記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

パラダイス阿波座

先週から、喉を中心に絶不調で、
味覚が完全に損なわれてしまっていたし、
とにかく仕事から帰るともう力なく寝床へ直行するような具合で、
全くお酒呑まず。
そろそろこちらも復帰をということで、向かったのは阿波座
前々から行ってみたいと思いつつも、
平日は19時までで、
場所が場所だけになかなか足を運べずにいたのだが、ようやく。


オフィスビルが立ち並ぶ一角、
かのモンベル本社から目と鼻の先にある島田商店さんです。
早くから特定名称酒や古酒の可能性を見出し、
”心酔わせる酒”をテーマに、
関西の地で日本酒を広めてらっしゃいます。
ここの地下がまるで酒好きの秘密基地のようだということで、
早速潜ります。


↓島田商店


↓迷宮へご案内


急な階段を下っていくと、
まるで防空壕のような空間が広がり、
そこにはずらーっと見なれぬ地酒が並んでおります。
ここは単なる貯蔵庫ではなくて、
実は有料試飲ができるスペースになっています。


↓地下セラー


↓銘酒がぞろぞろと眠っています


有料試飲は、どの銘柄、どのクラスでも一律220円。
その日開いているお酒なら好きに選ぶことができます。
ただし色々ルールがありまして、
あくまで試飲であるということから、時間は1時間程度。
グラスには7〜8割程度で手酌。
飲み屋ではないので、仕事などの話はNGで、お酒の話題だけ。
もちろん禁煙です。
アテは3種類。
あくまでお酒を試すというところにのみ特化しています。
酔っぱらい厳禁。


↓有料試飲です。アテは3種類のみ


でわでわ早速。
とりあえず初めてだったので、
お店の方にオススメを4種見繕っていただきました。
すると蔵の奥から提供されたのが、
山形は出羽桜酒造の「桜花 吟醸酒 本生」、
山梨は萬屋醸造店の「恋音 春鶯囀 純米吟醸
富山は桝田酒造店の「満寿泉 純米吟醸
新潟は石本酒造の「越乃寒梅 金無垢 純米大吟醸
どれも春を予感させるような銘柄でそろえていただきました。
それぞれを8分目まで注いで並べます。
1杯ずつ完飲していくのではなく、
少しずつ呑み比べながら飲んでほしいということでしたので、そのように。


↓新酒を4種類。左から山形の出羽桜、山梨の恋音、富山の満寿泉、新潟の越乃寒梅


それでは左から順番にテイスティングしてみます。
この4本の中で一番香りがよかったのがこの「桜花」でした。
さっそく呑んでみますと、とてもさわやかでフルーティーな味わい。
吟醸スペックでこれだけのクオリティを出してくるというのは
さすが出羽桜さん!
ネーミング通りの花薫る呑みやすいお酒でした。
この4本の中では、香り、味わいともに
一番出来の良いお酒だったと思います。


つづいては地酒不毛の地である山梨から「恋音」を。
山梨では何と言ってもワインの生産で有名ですね。
その上、サントリーの白州の地であり、日本酒はほとんど相手にされません…
しかしこのお酒、恋という可愛らしい名前の割に
かなりクセの強い味と香りがしました。
お店の人に聞いてみると酒米は美山錦と山田錦ブレンド
水は南アルプスの伏流水をしようということなので、
クリアでドライな酒ができてもおかしくないのに、かなりのクセです。
ただクセの強い酒も、クセの強い恋も嫌いではありません(笑)


つづいて「満寿泉 純米吟醸」。
香りはかなりシンナー臭に近いようなケミカル系。
口当たりは辛口ドライですが、ほとんど味わいがなく、
奥行きを感じないお酒で、あまり進んで飲もうという感じにはなりません。
ハズレに近いかな。


ラストを〆るのは「越乃寒梅 金無垢 純米大吟醸」。
全国的にも有名な越乃寒梅さんですね。
純大ということでさすがに素晴らしい仕上がりです。
ただ、ちょっと一昔前のお酒という感じで、目新しさはなし。


さてさて酒のお供は2種類。
クリームチーズ金山寺味噌をいただきましたが、
これがまた絶品すぎる@@@@
それ自体でも十分美味しくて、じゃんじゃんいけちゃうのですが、
どちらも濃厚な味わいながら、後味がすうっと消えていくので、
お酒とお酒の合間に舌をリセットする絶妙な役割を果たしています。
ここでも試飲というところにしっかりポイントが置かれているあたり、
ナルホドのこだわり。


↓古酒を2種類ほど。左が広島の老亀、右が石川の菊姫


せっかくなので、古酒も2種類ほどいただきました。
広島は小野酒造の「老亀 本醸造」と、
石川の銘酒「菊姫 吟醸」。
どちらも20年近く眠らされて、十分な黄金色に輝き、
ねっとりとしたカラメルのような味わい。
「老亀」の方がアル添酒ということで
若干のビターな味わいが加わって、
上質のブランデーのように舌の上を転がります。
菊姫」の方は、元々上質な酒が時間を経て
大人の装いを纏ったというか、
ナルホド〜これが古酒の魅力か〜というような、
深い味わいでした。
今宵はここらでテイスティング終了。
ごちそうさまでした。
また、お邪魔させていただきます!


なんだかんだほろ酔い気分で帰路につきますが
やはりお酒が入ると食べたくなるのは温かい麺。
ちょうど近くにええところあるやないですかと、
一筋二筋歩いて行って、向かったのはこちら。
本当にお久しぶりです。
まずはエビスビールで辛いゆで餃子を。
普段ゆで餃子は食べませんが、
ここのは皮も自家製で本当に素晴らしくおいしくて
焼いたらきっと勿体ない。
このタレがまた絶妙ナノダ!


↓おひさしぶりにこちらへ


↓紅油水餃でビール


そして冬場なのでないのかなと思ったら
レギュラー化されていた大好物の熱帯麺!!
ああ、ありがたや〜。
ココナッツミルクと香辛料で仕上げられたこのスープと
パクチーや鶏肉など盛りだくさんの具、
そして自家製の麺のアンサンブル。
あっという間にゴチソウサマ!


↓大好物の熱帯麺!!!


ということで、うまい酒から〆まで堪能した阿波座の夜でした。