記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

Music Life 『喝采』 by ちあきなおみ


2日連続で、弾き語り練習アップ。
昭和の名曲シリーズとして、ちあきなおみの『喝采』です。
喪服のような黒づくめの衣装に身を包み、
妖しげなオーラを発しながら、ステージに現れ、
唄い初めに、すうっと左手が天へと上がっていく、
そんな光景がすぐ思い出されますね。


この歌は、愛する人の死に打ちひしがれながらも、
ステージに立ち、喝采を浴びる、
そんな悲しい女の歌です。
彼女自身が同じような体験、境遇を味わってきたそうで、
だからこそあれほどの説得力でもって、
聴く者を歌の世界へと引きずり込むことができるのでしょう。


それにしても、昭和の歌姫には、
いわゆる今のアイドルのような
キャンキャンと蛍光灯のように白々しい明るさとは真逆の
暗く切ないタイプの人が大勢いて、
悲哀に満ちた曲をしみじみと聴かせてくれます。
今回のちあきなおみの『喝采』をはじめ、
前日の欧陽菲菲の『ラブ・イズ・オーバー』、
藤圭子宇多田ヒカルのお母さん)の『圭子の夢は夜ひらく』、
アングラの女王・浅川マキの『夜が明けたら/カモメ』、
山口百恵もどちらかというと暗いイメージですね。
まだまだ挙げればきりがないですが、
どれも個性的で実力派の歌い手が、
時代を経ても愛される名曲たちを残してきたのが昭和歌謡の世界です。