ヤマザキナビスコカップ 詳細編
土曜日。体調絶不調のまま、6時起き。
この日は気温が下がるとの予報で、かつ埼玉は昼から雨が降るかもしれないということで
それなりの装備をザックに詰め込む。
もちろん応援グッズも忘れずに。
心配げな奥さんに見送られて、予定より15分遅れて家を出る。
タクシーを拾って新大阪へ行き、10分前到着で大急ぎで朝飯のサンドウィッチを買って
7:20ののぞみ号に乗り込む。
前方の座席にもガンバユニがちらほら見える。
京都駅から予定通りトメが乗り込んでくる。
広島の動向や、今日のスタメンの話、三冠の話とかしつつ、
豊橋を抜けたのは覚えているが、いつの間にか眠ってしまい、気づけば新横浜。
品川で下車して内回りで駒込まで。
(東京駅で降りればよかったのだがナビ通りに動いてたらそうなった)
駒込から東京メトロ東西線に乗り換え、
赤羽岩淵から埼玉高速鉄道直通の終点浦和美園行きに。
ここから大阪の青黒ユニと広島の紫ユニが一気に増える。
ひたすら長い長い地下区間でもう今一体どこにいるのやら全く方向感覚がない。
終点駅に向かってみな終結するので乗換駅からは次々と人が溢れかえる。
ナビスコ杯の決勝は聖地・国立と決まっているのだが、
御承知の通り改装工事に入ってしまったので、代替で埼玉スタジアムとなった。
しかし、決勝は大阪VS広島とともに西の国のチーム…
東京からさらに1時間も電車を乗り継いでの応援はなかなか堪える。
ごったがえす浦和美園駅を出て、
ただっ広い荒野に取り付けられた味気のないスタジアム通りを進む。
途中に歴代優勝チームのパネルが並んだり、
屋台が出てにぎやかになってきた。
そうしてようやく11時過ぎに浦和の本拠地、埼玉スタジアム2002に到着。
↓遠路はるばる埼玉スタジアム
南門のチェックを受けて中に入ると、
早くもコアサポーターによってチャントが高らかに鳴り、熱狂の渦。
その横を通ってスタジアムの中へ。
日韓大会の際にできたスタジアムということでさすがにデカい!
座席はすでにトメさんのグループの方々がお取り置きしていただいていて、
5月のダービーマッチぶりにご挨拶。
しかし、あの時点ではまさか、
シーズン終盤に3冠を狙える位置に来ているなんて予想できなかった。
やはりJ2からの復帰1年目は厳しいだろうなあ、
ヘタすればまた降格争いかとすら思っていたのに。
今季はワールドカップシーズンで色々イレギュラーなこともあり、
また天皇杯で相次ぐ番狂わせにもみられるように、
Jリーグの他のチームが安定しないこともあって、
あの試合以降、あれよあれよと上昇気流に乗った感じ。
(一方の桜組さんは…以下略)
ただ、3冠なんていうのは今年の戦績や戦いぶりを見ると、
正直言ってふさわしいかどうかはギモンなんだけど。
こんなので3冠取れてしまったら、
大きな視点で見ればJリーグも危ういと感じたりもする。
しかし!贔屓のチームですからっ!
ここは獲れるものはじゃんじゃん獲ります!
まず一冠!
席を確保したら、まずは腹ごしらえ。
バックヤードに戻ってあれこれ物色。
グッズ販売もあったけどFINAL記念のグッズはなかったのでスルー。
トメと別行動で歩いていると、
フェイスペインティングの無料体験ブースがあり、
並んで左ほほにお嬢さんにペタペタつけていただきました。
もちろん初体験です。
試合は13:05キックオフだが、
すでにわがガンバサポは早くも大盛り上がりで、
次々とチャントを鳴らしていきます。
続々とサポーターが集結していきます。
結果、約38000人の入場者数だったようだが、
2/3くらいはガンバサポだったんではないだろうか。
応援は勢いで負けてはならぬので、
広島の応援がかき消されるくらいの勢いでいきたいのだが
何しろ調子が悪いので、まだ抑え気味で行きます。
そうして、選手たちがウォームアップのためにピッチに顔を出しました。
ヤットさんはいつも以上に険しい顔で気合が入っている様子。
宇佐美は、声援に応えようと手を振った際にスリップしてこけて、
ほんま大丈夫か!?
スターティングイレブンが発表され、ベテランの明神さんが入っておりました。
フォーメーションを見ると、通常と異なりサンフレッチェ対策として
MFをダイヤモンド型に配置し、遠藤がより中央でパスを受けて攻略するような形。
一方広島は、エースの佐藤寿人が
ナビスコカップの通算最多得点に並んでいて(ゴン中山の26得点)、
その記録がかかっていることもあり、
寿人に点を取られると完全に相手のお祭りモードとなるので
それだけは絶対にに死守しないといけない。(はずだった…)
それと相手のDFの4番は全力でつぶすべし!
そうしていよいよセレモニーが始まります。
さすがにFINALだけあってスゴイ熱気というか、迫力です。
国歌斉唱は島谷ひとみさんでした。
泣いても笑ってもこれがラスト。
引き分けはなく、勝者となるか敗者となるか二者択一。
天国⇔地獄の戦いがいよいよ切って落とされる。
序盤は圧倒的に広島の攻勢が続く。
わざわざいつものフォーメンションを変えたガンバであったが、
相手の型に完全なミスマッチを起こしていたため、
右サイドを大きくえぐられ、ゴール前に危機的な切れ込みやパスが次々と自陣ゴールを襲う。
そのウィークポイントをカバーしようと今野がピッチ上をめまぐるしく走り抜け
必死で危険の芽を潰しているが、完全に後手に回っているのは明らかだった。
前半4分には高萩からのクロスを寿人がドンピシャヘッドを放ち、あわやのバー直撃。
攻撃面でも、遠藤へのパスがなかなか入らずに、
相手陣営の浅いところで攻撃のスピードが停滞し、
それ以上前進する策がないまま横へ横へとパスを回しているだけ。
そのうち強引に、狭い狭い中央を強引に突破しようとしてボールを奪取され、
相手のカウンターを喰らうというのの繰り返しの時間帯が続く。
広島は、中央を固めたガンバに対して、
完全に右サイドのウィークポイントに狙いを定めて高萩と柏が特攻を仕掛け、
さすがの寿人のうまいポジション取りになんどかヒヤリとする場面も。
それに対して、オ・ジェソクが捨て身のカバーに入り危機を脱するが、
徐々にCBの岩下がしびれを切らせてストレスをぶちまける場面が多くなる。
そして前半20分…岩下のハンドを取られる。
ここで主審の西村(因縁だな)にガンバサイドからは猛抗議&大ブーイングの嵐。
しかし当然判定が覆るはずもなく(この後全く同様の状況は広島サイドにあったのにハンド取られず)、
PKへ突入。
寿人がゴール右隅を狙ったキックに反応して、東口も指先ではじいたのだが、
無情にもゴールが決まる。
あのコースは分かっててもはじくのは難しい絶妙のシュートなので仕方がない。
しかし、最も点を取られてはいけない寿人に通算最多得点となる先取点を取られたのは
正直かなりヤバイ状況。
しかしまだ1点目。ここから切り替えていくしかない。
ここからしびれを切らせた宇佐美が中盤へ下がってくる場面が目立ち始める。
そうしてパトリックが一人前線で張ったまま粘るのだが、
そこまでの形がまだ全然出来上がっていない。
それでも前半27分、
阿部と遠藤のワンツーで広島のゴールを脅かすが、林にキャッチされる。
これがガンバの初シュート。果たして軌道修正できるのか…
一方、DF陣はまだ全然冷静さを取り戻していない状況。
ゴール前に次々と供給されるクロス、寿人の前線への容赦ないプレスが
じわりじわりと脅威に変わってくる。
そして山岸からのクロスを岩下がクリアするも、中途半端で、
ゴール正面にいた石原への絶好のパスとなる…
ヤバイと思った瞬間に鋭いシュー手が放たれる、が、それを東口が正面で跳ね返す。
しかしボールが転がっていた先にいたのはまたもや佐藤寿人。
冷静にグラウンドで転がされて、前半35分、決定的な2点目が広島に入る。
ああ、ヤバイ。かなりヤバイ。
2点差ということもしかり、主役が仕事をしているということしかり。
広島が念願のタイトル、MVPはやっぱり寿人…なんて出来過ぎにもほどがある。
とにかく1点。前半で1点を返せるかどうか。
そこがこの試合に勝つための大きな大きなポイントになる。
2点目を取られて吹っ切れたのか、攻撃陣のスピードが一気にアップする。
それまで中央付近の一番込み入ったところで短くパスをつないで、
ただ時間を潰していた状況だったのだが、
サイドへと張り出すようになってボールがよく動くようになってきた。
受け手を探して横へ横へとしか動きがなかったのが、
鋭く中へ切れ込むような動きを見せ始める。
宇佐美とパトリックが前線で我慢強く張り付くことによって、
相手DFが中央に張り付かざるを得ず、
フリーとなった遠藤が左サイドへ流れて、絶妙のクロスを中央へ。
走り込んだ手前の宇佐美を越えて、奥のパトリックへ。
DFの後ろから思いっきり体を張り出してドンピシャヘッドが広島ゴールへと突き刺さる!
まだだ、まだ終わらんよ!
と、闘志を維持したままハーフタイムを迎える。
前半、それも1点取られた直後(前半38分)に1点返したのがとても大きかった。
特にこのゴールの取り方が非常に良く、後半への大きなヒントとなる。
この日は遠藤のクロスとパトリックの位置取りが非常にコンビネーションがよく、
パトリックに張り付いているDF陣がそれほど体格的に弱いこともあり、
ほとんど当たり負けることなくヘディングシュートを打てていたのだ。
ただそれが相手GKの林の正面へことごとく飛んでいるだけで(つまり枠は捕えている)、
これを繰り返すことで精度が上がれば、ゴールが見えてくるのだった。
宇佐美はというと、我がを出さずに冷静にチームプレーで
相手DF陣を引き連れて外へと誘い出し、うまく味方のマークを削っている。
決して状況はたやすくはないが、試合開始直後の広島の優勢を考えると、
明らかにガンバは軌道修正が功を奏し始めていた。
パトリックの前半のあの1点が我々に大きな希望を与えてくれたのだ。
そして後半開始。
明神に変えて大森がイン。
この交代でさらにガンバの攻撃陣が活性化される。
広島側は攻め込んで切るガンバの攻撃陣に
完全に受け身の状態まで攻め込まれなす術がない。
そして後半9分、宇佐美が上げたクロスに
パトリックがまたも頭で合わせてついに同点GOOOOAL!
まるで1点目の再現VTRを見ているかのようなゴール。やはり突破口はそこだった。
雄たけびを上げるパトリック、駆け寄るチームメイト。
今日は気迫迫るプレーで黒ヤットさんと化していた遠藤も、
この時はパトリックに駆け寄り抱擁を交わす。
よっっしゃ〜〜〜!これで一気に逆転や〜!
同点に持ち込むと、流れはもうガンバ一辺倒。
サンフレッチェサイドはもう打つ手がないといった状況。
運動量の多い寿人もそろそろエネルギー切れが明らかで、
前線での動きだしもそれほど脅威にはならなくなってきた。
攻め込む時間が圧倒的に増えたことで、DF陣も安定感を取り戻し、
(相変わらず西村主審へイライラをぶちまける岩下だが…)
前半とは完全に形勢逆転。
そうして何度となく押し込んでいた広島サイドで、
こぼれ球を拾った阿部がシュートするも、林のセーブにあう。
しかしそのこぼれ球に大森が飛び込んでついに勝ち越しGOOOOOAL!
周囲のみんなでハイタッチを交わし熱狂に包まれるガンバサイド。
もうお祭り騒ぎじゃい!
しかし、ここで手を緩めれば相手に付け込まれる恐れがある。
ガンバはまだまだ前進を続けていく。
広島は後半27分に山岸OUT⇒清水IN、後半33分に寿人OUT⇒森崎浩INと
立て続けに交代枠を切る。
寿人の体力が90分持たないのは最初から分かっていたが、
追い上げねばならない時間帯に攻撃陣のエースを後退せざるを得ないというのは
ラッキーボーイや切り札的な存在でもいない限り、
メンタル的にはマイナスでしかない。
案の定、広島側の攻撃はますます尻すぼみとなっていく。
この間にもガンバは立て続けにPKを獲得し、
遠藤のクロスに何度もパトリックが惜しいヘッドを打つのだが、決まらない。
しかしゴールの匂いは確実にしている。
広島側はほとんど防戦一方。
後半39分にガンバはエネルギー切れの宇佐美に代えて仕上げのリンス。
この辺りから無理に追加点を狙わずにボールキープ作戦で
前線で粘り強くボールをキープする。
アディショナルタイムの4分をしのぎ切り試合終了のホイッスルが高らかになる!
やった〜!7年ぶり2度目のナビスコカップ制覇!
オメデトウゴザイマス!
いやいや、タイトルがかかった待ったなしのゲームということで、
サンフレッチェ広島2−3ガンバ大阪の点取りの応酬なんて本当に最高でした。
3点ともセットプレーからではなく試合の流れから奪ったところが素晴らしい。
やはり前半の1点目がきれいに決まったところに光明を得て、
なかば開き直りで攻め続けた結果で、撃ち合いに応じるガンバらしい戦いぶりでした。
しかし、J1復帰1年目で即タイトル奪取です。
これをはずみに、2週間後再びここ埼玉スタジアムでの
浦和との直接対決で勝ってもらってJリーグ制覇、
そして準決勝でエスパルスを倒しての天皇杯制覇と、突き進んでもらいましょう!
↓そして歓喜の瞬間!
相手のサンフレッチェもアッパレでした。
特に前半の30分間はほとんどガンバに仕事をさせてもらえないほど圧倒して、
取るべき人がしっかりと2得点したわけですから。
ただそこからのガンバの開き直りの攻撃に対して、
きちんとアジャストできなかったところが残念でした。
寿人が70分までとはわかっていたし、
ガンバが後半に強いというのもわかっていたはずで
そこまでに逃げ切れるだけのマージンを序盤で稼げなかったこと、
特に何度も決定的なシーンを作っていたパトリックのクロスへの飛び込みに対して
結局試合の最初から最後まで全く対策ができていなかったのが仇となりました。
しかし、さすが2012-13のリーグ連覇をしたクラブです。
なかなか手ごわい相手でありました。
↓サンフレッチェも素晴らしかった
優勝セレモニーを一緒の場で味あわせてもらった後、
他の面々にご挨拶をしてトメと帰路につきます。
最寄りの路線が一本、しかも終着駅なので、
どこへ帰ろうともみな目指すは浦和美園駅の1点のみ。
しかもサポーターは大阪と広島からの遠征組で、
マイカー組はほとんどいないので、
ほぼ38000人がどっと小さな駅に押し寄せ大パニック。
もうえげつない有様でした。
どうにか駅に到着し1本スルーして次の電車を待ち、どうにか1席だけ確保。
交代で座るはずだったが、それもできないほどギュウギュウで、
結局駒込まで座らせてもらう。
山手線に乗り換えて東京駅を目指すが、
せっかく東京に来てそのまま帰るのもアレなんで東京らしいことを。
ということで、降り立ったのはなぜかアキバ。
おっさん2り頑張って、メイドカフェ初体験でもしてみっかと意気込んだのだが
路上でビラ配りしているメイドさんのグイグイ来る感じですらすでに
おっちゃんはしんどなってしまってやっぱ新橋にすっかと踵を返す。
すると駅前にガンダムカフェとAKBカフェが並んでいる。
この面子で行けば当然どストライクは前者なのだが、夏に大阪で行ったし、
まずもうアキバに2人で来ることはないだろうから、
ここは思い切ってAKBカフェへ。
メンバー考案鳴なるフードを平らげ、
さして面白い爪痕も残すことなくさっさと出る。うむ〜失敗。
(これが乃木坂ならフィ〜バ〜だったのだが)
↓柏木由紀の焼肉パスタ
東京駅へ移動して、新幹線の時間まで少しあったので、
別行動でみやげ探し。
わたくしは毎度毎度定番の崎陽軒のシウマイ弁当。
あの広い駅ナカで唯一売っている売場へと走る。
あとは祝杯用のビールとつまみを買って、ホームでトメと合流。
やはり勝利の美酒は格別ですなあ!
そうして帰宅したのが22時ごろ。
わざわざ埼玉まで大遠征した甲斐があった大勝利であった。
が、体調はますます崩れていくのであった…南無…