記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

秘境、大杉谷

関西の黒部峡谷とも称される、大杉谷へ行って参りました!
黒部峡谷清津峡谷と並び、日本三大峡谷のひとつで、
関西の秘境として名高いエリアでありながら、
2004年の台風・大水害により付近の山が大崩落を起こし、
約10年近く登山道が不通となっていた。
2014年4月にようやく、
ふもとの宮川第3発電所から大台ケ原までの登山道が全線開通し、
他にはない絶景が見られるということで
最近、何かと話題の場所です。


↓シシ淵


最初の数キロはよくある渓谷沿いの道で、
期待するほどでもなかった?なんて思いがよぎりましたが、杞憂でした。
(ただハイライト区間は思ったより短め)
宿泊した小屋の前後5kmは、
黒部というよりもむしろ、屋久島にいるかのような
スケールのでかい手つかずの自然に感動しっぱなし!
限りなく透明なエメラルド色の川、
河原にゴロゴロと鎮座する一軒家ほどもある大岩、
山のてっぺんから流れ落ちる滝…
写真ではなかなかこのスケール感を伝えきれません!


↓透明感!


↓シシ淵にて


↓吊り橋と平等厳


さすがに1日で歩き通すのは難しすぎるコースなので、
中間地点にある山小屋「桃の木山の家」にて宿泊。
断崖の吊橋の向こうに、絶壁にへばりつくようにして建つ小屋は、
まるでチベットのエベレスト街道に迷いこんだような錯覚を覚えます。
小屋はとても清潔で、気さくなスタッフさんが好印象。
素晴らしいのは、かまど風呂まであって、最高の小屋でした。
それにしても、小屋の人たちも含めて、
これほどまでに深く山肌に刻まれた渓谷の
スレスレに道を開き、吊橋をかけ、小屋を建てた先人のすごさ。
それが10年もの間封鎖されてもなお、
それを復活させようと並々ならぬ力を注いできた人たちに感謝です。


↓桃の木山の家にて宿泊


↓2日目も絶景づくし


↓大崩落地より


2日目は大絶景をひとりじめしながら百名山の大台ケ原へ。
一年で最も雨が多い季節に、
日本で一番雨の多いエリアへ行くことになったのですが、
天気の読みはドンピシャ。
連休でしたが、あえて火曜有給にして
日程をずらした狙いが見事にはまって快晴。
しかし酷暑にはホント悩まされました…(低山はもうそろそろシーズンオフ)
前日の日曜日は大雨だったらしいのだが、
ただでさえ滑りやすい岩質の道なので、
あのルートは雨でぬれるとかなり難易度が高いです。
早めに到着してもバスは1本しかないので、大台ケ原をぐるっと散策。
見どころの大蛇厳(実際は山カンムリに品)でのスリルを味わったり満喫できました。


日出ヶ岳(1695m)にて


↓大蛇厳にて


大台ヶ原


この登山道はとにかくアクセスが最上級に至難の業で、
大台ケ原まで通り抜けをするためにはマイカーではできない。
往路はJR三瀬谷駅近くの道の駅奥伊勢おおだいを
10:30発の登山バス1便のみで、それも3日前までの要予約。
天候がものすごく読めないので厳しい条件です。
帰りは大台ケ原センターから大和上市までのバスが、
土日祝で2本(14:30/15:30)、平日は1本(15:30)のみ。
乗り過ごしたら終わりです。
行ける時に行っとけで、行けてよかった。
詳細はおいおい。


↓山行ルート


<山行スケジュール>
(1日目)
7:20鶴橋駅⇒(近鉄特急)⇒8:50JR松阪駅9:18⇒(特急南紀1号)⇒
9:47JR三瀬谷⇒9:55道の駅奥伊勢おおだい10:30⇒(大杉渓谷登山バス)⇒
12:15大杉谷登山口⇒12:40大日厳⇒13:40日浦杉吊橋⇒
14:00千尋滝14:10⇒15:05シシ淵15:30⇒15:40ニコニコ滝15:45⇒
15:55平等厳16:00⇒16:40桃ノ木小屋宿泊


(2日目)
6:15⇒桃ノ木小屋⇒6:40七ツ釜滝6:50⇒7:10七ッ釜滝上吊橋⇒
7:30崩落地⇒7:45⇒7:50沖見浜の大杉⇒7:55光滝⇒8:05隠滝⇒
8:30堂倉滝8:35⇒9:15堂倉小屋9:30⇒9:45シャクナゲ坂⇒
10:25シャクナゲ平10:30⇒11:08大台ヶ原山11:25⇒
11:54正木ヶ原⇒12:12牛石ヶ原⇒12:20大蛇粠12:35⇒
13:10シオカラ谷吊橋⇒13:35大台ケ原駐車場15:30⇒(奈良交通バス)⇒
17:20近鉄大和上市駅17:38⇒(近鉄特急)⇒18:48大阪阿部野橋駅