記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

播磨アルプス縦走 詳細編

日曜日。本当は6時台の電車に乗るつもりが、起きたら8時!
ワオッ!大遅刻!
飛び起きて、大急ぎで支度。
今日は夏に向けてのトレーニングも兼ねているのでそこそこ荷物を詰めてきました。
絶対必要ないのにアイゼン入ってたり、要はこないだのマンマ!
家族に見送られて自宅を出て、
大阪駅ではダッシュエスカレーターをかけ上り、
ギリギリ8:45の新快速に飛び乗る。ゼエゼエ。
加古川で普通電車に乗り換えて2駅、JR曽根駅に到着したのが9:45。
改札の前にあるデイリーで朝ご飯におにぎり1つと、
補給食にマーブルチョコレート、それから水を2本と茶を1本。
茶はチャリンコのボトルに詰め替えておきます。
この日は暑くなること必至だたのだが、あえてハイドレーションは使用せず。
いつでも手軽に、歩きながらでも飲めちゃうとガブガブ行ってしまうので、
できるだけ水分補給をコントロールしていきます。


↓JR曽根駅


まずは駅から右手に進み、すぐのドンツキを左折。もう間近に山があります。
その脇をかすめていくR2を歩道橋で渡り、
右手へと逸れる小さな道へ入ります。
少しだけ進んで、民家と倉庫の間に目をやると、
茂みの間にか細いトレースを発見、
少し見上げると木の枝に「豆崎登山口」の看板。
結構見落としやすいので注意深く見つける必要があります。
登山口はいろいろあるのですが、ここが駅から最も近い登山口だと思います。


↓R2にぶつかって陸橋を渡り左手へ


↓豆崎登山口


では山行開始。時刻は10時をちょっと過ぎたところ。
ワシャワシャと茂みをかき分けつつ、細いトレースをたどっていくと…
ものの1分でいきなりの岩の壁が登場!
のっけからこれ登るんでっか。面白いやないの。
ということで、がっしがっしとり付いて、登っていきます。
岩はグリップのしやすい性質の様で、それほど足回りに不安は感じないが
そうはいっても間違って転落したらタダでは済まないわけで、
ところどころ手も使いつつ、慎重に上ってきます。
登りきると少し展望が開け、振り返ると、早くもそこそこの高度を稼いだようです。


↓いきなりの岩壁登場!


↓第一の壁を上りきる


岩を抜けて再び、林の中の道をズンドコ登っていくと、
小さなピークに出ます。そこに一か所ポッカリと穴が開いていて、
立て看板には「経塚古墳」とあります。
こんな山の上に前方後円墳があるなんてちょっとびっくり。
石室が空いているので注意とあって、
登山道はその真上を進んでいるようですのでそちらを通過します。
ここからの眺望もよく、南側にはJRや新幹線、R2姫路BPなどが横断しているのが見え、
西側には遠く姫路市街と姫路城が霞んで見えます。
東側には本日のゴール地点である山の舳先が見える。
あそこまでグル〜っと縦走していくのですな。


↓経塚古墳


↓対岸にゴールのお山が見える


そこからしばらくフラットな道を進んでいくと前方に再び小ピーク。
そしてその手前から岩壁がスタートし、ガシガシ上っていきます。
みるみると高度が上がって見晴らしもどんどんよくなっていく。


↓再び岩壁に取りつく


↓30分足らずでこの眺望


岩場を上り詰め、再び茂みをかき分けていくと、
中所登山口からの登山道との合流地点に到達する。
ここからはしばらく茂みの道が続いていきます。
所々では、山火事注意の看板が頻繁に登場してきます。
というのは、この先の鷹の巣山で2011年に、
タバコのポイ捨てと子供の火遊びを原因とする大規模な山火事が発生し、
山の大部分が焼失するという悲しい出来事があったためです。


↓中所登山口からの道と合流


↓山火事注意の看板


さらに進んでいき、小さなピークをいくつも越えていきます。
太平山(豆崎奥山156.7m)には10:20着。
向かって左側は150m真下の高校のグラウンドまでスパっと切れており、
反対側の東方向には、今回のチマコッピである高御位山が堂々と鎮座しております。
振り向けばすでに3,4つの小さなピークを越えてきました。
今日はひたすら大波小波の繰り返しです。


↓太平山?


↓高御位山を望む


↓ここまでの道のりを振り返る


そこから再び下ったり登ったりをくり返し、
地徳山(194m)に到着したのが10:40。
すで天気はピーカンで、とにかく暑い!暑すぎる!
自分でも顔が真っ赤なのがわかります。
ピークから方々を望めれば、
進行方向にいよいよ今回のハイライトである百間岩が見えてきました。
なかなか迫力ありますな!
よくよく見ると、小さな点々が動いておりまして、ハイカーの方々でしょう。
あそこ歩いていくんやね〜。ワクワク。
地徳山のピークからは鹿島神社の裏まで一気の下りです。
結構ガレた個所も多いので、注意を払いつつも、ペース上げて下っていく。
ここまですれ違う人は皆無だったのだが、
よくやく反対側からオッチャンが登ってこられてご挨拶。
お互い暑くてたまらんすね!と愚痴をこぼしつつすれ違います。
そうしていくつかの登山道との合流地点である鹿島神社分岐に到着が10:50。


↓百間岩が見えてきた!


鹿島神社登山口からの道との合流


そのまま休憩なく、上り返していきます。
故障したまま朽ち果てているトイレを過ぎると、
コンクリートで固められた展望所みないたのがあり、
そこから馬蹄形に展開する播磨アルプスが一望できます。
そしてそこは百間岩の直下の部分で、いよいよ核心部に進みます。


↓百間岩の直下


ここまでもいくつか岩壁を登ってきてはいたが、
ここはさらにスケールが大きく、かつ勾配も結構急。
高度感もままあるので、高所恐怖症の人は結構怖いかも。
下りや、ウェットコンディションの場合はスリリングな展開がありそうですが
よく見れば足場や手がかりは多数あるので、スキル的にはそれほど難しいところではない。
上部を覗うと先行するハイカーさんがちらほら。
自分もすぐにとり付いて登攀開始。
ここの岩も表面のグリップはよく、滑り落ちる怖さはない。
場所によって斜度が急だったり、軽くオーバーハングしているところなどもあるので
ペンキマークを頼りに右へ左へ移動して、登りやすいルートを見極めつつ進みます。
途中で女性2人組や年配のパーティーをかわしつつ、
10分ほど格闘して上部の鉄塔に到着。
なかなか面白いアトラクションでございました。
振り返って覗くとなかなかどうして怖いねえ〜。


↓壁だな〜


↓振り返って


↓百間岩上部の鉄塔


鉄塔部分からはフラットな岩場を横に伝って、
巨大な無線反射板が設置された小ピークへと進む。
ここからは西の眺めが最高で、今回は立ち寄らないが桶居山も姿を見せている。
ここから先を見てみると、ギザギザと小ピークが連なる縦走路が遠く東まで伸びている。
これは思った以上に骨が折れそうな感じです。
ここまではとにかく日差しが強いうえに、無風状態で、
ほとんどサウナ状態といってもいいくらい、暑くって。
予想していた以上にバテバテ。
さすがにたまらんと、頭から水をあぶったりするが、
歩き出せばまた大量の汗が噴き出すといった具合。
暑さにはめっぽう弱いarkibitoでございます。


↓反射板到着


↓ここまでの道のりを振り返る


↓ここから鷹の巣山へ小さなピークを越えていく


ガレた下りを慎重に下り、再び岩場をよじ登りを繰り返す縦走路は
なかなか野趣に富んで面白い。
鹿島神社〜高御位山の区間は人気のハイキングコースの様で、
先ほどとは打って変わりたくさんのハイカーやトレイルランナーさんとすれ違います。
この辺りまでくると、時折思い出したように風が吹き、体を冷やしてくれます。
もっと吹け、もっと吹け!と念じつつ進むのだが、
灼熱の地獄の威力は増していくばかりである。
ここからは例の火事で焼失した鷹の巣山に突入しているのだが、
新しい緑の命が確実に成長している様子。
やはり自然というのはたくましいなあ。
そうして鷹巣山(264.2m)に到着したのが11:30です。
ようやく全行程の約1/3を紹介しました。
さすがにおにぎり1個だけでここまで来て、小腹がすいていたので
暑さで溶けかかったマーブルチョコレートをズガガガっと流し込む。
ああ、余計喉が渇く…


↓岩尾根を詰める


↓鷹の巣山とうちゃこ


少しだけ休息したら、すぐにリスタート。
ここからは急な下りです。
ガレガレの登山口を慎重に下っていくと、
途中に桶居山へ続くトレイルとの分岐。
そこをやり過ごして、急なガレ道をずんどこ下っていきます。
下りきると、フラットな道がしばらく続き、
南側が開けていてとても爽快です。
ただ、直射日光の威力がどんどん増していて、もう我慢ならんくらいに暑い!
何度もわずかな木陰を見つけては休憩し、息を整え、再び歩き出しを繰り返すので
全然ペースが上がってきません。
とにかく暑い!
手持ちのドリンクもすでに生ぬるくなっているし。
ああああ、早く下山してコーラがぶ飲みしたいぜ!


↓高御位山までまだまだアップダウン!


↓桶居山への分岐点


↓尾根歩きは楽しいなあ〜♪


↓馬蹄形に並ぶ山並みに囲まれた高砂の街並みを望む


しばらくフラットだった道も、
再び小ピークに向けての急な岩場ののぼりとなる。
暑さで朦朧とした足取りで、岩場を詰めていくという作業が延々。
熱中症が怖いので、あまり無理にペースを上げて疲労することをせずに、
ペースを保って無理せず省エネモードに切り替えて、
淡々と進んで、高御位山(299.8m)に到着したのが12:30。
豆崎登山口からスタートして約2.5hの行程でした。


↓ひたすら岩場を詰める


↓高御位山とうちゃこ!暑い!


高御位山は加古川市高砂市の県境にある山で、双方の市の最高峰。
この頂上には高御位神社があって、
古くからこの山全体をご神体として信仰の対象にされているようです。
標高300mとそれほど高い山ではないのだが、
断崖の岩場がせり出していて、そこからの眺めは最高♪
日差しは強いのだが、心地よい風が吹いているのでしばし休憩。
ここは他の登山口からも続々と上がってきたハイカーさんたちで結構賑わっております。
一つ先に飛び出た岩場で記念撮影をしようと、セルフタイマーでトライするのだが
10秒のうちにその岩場へ飛び移るのは至難の業で、
自撮りはあきらめて、近くにいた男性の方にお願いしをしてパチリ。助かりました。


↓あ、絶景かな、絶景かな〜


↓山自体がご神体です


10分ほど休憩ののち、リスタートします。南東斜面もしっかりとした岩の斜面になっていて
そこをえっほえっほと下っていきます。
少しばかり山頂から下るとベンチのある岩のテラスに到着。
ここから四方へ登山道が伸びていますが、自分は前方に見えている北山へと向かいます。
いよいよ後半戦。山並みを見ると相変わらずアップダウンの応酬が待ち受けているようです。
残り少ない水分をチビリとやって、進みます。
引き続き、岩の斜面を慎重に下って下ってが続く。
鞍部に到達すると登山道が分岐していますが、そのまま直進。
鞍部は茂みが深くて、せっかくさっきまで吹いていた風が遮られて逆暑い!
むわっと草いきれが襲ってきて思わずのけぞる。
暑い!


↓後半戦の山並み


↓登って下って…


↓振り返るとこちら側も激坂だなあ


↓鞍部の分岐点


下って、再び少し上り返して小さなピークを越えると、
その先も岩の斜面が下までずーっと続いている。
もう慣れたもので、えっほえっほと軽快に岩の斜面を下って、
最低鞍部にたどり着くと、そこからは一転上り返し。
暑さでバテバテで、段差を越えるの持ち上げる足も重い。
ヒーヒー言いながら中塚山(170m)に到達したのが13:25。


↓まだまだ下るよ!


加古川の街並み


中塚山まで上りきると、そこからは緩やかな道となり、
そこを伝って鉄塔のあるピークに到達。
そのまま北山奥山(183m)へと進み、時刻は13:35。
あまりの暑さにちょっと休憩し、
貴重なペットボトルの水で火照った顔を洗う。ふぃ〜。


↓鉄塔


↓南側を望む(うっすら播磨灘まで見える)


↓北山奥山から辻登山口方面


ここの分岐を辻登山口方面へと折れて、東方面へと向かいます。
鈍く下って再び登り返すと、ピークに小さな看板が出ていて
「米相場中継所跡」とある。電信が発達する以前の明治初期まで、
大阪堂島の米相場を姫路方面へと伝える旗振り通信の中継所だったそうです。
そこを過ぎてしばらく下ると、今度は羽柴秀吉が志方城を攻めた時に、
坐って采配を振るったという太閤岩というものがあります。
ここからは加古川方面の平野が一望できます。
そこからは急な下りが続き、一気に高度を下げていきます。
下がるにしたがって茂みもどんどん深くなっていきます。
一旦道は北向きに進路を変え、最後の鉄塔部分からは名残を惜しむように
高御位山の東斜面を望むことができました。
そこから整備された未舗装の道を下りきると、辻登山口に出て山行終了。
時刻は14時を少し過ぎたところだったので、豆崎登山口からスタートして
約4時間の行程でした。
とにかく暑くてバテバテで、近くにあった自販機でキリンレモンを買って
浴びるように飲む。プハァ〜行き返る@@@@@


↓米相場中継所跡


↓さらば播磨アルプス


↓辻登山口


キリンレモンで復活!


少しばかり休憩ののち、県道389〜388号をとぼとぼと歩き、
R2加古川BPをくぐって、15分ほど歩いてJR宝殿駅に到着。
ちょうど姫路行の電車が出ていくところで、ホームでしばし休憩。


↓JR宝殿駅


その後は姫路駅まで出て、試さんでしっかりと祝杯を挙げてのち、
新快速が来る5分間の間に、ささっと姫路駅名物のえきそばで〆。
新快速では疲労困憊ですぐに寝落ち。
次に気づいた時には尼崎でギリギリセーフ。
ただ、冷房が結構強かったようで、ちょっと具合悪し。
山行中の灼熱地獄から、一気に寒気のする状態になり、
ヘエヘエ言いながら帰宅したのが18時。


↓姫路名物えきそばで〆


播磨アルプスは色々ルートのバリエーションがあり、
今回は登っていない桶居山方面も含めると色々楽しめそう。
山行後のお楽しみも含めて、これからも
近場のトレーニングスポットとして時々行かせてもらいま〜す。