さて、ブログ編はじめます。
GWを仕事一辺倒で済まし、
そろそろ山歩きをガツンとやりたいなあと思っていた。
幸いに気候がすこぶる安定していて、
カラッとした陽気だし、
奥さんが仕事復帰で遠出が難しいので、
近場でいっちょチャレンジしてみようと思い立った。
ダイトレ全縦は前々から企画はしてあって、
シミュレーションを取りまとめたものがあったので、
それを元に作戦会議。
六甲全縦は正打ち、逆打ちともに完踏済みなので、
その経験をベースに、所要時間を算出してみたのだが、
どう頑張っても、厳しいプランニング。
自分の場合、トレランではなくあくまで歩きなので、
どう頑張っても15時間以上はかかってしまう。
そうすると、初発でアプローチしても、
下山は夜中になってしまう。
ゴール地点の槙尾山からのバスの最終は17時と早く、
そこで取り残されてしまうと、
民家のある麓まで余計に歩かなくてはならないし、
歩いて下山したとて、すでに電車の最終は終わっているので
帰宅できないことになる。
どうしたもんじゃろの〜と色々思案した結果、
スタートの時間をベースに組み立てるのではなく、
オシリのバスの時間をベースに組み立てる方が得策だと
逆算してみる。
すると、前日の最終電車でアプローチして、
日の出までの約5時間ほどナイトハイクをこなせば行けそうだと判断。
数年前に、ナイトハイクになる序盤の区間は実歩済みで、
特に危険個所も見当たらないし、
最悪右にも左にも町があるから、
よっぽどのことがない限りは問題はなさそう。
それに、終盤に疲弊する中、
徐々に夜になっていくシチュエーションは
肉体的にも精神的にも堪えるが、
序盤にそれをクリアしてしまっていれば、
終盤多少のゆとりも出るはず。
あとは、土⇒日とするか、金⇒土とするかだが、
平日と土曜、日曜でバスのダイヤが違っていて、
前者は17:28、後者は17時ジャストと、約30分も違う。
これは保険かけておいたほうがよいなと、
金曜の仕事終わりに出動することに決める。
金曜日、仕事終わりで即効帰宅し、
晩飯を食べて2時間ほど仮眠。
23時に出動して堺筋線で動物園前まで。
ここで天王寺に向かうため、御堂筋線に乗り換えるのだが
なぜか電車が全然来ず…
どうも中津駅で乗客同士のトラブルが発生したために遅延しているらしい…
おおお〜い、近鉄の最終の間に合わね〜よ@@@
早くもDNSかと思ったが、ぎりぎりのタイミングで電車がやってきて、
天王寺でダッシュして、どうにか河内長野行の準急に間に合う。
古市駅で最終の橿原神宮行に乗り換え。
二上山駅に到着したのが0:07。
もう電車がないので、後戻りできません!
駅を出てR165を北上します。すでにこの時点でも暗い。
月は上弦の月を少し過ぎたくらいで明るい。
でもすでに西の空にゆっくり降りかかっているので、
朝まではもってくれないだろう。
穴虫交差点の所にあるコンビニで、補給品を一式そろえる。
このロングコースでの補給ポイントは、
大和葛城山と金剛山だが、
どちらも通過タイム的に売店は開いていないので、
ここでしっかりそろえておかないと、
地獄の渇きと飢えが待っている。
少し多めにドリンク類と補給品を買い込む。
イートインでサンドイッチをジュースで流し込んで出発。
県道703号を西へと向かいますが、
こんな時間でも意外と大型トラックがバンバン往来しているので
注意して進みます。
少し歩いて、屯鶴峯に到着。
二上山の噴火によって生み出された
真っ白な凝灰岩によって形成されている奇岩群・奇勝ですが、
真っ暗で何も見えない。
すぐさまリスタートしましたが、
すぐ脇の繁みからいきなり鹿が飛び出してきてちょっとビビる!
もう、獣はやめて!!
屯鶴峯から、ダイトレの入り口までは、もう少し歩いて
近鉄線をまたいで、少し下った左手。
いよいよここから長い長いダイヤモンドトレイルを歩きます!
時刻は0:49。
いざ参る。
歩きはじめから、うっそうとした森の中に突撃。
道からちょっと入っただけですが、当然ながら真っ暗闇。
遠くで車のうなる音が聞こえるのと、
風でそよぐ木々や葉っぱの擦れる音だけがズザザザ〜と聞こえるだけ。
まあ、そのうち慣れてくるでしょう。
トレイルはというと、鈍い丸太階段が早くも登場し、
えっちらおっちらと進みます。
こんな暗闇であまりがっつり腰を下ろして休憩するのもアレだし、
むやみに汗だくになって、気温が一番下がる朝方に
体が冷えるのを避けるため、
このナイトハイク区間は、できるだけペースを抑えめにして、
汗をかかない程度で、休憩なしで歩き続ける作戦でいきます。
幸い、夜風が軽く木々の間を吹き抜けていて心地よく、
きつい登りが幾分か和らぎます。
1つ目の鉄塔まで来ると、
進行方向の闇にぼわ〜んと二上山のシルエットが見えてきました。
そこから一旦大きく下って、ズンドコズンドコ進んでいきます。
2つ目の鉄塔の手前で視界の開けるところがあり、
そこから大阪市街の灯が見えました。
ここまでくれば二上山・万葉の森はすぐそこですが、
網目のように道が分かれたり合流していたりするので、
ダイトレの看板を見失わないようにして進む。
そうして園地の分岐に到着したのが、1:45。
ダイトレは二上山のピークを迂回するように右手に折れているので
今回はそちらへ進みます。
余裕があれば、このまま馬の背を経由して
雌岳に進んでもよいのですが、
結構のぼりがある上に、岩屋までの下りは急坂なので、
今回はあくまでダイトレトレースということでスルーします。
↓大阪市街の灯
↓二上山・万葉の森。今回は雌岳ピークはスルー
整備された下り道を進んでいくと、
下から明かりがやってきて軽くびっくり。
地元のトレイルランナーさんが夜間トレーニングでしょうか。
ご挨拶をして行き違いました。
ダイトレは途中でメインロードを外れて、岩屋方面へ。
岩屋峠を過ぎると、深い森へ弓なりに登っていきます。
登りきったら、今度は一気に竹内峠まで急な階段で下っていきます。
徐々に真下にオレンジの街灯に照らされた一帯が見え、
車の往来も確認できます。
2:05に竹内峠に到着しました。
まだ1時間程度しか歩いていないので、
それほど疲れてはいないのですが、
ここから本格的に深い森の中に分け入っていくことになるので
人工の明かりに照らされた、
舗装道の脇という貴重な休憩ポイントを有効利用して
しばし休憩と身支度を整えます。
早速おにぎりとお茶で補給をしていると、
背後に気配を感じ、さっきの鹿の件もあって、とっさに身を構えると、
どこから現れたのか、おっちゃんがフラフラ〜と寄ってきました。
丑三つ時だし、歴史ある峠なので、ユーレイかとマジビビリましたが、
近所に住むおっちゃんが、涼みに上がってきたようでした。
どうも話相手が欲しかったのか、あれやこれや話しかけてきましたが、
わざわざこんなシチュエーションなのに、
あそこは自殺の名所だとか、どこそこで遭難したとか、
ネガティブな話題ばっかり言ってくるので、
速めに休憩を切り上げて進むことにしました。
2:20に竹内峠をリスタートし、R166から逸れて、
林道をえっちらおっちら上がっていきます。
ここからは杉の木が天高くそびえる区間になり、
そのせいで闇はいっそうに深くなります。
この辺りの斜度はほとんどなく、
少しだけペースを上げて進みます。
途中、一か所枝分かれする道があり、
少しだけ寄り道をしてそちらへ進むと
富田林を一望するポイントがありました。
そこからダイトレへ戻り、
再び深い闇の中へ入ってきます。
しばらく進むと、平石峠に到着しました。
ここは昼間でも薄暗いけど、
夜はもっと不気味だ@@@
ここでは立ち止まらずに、
すぐに急な丸太階段に取り掛かります。
この平石峠から岩橋山の区間はしんどい丸太階段が
二手三手と押し寄せるハードな区間。
一段一段は大したことがなくても、
このモモ上げを丸一日延々繰り返すことになると思うと、
気が遠くなります@@@
そしてこの区間がもっとも森が深くて
街の灯りも届かずに暗く辛抱の時間でした。
色々難儀して岩橋山に到着したのが3:45。
はやくも疲れてきました。
岩橋山のテッペンはまったく眺望はなく、
結構風が強かったのですぐに次へ進みます。
せっかくここまで丸太階段を登ってきたのに、
すぐさま一気の激下り。
登って下りて登って下りて登って下りて…
↓葛城山はまだまだ遠い
岩橋山の登りが想像以上にダメージだったのか、
どうもこの時間帯になると、強烈な睡魔が襲ってきて
フラッフラになってきました。
もうマインドがてろてろに溶けてしまって、
まっすぐ歩くのもやっとな感じで、非常につらい。
木々の間から東を見やると、
うっすらと空が明るんでくるのがわかります。
こりゃいかんと気を引き締め直そうとするのですが、
睡魔がどんどん加速して、辛抱たまらず、
持尾辻のベンチでバタンといったん横になる。
気づいたら30分ほどそのまんま寝てしまっておりました。
↓ネ、ネムイ@@@
眠るつもりもなかったのに、
座ったとたんに意識がなくなってしまったので
朝の冷え込みの中、レインウェアも羽織らず
汗をかいたままとどまっていたため、
めちゃくちゃ寒さを感じて目が覚めました。
すぐにリスタートをしたのですが、
体を思いっきり冷やしてしまったために
思うように足が動かなくなってしまう。
寝たとはいえ、ほんのわずかだし、頭は朦朧としていて、
寒さと眠気と疲労のトリプルにやられて、
こりゃもう絶対DNFだわと絶望。
でも、DNFするにしたって、
今ここを脱出せねばならないし、
朝になるまでは歩かねばならないのだからと、
気持ちを建て直して進みます。
すると、東の方から赤色の光がチラチラとするようになり、
その光はどんどん大きく強くなって、
仕舞いには真っ赤な朝日が朝を連れてきました。
お天道様のバイオリズムなのか、明るくなるにつれて、
あれだけ厄介だった眠気も徐々に薄まり、
元気が湧いてきました。
途中にあるトイレ小屋で用を足したら、
いよいよ葛城山へアタック。
いくつか、奈良側へのエスケープ路をスルーしていくと、
名物の階段地獄にさしかかります。
この光景、さすがにわかっててもツライ@@@
覚悟を決めて鬼の階段を一段一段やっつけていきます。
上見たら果てしないので、とにかく一段ずつ。
↓出た、葛城山名物の階段
ようやく葛城高原の一部に入ることができましたが、
ここから山頂まではまだ一押し、二押し。
イージーな道を選択することも可能ですが、
ここは迷わずダイトレトレース!
で、再びえげつない階段に撃沈@@@
必死のパッチで階段をやっつけたら、
ようやくキャンプ場にでました。
売店の脇から大和葛城山の山頂へ寄り道。
時刻は5:59。第1の目的地である大和葛城山に登頂です。
こんな早朝にさすがに誰もおらず山頂広場を独り占めです。
西には大阪平野が眼下に広がりますが、
朝の冷え込みからか、雲が低く垂れこめ、
それなりに風がビュウビュウ吹いて肌寒い。
山頂での記念撮影を終えたら、売店まで戻り、
サイダーを買って、裏手のテラスで一服。
御所、飛鳥方面の街並みを眺めながら、
しっかりと補給をしておきます。
それにしても寒いので、
さっさと食べ終えて行動することにします。
葛城高原ロッジの脇をかすめていくと、前方が開け、
正面にどっしりとした山容の金剛山がどーん。
山頂付近はたれ込めた雲に覆われてしまって見えないが
そのせいで余計に、どーんとでっかく感じてしまう。
このまま登っていければいいのだが、
あそこに登るにはまず水越峠まで下らねばならない…
420mも稼いだ高度を吐き出して、
そこから再び550mも登り返さねばならないということです。
うむぅぅぅぅ〜行くしかない。
↓次の金剛山の山頂は雲の中
名物のツツジ園を抜けると、再び森の中を進みます。
こちら側もえげつない階段地獄で、
ドスンドスンと下る度に足にダメージを受けます。
この時間になると何人かのハイカーさんが
えっほえっほと登ってきてご挨拶。
こちら側から登っても大和葛城山はしんどいねえ。
トレイルは徐々に下方向から、南陵をなぞるような道となっていきます。
そうして小さな沢からは石畳のような道となって、最後の下り。
真横を流れる水路と並走しながら、
ようやく水越峠に下り立ったのが7:00ジャスト。
水路の水でちょっと涼を得て小休止。
峠の路肩には、
ここから大和葛城山や金剛山へ向かう人の車がズラリ並んでおります。
↓ようやく金剛山が晴れてきた
水越峠を後に、ゲートをくぐってすぐさま金剛山に取り掛かります。
トレイルの最初の方は舗装されてあり、斜度もゆるやかで、
先ほどの葛城山の丸太階段地獄に比べればはるかに楽♪
こちら側の登りもつらい階段地獄だとてっきり思っていたので、
これは大変ありがたい!
お天気も、先ほどまで分厚くかかっていた雲がなくなって、
青空が広がってきました。
金剛の水と呼ばれる休憩ポイントからさらに少し進むと分岐。
まっすぐ広々とした道を外れて、
沢をまたいでダイトレトレース。
↓葛城山に比べればはるかに登りやすい!
沢を渡ると一気に斜面にへばりつくように
階段の急斜面が続きます。
緩やかなカーブを描きながら、続く階段を詰めていくと、
木材の切り出し場にでました。
そこを過ぎ、少し展望の効く分岐点を過ぎると、
ふたたびにぶい階段。
短時間でずいぶん高度を上げてきたおかげか、
そこからは基本的に平坦な道になってきました。
もちろん、時々にぶい階段は登場しますが、
山上までくればイージーなものです。
時折、右側の眺望が開け、
ついさっきまでいた大和葛城山がすでに遠くに。
↓振り返ると大和葛城山
この見晴らしポイントからはまた、
しんどい階段地獄がスタート。
高天道分岐の手前の区間はなかなかしんどい。
でもそこさえクリアすれば第2のゴールはもうすぐ。
さらに少し進むと鳥居のある分岐。
せっかくなので、少しダイトレを外れて
最高峰に鎮座する葛木神社へ寄り道。
境内に入る急な石の階段を登りきれば、金剛山頂にとうちゃこ♪
しっかり旅の無事をお祈りしたら、
すぐにダイトレまでバック。
分岐の所にプレートがあったのでパチリ。
↓金剛山プレート
ということで、ようやく全行程の約半分程度をクリアしました。
時刻は8:35。
一時は、睡魔と寒さで危機的な状況でしたが、
どうにかそれを脱し、
大和葛城山・金剛山と2大ピークを制しました。
ここからは、紀見峠までの長い長いトレイルが待ち受けますが、
それはまた次の記事にて。
↓第1区間 山行ルート