記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

マヤトレ (学校林道〜掬星台〜穂高湖〜シェール槍〜カスケードバレー)

日曜日。
このところ恒例で朝は非常に厳しい状態。
負担をかけないように床でだらだらしながらゆーっくりと体を起こしていく。
動くのも面倒で午前中いっぱいダラダラ。
奥さんに促されどこかへ行こうと思案し、
そろそろ本チャンが迫ってきた山行に向けてトライアルを敢行する。
昼出動なので、六甲でもどこがいいか。
いつもの荒地山は急峻すぎて山歩きの準備には適さないので、どこがいいか。
しんどいところといえば、東縦走路、七曲り、菊水山等々とあるが、
今回はどこから上っても長くしんどい摩耶山を登ることにする。
35リットルザックに本チャン用の装備をつめこみ、さらに、
2リットルのミネラルウォーターを入れ、重量をかさ増し。
靴はもちろん登山靴で出動する。
自宅から梅田まで歩き、阪急で三宮。
そこから地下鉄を乗り継いで新神戸。14時。


新神戸


ここから本当は市ヶ原まで上がって稲妻坂というルートを想定していたのだが
すでに14時と時間がなく、また雲行きも怪しいので、
急きょ旧摩耶道〜学校林道というルートを思いつきそちらへ。
熊内町の方へ上がり、高架で新幹線をまたぐ。
新幹線を上からのぞけるという点で珍しいポイントかもしれないなあ。
そのまま川と並行してずんずん住宅街を上がっていく。
途中、参道のようなところに小さく旧摩耶道の標識があり、そちらへ。
とにかく体が重く、きちんと反応してくれないので、すでにしんどい。
帰ってもええなあという状況でしたが、まあとりあえず進む。


↓ここから旧摩耶道へ


急な階段を上りきると、一段高い住宅街。
そこを進み集落の一番はずれにある雷聲寺の境内へ。
ここからは神戸の街並みが眼下に見渡せる。すでに結構な高さ。
道があっているのか不安だったのだが、
上からハイカーさんが降りてきたのでそのまま奥へ。
百度石のところからようやく山道がスタートする。


↓雷聲寺から山道へ


山道は比較的整備され、木々が生い茂っていて眺望もないので
階段を淡々と進む。
ここは特に見どころもないし、ハイカーにもほとんど出くわさない。
それにしても湿度が高くて本当にしんどい。
ザックの重みも確かにしんどいのだが、
それよりも一番熱を逃がす背中がザックで密閉されていて、
そのせいで汗は出るし、顔は真っ赤っかだし、バテバテ。
意外と上りがきつくて、こんなザマで大丈夫かと自分が心配するくらい。
ようやく東山の分岐に到達。


↓東山の分岐点。ここより学校林道を往く


分岐からは学校林道をチョイス。ここからメインストリートの天狗道までは1km。
最初に急な上りをやっつける。そのうち空が近くなり、
南側の斜面がわずかに開け、茂みの隙間から神戸港がのぞく。
そして、眼下からこちらにびゅーんと送電線が伸びてきている。
しばらく進んでいくと、4本もの鉄塔がひしめきあっている小ピークに出る。
鉄塔好きにはたまらないね。


↓鉄塔群の小広場


この小ピークを過ぎると、結構急な下りが発生。
下りきると当然上りで、
そこをえっちら上ると途中西側に開けた見晴らしスポットに出る。
おひとり一服されている人がいてご挨拶。
ちょっと嫌な感じで曇っていて、見晴らしはあまりよくなかった。
ちょっと風が出てきているので、雨が降りそうな予感。先を急ぐ。
そこからさらに少し進んで、天狗道出合に到達。


↓見晴らしポイントより


↓六甲全縦走路に合流


この道は六甲全縦走コースなので、目抜き通り。
道もよく整備され、ハイカーともそこそこ出くわします。
この辺になってようやくエンジンがかかってきたようっで体が動き始める。
摩耶山までは素直に上ればいいものを、結構なアップダウンの応酬がある。
ペースを落とさずに一定を保つように心がけて15:45に摩耶山上に到達。
ふもとから1時間30分。一般だと大体2時間30分の道のりだから
悪いなりにがんばった。
自販機でコーラを買ってベンチで一服。
せっかくの掬星台からの絶景も、雲が厚くてかすれ気味。


↓天狗道の急所


↓掬星台


20分ほど休憩をしてリスタート。
ちょっと風も強くなってきたし、肌寒くなってきた。
小道をたどってオテル・ド・摩耶へ出て、そこからアゴニー坂。
こちら側からは大したことはない。
しばらくバス舗装道を歩いて、穂高池周遊路へ入る頃には少しポツポツ。
然の家の方からは子供たちがワアキャア楽しそうな声が響いている。
それを尻目に、池をぐるっとめぐっていく。


アゴニー坂


穂高


ぐいっと上りがあって、そこを上がると、小さく標識が出ている。
シェール槍へ約10分とある。
小さいといえど槍といわれるだけあって結構急峻な岩場をよじ登っていく。
しばらくして槍の穂先に到着です。
腰を下ろせるだけのちょっとした広場になっていてしばし休憩。
ここは360度開けていて周囲がぐるっと見渡せて隠れた特等席。
北には六甲山牧場、西は新穂高、南には摩耶別山、眼下には穂高湖。
東側には自然の家の子らが必死でロープで岩場を上っているのが見える。
時折そちらからヤッホ〜と聞こえるので、言い返してみたり。
この日がガスがひどくてあまり見えなかったが、
ひとまず目標達成(ネタしたかっただけ)したので退散する。


↓裏ルート入口


↓槍先より穂高湖を望む


↓槍先より西側を望む


↓一服


時刻は17:30。雨がポツポツ降ってきている。
この程度ならワケないが、ひどくなる前に下山しておきたい。
大急ぎで槍を降りて、来た道を戻り杣谷峠へ。
一旦トイレ休憩後、徳川道でカスケードバレーを下ることにする。
このカスケードバレー(杣谷)はなかなか深い谷で、
時折、設置された簡易階段を下りながらひたすら谷底へと下っていく。
途中から杣谷川の流れと並行に進んだり渡渉したりが始まる。


↓杣谷峠から徳川道


↓カスケードバレー


下っていくと雨脚が結構強くなってくる。
緑が深く生い茂っているのでそれが傘代わりになってちょうどよい。
ぐんぐん高度を下げて、沢沿いの露岩帯に差し掛かった時に不覚。
少し沢方面へ斜めになっている大きな一枚岩の上を進むときに、
雨で濡れていたせいで思わずスリップ。
あわてて受け身を取ったのだが、
左ひざを強打し、左手の薬指を思いっきりぶつけて腫らしてしまう。
特に指はヤバッ!と思ったのだが一応曲げれるので折れなくて済んだ。
ただ、ぼこっと青く腫れてしまってかなり痛む。
膝も強打したがこちらはかすり傷程度。
何でもないところだったのに、ぼおっと考え事をして油断した。
つまらない負傷。


↓不覚の負傷


すぐに立ち直って下山を続行する。
しばらくすると眼前が開け、長峰霊園が見えてくる。
ただここからまだ少しアップダウンが続く。慎重に慎重に。
そうして杣谷第一堰堤に到達。
なんかすごく内部はえぐられ、伐採されていて無残な感じ。
そこから登山道を発見し、ぐいっとロープも使ってよじ登る。指が痛い。
堰堤を越えたらようやく山道脱出。お疲れした。


↓杣谷第一堰堤


そこから住宅街をたどたどと進む。雨はやんだようでよかった。
2kmかけて阪急六甲駅着。
本当はさらにJRまで歩いて餃子でも食べて帰ろうと思っていたが
朝も昼も食べずに、なけなしの補給品だけで12km歩いていたので力尽き、
阪急そばでいっぱい。阪急そばってウマイよなあ。
食べたら電車で爆睡して、梅田からまた更に歩いて19:30帰宅。


↓阪急そばで打ち上げ


10kg近いザックを背負って、12kg歩いて結構疲れた。
自転車とはまた全然違うところの筋肉を使うので筋肉痛バキバキ。
でもまあトライアルをしたおかげで本チャンが読めてきたのでよかった。
あとは天気次第だな。


<本日のルート>
新神戸駅(14:10)⇒旧摩耶道⇒東山分岐(14:30)⇒学校林道⇒天狗道⇒
摩耶山掬星台(15:45)⇒アゴニー坂⇒穂高湖⇒シェール槍(17:15)⇒
杣谷峠⇒カスケードバレー⇒阪急六甲駅(18:30)


↓本日のルート