『酒場詩人の流儀』 by 吉田類
吉田類さんが好きだ。
かの番組で魅せるひょうひょうと憎めない足取りの軽やかさ、
誰ともわけ隔てなく、些細なことは気にしない懐深さ。
まさしく自由と青春を謳歌する酒場詩人たる。
そんな酔っぱらいの神様のような類さんももちろん大好きだが
自分が一番好きなのは実は類さんの書く男性的な味わいのする文章。
エモーショナルに抜き取られた言葉選びの面白さ、
小気味よいテンポに満ちた綴り、
そしてそこはかと醸し出される独特のダンディズム。
そんな文章はなかなか書けるもんじゃあない。
全国津々浦々を流離い、土地土地の自然を愛で、山と清流を愛し、土着の文化に浸る。
そうして、夜の帳が下りれば、酒を酌み交わし、人と人をつないでゆく。
類さんの本当の正体はまるで現代の種田山頭火、
あるいは生ける風の又三郎なのかもしれぬ。
かの番組でしか類さんを知らない人は、
類さんの本職の素晴らしさをぜひ知っていただきたい。
ということで最後に一句。
お後がよろしいようで。
- 作者: 吉田類
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/10/24
- メディア: 新書
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