記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

雨の上洛

日曜日。雨の予報ながら、ずっと計画していた京都北山のTTめぐりをどうしてもしたい。
ネットで雨雲を追いかけながら、どうしようどうしようと思案。
雨は降るには違いないが、小雨が降ったり止んだりなら御の字、どしゃぶりでなければいいか。
ただ、自走していくのはちょいと難しそうなので、鞍馬まで電車で行って、駅に荷物をデポする作戦。
前日にいそいそと輪行の支度。


8:00に家を出て、おけいはん出町柳。そこから叡山電鉄に乗り換え。空一面の黒い雲。
まだ降り出してはいないが、いつ来てもおかしくない。
ガンガンに冷房が掛かっているのもあって体が冷える。
鞍馬駅に到着。鞍馬なんていつぶりだろう?
昔奥さんと2人で鞍馬〜花脊峠貴船のハイキングをして以来だ。
トイレで着替えを済まし、チャリを組み立てる。
10:00には出動。



駅から500mほど上がったくらま温泉のところから花脊表のTT。
スタート地点でお一人ローディーさんが支度中でした。
ごあいさつをしてお先にスタート。
最初はほぼ平坦。なんなら下りもある。
これで平均8.4%なら後半疲れるんだろうなあ。
徐々に路面もガタガタになり、周辺の森がいかにも京都北山な風情の杉林になると
そろそろ斜度が厳しくなってくる。10%くらいかなあ、ダラダラと続く。
さっきのローディーさんに追いつかれたらヤダなあと、時々ダンシングをかけたり。
結局追いつかれなかったけど。
この道、意外と好きです。雰囲気があって、山ぁ!ってかんじ。
初コースでスパートどころがわからないが、とりあえず斜度が急な所はダンシング。
いつもなら山にたどり着くのに15kmとか走ってそれがアップになるのだが
今日はいきなりのTTで体があったまってないのか重い。
峠下のヘアピンで少し重くしてペースアップ。
百井の別れを通過。ここから何度かクネクネしたら終わりのはず。
ということでスパートするがそのクネクネがずっと続く。
そして雨、パラパラとやってきた。高度が上がって雲の中に突入したのか、視界も悪化。
まあこんくらいの雨なら、福井と変わらない。ただダンシングするとちょっとスリッピー。
前方に電光掲示板が見えたのでスパートしてゴール。
28:30
タイムはようわからないが、なかなか楽しかった。


さて、行こか戻ろか。もう完全な雨です。こっから裏側TTのために8km奥へ行くかどうしようか。
でもせっかく来たし、もう濡れてるし、ようやくエンジンが掛かってきたので行きます。
路面はちょとちょろと小川くらいになってきているので慎重に下る。
雨と上がりきらない気温で体が冷えに冷える。
今日はうかつにもウィンブレを忘れたのが痛い。体温がドンドン奪われる。
集落を抜け、さらに山を分け入っていく。斜度はそんな大したことはなさそう。大正池くらいかな?
ようやくスタート地点に到着。



どんどん空模様が悪化しているし、停まってても体冷えるだけなので、休憩なしですぐに裏TTスタート。
序盤は何でもないので、アウターでガンガン攻める。とにかく温まらなければ。
途中離合できそうにないところで、前方から音楽を鳴らしながら路線バス。道を譲ってちょいとロス。
そこから広々とした緩い道をゴリゴリ。雨のせいで眼鏡が曇る。
常に20kmくらいペースで、ようやく集落突入。前方の花脊峠を見やると、まったくの雲の中。
集落を抜けラストの山岳エリアへ。といっても表側よりも随分楽。
旧道別れらしきところまではちょっときついが、そこからゴールまでは緩む。
さっき下ってきたよりも、上から流れてくる水の量が増えてる。上も下ももうびしょぬれドブネズミ。
電光掲示板が見えてスパートしてゴール。
28:30
おお、くしくも表側と同タイム。こちらは緩いが距離が長い、どっちかというと相性の悪いコース。
やっぱり表のほうが風情があっていいね。



ここでもうかうかしてられない。雨は確実に強くなってる。
ということで鞍馬方面へ下る。
前輪ブレーキが悲鳴を上げる。こないだフレッシュにしたなのに、どんどん削れて行ってる様子でリムが真っ黒。
下っていると、汗が混じった雨が目に入ってしみる。
目が痛くて開けられないので、何度か停まってぬぐうが意味なし。


で、京都の激坂の代表格、百井峠との分岐に到着。
ここから前ヶ畑峠TTをしに行くには、この難所を越えていかねばならない。
どうしよ。どうしよ、と悩むが、どうせびっしょびしょだし、最悪くらま温泉で日帰り入浴しようと開き直り、
意を決してR477へ左折。
ちょっと下ると、いきなりコンクリ区間になり斜度がググっとあがる。ダンシングで切り抜けるが、すべるすべる。
ひたすら直線的に15%以上の坂が続く。大きなヘアピンで少し斜度が緩み、ちょっと安堵。
と、すぐに次の激坂。でも2発目は短く、しばらくするとほぼフラット。
しばらくして百井峠通過。
酷道酷道と恐れられているので、暗峠くらいかと構えていたが、距離も斜度も厳しいが予想していたほどではない。
仁川の激坂くらいかな?あそこより道幅も狭く、路面はガタガタで走りづらいけど。
それに大雨のせいで難易度がバカに高かったが。


そっからしばらく激下り。超怖い。てか、これまた上り返して帰るのか。サバイバルだなあ。
ずっとうっそうとした森の中を走っていたので、集落に出たときは少し安心した。
そのまま下見がてらゆっくり下る。
後半がちょっと厳しいけど、序盤はそうでもなさそう。
それより雨!小雨ならと思って出てきたのに雨が強くなる一方。
R367までようやく来た時点で10mも視界が利かず、バケツをひっくり返したような雨!
ヤバイ!すぐにTT。というか逃避行スタート。
序盤からスパートをしたいわけじゃないけど、とにかく早く切り抜けたい一心で飛ばす。
ウェアがもうピッチピチに張り付くわ、相変わらず目がしみて踏んだりけったり。
でも、鞍馬までは自力でたどり着くしかない!
道が狭くなるとところから斜度がきびしくなってくる。
斜度もそうだが、流れてくる水の量がハンパない!
これはもう沢登りに近い。走ってても水の抵抗を感じる。
前半から飛ばし続けてるし、休憩も全くとってないのもあって、激疲れ。
ペース上げられず、激坂と雨に屈し、ゴール。
24:55
厳しすぎる。


タイムより何より、無事に鞍馬までたどり着かねば!
休憩もせず、すぐに先へ進む。
集落を抜け、また暗い森に吸い込まれる狭い道へ続く。もうヘトヘトです。
力なく上りをこなします。
下りは気を抜いたら、ガードレールもない切れっぱしへドボンなので、神経を集中させて進む。
特にコンクリ舗装の激坂区間
やばいねえ。やばい。やばいから笑っちゃう。でも死んだら笑えないので。
緊張と弛緩の間でおかしくなりながらも慎重に。もう。訳がわからないや〜。




無事に鞍馬街道まで戻ってくる。といってもまだ山の中。慎重に下る。
途中で軽トラのじいちゃんから「こんな雨でようがんばんな!」と声かけてもらう。
森を抜けるころには、雨は普通の雨に。それでも雨は雨だけど。
4時間くらいぶりに鞍馬駅へもどってきた。よかったよかった。
ロッカーから荷物を出して、タオルで体を拭く。濡れてないだけでこんなに快適。
腹が減ってしかたがないので、補給物をようやくここで食べる。
心底疲れた〜。
本当は京都北山の5コース全制覇したかったが、今日はもう切り上げます。
予定より少し早かったので、一乗寺で途中下車して恵文社へ。
ちゃんと見るのは久々なので、ついつい6冊ほど購入♪
あとはもうおけいはんの中で爆睡。



わずかに50km足らずの遠征ながら、多分今年一番疲れた。
やっぱり雨は大敵だ。でも今後長距離のブルベ挑戦とかしていくなら雨でのライドも慣れておかねば。
そういう意味で、あのコンディションで3本のTT+百井峠をこなしたというのは、ようやった。
というかアホです。よい子はマネしちゃダメ。


走行距離:54.41km
TOTAL:3817.58km