喉が渇くので、ボトルの水がなくなる勢いもすごい。
喉が渇くソース系のものを食べたのもあるかもしれない。
今日は、これからのロングに向けての調整の意味合いが強いのだが、
きちっと食べて飲んでできているのはいい傾向。
年末年始は意外と食が細くなってきていたので心配だったのだが、
胃腸がちゃんと反応しているようだ。


さて、補給を済ませたらリスタート。
ここから海岸線の道はますますアップダウンの応酬となる。
しかも北側は海で遮るものがないため真横から風を浴びる状態。
ウニウニと上っては下り上っては下りを繰り返し、
真新しい小引トンネルをくぐる。
そのあともいくつか短いトンネルを抜けて衣奈に出る。
そこではるか前方にローディーさんの姿を発見し、
本当は直進した方が正解だったのだが、右折し、そのまま追っていく。
いきなりきつい上りが登場し、ヒーヒー言いながらダンシング。
結局ローディーさんには追いつけませんでした。無駄に疲労した〜。
というかちょっとこの辺から右膝の具合が…
上りきったところには怪しい隧道が口を開けていました。
これはおそらく中で対向車が来ても離合できないんじゃないかというくらい狭い。
そこそこ長くて暗くて不気味。
ここで地図を確認したら、そのままR42へ戻ってしまうようだったので、
トンネル手前の分岐で、広川方面へと進む。
再び、鈍く上り、ピークを過ぎると広川方面の視界良好。
はるか前方の山並みに風車群が見えているが、あそこがきっと千葉山。
それから本来進むはずだった道が少し離れた低い位置に走っている。


↓↓味のある衣奈隧道


↓広川


そのまま海岸沿いに向かって下っていき、その先からはほぼ平坦となるが、
向かい風がなおも強く吹き付けてくる。
この辺りには発電用の風車がたくさん山の上部に設置されているが
それらすべては北向きに設置されているので、
この辺りはずっと北向きの風なんだろう。
そのまま進むとJR広川ビーチ駅の前に出る。
いつもこの駅を通過するとき、電車からは海が確認できないので、
こんな山間にビーチがどこにあるの?といつも思ってました。
そのままドンツキまで進んで、右折。
広川町役場の横を過ぎて、港にかかる橋をぐいっと上る。
そこから細く複雑な湯浅の集落をあっちこっちと縫って、
湯浅交差点でR42に復帰。
交通量が多く、ツーリングのバイク集団などもいるので、
一気にペースを上げて藤並まで突っ切ります。
再びポッポみちに入り、田殿大橋で有田川を渡れば、千葉山のTTコースに到着です。
時刻はすでに16時ごろ。


↓やってきました千葉山TT


西日の具合も弱くなり、できれば日没までに和歌山市街には到達していたいので
ウィンブレ脱いですぐにTTのトライアルを開始します。
スタート直後わずかに直線部分を進むと直角に近い感じで右へと進む。
そこからすでになかなかの斜度。
上り口なので斜度が安定するまでは我慢して進む。
再び直線的に進み、ぐるっとヘアピンを回って、陸橋の下をくぐる。
ここまで約1kmで4分。
少し斜度が落ち着いて、今度は道は左左へと進む。
すでに今は知っている道の上部にこの先の道が見えている。
大きく右回りでそこへ回り込んでいき、再び南側の突端をヘアピンで旋回すると
再び斜度が直線的に上がって凌ぎどころ。
左側の斜面は一面ミカン畑で走っていても楽しい。
少し斜度が落ち着いて、2km地点のヘアピンを回る。
カーブを抜けると再び斜度が増す。
前方の山肌には何重にも道がジグザグしているのが見える。
楽しいけど、ツライ〜!
ここまで1日走って上ってきた疲労と、右膝の違和感もあってパワーが全然出ない。
みかんの運搬機のあるヘアピンを抜けると、一旦斜度が落ち着くが、
足を休めず、ギアを上げて踏ん張る。
みかんの碑のあるヘアピンを抜けたのが20分前後。
ここまでで3.5km。半分ちょいです。
ミカン畑を抜けるクネクネ区間はここで終了し、
わずかにカーブしながら山へと切れ込んでいく。
この辺もまずまず斜度があり踏ん張る。汗ダクダクです。
直線的な上りをようやく終えると、ヘアピンが登場し、
そこから一旦フラットな感じまで斜度が緩む。
これを抜けたらオーラスと勝手に思ってペースを一気に上げるも、
抜けた先で風車の姿はまだ遠くにあり落胆。
再びクネクネとヘアピン区間をやっつける。ここで25分くらい?
そしてようやく正面に風車がそびえるようになり、今度こそオーラス!
が、ここから一層斜度が厳しくなり、ヒーヒー言いながらダンシング。
最後はもう倒れこむようにしてラインを通過しゴール。
31:46
ゼエゼエ、今日はこれくらいにしといたらぁ(泣)


↓上りすぎて疲労困憊


ちょっとお疲れモードですが、ここは風の巣で停まると寒いので
わずかに息を整えたらすぐにリスタート。
ここから先もにわかに上りをはさみ、ホギホギ神社のところを下って県道159号へ。
往路とは違って、鷲ヶ峰方面への分岐はスルーして、そのまま直進。
わずかばかり上らされて、ようやく峠を越えて海南市に入る。


海南市へカムバック


ここから裏道を使って往路の海南高原方面へと抜けることも可能なのだが、
そろそろ日も弱々しくなり、寒さがやってきているので、
手っ取り早く下山した方がいいだろうと判断し、そのまま下津方面へ下る。
こちら側の景色もまたすさまじく。
入り組んだ山間のちょうど真ん中にぎっしりと集落が固まっていて、
それを360度囲む山肌は見渡す限りのミカン畑。
こちら側を上らされたらさぞかししんどいだろうなあという急坂が続く。
県道159号はほとんどアゼ道と区別がつかないほど細く、
畑や民家に入るための細い道と区別が全くつかない。
所々に標識があり、とにかくR42、阪和道方面と示された方向へと進む。
ウニウニウニウニ〜と山際をなぞりながら高度を下げ、
最後は一気に集落まで転がり落ちるように激坂を下っていく。
下った先は仁義という男気あふれる名前の集落。
集落まで出ると道はそこそこマシになり、下津ICを過ぎると交通量もそこそこ。
小南の交差点で、車でびっしりのR42に復帰する。


↓下津への下り


↓下津の山並み


海南市街まではもうR42で行くしかないので、覚悟を決めて突撃。
十分とは言えない路肩に、何度もやってくる小さな隧道。
真横はひっきりなしに車が流れていて集中しながら進む。
冷水浦のところで、裏道を発見しそちらへエスケープ。
そこで気が緩んだわけではないが、一気に疲労感が遅い、目が回る〜。
明らかに調子がおかしいがどうしたものか?
と思ったらお腹がグ〜。ハンガーノックです。
白崎で豆大福を食べて以来、何も口にせず、
向かい風に抗ってアップダウンに山に越えてきたので完全ガス欠。
とりあえず手持ちは羊羹1本しかないので、それで急場をしのぐ。
冷水浦を過ぎるとすぐにR42に復帰。
海南ICはR42の入り口が左につけられていて危険なので、
その手前で工場地帯を抜ける裏道エスケープ。
とにかく腹が減っているが、先のことを考えると
和歌山市街まで行ってから休憩を入れたい。
なので、しばし我慢してもう少し先へと進む。
一気に道の規格でかくなったR42、バンバン車が横を過ぎる中、
その車の出す追い風も利用してとにかく回してペースを上げる。
2度直角に道が折れ、毛見トンネルを旧道でくぐる。
もう空腹がどうにも収まらないので、
ちょうど目の前に和歌山ラーメンの老舗・元車庫前○宮があるのでピットイン。


↓元車庫前○宮


ここはいわゆる「○出系」の濃厚とんこつスープのラーメンではなく、
醤油ベースのラーメン。地元の人が中華そばというとこちらのことを言う。
ここはその醤油ベースの流れをくむ和歌山ラーメンでも老舗中の老舗です。
とにかくお腹が減っているので中華そばと焼飯を注文する。
顔中にへばりついた塩をぬぐっている間に運ばれてきます。
スープはギトギトではなくすっきり醤油。
どちらかというと豚骨醤油というより、最近はやりの○○ブラックに近い。
チャーハンはラーメンと同じタレで味付けしているのか結構黒めで香ばしかった。
温かいものをお腹にたらふく入れたので大満足。元気が戻りました。


↓中華そばと焼めし


さて時刻は19時前。すでに日が暮れて暗くなっています。
本当は余裕があれば猿坂峠か鍋谷峠TTなどと思っていたが、
ここまでで思った以上にハードなコースで日没サスペンデッド。
寒さが厳しくなる前に残り70kmを走りぬけて帰らねばならない。
右膝の具合がちょっとよくないので、ロキソニンを飲んでおく。
御ノ山峠まで迂回するとちょっと遠回りになるので、
普段は利用しない考子峠の最短最イージールートで帰る。
R42を北上する。昼間あれほど苦しんだ向かい風は収まり、
横を通過する車が発生させる追い風にも乗って35kmペースで順調に北上。
国体道路に入り和歌山市街へ。
JR和歌山駅のところで左折し、和歌山城を左手に見ながら西へ。
紀ノ川大橋を渡り、そのままR26を進む。
時間的にも交通量が多いが、ここは集中を切らさずにせまい路肩を進む。
鈍い上りで和歌山大学前を通過し、考子峠で本日最後の上り終了♪
上りは大したことないが、やはり交通量とせまい道幅で難儀だわ。
慎重に岬町方面へ下る。
R26をトレースして北進を続けるが、
さっきの薬が効いているのか膝も回るようになって、ペース快調。
顔が寒いが、体は熱い状態ながら、順調に刻んでいく。
尾崎で、サザンビーチ方面へ折れてもよかったのだが、
2つの大橋上るのがもうしんどいので、往路と同じ府道63号直進。
あとは行きと同じ道をひたすら進むが、行きと違って交通量そこそこ。
岸和田通過が20:30くらいだったか。
相変わらずこの道は長く感じる。
いくつものポイントを経て堺を通過する頃には再びお腹が減るが、
どこかお店に入ると帰りが遅くなるので、
これまたしのばせていたチョコバーで我慢。
そこからはいつものごとく、阪神高速堺線の高架下〜あみだ池筋ルートで
帰宅したのが22時ごろでした。


シーズン最初のソロロングということで、
そこそこハードなコース設定をあえてもってきた。
まあその代償は大きくて、帰宅後から右膝ガクガクするし、全身が激しく痛い。
でもボロボロでも完走できたので、今年もある程度目処がついてよかった。