記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

京都日本酒ドロップキック

日曜日。
うめ夫妻のお誘いで、京都の酒イベントに参加してきました。
毎年、行こうよと声をかけていただいていたのに、
ちょうど田植えと重なってしまって無理だったんだけど、
ようやく実現しました。
「京都日本酒ドロップキック」というイベントで、
この手のイベントでは息が長く、今年で8回目だそうです。
大体、南北は四条通御池通の間、
東西は河原町通から堀川通の間のエリア内の飲食店と
京都・滋賀を中心とした酒蔵がタッグを組んで、
1杯×1品をワンコイン500円で供するというものです。
参加者は、申し込み時に届くイベントTシャツを身に着け、
専用のお猪口をぶら下げて、
しゃなりしゃなり界隈を歩きながらお店をめぐって、
ほろ酔い、というかヘベレケになっていきます。
だって、単純計算で5勺×17カ所=1,530mlですから、
4合瓶2本以上の計算です。 
ツワモノのうめ夫妻は、毎回コンプリートしているそうで、
自分ももちろんその心づもりで参加してきました。
ちなみに記事は後半に行くにつれて信憑性がアヤシイです…


↓うめ夫妻と


12時スタートですが、スター時は混みあうので、
30分早めに集合します。
スタートはうめ奥さんの同僚の皆さんたちも集まり、
しばらくはご一緒に楽しむことになりました。
よろしゅうお頼申します。
まず1軒目は、日ごろは一見さんお断りで味わうことのできない
「亀山学」で決定。
後で調べてわかったけど、なんか見たことある人だと思ったら、
河原町のディープスポット四富会館で
天婦羅屋のおっちゃんが新しく開いたお店でした。
少しフライング気味にスタートとなり、真新しいお店にイン。
ここでタッグを組むのは、京丹後は弥栄町の竹野酒造さん。
初めてお目にかかります。
ここはお酒が酒米違いの3種類用意されていて、
チョイスすることができました。
せっかくなので一人ずつ別々のをオーダーして
回し飲みすることにします。
酒米は、「亀の尾」「祝」「旭」という、
昔栽培されていながら歴史の表舞台から一旦消えてしまった
幻の酒米を復活させたものたちばかり。
すごいです。その中で自分は迷いなく、
滋賀の酒米である「旭」をチョイスしました。
アテは鴨。
さっそく1杯目をみなさんと乾杯〜♪
この弥栄鶴、すごい。
最初のインパクトはとても透明感を感じる
フレッシュなキレなんだけど、そのあとに、
非常にジューシー感にあふれた濃厚な味わいが来て、
自分好みの少々酸味強めなアタックののちに、
上品な味わいを残して、
すっきりと喉を駆け抜けていきました。
なんとなく、大好きな吉野の花巴を連想するような
ちょっと独特な印象を受けましたが、
花巴よりも後口がクリアで、非常に好印象。
この日の圧倒的NO.1を早くも引き当てました。
んまい!


↓亀山学×弥栄鶴(竹野酒造)


↓亀の尾蔵舞と旭蔵舞


↓仕込み水


↓普段はいちげんさんお断り


さて、素晴らしいプロローグで幕を開けましたが、
数が多いので、早速次のお店へ参ります。
エリアのいたるところにお店は点在しているので、
できるだけ効率よく回りたいし、
やはり人気があって並ぶところや、
オペレーションが良くて回転が良いところ様々あるので
色々と作戦を練りながら回っていきます。


2軒目は、少し南へ下って、
人気店の「宗 SOU 西洞院店」さん。
結構な人だかりでしたが、スタンディングで滑り込み。
お酒は洛中最古の酒蔵である松井酒造さんの「神蔵 KAGURA」。
ムロナマゲンの黒ラベルをいただきます。
ちなみにこのラベルの書は書家の紫舟さんのものだそうで、
無骨なこだわりが垣間見えます。
さっきの個性派と一転して、味も王道ど真ん中の切れ味。
ここはアテがものすごく充実していて12種盛り。
好物ばかりでたまらん。カラスミと鶏肝最高でした。


↓宗 SOU 西洞院店×神蔵(松井酒造)


↓神蔵


↓酒肴12種盛り


↓うまし


続きまして3軒目は、人と隣が混んでいたので
一旦スルーして、もう一つ隣にある
「Sushi Dining 大八」さんでマグロの握りをいただきながら、
滋賀は高島市の上原酒造さんのお酒を。
高島は本当に水のきれいな地域です。
定番の不老泉ではなく、杣の天狗のうすにごりをいただきました。
米の甘味をほんのりと感じる芳醇なうま味が
脂ののったマグロの赤身と相性抜群。
うまし。


↓Sushi Dining 大八×不老泉(上原酒造)


↓不老泉と杣の天狗


↓マグロの握り


つづいて、さっき混んでいてスルーしたお店に戻ります。
引き続き行列で少し待ちます。
この日は前日と打って変わってカンカン照りでなかなか暑い。
この暑さが後半激しく消耗する予感。
ようやく2階席が開いて店内へ。
「和ダイニング 一政」さんです。
ここでは富山の銘酒「羽根屋」をいただきました。
荒ばしりということで、
ちょっとやんちゃに刺激が飛び回るような若い酒。
アテにはマンボウ!これがなかなかクセのある味で、
なんとなくカップヌードルの謎肉を彷彿とさせる味でした。


↓和ダイニング 一政×羽根屋(富美菊酒造)


↓羽根屋 限定あらばしり


マンボウ


これで4軒、南西部の一角は制圧。
ここから一旦大きく移動をして北端のお店へと移動します。
このくらいの時間になると、
界隈は同じTシャツを着た参加者であふれていて、
人気ぶりがうかがえます。
御池通をまたいですぐのところにある「Ken蔵」さんに到着。
ここでは伏見の酒・招徳さん。
女性の杜氏さんががんばっておられる酒蔵さんです。
純米吟醸の花洛をいただきます。
アテはここはあんこが乗ったチーズケーキ。
さっきのマンボウの味がずっと残っていたので、
ここで甘味はありがたや。
すっきりクリアなお酒との相性も良く、
仕切り直しにはぴったりの口直しでした。


↓Ken蔵×招徳(招徳酒造)


↓チーズケーキ


さて、うめ奥さんの同僚の方とはここでお別れ。
山口のお酒の話でもとても盛り上がったので
一緒にコンプリートしたかったのですが、残念です@@
さて、トリオとなって、
次に目指すはNHK裏にある「ごはんや」さん。
ここでタッグを組むのは東近江の酒蔵「畑酒造」さん、
といえば、大治郎です。
スペックは吟吹雪を使った生の純米酒
ほのかに香るフルーティーさは、
時流に乗った味わい。
滋賀の酒はさすがにクオリティが高い。
アテはこちら。個人的には新香巻きが大変ありがたい!


↓ごはんや×大治郎(畑酒造)


↓純米生酒


↓新香巻きうまし♪


続きまして少し道を戻りまして、「楽酒菜 まゆめ」さんへ。
ここは大盛況のようで、結構な行列。
炎天下の中少し待たされてしまいました。
中へ入ってその理由がわかりました。
席に着くとすぐ、女の子がお盆いっぱいに
様々な小鉢のアテを持ってきてくれるのですが、
好きなものをどれでも取ってよくて、
結局我々も全種類頂くことにしました。
アテが豊富だとついつい、
2杯3杯とお替わりをする人も多いようで、
滞在時間が長くなって、それで行列も伸びると、
こういう仕掛けです。
ここのお酒は、島根は出雲のお酒「十旭日」さんです。
これ、いっつも間違うのですが、
滋賀の愛荘町にある蔵元 藤居本家さんの銘柄が「旭日」で、
ラベルがすごく似ているのです。
今回も地域柄そっちだろうと思ってたら、
十字マークが冠されていました。
島根の酒はどこも野趣あふれる無骨さがある印象で、
こちらもキリっと透明感のある辛口一本。
雄町の少し独特な強さをうまく生かした酒でした。
で、豊富なアテが進みます。特に牛肉の時雨煮!
アテでは今回の一番はコレ。
強い酒には肉で押す。


↓楽酒菜 まゆめ×十旭日(旭日酒造)


純米吟醸 改良雄町


↓左が滋賀の「旭日」、右が出雲の「十旭日」


↓選び放題のおばんざい♪牛肉の時雨煮が最高!


さてお次は、六角通を進んで、
「夢処 漁師めし 雑魚や」さん。
ここも大変盛況なご様子ですが、
そこそこキャパが大きいのでそれなりに飛び込む。
店の入り口に水道があって、
ベッタベタのお猪口を一旦ここでキレイにできました。
酒は、銘酒ひしめく姫路の、
安富町という何とも山深い集落にある
小さな酒蔵・下村酒造店が放つ「奥播磨」。
全国的に非常に注目されている銘柄ですね。
ここは2種類から選べるようでしたので、
ちょっとシュワシュワを感じたくて、
活性すくい汲みにごり酒を杯から直でいただきます。
んん〜のど越しのど越し。
アテも2種類からチョイスですが、
ここは迷いなく胡麻カツオ。
ねっとり、ねっとり。


↓夢処 漁師めし 雑魚や×奥播磨(下村酒造店)


↓活性すくい汲み にごり酒


↓トクトクとまいりませう


胡麻漬かつを


これで、烏丸通から西側の8店舗を制圧。
残り東ブロックの9軒。折り返し地点です。
まあ、だんだんと酒の量も増え、
暑さもあって、若干あやしくはなってきましたが、
まだまだこれから!
そのまま烏丸通をまたぎまして、
すぐそこの「旬・炭火焼 んまい」さんへ。
うめさんが、ここで常連さんにつかまるとヤヴァイと行っていたところ。
確かにすんごい盛り上がっていて、
底なし沼かもしれませんなあ。
帰りにはサービス券まで頂ちゃいました。
アテは確かクリームチーズ3種。
お酒は東近江の「喜楽長」の生原酒。
直球勝負の味わい。


↓旬・炭火焼 んまい×喜楽長(喜多酒造)


↓生原酒とクリームチーズ


続いて、すぐ近くの「宗 SOU 東洞院店」さんへ。
2番目に訪れたお店と同系列です。
ここはアテはホタルイカの天ぷらとこんにゃくがうまし。
酒は、大和葛城山系の恵みを受け奈良は御所の「篠峯」。
うすにごりはほんのりピリピリ発泡感があり、
優しい甘みを感じるお酒。
たしかここで、掘りごたつとは知らず、
穴にはまってコケかけた@@


↓宗 SOU 東洞院店×篠峯(千代酒造)


↓純米生原酒 うすにごり


ホタルイカとこんにゃく♪


続きまして、京都文化博物館の裏手にある
「まんざら亭 高倉三条」さんにお邪魔します。
何とも目立つドロップキック仕様の赤いラベルで主張するは
伏見の酒「月の桂」。スペックはちょっと失念。
この辺りになると店と店が近いので、
杯のペースが上がり、ちょっと記憶がヤヴァく…
というか、これだけの数呑みますから、
やっぱり印象の強弱もありますんで、その辺ご勘弁を。
さてさて、アテはおばんさいセット。大好きな鰆が入っていて、
魚河岸うめさんと魚談義。さすがっす!


↓まんざら亭 高倉三条×月の桂(増田徳兵衛商店)


↓おもてなしセット


続きましては「馳走いなせや」さん。
長い入り口の小路をゆきまして、2階のテーブル席へご案内。
ここの酒肴は二度目のスイーツ系。
写真撮り忘れましたが(汗)わらび餅でした。
スイーツ最高♪
それに合わせるは個人的に伏見の酒で1,2の好みの
トミオーさん。
信頼の味です。
スイーツと日本酒のマリアージュ、これ意外といいんですよ♪
ここで確か奥さんに一回電話しました。
生存確認。


↓馳走いなせや×富翁(北川本家)


↓富翁 純米吟醸ムロナマゲン


続きましては、真っ黒でスタイリッシュな店構えの
「和鉄板ぞろんぱ」さん。
なにやらエエ匂いがしますなあと思ったら、
肉です!隊長、肉です!ワ〜イ♪
それに合わせるは福井の吉田酒造さんの白龍。
福井と言えば、銘酒・黒龍が全国的にも有名ですが白龍は初めて。
ということは言わなくてもいいのに、酔ってたもんで
お酌をしていただいた女将さんに口を滑らせてしまったら、
白龍もぜひ応援してください!と猛プッシュされてしまいました。
ハイ!モチロン!
後で調べてみたら、自分の所でコメ作りから携わって、
酒造りをしているところで、
愛すべき霊峰白山の伏流水を使用したこだわりの酒蔵さんだそうです。
で、ここはやっぱりお肉の存在感がすごかったんだけども
その濃厚な味わいにも負けず、
むしろ余分な脂身をさらーっと洗い流してくれるような
清らかなお酒でした。


↓和鉄板ぞろんぱ×白龍(吉田酒造)


↓肉!


続いてはちょっと奥まったところにある「手水や」さんへ。
ここも大盛況で人の数がすごい。
ここはお寿司屋さんなので、アテはおいなりさん。
お揚げさん大好きなり!
で、ここでタッグを組むは、
おなじみ滋賀は水口の美富久酒造さん。
と紹介するより、黒い三連星=ドムの酒と紹介した方が
手っ取り早いかもしれない(笑)
今日もちゃんと正装でふるまわれておりました。流石。
ジーク・ジオン!
酒はノーマルスペックのドム式で安定の味!


↓手水や×美富久(美富久酒造)


↓本日も正装で参戦!


↓おいなりさん〜


さてさて残りも少なくなってきました。
続いては「Bistro waraku 柳馬場」さん。
文字通り洋なお店です。
ここのお酒は、言わずもがなのハーパーさんが杜氏をしている
京丹後の久美浜にある木下酒造の「玉川」。
知ってます。うまくないわけがないんです。
山廃のムロナマゲンをいただきましたが、
後で知ったのですがペンギンマークでおなじみの
アイスブレーカーも用意されてたようで、
季節的にそっちにしとけばよかったなあ。
ここは洋風らしく、
なにかの惣菜系だったかスイーツ系だったか、
なにかクリーム入ったビスケットがアテでしたが
これがめちゃくちゃ美味かったのはすごく覚えています。
でもなんだったかはわかんない(笑)


↓Bistro waraku 柳馬場×玉川(木下酒造)


↓ハーパーさんの玉川


↓このアテうまし!


さあ、残り泣いても笑ってもあと2軒!
ゴールが見えてきました。
お店もすぐそこ。
でも正直に告白いたします。
こっからの記憶がほっとんどございません!
とりあえずあと2軒でしょ!行ける行ける!と
もう完全に回っている自分を心配するうめ夫妻に
ファイティングポーズを出し続けてたのは
何となく覚えてるんですが…
でも、奇跡的にスマホに2軒の写真が残っていたので、
たぶんおそらく行ったんだと思います。
酒は呑んだのか、うめ夫妻が心配して止められたか、
寝入って口付けてないかもしれませんが、
とりあえず行ったのは間違いないようです。


ラス2のお店は「BAN SAN京色」さんで
お酒は大好きな滋賀は高島の「萩乃露」さん。
ですが、何も覚えていない!


↓BAN SAN京色×萩乃露(福井弥平商店)


2軒目を出て、
あと「益やさんだけっしょ」と連呼したのは覚えてます。
で、オーラスは京都のネオ立ち飲みの超人気店「益や酒店」さん。
お相手は新潟は南魚沼の大米所の酒蔵「高千代」さん。
これも写真残ってるけど、全く覚えてない!
不覚!


↓益や酒店×高千代(高千代酒造)


↓高千代


めったに記憶を失うことはないのだけど、
というか人生で2度目ですが、
でもたぶん、うめ夫妻のコンプリートには
どうにかギリアウトで付いて行ったようです。
たぶんお二人は記憶ちゃんとあるでしょうから、
間違ってたらすんません。
いやあ、途中、あまりお腹の具合がよくなかったので、
トイレ近くならないように、
こまめにやわらぎ水を取らずに来た上に、
なかなかの暑さで、それが一気に酔いを加速させてしまったようです。
初参加というのもあり、ペースがつかみ切れなかったのもある。
でも、やっぱりこれだけの量をめぐり呑みというのが
なかなかチャレンジなことで、
それを平気でやっちゃうあの2人がすごすぎるんだと思います。
自分はお酒好きだけど、強くはないもん(笑)
恐れ入りました!真のモノノフです。


ラストはグダグダでしたが、
普段京都でなかなか入らないお店もめぐって、
おいしいもんいただきながら、
色々なお酒を昼間から浴びれてワシャ本望じゃ!


ということで、無事にイベントを終了しましたが、
え〜家に帰るまでが遠足で〜す!
確か帰るモードになったとたんに、
しっかりせねばと再びうっすらと頭が回転したように思います。
たしか、新京極の所の阪急への地下の所で
うめ夫妻とお別れして
(あのあと2人はどうしたのかな?反省会でさらに呑み?)、
ダダダダっと地下に入り、特急に飛び乗ったのは覚えてます。
で、淡路でちゃんと下車して、谷町線に乗り換えたのに、
それで油断したのか、次の記憶は南森町
見事にオーバーランしてる。
慌てて引き返したところで、相当に具合が悪く、
奥さんにレスキュー要請して、あとはまた記憶なく…
相当にべろんべろんだったそうです@@@
でも、ほぼ無事に自力で帰宅したので勘弁してね♪