記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

BACK TO 大阪 第2区間(静岡〜掛川〜浜松〜豊橋〜名古屋)

静岡駅を通過したのが11:30。
オサレバイクの急襲に対応していたため、静岡タウンは完全スルーのまま、
駿河大橋で安部川を渡る。
橋の上で、前方にローディーが1台とそのさらに前にママチャリのおばちゃん。
ペースが違いすぎてすぐに前が詰まる。
ローディーさんはママチャリを抜きあぐねて悪戦苦闘している様子。
そのうち自分も追いついて、3台数珠つなぎとなる。
ローディーさんは途中で気付いて追い抜かせてもらったのだが、
ママチャリのおばちゃんは堂々と道を占拠し、後ろの様子も気づいていない感じ。
まあ、無理矢理追い抜きをかけても危ないので、ここはガス抜きでダラダラと走る。
ようやく長い橋を渡りきってパスするが、喉がカラカラでボトルがからなので
手越原のコンビニにイン。
あかんあかんとわかっていながらも、ここはファンタグレープをがぶ飲み。
プハア〜。


で、ここから通常ルートでいけば丸子宿を抜けて、宇津ノ谷越えなのだが、
今回は別ルートを調査がお題目なので、
思い切って用宗から焼津へ抜ける海岸線ルートを選択する。
このルートは大崩海岸という読んで字のごとく非常に険しい断崖をゆくルートで、
この区間の別名は”東海の親不知”…。
そうです。今年一番肝を冷やしたあの北陸の親不知と同じように、天下の難所なのです。
そしてあの親不知とは、フォッサマグナ中央地溝帯)の北端と南端ということで
少なからず関連のある場所です。
しかし最近こんなとこばっかり行ってるなあ。
ここはR150がバイパス化されて別に開通しているので
降格された県道416号を行くにはそれほど激しい交通量に悩まされることはないと思う。
ハイライトは県道が海に突き出て続く石部海上橋。
一度走ってみたいと思っていたのです。
距離的には宇津ノ谷越えと比べてもそんなに遠回りになるわけではないのでレッツトライ。


手越原から県道366号を南へとります。
狭い生活道路を進んでいき、丸子川を渡る。
左手からJR線が並んできて、前方に巨大な東名高速の高架が現れる。
さらに並走するR150のバイパスもまとめてくぐる。
JRの踏切を渡り、県道416号で右折する。
用宗の駅前を通過するが、それにしてもまったく交通量がなく、静かなのでちょっと不安。
徐々に海が左から迫ってきていよいよ!と思ったら、
前方に道をふさぐ形で看板が立っている!
「通行止」
なに〜!マジで!多少なりとも遠回りをしてきたのにショーック!
無駄な時間を使ってしまったと途方に暮れていたら、
ちょうど前方から地元ローディさんが走ってきたので、状況を聞いてみると、
途中まではいけるけど、崩落がひどくて焼津までは抜けられないとのこと…
んん〜やっぱり無駄足だったかあ。
でも、途中まではいけるのならせめて海上橋だけでも行ってみたい。
ということで、ちょっと時間はロスするが進んでみる。


↓なにぃ〜!?通行止だとぉ!?


しばらく海岸線を走る。右手はすでに際際の断崖で逃げる場所はない。
並走していたJR線もじきに、山中の闇へと吸い込まれていった。
ちなみに、この日本坂の難所には、そしてこの県道416号の隧道を含めて
東名高速3本、R150バイパス2本、新幹線1本と、
実に8本ものトンネルが東西に貫通している、太平洋岸でも屈指の難所なのである。
しばらく進むと、道は上り基調となり、いきなり海へと突き出ます。
ここが石部海上橋です。
昔は絶壁にへばりつくようにして隧道が通じていたのだが、
度重なる崖の崩落や海上からの海水と風の浸食によって耐えきれず、
数々の深刻な崩落事故が頻発したため、土砂や落石を回避する方法として
このように道を海上へと逃がしたわけです。
海上橋から断崖を見るとたしかにどえらいところで、
旧道は撤去されずにそのまま朽ち果てている姿を見ることができる。
そしてその一か所が無残にも山に飲み込まれている個所があり、
そこが昭和46年の大崩落現場で、1人の若者が命を落としています。
それにしても噂にたがわぬ難所です。
しかし、お天気の良さも手伝って、その絶景と言ったら素晴らしいの一言。
海にせり出している分、遮るもの一切なく、駿河湾を一望することができます。
幸い通行止なので、車の往来を心配せずに心置きなく景色を楽しめます。


↓石部海上


駿河湾


ここからもう少しだけ進んでみます。
海上橋を終えると、道は断崖へ吸い寄せられていき、暗い隧道へと続きます。
ここがまた全然優しくない上りで、えっちらおっちら格闘していきます。
交通量がないのだけがまだ救いだが、
ただでさえ不気味なエリアを一人洞穴で過ごすのはあんまり心地の良いものではない。
どうにか格闘して外へ出ると結構高いところまで上がってきた。
しかし、この先どうせUターンをせねばならないのに、
こんな不毛なことをしてて後半大丈夫かと思い始め、下りに入る前にUターン。
あああ、焼津の街はもうすぐそこなのに〜@@


↓こうなりゃフテ寝だぃ!


この道は交通量も少ないし、景色もいいし、
宇津ノ谷と比べてもそれほど遠回りになるわけでもないのでいいと思ったが、
今でも全区間で崩落の危険は高いらしく、
夜間通行などはちょっと厳しいかもしれない。
まあ、宇津ノ谷越え自体それほど難易度の高いものではないので、
無理してこちらのルートをチョイスする必要もないかも。


ということで、単なる寄り道と化してしまいましたが
一応目的は達したので帰ります。
ずじゃーっとトンネルを下るが、事故は怖いので慎重に、
そして海上橋を渡って用宗にカムバック。
そこからJRをまたいで(またまた踏切につかまる@@)、県道366号を北上。
途中で丸子川にさしかかると、川に沿って太平洋岸自動車道が整備されていたので、
手越原まで戻らずに、このCRを利用することにする。
丸子宿自体なかなか風情のあるエリアで、前々から一番好きな区間なのだが、
このCRものんびりとした住宅地を抜ける気持ちの良い道。
川に沿って右へ左へと蛇行を繰り返しながら丸子宿の中心部まで。
そこから県道208号をつたって、徐々に山間に分け入っていきます。
もうそろそろR1に合流するという直前に、いきなり後輪に衝撃が走る!
んん?何事?と思ったら、サドルに括り付けていたレインウェアの袋が、
立てつけが緩んで落下してしまった模様。
30km程度出していたのだが、バランスが大きく崩れて
危うく転倒しかけるがどうにかセーフ(汗)
しっかしこれがまだ交通量の全くない道路上でよかった。
これがトラックがバンバン真横をかすめる幹線道路だったらちょっとやばかった。
あわてて停止してレインウェアを回収し、入念に括り付ける。
(この方法もちょっと検討せねばいけないなあ…)
道の駅宇津ノ谷を通過し、長い長いトンネルをくぐったのが13:45。
予定よりも1時間15分も押してます(大汗)


↓平成宇津ノ谷トンネル


トンネルをくぐったらしばらくは歩道をかけ下り、側道に入り、
そこからR1をくぐって県道208号に入り一安心。
岡部宿まで下ってくると、何人かのローディーが対向からやってきてご挨拶。
内谷新田で藤枝バイパスをくぐり、R1に乗る。
ここからは焼津の郊外から藤枝へと続くのだが、
この時間帯は交通量が多く、路肩も十分ではないので慎重なライドを強いられる。
藤枝を通過したのが14:00。
早くも西日がまぶしくてなかなか前方の具合が見えない。
ちょっとお疲れモードなのだが、大幅に遅れているし悠長に休憩も入れられないので
手持ちのエナジーチューブなのでごまかしながら、
とりあえず菊川の上りを終えるまでは頑張ることにしてライドを続ける。
島田のあたりでも交通量は多い。
そのうちに大井川橋に到達。
ここは長いので歩道を行きます。
前方には菊川の山間部が徐々に近づいてきました。


↓大井川橋を渡る


長い長い大井川を渡りきると、大井川本線の踏切でまたまた足止め。
ホンマにこの日はどんだけ踏切につかまるのか…
金谷扇町の交差点を過ぎると交通量は幾分ましになる。
小学校のところのカーブからいよいよ上り区間がスタート。
無理をせずにインナーに落としてくるくる上る。
朝の冷え込みが嘘のように暑い!
体にフィットしているウェアを無理やり袖まくりして少しでも冷やしながら上る。
富士山静岡空港方面への分岐を過ぎ直進。
大きく二度ほどカーブをこなしたら、左手側に金谷・島田の町並みが一望できる。
ここも意外と好きなポイント。
そこからさらにわずかにゆるくなった上りをやっつけて、
角にラブホのある辻でいったんピークに到達。
そこから菊川方面へ下るが、ここは少しテクニカルなので飛ばさず慎重に。
反対側からは何人かローディーが上がってきていたので、
地元では格好の練習場なのだろう。
菊川をまたいでふたたびキツイのぼりを上り返したら小夜の中山トンネルに到達。
時刻は15:00。


↓金谷、島田の町を見下ろす


↓小夜の中山トンネル


トンネルをくぐったら、ゆるやかなダウンヒルを開始。
ここも反対側からは長い上りだが、下りは爽快♪
日坂・八坂とつないで、R1に復帰し、千羽のサンクスで約束通り休憩を入れる。
時刻は16:00。
あうさんから「もう浜名湖は越えてる頃ですね」とメールが入っていて焦ります。
いやいや〜まだ掛川なんです〜お恥ずかしい。
仮眠も含めて30分ほど休憩。そろそろ西日が頼りなくなってきました。
ここからは日没との待ったなしのバトルです。
せめて真っ暗になる前に浜名湖を見たい!
ここで初めてレッドブル注入をして気合を入れて臨みます。
リスタートして掛川の市街地に入ると交通量は激増。
慎重に進んで沢田ICからR1バイパスに入る。
東向きだといつも掛川で迷ってしまうのだが、西向きは問題ない。
R1のバイパスに入ると、ここから久津部までは大動脈区間
あふれかえる車に、猛威を振るう大型車を真横にしながら、
40kmオーバーのペースで切り抜ける。
袋井市街地方面へ県道413号に入ると脅威は去り、いったんインターバル。
太田川を渡り、三ヶ野ICのところで旧R1に入る。
ここからは磐田の丘陵地帯でアップダウンが何度か襲ってくる。
それは構わないのだが、バス道なので何台かの路線バスとの駆け引きがあり、
慎重に進まねばならない。
そうして天竜川に到達したのが17:00。
もう西日がすっかり弱弱しい。


↓日没前の天竜川を越える。しかしこの後トラブル発生…


さて、ご覧のとおりもう少しすれば日が暮れ2日目の夜がやってきます。
またあの極寒を味わうのかと思うと、正直ものすごく気が萎える。
しかし、ひとまずはここからは日没との勝負がある。
せめて明るいうちに20km先の浜名湖に達して、夕日の写真でも撮りたい!
気力体力は十分なので、気合を入れていきます!
で、前回の反省を踏まえて天竜川は旧道ではなくバイパスの歩道をスムーズにわたる。


渡ったらすぐに県道312号に入るのだが、
その交差点の角で若者8人組のローディー集団がたむろしてブリーフィングをしている。
チラチラとこちらを伺うようなまなざしだったので嫌な予感。
一応挨拶をして、さっさと通過。。
ここから浜松までの県道312号は、
住宅地の間を縫うようにして作られた狭い狭い生活道路で、しかもバス道。
片側1車線ずつはあるのだが、
バスのような大きな車同士では減速しないと離合が難しいような道。
こんなところで、さっきの集団が追ってきて集団になったら参るなあと思って
ペースを上げていったら、案の定、猛ダッシュで追走してきた…
この時点ですでに、ああ面倒くさいなあと感じ始めていた。
前方にはバスが2台連なっていて、信号も多いためそのうち集団に取り込まれる。
何の挨拶も合図もなく、後ろにべたつきされるのは、
まあよくあることだし、それよりは前方にバスがおり、
そのためにすでに後続の車も渋滞が始まっている状況なので、
ここは安全第一と、最初は後ろの集団に手信号を出したり合図をしていたのだが、
そのうちにヤンチャな奴らが、調子に乗りだし、
歩道と車道を頻繁に出入りしては、バスの前に飛び出してそこからアタックをかけたり
非常に危険な状況を作り出す。
バスはその度に急ブレーキをかけたり、バス停に停車できなかったり。
そういう不安定なバスの後続いる自分も バスの急な挙動に追突しかけたり、
また、そのせいで後続の車も混乱をはじめてきた。
で、そのフトトキ者が、まだ1,2人なら勝手にアタックかけて、
さっさと先へ行ってくれれば、すぐにトラフィックも平時に戻れるのだが
向こうは8人いて、それなりの集団で、隊列が長く伸びて、しかも統率されていない。
最初の2,3人までは速い奴に背後についてバスを追い越せても、
8人まとめて追い抜きをかけれるはずもなく、
残された後続の連中はそれでも集団を維持すること、
前についていくことに精いっぱいでトラフィックの状況を考えずに、
無茶な追い抜きをしたり、右へ左へ抜けて危ない。
しかもどうやこの8人組、4人は経験者らしく速いのだが、残り4人は明らかに初心者。
ペースの違いすぎる人間が勝手気ままに狭い狭い道で暴れているという最悪の状況。
このままでは危険だしマズい。


そんなところに運悪く遭遇したわけだが、
奴らが自業自得で事故を起こすのは勝手だが、
巻き添えを食らうのはごめんだ。
それに、こちらとしてはそんな連中の一味だと見られたくもない。
こっちとしては日没を目前に急いでいることもあるし、
これは一刻も早くこいつらを巻いて、この状況を抜けだす必要があると判断。
赤信号明けのタイミングで、アタックをかけて
8人全員をまとめてぶち抜いて45kmペースで逃げる。
すると、調子に乗った阿呆が「待ってました!」とばかりにバトルを仕掛け、
速い4人がトレインを組んで追走してきて、横に車の隊列があるにもかかわらず、
ドヤ顔でぴゅーんと追い抜いていく。
これほど面倒くさいことはない。
CRとか舞洲のような場所ならともかく、
こんな交通量の多い狭い道でバトルしかける阿呆がどこにおるねん。
だいたい、こちらはすでに300km走ってきて、しかもまだ折り返しの状況で、
お前らが速かろうがなんだろうか知らんちゅーねん。
とにかく、一緒に走ることが危険だし不愉快なので、
一転してペースを落とし一定差を開けて走ろうとするのだが、
そうすると今度は残りの4人組が必死で後ろから追ってきて、
追尾に疲れたのか知らんがなぜか自分の後ろにベタつきされ、
体よく風よけに使われる。こいつらどこまで図々しいのか。
そして結局この遅い組を放ってはいけないためだろうが、
先行していた速い組が先の信号で待機して再び合流する。
そしてまた追いかけっこの仕切り直し。これが10km延々と続く。
もう、面倒くさいったら仕方ないので、別の道に入ろうかと思ったが、
とにかくこちらは急いでいるし、一度浜松あたりで道をロストした経験もある。
第一、すでにこの道自体が抜け道で、さらに裏道となると色々リスクもある。
仕方なく、できるだけ関わらずに浜松まで切り抜けようと、ここはとにかく我慢。
と、第一通りの交差点で、前方の車が左折しようとしたところに差し掛かり、
あやうく車とぶつかりそうなあやうい状況が起こり、さすがにこれは看過できない。
日頃はそういうナメた奴がいても、言葉ではなく姿勢で示してきたが、
ここまで散々やりたい放題やられてきて、
今回ははっきり言ってやらないと収まらない。
「お前ら、もうそろそろええ加減にしとけよ」と注意すると、
「え?何オッサン?」と、挑発的な態度。逆ギレか。
もうそれで、これまで大人に我慢してきたものが、
いっぺんにプッツンしてしまいました。
そこから1対8で大口論となりましたが、詳しいことは自主規制しときます。
あんまオッサンやと思ってナメてたら痛い目みるちゅうことです。
まったく、あいつら、どういう指導を受けているのか。
あれが浜松では常識なんでしょうか?
もしあいつらだけがそうであったとしても、
とにかくもう浜松は最悪という印象しかなくなりました。
自分たちの行いによって浜松全体のイメージがそうなるという自覚がない。
それと全く同じことで、あいつらが危険な走りでトラフィックを混乱させれば、
ローディー全体がそういう連中だと世間からみられることになる。
まったくいい迷惑だ。
(当然自分も注意せねば)


阿呆どもを成敗しているうちに、すでに日は没してしまいました。
無駄に時間と体力とを消費し、テンションもダダ下がり。
やる気ナッシングで、もうこのまま浜松でDNFしようかと真剣に思いましたが、
とりあえず浜名湖までは行こうと決めて、大混雑する浜松市街を抜け、
R257をもぬけの殻で進んでいく。ああ、本当にやる気がない。
こんな状況まで味わされて、なんか意味あるんかなあ。
今DNFして帰れば家族で晩御飯に間に合うなあ、そっちの方がええんかなあ。
とか、もう走る意欲を失って、ただ無意識にペダルを回している状態。
大渋滞のR257をどうにかこなし、柏原で旧東海道に入る。
ダラダラとすでに日の落ちた平野部を進み、新町で再びR1に合流。
少し進んだら弁天島で、ちょうど大鳥居のライトアップが見えたので、
サンクスでドリンク休憩し落ち着きを取り戻す。
ああ、順調に行っていれば日没ショーに間に合ったかもしれないなあ。
家に電話をしたり気分転換を図る。


弁天島18:30


そろそろ海風が冷たく吹き付けるようになってきた。
やはりコンビニ前では寒すぎて長居できないので、ドリンク休憩ののちリスタート。
弁天島を離れ、西浜名橋を渡ると、長い長いストレート。
新居町でほとんどの車はR301で鷲津方面へと曲がっていく。
そちら方面のルートを選択してもよかったが、こちらは1度リサーチ済みなので、
交通量を考慮してR1トレースを選択する。
新居支所前を通過すると、周辺は一気に暗くなり、物寂しい感じ。
真っ暗になり交通量も減り、おまけに気分ダダ落ち状態。
そしてさっきドリンク休憩しかしておらず、腹が急に減ってきた。
色々いっぱいいっぱいの状況で、退屈なドストレート平坦区間は相当マズイ。
どこか落ち着いて休憩するとこはないかと考え、
そういえば潮見坂のところに、トラック野郎御用達の食堂があったはず!と思いだし、
必死に回して、ガソリンスタンドの先に食堂を発見し飛び込む。
時刻は19:00。


↓港屋食堂


この食堂は見るからに場末の食堂で、
トラックの兄ちゃんや近所の工場の人たち御用達のお店。
そういうところの方がウマイ飯が食えるのですよ。
ちょうどお座敷があいていて、1人だがそちらに座ってもよろし?と聞いたら、
「ええよええよ」と言っていただき、
久々にシューズを脱いで、思いっきり足を延ばす。ああ、極楽〜。
おばちゃんがまたええ味出していて、色々話し相手になってもらい気分上々。
やっぱりおばちゃんってパワーありますよ。
さてここは全部ばら売りのようで、いろいろあるメニューから、
から揚げ定食を作り上げる。
うどんの丼のようなものにナミナミ入れられた味噌汁がうまいのねえ。
しかもさすが東海エリアだけあって八丁味噌です。
ホッカホカの白飯が超ロングでは一番食べたかったりするのだが、
意外と食べられないのでうれしい。
牛丼屋は汁にまみれ、ファミレスでは冷たいライスが皿にへばりついているし、
炊き立ての白飯食べれるところもっとあってもいいのになあ。
おばちゃんのパワーと、ウマイ飯に元気をいただいて、ようやく元気を取り戻す。
あんなことで挑戦を台無しにされてたまるかよ。


↓めし(中)+から揚げ+みそ汁+卵焼き


さて、30分ほど休憩ののちリスタートします。
食堂のおばちゃんに、「無理せんとな。また来てや」と笑顔で送り出されます。
外は相当に寒さが厳しくなってきました。
スタート直後、いきなり潮見坂の上りがスタート。
くるくる回してまずは暖を取る。
ここはいつも路肩がゴミだらけで走りづらい。
白須賀までえっちら上り詰めると、パトカーが数台止まっていたが、ネズミ捕りか?
そこから高台をしばらく進み、念願の標識を発見!
そうです。今朝の6:00に突入をして遠路はるばる14時間かけて、
ようやく静岡県を脱出です。ホントおつかれ〜。


↓潮見坂


↓あばよ静岡


一里塚でR1に復帰する。
ここから豊橋に向けてはいつも交通量が一気に増して、
しかも下り基調なので怖い思いをしているのだが、
今回はなぜかほとんど交通量がなく、おまけに追い風が吹き出してラッキー♪
快調に大通りを走りJR線をまたぐ。
ちょうど新幹線が通過していったが、やっぱり速え〜な〜。
そこから少し進んで道の反対側に避けては通れぬ二川CB。
時刻は20:15。夜がいよいよ更けてまいりました。


↓二川CB


CBは対岸から写真を撮っただけでスルー。
そのまま豊橋方面へとペースを維持する。
東八町で路面電車が右からやってきてしばらくランデブー。
西八町は二段階で切り抜ける。
前回あうさんと再会を果たした豊川を渡り、R1をひたすら北進する。
ついさっきまでの不運と不調を払しょくするかのように、
追い風が吹きノッてきました。
ぱしゃ君ではないが、夜になって調子上がってきたのかなあ?
いつもはここから国府まではR1ではなく、1本裏を走る県道496号を走るのだが、
今回はあえてR1を走ってみる。
県道の方がはるかに交通量が少なくストレスも少ないが、
飛び出し注意などが必要なのでペースが出にくい。
その点R1の方が飛ばすにはよいが、
やはりひたすら車からのプレッシャーを受け続けるのでしんどいはしんどい。
ここは状況に合わせて使い分けるのがやはり正解なのだろう。
国府を過ぎると徐々に山間になり暗くなる。
ここは長くゆるい上りがずっと続くのだが孤独感を毎度感じるところ。
慌てずじっくりシッティングで上り詰めたら、岡崎側へと下る。
ドルクス君と初対面の本宿駅を通過し、さらに下っていく。
いつもちょっと危険だと感じているのが、その先、
藤川宿の手前で名電をまたぐところのS字区間
下り基調で自分が奏功している路肩側がインになるところで、
大型車が来るとキワッキワまで迫ってくるのでいつも怖い。
今回はちょうど車の波が通過した後だったので問題なかった。
さらにその先、岡崎ICのいつもの合流ポイントも一気のアタックで切り抜ける。
岡崎市街を通過が21:45。


ここからはR1はハイウェイ化して高速で切り抜ける区間に突入する。
相変わらずトレーラーやタンクローリー、レッカー車などの大物が、
我が物顔で2車線を行ったり来たりしている。
その圧に戦々恐々としながらも、若干の追い風モードでペースを維持していく。
日が暮れ、車に向けて神経を張っている状況で、いい感じで集中力が発揮されている。
知立あたりまではものすごくいい感じでペースをキープできていたように思う。
逢妻大橋を渡り、今川町で旧道の方へエスケープし、一息つくが、
そこで集中がふいとキレてしまって、ちょっと疲れをズーンと全身に感じる。
時刻も22:30を回り、少し腹の具合も減ってきたかなと思い、
このエスケープ区間でダラダラしている間に、手持ちのレーションで補充をしておく。
豊明ICを避けて、R1に復帰して気持ちを入れなおす。
ほら貝あたりまでの鈍いピークも踏んでいって乗り越える。
その先で道は少し幅が狭くなるので、車の流れに沿って慎重に切り抜け、
天白川を渡ればいよいよ名古屋も近い!
が、そろそろ疲労はごまかしのきかないレベルまできていて、
全身に妙な電気が走るというか、ビックンビックンと嫌な感触が駆け巡る。
そうして眠気ももう結構ヤヴァイ感じなのである。
が、これは想定内。実はライド前のリサーチで、
この辺りに24hあいているスーパー銭湯の情報をしっかりとキャッチしていたのです。


このまま無理矢理ライドを続けても、結局、夜明け前の亀山・もしくは関にて
足止めを食らうのは目に見えています。
実際、前回のリターンライドでも、真っ暗なイシバシダートは危険と判断して
迂回を余儀なくされていました。
関、亀山周辺で同じようにスーパー銭湯などをリサーチしてみましたが、
どこも1,2時で営業終了してしまうところばかり。
それであれば、無理に直前で休憩をはさまずとも、
もっと手前でゆっくり休んでも結局同じこと。
そこで色々調べた結果、笠寺にある「湯〜とぴあ宝」。
ここは大型施設で風呂もあるし、休憩スペースも広く、
ファミレスやらなんやらで休むくらいなら十分に休息できる。
で、その笠寺はもうすぐそこ。あと一息で極楽だ!と士気を上げて走ります。
笠寺ランプを過ぎ、前浜通交差点で左折して環状線に入る。
すぐにJRを大またぎすると、左手におおきなネオン発見!ああもうすぐだ!
反対側に下ったら脇道に入りホテル横の駐車場の入り口から入る。
広大な駐車場にはびっくりするくらい車が止まっており、盛況ぶりがわかる。
エントランスへ向かうが、これはちょっと長時間自転車を屋外に放置できないぞ…
悩んだ末に、まずフロントへ行き、クロークで自転車を預かってもらえるかを聞くと、
OKがでたので、速攻で輪行袋に収納し、預かってもらう。
これで盗難の心配はなくなった(ホッ)
時刻は23時。ここから1時まで2時間ほどゆっくり休憩をすることにします。


自転車を預けたら、速攻お風呂場へ!
べっちゃべちゃ汗まみれのウェアを脱いだ瞬間の解放感!たまりません!
浴室はぬっくぬくで、もうねえ極楽以外の何物でもありません。
そしてまずは全身を洗いますよ〜。自分が浄化されていくのがわかります。
シャンプーもお替りしまっせ。
そして、いよいよ湯船へドボ〜ン。あああああああ、最高なっし〜。
これまでの疲労や汚れがいっぺんに湯船に流れ出していくようなそんな最高の瞬間です。
ああ、たまらん!
お風呂の種類もいろいろある。
サウナも入ったが、ここまで散々汗かいてきたのに、
また汗をかくのはアホらしいのですぐに出る。
お気に入りは2種類のジェット噴射のバス。
筋肉疲労の激しい太ももやおしりに噴射を当てて、疲れを一気にほぐしとります。
そんなこんなですっかり生気を取り戻し上機嫌で風呂をあがる。
そうしたらでっかい施設の2Fにある休憩ルームへ。
すると、静かで暗くされた部屋には見渡す限りのリクライニングシートがあり
その1つに体を沈めるとそのうちに意識が…


↓笠寺の湯〜とぴあ


ようやくブログも名古屋に到達しました。
次はいよいよフィナーレ、なんとか年末までには書き切りたい…
第3区間へつづく…(長い…)