記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

ツール・ド・瀬戸内 第1ステージ(河内)、第2ステージ(讃岐)

今年はシーズン序盤の故障続きで方向転換し、
ロングライドに重点を置いて走ってきたが、そろそろ寒さが厳しくなってきた。
今年の集大成として何か面白いコースをということで、色々考えてみた。
今年大体の方面には足を運んだが、唯一南西部へ行っていない。
和歌山からのフェリーを使って何かいい案はないかと色々思案。
最初は徳島から淡路島へ抜けるルートも考えたのだが、
鳴門から淡路島へ渡る手段がない(路線バスにのせるしかない)ので、
じゃあいっそ高松でさぬきうどん食べて、小豆島渡っちゃいましょう。
300km近くあるが、3回のフェリーでそれぞれ1時間以上休憩があるので大したことはない。
ぱしゃ君とウメさんが興味を持ったので、じゃあ3人で行きましょうということで
ぐるっと瀬戸内の東側を巡る旅に出る。


当日。体調が全く優れない。鳥取旅の疲労が抜けてないのと、
風邪を引いたのか微熱と目まいと胸の痛みがあり、
奥さんからもそんな状態で行くなと言われてしまったのだが、
先導役がいないとお話にならないので当然行く。
まあ年中調子悪いし、慣れてるから問題ない。(っていうのが問題か)
あと左のオシリにできた小さいポッチが痛い。
0:30にいつもんとこ集合。
ウメさんはヘルニアの具合が微妙で、とりあえず和歌山までは行って、
そこからフェリーに乗るかどうかはその場で判断。
堺までは堺浜へ行くいつものルートで、あみだ池筋阪神高速堺線高架下。
やたら赤信号にひっかかりペースが上がらないが、
時間には余裕があるので慌てずに行く。
大和川を越え、ちょっと道を間違えたりしながら、R26⇒県道204号でひたすら南下。
追い風基調で快適快調。
石津あたりから調子に乗った無法者クロスバイクが暴挙し、
これみよがしに赤信号で停止している真横を猛スピードで通過していく。
何度か抜きつ抜かれつになりうっとおしい。
浜寺〜泉大津〜岸和田と順調に通過し、貝塚のコンビニで一服。
リスタート後、県道63号で泉佐野〜樽井、双子池北交差点で左折し、
ブルベ関西のルートに合流。和泉鳥取の電光板には3℃の表示。
そろそろ寒くなってきたが、いよいよここから軽い山岳区間に突入。
大阪側は緩斜面なので、ぱしゃ君もそれほど苦労せず、えっちらおっちら上がっていく。
さすがに山間部は薄暗くて、この寒さだと1人だったら相当に心細いだろう。
ラスト付近で少し血が騒いでペースを上げてしまい、
腰に爆弾を抱えているウメさんが少し遅れ、ペースを再び落とし3人で登頂。
峠の電光板は4℃。1℃上がっておる。
ここから一転下りに入るので各々準備をしていざ極寒の下りへ。
和歌山側は傾斜が急でカーブもブラインド、しかも照明もなく暗いので慎重に。
ヘアピン区間が工事中のようでで対面信号あり。
そこから紀伊までの下りは死ぬほどの寒さ!なんじゃこりゃ〜!
ヤヴァす。ヤヴァすぎっす!みるみる体の芯から冷えていく。
まさに瞬間冷凍。おそらく本日一番の冷え込みでこれ以上寒くなる心配はないだろうが
予想以上の厳しさに3人とも閉口。
ぱしゃ君はあえてインナーに入れて高速ケイデンスで暖をとっている。
自分も同じように身体を温めるが、指先がどうしても冷たくてたまらない。
今日のためにウィンターグローブを新調したのに、もはや機能しないほど寒い。
なんとか県道7号まで下りきった時には気力体力ともに随分と消耗。


↓極寒の御ノ山峠


とにもかくにも第1関門を突破し、クルクルと暖をとりながら県道7号西進。
六十谷橋で紀ノ川を渡る。和歌山市街地の北端をかすめながら港を目指す。
フェリーの時間までまだ余裕がありメドがついたので、
とにかく冷え切った身体を温めるため、久保丁にあるイートイン可能なローソンで一服。
温まるためにカップ麺を購入したのだが、お湯が沸いていないのに気付かず、
ぬるい湯を投入・・・ウメさんと2人被害者に・・・
かっちかちのどん平衛のうどんをバリバリ、
ぬるすぎて粉末が溶けずにうっすーいカレー味が余計わびしい。
といいつつも、とにかく補給と全部食べる。(あとで恒例の腹痛の原因に)
ボヤボヤしてるうちにそろそろ時間となったので、しゃ〜っと和歌山港へ到着。
あれよあれよと乗船手続きし。フェリーに乗り込む。
係員が手際よくマシンをグルグルと縛っていく。
ビンディングで急な階段を上り、船内へ。
さすがに5時台の便なので客はまばら。横になれるスペースで雑魚寝。
そういえばウメさん、もう後戻りできませんぞ。少なくとも姫路までは道連れです。
定刻通り和歌山港を出港。さらば本州!


和歌山港


↓囚われの3台


↓いよいよ出港


ガラガラの船内ですることもないし、冷えて疲れた身体を休めるため仮眠。
ぱしゃ君はなんか手を胸の上でクロスにして、疲れからかひきつった顔で寝てて
まるで3回転ジャンプをする瞬間の浅田真央みたいな寝顔。
途中少し明るくなったのに気付いて起きる。ウメさんも気付いて2人で甲板に。
まだ太陽は顔を出していなかったが、うっすらと朝焼けがキレイ。
船ってなんだか旅情を誘うよねえ。
船の反対側に回ってみると、ちょうど淡路島・沼島が目の前。
海風が寒すぎるのでさっさと退散し、再び仮眠。
そんなこんなで予定通り7:35に着岸。さあいよいよ四国上陸です。


↓洋上の朝焼け


↓いざ徳島上陸


港からは徳島市内へは行かずそのまま北進。
(徳島ラーメンぜひ食べたいがこの時間は空いてないし・・・)
吉野川にぶつかって、そのまま西進に転じる。
リスタート直後で脚が鈍いのに、向かい風がひどく、ゲロゲロ。
吉野川橋ででっかい吉野川を渡り、右岸土手の県道137号を進む。
この道がまたやけに交通量が多いし、路肩がなく、慎重に固まって進む。
土手の上なので余計に向かい風が牙をむく。
藍住で県道1号に入り北進。
ここから鳴門市へ抜ける上り区間に入るので、その前に、
板野ICのミニストップで上りに備えて朝食タイム。
カレーマンについてぱしゃ君がいちゃもんつけて自爆してた。


吉野川大橋


さてリスタートし山岳エリアに突入。
本格的な上り区間に入る手前の、吹田の集落のちょっとした上りで
脈が大きく乱れ、実はかなり深刻だった。胸が痛く、軽い心臓発作に近い。
こういうとき急に運動をストップさせると余計にやばいので
強度を落としながら、胸を叩いて落ち着かせる。
しばらくするとなんでもなかったように普通に戻った。
県道1号に復帰しJRと併走しながら3%〜5%ジワジワとのぼっていく。
交通量もなく路面状況も良い。
家の近所に会ったら間違いなく練習場になるめちゃくちゃいい坂。
北摂の県道110号みたいな感じ)
途中集落のみえるところで写真を撮っていると、
下から地元ローディーさんだろうか、男子1人女子2人が上がっていく。
女性のひとりが遅れ気味で、少し間隔を空けながらヒラヒラと峠まで。
ここから鳴門市に一旦入ってから香川県突入となる。
しかし反対側の風景はさっきまで上ってきた徳島側ののどかな感じとは一変!
少し先の眼下に瀬戸内海が広がっていて、急激に山がそそり立っている。
すごいワイルドでワクワクドキドキ。
事前にルートを予習してたらどえらいクルクルと道が巻いてたから期待大。
いざ下り!途中からぱしゃ君が先行していたが追いつき、2人で滑走するが
テクニカルな下りなら分があるので先行して1人旅。
斜度はそんなに急なところはないのだが、かなりテクニカル。
ヘアピンが何度も連続し右へ左へ振られまくり!
速度超過でオーバーランしたら即崖下ながら、腕試しで若干ガチ気味で下る。
こんなおもろいダウンヒルは初めてだあ。近所にこんな道があったなら!
ウホウホ言いながら、徐々にペースを上げて一気に下る。
ヘアピンが入り組んでいて、先行している人や後ろの人がチラチラと視界を出入りしておもしろい。
で、あっという間の下り終了♪
これは今度はぜひ上りにも挑戦したい。というかここ目的で徳島まで来るのはアリ!


↓阿波大宮の集落


↓大坂峠ピーク


↓ジェットコースターダウンヒル最高!


↓大坂峠(香川側)はこんな感じ。メチャおもろそうでしょ?


R11を進む。丹生のところから内陸を進む県道10号。
しばらくはアップダウンが意外とあって疲れる。
長尾あたりからは高規格のフラット道となるが、向かい風があって
ぱしゃ君と交代しながら進む。
高松市内に入り、2人ともハンガーノック
本当は県庁近くの有名店「竹清」へ行くつもりだったが
あと10kmもたないので、別の店ということで、
あらかじめピックアップしておいた物件のうち
現在地の水田付近にあるうどん屋へ行くことにする。
ちょっと迷ってたどり着いたのだが、
その際に不用意に声をかけてしまったことでウメさん立ちゴケ
スンマソン。
転倒の際にブランケット位置がずれてしまうが、ぱしゃ君の強力で荒療治。
さあ、飯を食おう!


「久米池うどん」さんは観光客向けというより明らかに地元民向けのお店。
店の調理場で手打ちしているのが見える。
さっそく名物の「とりなんば」を注文。
こちとらハンガーノックなので勢いよく大で!と言うと、
お店の人が冷静に中で2玉入ってますが・・・と諭される。
こういう場合、大にするととんでもない量が出てくること間違いなしなので
おとなしく中にしておく。
ショーケースにはおにぎりがあってセルフで取って席へ。
そして店の中央に陣取っているおでん!これがまたとてつもなくウマそうではないか!
香川ではうどんのお供にはおでんはマストアイテムなのです。
黒々としたツユの中でプカプカしてる御馳走たちから、牛スジとタマゴ、
そして焼豆腐が一丁ごと入ってるのでそれも!
そしてすぐにうどんも合流。
おお、なんとどんぶりばちから溢れんばかりの大盛りサイズ。
少し平たくて見た目はきしめんのような麺がこれでもか~って入っている。
これは中にしておいてよかった〜。
お店の人がすでに入ってるけど足りない人はお好みでコショウかけて食べてという。
え?コショウ?
でわでわ待ちに待ったうどんを戴きやす。
麺がモチモチとしててウマッ!
自分は噛み切れないほど腰が強すぎる麺はイマイチなので(食べるのが面倒なだけ)
ほどよい噛み心地でドンピシャ。
そしておつゆも優しい味わいで麺との相性もバッチリ。
そしておでん。これがまた味がしゅんでてめちゃうま!
空腹が見る見るうちに満たされて幸せいっぱい。
しかしあまりのボリュームに、食べども食べども全然減らず、
さっきまでハンガーにかかってたのが嘘のようにお腹いっぱい。
大変美味しくいただき大満足のお昼でした。


↓久米池うどん


↓とりなんば(中420円)+おでん+おにぎり


↓ほとんど地元客の穴場


さてさて、完食するのに大分手間取ってしまい、
11時少し過ぎたくらいに入ったのに、気付けばもう12時になりかけ。
これは思いがけずフェリーの時間にギリギリのタイミング!
ここで乗りそびれると、後ろの行程がどんどん遅れて、帰宅時間が3時間もずれる!
思いがけず大ピンチ!大急ぎでリスタートし、必死で曳く。
県道30号を北進、県道10号に復帰し、JRくぐったら左折して県道155号で瓦町まで疾走。
あと数百メートルで竹清というところで、ぐっと堪えて港方面へ右折。
ここからは市街地で信号も多く、歩行者も多いので慎重に進み、
なんとか10分前にキップ売り場へ滑り込みセーフ。
あまりに慌ててたので、外国人カップルに笑われちゃったよ。
中央埠頭から無事にフェリーに乗り込み、旅はいよいよ折り返し。
つづく・・・


↓さらば四国、また会う日まで