記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

Tour de チーバ君(房総半島一周)

今年一番の大寒波がやってくる!
というニュースが先週バンバン流れていたけども、
2014年初ライドを飾るにふさわしいライドをと意気込んで、
連休を利用して行ってきたのは、千葉!千葉攻めじゃ〜!
ただ半島をなぞるのではネタとして面白くない。
いっそのこと千葉県のマスコット、チーバ君を描きましょうということで、
わざわざ茨城方面から攻めて、房総半島を落としてまいりました。


↓なんかちょっと表示がおかしいケドも…


↓千葉県の形をマスコットにしたのがチーバ君ね


年末のしまなみライドでは、心底疲労して、
もうこれ以上厳しいものはないと思っていたのだが、
今回ばかりはもう、途中で遭難寸前くらいまで徹底的に追い詰められ、
マジで危なかった…
何より寒さが尋常ではなく、夜半から早朝にかけてはマイナス5℃〜3℃の世界。
長時間寒さにさらされ続けたことで、おそらく低体温症になって
めまいはするし、震えは止まらないし、幻覚・幻聴のたぐいに翻弄され、
限界の限界の限界を味わうことになりました。
それに加えて、腰の不安、古傷である左膝の故障再発、耐え難い睡魔…
ついにライドの中盤、九十九里の道の駅で、
激しい腹痛と嘔吐に襲われ、1時間ほど身動きができなくなる始末。
内臓に激しいダメージを負いながらもどうにか騙し騙しライドを続行。
こんな状態で完走できたのはもう奇跡としか…
もはやロードの分野というよりも、アドベンチャーゲーム並みの難易度でした。
まあ自分らしいといえば自分らしいライドではありましたが
ちょっと気合が空回りしすぎて。やはり無茶は禁物だね。


↓外房勝浦にて


詳細は例によっておいおいトレースするとして
(先にしまなみ記事の残りを片づけなければ…)
ざっくりライドのダイジェスト。
土曜日20時台の新幹線に飛び乗り、東京へ。
ほとんど仮眠のないまま23:30スタート。
スタート付近で見たいもの(清洲橋スカイツリー)にざっと寄り、
いよいよR6に乗って一路東北の方角へ。
柏から東へ転じて、手賀沼利根川の大水郷地帯に突入。
琵琶湖畔のようにただ広大な大平原が横たわっており、
深夜の暗がりで周囲全く何も見えず、
延々と続く単調な道にのっけから我慢の走行を強いられる。
また水郷地帯ということで冷え込みが相当に厳しく、
電光板はマイナスの世界を指している。
0度までならどうにか体を動かしてごまかせても、
さすがに冷えがどうにも止まらない。
おまけのこの寒さのせいで左ひざの痛みが再発し、
踏みたくても踏めない状況。出だしから相当シビアな展開だった。
真夜中の水郷地帯を駆け抜け、一旦茨城県側へ利根川を渡る。
そこからは朝焼けショーに間に合わせるためのアタッキングタイム。
銚子大橋で朝を迎え、銚子タワーのところでご来光!
そこからもう少しだけ進んで、関東平野の最東端、犬吠埼に到達。
ここから先アメリカまでひたすらに海が続くのだ。
地球が丸いのもしっかりと確認。
”先っちょ”っていつだってロマンに溢れている。
苦しい夜が明け、感動の朝焼けから、
素晴らしいライドの幕が開けるはずだった…


犬吠埼灯台にて


犬吠埼を後にし、外房をなぞりながら、
今度は房総半島最南端の野島埼灯台を目指す。
このペースならばどうにかこうにか、日没ショーに間に合うタイミング。
まずは東洋のドーバーと呼ばれる屏風ヶ浦を抜けていき、
長い長い九十九里浜ライドを開始する。
これまたド平坦で単調な道が果てしなく続く道で、
ひたすら耐える時間が続く。
そんなネガティブな状況で、夜中に寒さで負ったダメージが、
日が昇った後でもまったく回復しないどころか、どんどん深刻な状況に悪化していく。
補給の失敗や、寒さで心肺に負担がかかっている状態でレッドブルを注入したことで、
具合がすこぶる悪く、激しい動悸、不整脈、頭痛、めまい、吐き気などが現れる。
道の駅オライはすぬまで、昼食をとったのだが、
せっかくなら土地のものをと、食欲不振なのに、イワシ天丼を食べ、
油分と魚の臭みを受けて、ついに体が悲鳴をあげる。
激しい腹痛と嘔吐でトイレに缶詰め状態。心底疲弊し、
これはDNFどころか、その場で倒れこむような危機的な状況。
とにかく温かいお茶をがぶがぶ飲み、気分を落ち着かせ、手持ちの常備薬を飲み、
温かい場所でひたすら安静にする。
とにかく焦らず体力が回復するのを待ったおかげで具合も改善したので、
どのみちDNFしてを走って帰るのは同じなら、行けるところまで行ってみる。
ペースを上げることはあきらめ、
省エネモードでできるだけ負担がかからないように走る。
長かった長すぎた九十九里
しかも砂礫がひどくて浜には近づけないので、
予想していたイメージとは真逆で全然海が見えなかった九十九里
寒い・風強い・単調etc、
九十九里というより苦重苦里というのが正しいのではと思えるほどの
厳しく苦手な区間をどうにか抜ける。
大原ではマイベスト・ローカル線である「いずみ鉄道」の終着駅、大原駅に立ち寄る。
そこから先は切り立った海岸区間に突入。
勝浦でのファミレス休憩で胃腸の具合も復活し、
そこから先、本ライド最難関と予想していた、連続トンネル区間をアタックで抜けきる。
16:30.安房天津で日没を迎え、向かいに続く鴨川の美しすぎる夜景に息をのむ。


↓鴨川のサンセット


鴨川から先、暮れて暗くなり、ラッシュで大混雑するR128をひた走る。
フラワーラインに入るころには完全に2回目の夜を迎える。
最南端へ近づくにつれ、風の具合はどんどん悪化の一途をたどる。
そうしてついに房総半島最南端の野島埼灯台に到着したのが19:30。
結局、犬吠埼から野島埼灯台までの160kmの区間
それも獲得標高も1000m足らずという大して難しいコースでもなかったにもかかわらず、
実に12時間もの時間を要するという非常に厳しい結果となった。


↓房総半島最南端・野島埼灯台


房総最南端からは一転して東京まで北上を開始する。
岬をめぐると、それはもう狂気を感じざるを得ないほどの暴風。
インナーローで必死で漕ぐが押し返されそうになるくらいに激しい風の巣。
そこをとにかく耐えに耐え、洲粼に到達したときには
もう何も自分の中にエネルギーが残っていない状態で、
真っ白に燃え尽きてしまうところでした。
そこから残り10kmを命からがら走り抜け、館山で恒例のスーパー銭湯タイム。
どうにかこうにか一命を取り留める。


↓洲埼灯台死亡遊戯


温泉とゆっくりとした晩飯でずいぶん回復を果たし、
一路東京をめざしR127をひたすら北上。
狭小かつ長いトンネルが連続する区間が多かったが、
ほとんど交通量がないことでノーストレス。
昼間の交通量は分からないがあれで車が多かったらさぞかし地獄だったろう。
鋸南、金谷、湊と順調に進んでいたが、
そのあたりから一気に気温が低下し、再びマイナスの世界へ。
そうなるとせっかく回復した体力は再び悪化。
木更津までの山間部をどうにか抜けるが、再び激しい消耗をしたため、
袖ヶ浦で日が昇るまで待機を余儀なくされる。
朝日を浴びながらリスタートをする。
ここからは都心になっていくため、今度はトラフィックとの仁義なき戦いが始まる。
本当なら街が起き出す前に抜けておきたかったのだが…
それでもどうにか千葉までたどり着くことができ、
ゴールのビジョンもようやく浮かぶようになった。


ここで2つのミッションを発令。
ひとつはJさんへの託物の配達。
千葉のシーサイドから丘陵部へ大きく寄り道をして1つ目のミッションをクリア。
2つ目は、突然の香港勤務が決まったと年賀状で知らせてきてくれたアタック夫妻に、
出国前に是非とも再会しておきたいと船橋へ。
寒い中千葉へ行くのを強行したのも、彼らに会えるチャンスを逃したくなかったからです。
おかげでサプライズの再会は大成功でした。
こうして、ライドの最後に大切な人たちとつながれて本当に幸せだなあ。
積もる話もあり思ったより長居をしてしまったが、
これ以上いると立ち上がれなくなるということでリスタート。
激しすぎるトラフィックに心底手を焼きながら、どうにか行徳橋を渡り千葉脱出。
あとは、裏道をごにょごにょとシバいて、ラストは葛西橋通りを疾走して
日本橋に到達したのが14:30。
39hの激しいライドがついに終了したのでした。乙〜!


↓アタック夫婦


とまあ、チーバ君ライドというネーミングの割に、
荒行・勤行の境地まで達してしまった非常に苛酷なライドとなりました。
やはり気温というのがどれだけ重要なファクターかというのを改めて思い知らされました。
それから思った以上に、単調で長い区間が多く、まさに弱り目に祟り目で、
疲労した状態で、どんどん精神状態をむしばんでいく結果となりました。
そんな状況を普段であれば、ご当地グルメというご褒美などで帳尻合わせするのだが、
序盤に不用意な補給をしてしまったことや、
お店が少ないエリアが多かったこと(頼みの牛丼屋やマクドすらない)、
あまりの寒さにコンビニで気軽に買い食いできない(外で休めない!)ことなどから、
ほとんどファミレスだらけの補給となりました。
今回は本当にどの場面を切り取っても、
楽しかったというよりもひたすらに厳しかったという印象しかありません。
これが極寒の冬ではなく、うららかな春の房総だったらまた違ったかもしれない。
でもまあ全てが向かい風として立ちはだかる中を、
意地と不屈の根性で走りきったという結果には満足である。はっはっは。
詳細編へ続く…


【第1区間(水郷):東京〜松戸〜柏〜手賀沼〜香取〜神栖〜銚子〜犬吠埼
距離:140km
獲得標高:189m


新大阪20:37→東京23:15→日本橋23:30→久松町→清洲橋通り清洲橋
森下→新大橋通り→菊川→三ツ目通り本所吾妻橋東京スカイツリー0:00→
言問橋東→R6(水戸街道)→四ツ木橋(荒川)→中川大橋→金町→
葛飾橋(江戸川)0:30→松戸→南柏一蘭で晩飯休憩)1:30→北柏→
手賀沼公園→五本松公園→R356→布佐(ミニストップ休憩2:30)→木下東→
安東BP→ふじみ橋→R356(利根水郷ライン)→長豊橋常総大橋→神崎大橋→
佐原(マクドで休憩5:00)→小見川→笹川6:00→利根川大橋→西宝山→
R124→日和山(セブイレ休憩)6:30→銚子大橋7:00→銚子→銚子ポートタワー
県道254号→君ヶ浜→犬吠埼灯台7:20



【第2区間(外房):犬吠埼九十九里〜大原〜勝浦〜鴨川〜千倉〜野島埼灯台〜洲埼〜館山】
距離:189.8km
獲得標高:929m


犬吠埼7:30→県道254号→県道244号→外川駅銚子電鉄終着駅)→県道254号→
県道285号(銚子ドーバーライン)→三崎町(サンクスで休憩)8:15→R126→
飯岡BP入口→県道30号(九十九里ビーチライン)→足川浜→新川大橋→屋形橋→
中下→道の駅オライはすぬま(11:00〜12:30)→県道30号→片貝漁港→一般道→
九十九里IC→旭橋→中里→驚→新一宮大橋→県道30号→R128(外房黒潮ライン)→
江東橋→大原→R465→大原駅(いずみ鉄道終着駅)14:00→県道174号→貝須賀→
R128→御宿→部原→旧R128→勝浦(ガストで休憩)15:30→串浜大橋→R128→
鵜原→旧R128→上総興津行川アイランド→R128→境川TN→内浦TN→安房小湊
天津→旧R128→東町→R128→鴨川シーワールド16:30→県道247号→安房鴨川駅
県道247号→太海→R128→房州大橋→道の駅鴨川オーシャンパーク17:15→
R128→フラワーライン入口→県道297号(房総フラワーライン)→白子→R410→
千倉(セブイレ休憩)18:30→千倉橋→野島埼灯台19:30→R410→根本海水浴場→
相浜→県道257号→洲埼灯台20:30→県道257号→潮留橋→長須賀→下真倉→
里見の湯21:45



【第3区間内房):館山〜裾南〜富津〜木更津〜袖ヶ浦〜姉ヶ崎〜千葉〜船橋〜葛西〜東京】
距離:158.9km
獲得標高:565m


里見の湯23:30→R410(北条BP)→R128→館山駅→北条海岸(ココスで休憩)1:30→
内房なぎさライン→那古船形→県道302号→多田良→R127→市部→勝山→
道の駅きょなん3:00→保田→明鐘TN→金谷→湊橋→長浜→富津中央IC→
佐貫(ミニストップ休憩)4:15→R465→富津→R16→県道90号→木更津5:15→
県道270号→小堰橋→袖ヶ浦→福王台(デニーズ休憩)7:00→
県道87号→県道287号→姉崎→県道24号→養老橋→潮見橋→一般道→
県道24号→八幡宿→蘇我陸橋→R2357→ポートアリーナ前→県道210号→千葉県庁9:30→
R126→椿森陸橋→高品坂下→高品橋→都賀10:00→みつわ台→六万町→
県道66号→長沼→県道69号→天戸台→津田沼東船橋11:00〜12:30→
県道39号→R14→西船橋→県道18号→原木IC→県道179号→行徳橋→
江戸川河口堰→篠崎街道→旧江戸川CR→瑞江大橋→新川→共栄橋→
葛西橋通り葛西橋(荒川)→門前仲町永代橋日本橋14:30→
東京15:13→新大阪17:45→帰宅18:15



獲得標高:1685m
走行距離:497.2km
TOTAL:497.2km