記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

新酒入荷

父の日プレゼントで、奥さんから好きなお酒を買っていいよということで
お散歩がてら、家族で「天六まんじ酒店」へ。
ご近所にいくつかある酒屋さんの中でもなかなかのラインナップで、
手書きポップで分かりやすく酒の特徴を紹介してくれるので、
時々利用させてもらっている。
何より大好きな銘柄である「花巴」や「安芸虎」「東洋美人」があり、
また注目している滋賀、高知の酒の充実ぶりがうれしい。
全国から厳選した食材などもあって、意外と宝の山だったりします。


冷蔵庫の中をあれやこれやと吟味して、2本選びました。
まず1本は滋賀県堅田の「浪乃音酒造」さんの「渡船 純米大吟醸」。
このお酒は幻の酒米と言われていた「滋賀渡船」を50%まで精米したお酒。
この「渡船」という品種は、
現在酒米の主流となっている「山田錦」の父系品種にあたります。
母系品種である播州の「山田穂」との掛け合わせが山田錦として発展していき
今では不動の地位を確立するに至ります。
ちなみに現在最も古いとされている酒米は、
岡山県の「雄町」でそのルーツは150年以上にさかのぼります。
この「渡船」は一説によれば福岡県産の「雄町」のことを指すとされていますが、
必ずしも「渡船」=「雄町」とは言い切れないらしく、謎の多い米だそうです。
この「渡船」は半世紀前までは滋賀の酒米として広く栽培されていたのですが、
戦後の食糧難や病害虫に弱い品種ということで栽培が途絶えていました。
滋賀県農業試験場に僅かな種籾が残っているのが発見され、
地元米による酒づくりの機運が高まり、
復活栽培となったという経緯があります。
幻の原米に、比良山系の名水、
そして釜屋の長男、杜氏の二男、麹屋の三男の三兄弟のあ・うんの呼吸で醸された酒。
まだ飲んでないけど、大好きな浪乃音酒造さんのお酒なので期待大です。



つづいては、思わずのジャケ買いをしてしまいました。
冷蔵庫の奥からにっこり微笑まれてしまったら、手に取ってしまうでしょう?
美酒王国・秋田の阿櫻酒造さんの「純米生原酒 りんごちゃん」。
まるでりんごのスパークリング酒のような感じですが、立派なポン酒です。
リンゴ酸を多く含む酵母・NO.77を使ったお酒なのです。
度数12%ということで結構な低濃度酒ですが、
ジュワ〜っと濃ゆい甘味が呑んだ瞬間に広がり、
そのあと、その濃厚さが嘘のようにスゥ〜っとベタつかずに消えていく感じ。
しかしこれは度数が低いとはいえあまりに飲みやすくて危険な代物。
微炭酸だったらなおのことよかったかもしれないなあ。