記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

うどん県スポットライド

火曜日。仕事から帰宅後、いそいそと支度を始める。
冬場のライドはあれやこれや防寒が必要なので、
忘れ物がないように入念に。
マシンの方は年末に走った時に雨だったので汚れがひどいが、
まあ走りには支障ないだろう。
油をさすのも面倒なのでそのまま。
ライトの電池は全て古いので総とっかえ。
タイヤだけはしっかりチェックをして問題なさそうなので、
空気を入れて準備完了。


1:00の出航に間に合うように23:00に出動。
神戸まで従来なら1時間30分見ていれば大丈夫なはずだが、
なんせ7か月ぶりなので少し不安。
寒空の中、嫁子のお見送りを受けて走り出す。
マシンの感覚は鈍っていないが、
こんなクソ寒い夜中に走り始めるというのは
やっぱりどうかしてるぜ!昔の俺!
と思いながら、今回は仕事だと気を引き締めて走る。


淀川左岸を様子見で走り、いよいよR2ハイウェイに乗る。
交通量は一気に多くなり、いっそう集中していく。
すぐに流れに乗って35kmペースで進む。
上手く踏めているようでちょっと安心。
それと、真横を走る車との間合いだったり、
前方確認やら事前の事故回避の感覚が自然とできていたのは自分でもびっくり。
この辺りは全然衰えていないようだ。
一番難儀な尼崎駅周辺の区間も危なげなく通過。
武庫川住吉川の軽い上りはともに、
アウターでゴリゴリ踏んでいってもペース落とさずに行けた。
以前なら全く話題にもならないことだが、
半年ブランクの今となっては、
こういうイチイチ細かいところの確認作業が大事。
四国に渡って本格的に走り出す前に、セルフチェックを終えて、
どこも問題がないとわかったのは自信になる。
神戸港に到着したのは12:20ごろ。いい塩梅。


↓新しくなった神戸フェリーターミナル


まずはフェリーのチケットを購入するのだが、
しばらく来ないうちにフェリーターミナルが新しくきれいに様変わりをしていた。
去年に宮崎カーフェリーが大阪発着から神戸発着となり、
セットでターミナル化されたのだ。
真新しいターミナルってちょっとワクワクするでよ。
チケットを買ったらいつものように二輪の待合場所へ移動する。
ちょっと寒いけど出航時間まであと20分なので、
乗り込み時間考えたらせいぜい10分くらいだろうからと待機する。
でも、まだ積み込みどころか、船内からのコンテナ搬出さえままならない状況で、
港湾の人たちも大わらわ。
結局、予定時間を大幅に過ぎて1:30出発となったのだが、
二輪は全ての車・貨物が積み込まれた後、オーラスなので
それまでの小一時間ほど、屋外で待たされたのですっかり冷え切ってしまった…


↓出航まで1時間ここで待機…寒すぎる…


ようやく船内に入り、寝床を探すが、オーラスなので
いい場所は先に乗り込んだ人たちに抑えられてしまっている。
雑魚寝スペースの端っこにようやく場所を見つけて、とにかく寝ます。
でも寒くて寒くて、熟睡ならず。
高松東港に入港したのが5:30。予定時刻より15分遅れ。
とはいえ、帰りの便14:30は変わらないので、
四国の滞在時間が少し削られてしまった。
14時には到着してないとまずいから、タイムリミットは実質8.5時間。
その間に約150km走って、すべての撮影を済ませて、
ついでにうどんもいただいちゃおうという大忙しのスケジュールである。


で、到着が遅れたので逆にちょうどよかったのは、
6時にオープンする高松市内のうどん屋が狙えるようになったこと。
走り出す前にちょっくら腹ごしらえをしていこうと、
市内をうにょうにょ走って到着したのが「うどんバカ一代」さんです。
高松市内で早朝からやってるうどん屋で、
日曜・祝日も休まずっていう条件は意外と難しい中で重宝しているお店です。


↓うどんバカ一代


ちょうどオープンと同時に到着したのだが、早くも10人ほどの行列に。
といっても半セルフなので回転も速く、
注文した釜バター(小・1玉)とおいなりさんをあっという間にゲット。
このお店はいわゆるカルボナーラ風にバターと黒こしょうを投入したうどんを
初めて出したとされるお店なのです。
朝イチからちょいとコッテリですが、いただきま〜す。
ズル、ズルルル〜。んま〜♪。
卵とバターの優しいコーティングが、少しヤワ目のうどんに絡まり、
濃厚さがたまら〜ん〜!
そしてアクセントに聞かせた黒コショウが全体を引き締めて、
もう最高です!ごちそうさん


↓開店と同時に長蛇の列


↓元祖、釜バター(小)


しっかりと腹ごしらえをして、一路西讃を目指すライドに出発!
そろそろ夜も明けて視界も良好。いい天気になりそうです。
R11に出て、栗林公園の脇をかすめて南下。
そこから一旦裏の県道266号に入り、
高松道にぶち当たるところからR32に入ります。
琴平まで32km、高知まで150kmとの標識。今見ると果てしないですなあ。
この日は西からのアゲインストの風がめちゃくちゃ強くて、
漕いでも漕いでも押し戻されるような感じで、序盤から結構ハード。
おまけに成合大橋までの区間は、路肩は十分幅があっていいのだが、
アスファルトがガッタガタで暴れるマシンを制御しつつ進むので
えらい疲れる。
出発時間が予定より遅れて明るい時間帯に走ることになったため、
思っていた以上に交通量が多い。香川の朝は早いなあ。
綾川町に入り、陸橋のところが凍結していて
あやうく横滑りしそうになってビビったが、どうにか持ち直す。
体のバランス感覚も衰えていないようだった。
滝宮のあたりで対向にローディーさんを発見しご挨拶。
岡田でR32の旧道に入り、そのまま県道282号を下って土器川へ。
前方に大きな山の塊・こんぴらさんがドーンと鎮座している
琴平町に入ったのが8時ごろ。
まだ疲れもなかったし、
序盤でできるだけマージンを稼いで後半に余裕をもちたかったので
休憩なしで先を急ぎます。


ドンツキを左に折れて、旅館の並ぶ細い道を南下し、買田でR377に入ります。
右折してすぐに軽い上りがあり、えっちらおっちらと。
三豊市に入り、またすぐに次の峠越えで、上りきったところが伊予見峠。
文字通り、はるか前方に燧灘の青と、
伊予の国は四国中央市の街並みがうっすらと望むことができる。
そこから一気にダウンヒル
久々のライドで唯一ちょっと感覚が鈍っていたのがダウンヒル
45km位は出ていたのだが、その脇を大型トラックがかすめていって
吸い寄せられそうなあの感覚はちょっとヒヤっとしました。
そこから先はのどかな田園地帯のアップダウンが続く道となる。
琴平の山塊を抜けて西側が開けた高台に出たことで、
アゲインストの風がまたいっそうに強まる。
丸井市場という交差点でR377を外れて、県道241号に入ります。
荻原の交差点で左折して県道8号に入るのだが、
その前に角にあったコンビニでちょいとブレイク。
2時間ノンストップでちょっと空腹&喉が渇いたので補給です。
リスタートして、県道8号で南下を開始します。
正面に雲辺寺山を望みながら、鈍い上りを徐々に上がっていきます。
集落を抜け、山の中に入るところで分岐があり、県道9号へと折れます。
そこから川沿いに斜度が上がり、えっちらおっちら。
途中、法面補強の工事で信号区間があり、対向に注意を払いつつ抜けていきます。
しばらく上ると見えてきました!3年ぶりの豊稔池ダムです。


↓見事な石積みの豊稔池ダム


まずは上部からあれこれ撮影を開始。
それから下に整備されている小さな広場へ移動して諸々撮影。
やっぱりこの石積みの黒々としたフォルムは他にはない威圧感です。
かっちょええ〜!!
真下に行ってみたり、流れを渡って反対側に行ったり、
左手の石段から再び上部に行ったり、1時間ほどかけて撮影。
天気も良好で満足のいくショットが撮れました。


さてあまり時間に余裕はないので、撮影を切り上げて、リスタートします。
帰りはラクチンでひたすら萩原まで下り、
そこからは往路とは別の道を進みます。
萩原を直進して、R377を右折し、すぐ先で県道24号に入ります。
西讃から高松を目指すのに今までは交通量の多いR11か、
アップダウンの多いR377⇒R32というコースを選択していたが、
この県道24号は交通量も少なめで、アップダウンも少なく、
R11の鳥坂やR377の伊予見峠を越えるより、麻坂峠の方がずっとイージーだし、
ナイスな裏道である。
左手に高松道と並走しながら、のどかな田舎道を進み、
五ツ街道の交差点で一旦離脱して、県道226号でさぬき豊中IC方面へ。
せっかく付近を通るので、ちょっと寄り道。
ということで、やってきたのはおなじみの「上杉食品」さん。


↓おなじみの上杉さん


香川のうどんといえば、自分の中で外せない3本指の1つが
この「上杉食品」さんです。
ここでは決まって「かけ」を注文します。
もうここのイリコのダシが最高なんですわ!
お母さんとあれこれしゃべっていたら、あっという間にかけ(中)が到着。
天かすを投入してさっそくいただきま〜す!
んんんん〜たまら〜ん♪
温かく豊潤なダシが冷えた体にゆっくり染み渡り、
麺は言わずもがなジャストアルデンテな程よい噛み心地。
this is さぬきうどん!最高です。


↓かけ中。イリコダシうまぁ〜


で、おみやげにパックされたうどんを買っていこうと思ったのだが、
先客の方々が生のうどんをみやげに買っていくのを見て、自分もそちらを。
1枚の生地から注文できるというのでお願いします。
待っている間に、お母さんから茹で方をバッチリレクチャーしてもらいます。
家で一番デカい鍋にたっぷり湯を沸かせて14分。
慌てず、麺をゆったり自由に泳がせるんやで〜とのことでした。
で、そのうちに打ちたてのうどんがビニール袋にドーン!
これで10人前らしいです。ス、スゲー。
食べきれない分は冷凍して、
使うときは解凍せずにそのまま茹でないと味が変わるでとご忠告いただく。
機材でパンパンのリュックにどうにかスペースを作ってどうにか入れる。
さすがに10人前の麺はずっしり重いですな。


↓おみやに1枚分の生うどん(10人前)お、重い…


お母さんに見送られて、リスタートしたのが11時より少し前。
ここからは時間との勝負になります。
県道24号に復帰し、ほどよいアップダウンをこなしつつ、県道23号と合流。
ここからしばし交通量が増える。
しばらく進むと琴平山の真裏にある麻の集落に入る。
ここにも3本指の「須崎」さんがあり、是非とも寄りたいのだが、
1000%行列ができているはずなので、あきらめて下麻の分岐を折れて、県道24号へ。
朝日山をぐるっとなぞりながら、麻坂峠の登りをえっちら。
3kmほどの上りをこなし、麻坂峠をクリアし、反対側へ爽快に滑り降りる。
左手には中山&我拝師山のツインズと少し外れて筆ノ山の見事な並び。


↓麻坂峠をぬけたところ


善通寺の街並みに入ってきました。
自衛隊の駐屯を抜け、左折して北上を開始。
高松道をくぐり、その先のドンツキでR11に出る。
いつもはここからルーティンのコースで高松を目指すが、
今回は海側へ向かうため、JR土讃線をくぐったすぐのところで左折し、
県道25号で再び北上。海からの風がキツイ!
多度津に到着し、東進に転じる。
県道21号を進み、金倉川でさぬき浜街道に出ると、ようやく海とご対面!


↓海〜


ここから幅広のさぬき浜街道をひたすら進みますが、
路肩は広いのだがロードサイド店がある度に、
そちらへ進むレーンが増えたり減ったりし、その度に車が並んでいたりして面倒くさい。
しかも一番海際を走っているので、
結構でかい橋がいくつもあり、思ったよりアップダウンもあった。
それでも海を臨みながら走れるのはうれしいもんだ。
港湾にはいくつものクレーンが首をもたげていて、
夜中に写真を撮りに来たい感じだが、
時間がないのでこの日はスルー。
丸亀〜宇多津と過ぎると、JRのデルタ地帯に入る。
ここから瀬戸大橋線が海へとの延びているのだ。
時間的に結構厳しいのだが瀬戸大橋を撮って帰らねばならないので、
ちょっとペースアップ。
平山でほんのわずか急坂があり、必死のパッチで上り、
下った先で瀬戸中央道をくぐる。
番の州入口で左折し、そこから3km先の瀬戸大橋記念公園を目指します。
左手にはまるで堅牢な要塞のごとくそびえ立つ瀬戸中央道の
コンクリートの一段が、ものすごい威圧感。
本四高速の3つ(淡路鳴門道、西瀬戸道=しまなみ海道)とも当然すごいのだが、
一番最初にできあがった瀬戸大橋は
とにかく巨大な建造物がドーンという印象がものすごい。
次第に、その橋桁の間にJR線のフロアが横から挟み込むような形で追加され、
その合体によってなお一層力強さを蓄えた瀬戸大橋は、
満を持して海へと挑むのであった!
この周辺は工場も多く、是非とも再訪してゆっくり写真撮影を楽しみたいですな。


↓瀬戸大橋


滞在時間わずか15分。とりあえず乱れ打ちで撮影を済ませて、
大慌てでリスタートしたのが13:00!
ここから高松まで約25km。それを1時間でということは結構ギリギリです。
フェリーに乗り遅れたら全くシャレにならんので
ここからはもうスプリント体勢で挑みます。
再びさぬき浜街道に戻って、そこから県道33号に入る。
坂出市内は信号が多く、少々焦りつつも前進する。
JR線と並走し、R11をくぐると追い風モードとなり、35km巡航でひたすら飛ばす。
国分で再びR11とクロス。
このまま県道33号で行くか、R11で飛ばすか迷ったが、前者を選択し、
今度は再び海へ向かってアゲインストの中をとにかく回す。
高松駅に到着したのが13:50!これでどうにか安全圏です。
ほんの少しだけ、高松駅キヨスクでみやげを物色し、14:00にリスタート。
要注意なのはジャンボフェリーの乗り場だけ、高松港ではなく、
市街から3kmほど外れた高松東港なのです!
再びフルスロットルで瀬戸大橋通りをぶっ飛ばして、
フェリー乗り場に到着したのが14:15!
1回でもメカトラやパンクしてたらヤバかったっす。
まあギリギリを狙って、あれこれ撮影追加したので確信犯だけど、
本当に乗り遅れてたら笑えなかったっす。(汗)


そうして乗り場の前にあるセブイレで小宴セットを購入して、
5分前にフェリーに乗り込む。
そうして定刻通り14:30にフェリーは港を離れました。
さらば愛しの香川、愛しの四国~。


↓さらば愛しの四国~


フェリーに乗りこんだら、
まずは屋上デッキのトラやん師匠にご挨拶。
それから雑魚寝スペースではなくテーブル席を陣取って、
ささやかな祝杯。
前夜ほとんど寝ていなかったこともあり、あっという間に落ちてしまいましたZzz…


↓祝杯⇒爆睡


次に目を覚ましたのは、18時ごろ。
よく見ると、窓には淡路島は北淡の町の灯。
ちょうどいいタイミングで目を覚ましました。
一切合財を着込んでデッキに出て、明石海峡大橋をパシパシ。
イルミネーションがきれいでございました。


明石海峡大橋


19時に無事神戸港に戻ってまいりました。
今年もまたジャンボフェリーのお世話になったことを感謝して
一路大阪を目指します。
帰りもいつものR2。
この日は他のローディーさんには合わず、
ペース乱されることなく淡々と帰れました。
武庫川越えたあたりからの阪神バスとのバトルも勝利をおさめ、
まだまだ意外とイケるじゃんと思ったりしてたら、
千船あたりで完全にガス欠(笑)。
こりゃ腹が減って力が出ない〜〜〜〜。
アンパンマンを呼んでも来るわけがないので、
淀川を渡る手前の吉牛に緊急ピットインして補給。
そこから淀川を渡り、左岸をぼちぼち。
帰宅は21時でした。


翌日、早速戦利品を頂きました。
お母さんのアドバイスを思い出しながら14分麺を泳がせたうどんを実食。
んんん〜ウマ〜。


↓おみやのうどん