記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

GO HOME 朝日小屋

9月某日。

ハイライトの夏場をどうにか凌いで、

少しは落ち着けるかと思いきや、

まだまだ色々と案件が降っては湧いて、

フル回転で挑まないといけない秋口。

 

そうこうしているうちに、

そろそろお山の方もシーズンが終わってしまう。

今年はなんだかんだと遠征して登ることができて

山に関してはすでに満足しているのだが、

1つだけ心残りがあって、

それが去年お世話になった朝日小屋への里帰りを

まだ済ませていないという事だった。

あそこはどこから登っても遥かに遠い北アルプスの最果てにあり、

それなりに日数を取らないと行けない。

ほぼほぼスケジュールが埋まっている中で、

今年は下手したら行けないかもしれないという状況だったが、

あきらめずに日程を調整して、どうにか2日だけ時間が作れそう。

かなりの弾丸にはなるけど、そこは自力で間に合わせて、

せめて顔出しだけでも。

ということで、早速ゆかりママにお電話。

久々に聞く声はとっても優しく、そして嬉しそう。

「待っとるよ~」と言わればもう行くしかありません!!

 

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日曜日は用事があり、

それをこなしてから現地へ前ノリします。

18時台のサンダーバードに乗り込み、まずは金沢へ。

そこから北陸新幹線に乗り継いで糸魚川まで。

(あとで時間が予想外に余ることになるのを知ってたら、

鈍行で行けば時間もお金も無駄にせずによかったが…)

 

今回は、日程的な制約があるので、

まずは蓮華温泉から登って、

翌日北又へ降りるルートをチョイスするのだが、

登山口となる蓮華温泉までのバスが糸魚川駅発6:17なので、

前ノリしないと間に合わないのだ。

 

22:30ごろに糸魚川駅に到着。

事前に調べておいたネットカフェがあるので、

そちらに向けて西へ西へと30分かけて歩いて行ったのだが、

とうの昔に潰れていたよう…

周りには住宅と田畑が広がるだけなので、駅へ戻るしかない。

戻りがてら、何かあるかと見回すと、

途中ガストがあったので、

行けるかと思いきや24時までの営業なので、

残り30分程度待機できても仕方がない。

残り5,6時間のために宿を取るのも馬鹿らしいし、

駅のベンチで野宿することにしました。

ロングライドの最中や貧乏旅で野宿はお手の物。

ベンチが意外と快適で、気温も寒からず暑からず、

虫も飛んでおらず清潔で、意外と寝れました。

数々の駅で仮眠しましたが、糸魚川駅はおすすめです!!

 

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朝となり、トイレを済ませたり、服を着替えたり、

コンビニで飲料品を仕入れたりして準備万端。

ちょうどロータリーにバスがやってきたので、

2100円を支払って乗り込みます。

お客さんは自分含めて3人。土日にしなかったからかなあ?

定刻通り6:17に出発。

スノーシェードだらけのR148を遡上していきます。

ちょうどこの大きな谷筋と、その間流れる姫川は、

いわゆる糸魚川静岡構造線フォッサマグナの西辺)になります。

30,40分ほどかけて中継点であるJR平岩駅に到着。

しばしの間停留していましたが、追加のお客さんはなし。

 

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そこから国道を離れて、

蓮華温泉へとむかう険しい険しい道へと入ります。

苦しいエンジン音を響かせながら、

道幅の狭い急登を登っていきます。

この時点では空は青く澄み切っていて、

いいお天気が期待できそうでした。

そろそろ蓮華温泉に近づくと、

向こう側には雪倉岳朝日岳が目に飛び込んできます。

道には駐車場に入れなかった路駐の車がたくさんはみ出していて、

ただでさえ行き違いも困難な道を塞いでしまっていました。

マナーは守りましょうね。

そうして、糸魚川から2時間弱で蓮華温泉に到着です。

 

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まずは登山届を記入して投函して、

8時ジャストに山行スタート。

お天気は御覧の通り快晴でこれはもう大丈夫でしょ!!(と思ってた…)

さて、駐車場から歩いてすぐ蓮華温泉の小屋が見えてきます。

温泉だけあってうっすら硫黄の匂いも。

標識に従って、下りの道を選択し、まずはキャンプ場へ。

 

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小屋から5分ほどでキャンプ場に到着し、

そこからがいよいよ朝日岳への登山道となります。

この辺りはよく整備された木道が続きます。

スリップには十分注意しつつもペースを上げていきます。

なにせゆかりママから電話口で

早く来いと厳命されております故。笑

歩き始めはとにかくどんどんどんどん下ります。

スタートから1200mは上げていかねばならないはずが、ど

んどん下ります。

朝日小屋から 蓮華温泉コースで下山する人が、

「あのラストの登り返しが半端ないんだよな」と

必ず口にする理由がよくわかります。

 

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鉱山道への分岐を通過し、

その先のアヤメ平、そして兵馬の平と順調に通過し、

1つ目の橋である瀬戸川橋に1時間ほどで到着。

 

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橋を渡ると、徐々に道は険しくなり、

小さな尾根への上りとなります。

そこをしのいで、尾根を伝っていくと、

大きな河原に出ます。

そこに架かる立派な白高地沢橋を渡り、

そのたもとのちょっとした広場で小休止。

ここまでで1.5h。

あまりペースがはかどってないのは、

やっぱり前日の野宿の疲れと寝不足からだろうか…

ちょっとお疲れモード。

若干お腹も減ったので手持ちのレーションを補給しながら

山の様子をうかがっていたのだが、

どうもこれより上部はすっぽりと雲に覆われていて真っ白。

蓮華温泉を出発したころには

すっかり快晴を期待していたのだが…

山の天気はわからんもんです。

 

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あまりグズグズも出来ないので、10分足らずでリスタート。

しばらく平坦な道を進んで緑を分け入っていくと、

いよいよその先から本格的な上りがスタート。

まずは右に回り込みながら山肌をなぞるように道が続き、

そこが少し荒れた道なので、行き違いに注意しつつ上る。

 

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そこを通過すると、その先は整備された階段がひたすら続く。

腿上げ、腿上げが堪える@@@

上から来る下山者の方々にもガンバレをいただきつつ、

えっちらおっちらと登っていきます。

ようやく背丈のある木々を抜けたかと思えば、

周囲はガッスガスで、眺望なし。

まあ慣れっこです。

果てしなく続く木道の階段を詰めて、

白高地沢橋から1時間かかってようやく花園三角点に到着。

なかなかバテバテモードで、しばし休憩。

 

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まるでアンナ・カヴァンの世界のような

白い闇に包まれた世界。

コツコツと登山口が木道を叩く音以外は、

風もなく鳥のさえずりもなく、

草花がこすれる音もしない。

孤独を満喫しながら、

ひたすらに上へと続く木道を踏みしめていく。

 

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ようやく長い長い道のりを経て、五輪の森の入り口へ。

と、それまでは時折うっすらとしぶいていたくらいだったのが、

いよいよ本格的な雨へと変わってきました。

ここからは森の端っこを抜ける、

斜面に細くとりついた道。

山筋に沿って道は進むので、

グネグネと幾つもの沢を抜けていく。

一か所だけ足元がガレガレで、崩れやすい箇所があり、

そこは慎重に抜けていく。

同じような沢をいくつも越えていくと、

ようやく広々としたポイントに出て、

中腹にある水場のベンチで小休止。

寝不足と、ここまでの疲労に加え、雨に打たれて、

なかなか調子が上がってこない…

 

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水場から、さらに上へと続く道を越えて、

しばらく進んでいくと、

見覚えのある木道と、

ちょっとした休憩所が目に飛び込んできた。

ここは去年の山岳パトロールのまさに入山初日に、

ここで下山者が転倒して足を骨折し、

ヘリ搬送のお手伝いをしたポイントだった。

しょっぱなに山の洗礼を食らって、

本当に大混乱だったが、

のちのちの山暮らしには大いに役立った。

 

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このポイントまで来れば、

あともう少しで吹き上げのコル。

しかし、その前に関係者の間では”ユカリ坂”と呼ばれている、

壁のような急登を詰めないといけない。

しかも行動を上げたせいか、雨が本気降りへと豹変し、

足元も沢が溢れて水浸しの箇所もあって、

上も下もドロドロになりながら詰めていく。

夏の初めくらいまでは、広大な雪田が残る緩い南斜面だが、

さすがに残らず溶けていて、たくさんの草花が一面に。

そこを越えて、ようやく吹上のコルに到着したのが13時少し前。

 

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この吹上のコルは、その名の通り、

日本海側から来る風や雲が、

朝日岳の脇をすり抜けるようにして、

この鞍部を乗り越えていく場所。

なので雨粒を運ぶ横風が強い!!

そしてここは、

ロングトレイラーにとって欠かすことのできない

栂海新道の起点としても有名な場所。

ここをスタートして、海抜0mの親不知の海へと続いていく

ロマンの場所。

 

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しばし休憩と、

軽く周辺のグリーンロープやゴミのパトロールだけして

13:10にリスタート。

朝日岳への最後の上り。

ここまで来れば勝手知ったる道。

毎日何度も行ったり来たりして懐かしい。

ちゃんと道が整備されているところなども、

今年のパトロール員ががんばってやってくれたんだろうかと、

つい目が行ってしまいます。

 

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相変わらず雲は厚く、

しとしとと雨が降りしきる中

ガレガレの砂地を進んでいると、

右手に何かの気配があり、

振り向くと、雷鳥さんが3羽連なって歩いておりました。

今年も会えたね!!

 

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そうしてコルから30分ほどで、朝日岳の山頂に到着。

ただいま!!

残念ながら眺望は全然ないが、

見えなくたってここからの景色は脳裏に焼き付いている。

それよりも、ようやく帰ってこれたことが

嬉しいやら懐かしいやら。

ここもロープが緩んでないかどうかなど簡単なパトロールだけ。

 

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雨は小康状態になりつつはあったが、

もう全然身体も冷えてしまった。

調子が上がらないままではあるが、あとはも下り。

とんとこ下っていきます。

水場を過ぎて、その先に晴れていれば小屋が見えるはずだが、

何も見えず。早く見たい!!

なんもかんもわかってるけど、わが家を見たい!!

気持ちが前のめりのまんま、

さらに下っていき、水平道との合流点から最後の上り。

(これが毎度結構こたえる@@)

そうして登り切って、ようやく木道の先に、

えんじ色の三角屋根が見えてきました。

ああ、帰ってきた!!帰ってきたんだ!!

朝日小屋だ!!

わーい!!

ということで蓮華温泉から約6時間20分で無事に朝日小屋に到着。

まあ14時は少し過ぎたけど、怒られなくて済む程度でしょう。

調子が上がらず、バッドコンディションでこれが精いっぱいでした。

 

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早速中へ入ろうと玄関に手を掛けようとすると、

ちょうど中から人が。なんと秀光さんでした!!

お久しぶりです!のご挨拶をすると、

「おおう、よう来た。中でみんな待っとる」といつもの感じ!!

そして受付へ回ると、ちょうどゆかりママと

去年小屋番女性スタッフとしてお世話になった

K姐さんが立ち話されてて、

お2人とも久々の再会です。

ただいま!!

放蕩息子が帰ってまいりました!!

 二人とも満面の笑みでお迎えいただいて、

ありがたやありがたや。

それからこの時間からすでに慌ただしく作業をしている

今期スタッフのみなさんや、

工事関係者のみなさんとも順々ごあいさつ。

 

そのあと、ちょっと休んでこられと優しくママに声掛けされ、

用意された部屋がなんと客室の個室!!

この週末は予報も悪くキャンセルもあったので

部屋が空いていたこともあるけど、

今夜はてっきりスタッフ用のセンターかと思ってたので、

このVIP級の待遇に、逆に恐縮しまくりです@@@

これはもう、ちゃんとお手伝いせねばなりませぬぞ。

 

ということで、16時くらいまで休んでのち、

手ぬぐいを頭にかけ、

エプロンをつけいざ厨房へ!!

(あとでママに言われるまでエプロンが裏表逆だった笑)

お客様の夕食後の片づけをお手伝いします。

ああ、懐かしの厨房!!

皿洗いが楽しすぎます!!

お皿や調理器具を直すところは

徹底して決まった場所に管理されていて、

細かな決まり事もあるのだけど、

さすがに1年やってないと所々忘れちゃってる。

現役スタッフさん御迷惑にならないように、

思い出しながら頑張りました。

 

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お客様の夕食が終われば、 スタッフの晩御飯です。

この日は鉄板焼!!

女性スタッフの1人が任務を終えて翌日一緒に下山するので、

そのお疲れ会(+ちょこっと自分のウェルカム)ということで、

豪華な晩ごはんと相成りました。

朝日名物でお酒もバンバン供されて(K姐さんの銀盤お酌攻撃!!)

最高過ぎました@@@

例の劇薬「よもじいの辛いの」も健在!!

つまようじの先にチョンと着けただけで、脳天直撃の辛さ!!

いやああ、これが朝日小屋だ、朝日小屋だ!!

 

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夕食を済まし、後片付けを済ませたら、

21時の消灯までは自由時間。

ママから、1人男の子がギターを練習してて

そこそこ弾けるようになってきたから、見てやってということで、

センターへ移動して、軽くレッスン。

手書きでたくさんの曲の歌詞とコードを書き込んだ

小さなスケッチブックを去年のパトロール以来、

山ザックにはいつも忍ばせているのだけど、

これを朝日小屋の常備品として進呈。

その中から、若い男性陣のリクエスト曲をいくつか披露しながら、

コードを教えたり、弾き方を教えたりしてるうちに、

あっという間に消灯時間が迫ってきました。

真っ暗になる前に、自分はセンターから小屋へと戻り、

残り時間までに、超簡単なコード一覧を

せっせこと余った紙に書き書き。

これを翌朝プレゼントしました。

じきに消灯時間となり、就寝。

前日が野宿で十分な済んではなかったし、

今日も色々大変だったので、すぐに眠りの中へ…

 

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翌朝。

着いてすぐもう、下山の日。もったいない。

というか、もっといたい!!

外はまだガスガスの真っ白。

天気予報では昼くらいまでは雨が残る可能性を伝えているが、

せめて雨やんでほしい…

お客様の朝ごはんのお手伝いをして、

そのあと自分たちの朝ごはん。 

しかもお昼ごはんといって、

でっかいおにぎり3つもこさえてくれて、 

もう何と言っていいか涙涙。

かたじけない!!

 

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朝食の後は、みなでラジオ体操が朝日小屋の日課

あいにくまだ雨が降っているので、

食堂にラジオを持ち込んで、第1第2。

頭がシャキッとしますね。

そののちミーティングです。

コーヒーを飲みながら、

スタッフの各持ち回りの担当のやることと時間調整をしたり、

その日のお客さんのチェックをしたり。

で、自分の下山についても、

ゆかりママ考えてくれていたみたいで、

今日降りる女子スタッフと2人で下山するのだけど、

ちょうどK姐さんのお母さまがグループで小屋見舞いに来られていて、

一緒に北又小屋から最寄りの泊駅まで

タクシー同乗して連れて行ってもらえることに!!

これはなんとありがたい!!

1人で下山して、タクシーを個人で呼んだとしたら

1万円かかるのですが、これなら割引を受けたうえで

割り勘すれば1500円!!

当初はお金がないので、北又から泊まで

6時間歩いて行こうと思ってたので本当に助かります。

さすがママ。頭が上がりません@@

 

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K姐さんのお母さまご一行は先に小屋を発たれ、

いつものようにバンザイでお見送り。

我々は残って、小屋の片づけを手伝って、

9時のミーティング終わりで下山することにします。

男子チームに交じって、各部屋を回って、

掃除機掛けや布団のセッティング、廊下の雑巾がけなど。

布団についても細かくセッティングの決まりがあって、

それをぬかりなく。 

そのあとは玄関周りのサッシ拭きや、靴箱の掃除。

あっという間に時間は過ぎてしまいました。

そんな間に、嬉しいことに、雨がすっかり上がって、大空が!! 

やったー!! 

 

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9時過ぎとなり、朝のお茶タイム。

せっかく晴れたので、少し風があるけれど、

外のテラスにて集合。

もろもろのチェックやら、情報共有。

で、ゆかりさんから「最後、なんか弾いて」と無茶ぶりされ笑、

それでは1曲だけ。

朝の掃除の時間にいつも流れている小田和正の『たしかなこと』。

朝からなかなかの高音を出すのは大変なのだけど笑

ミスなく歌えて、無事拍手いただきました。

 

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30~40分ほどのんびりと過ごしてのち、

そろそろ降りる準備をしないといけません。

名残惜しくてみなさんととっかえひっかえ記念撮影。

時間にしたら丸1日もおれなかったけど、

やっぱり来てよかった。

また、来年も、その先も、ずっと帰ってきます。

 

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本当にずっと離れたくなくて、

あれやこれやと小屋の前でやってたのだけど

気付いたらもう10時!!

先に立たれたパーティーのこともあるし、

タクシーの時間もあるので、さすがに出発です。

今日任務を終えて下山するAさんといっしょに、

後ろ髪をひかれながら、

テン場横の木道をトコトコ歩いていきます。

そしていつものバンザイポイントで、

ありったけのバンザイ!!

小屋前でもお返しのバンザイ!!

ああ、寂しい!!寂しいよ!!

また必ず帰ってくるからね!!

 

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バンザイポイントを過ぎると、

もう朝日小屋を拝むことはできません。

このイブリ・北又尾根を上ってくる場合、

朝日岳もイブリ山までたどり着いて初めて顔を出すし、

小屋も本当に最後の最後まで出てきてくれないのです。

空は青く澄み渡って、絶好の山歩き日和となり、

快調に下っていきますが、

先ほどまでの雨で木道が滑りやすいので注意しながら。

(Gパト最終日は思わぬ場所でカメちゃんが滑って怪我してた)

Aさんと色々お話ししつつ、下っていきます。

Aさんは長野の大学生さんで、

いずれは山にどっぷりのライフスタイルを取っていきたいそう。

若い子が、そうやって山や自然、環境に関心を持って

実際に現場に飛び込んでくれるというのは心強いし、

応援したいよね。

 

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夕陽が原を過ぎ、鎖場も越えて、コルを上り返して、

30分ほどでイブリ山の山頂に到着。

しばしの休憩です。

ここも思い出の地で、Gパトの最初の週のラストで

地元の中学登山があり、

相方のクマさんと県警のKさんと3人で

ウォーターボーイズと称してここまで水歩荷して、

エイドステーション係をやったのだけど、

そのあと自分が熱中症になっちゃったっていう。

 

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少しの休憩ののちリスタート。

9合目の手前辺りで、

前方からものすごい勢いで一人上がってくる。

小屋に詰めている工事関係の人でした。

なんとおつかいを頼まれて、

ミスドをどっさりと担でおられ、

我々にもお一つどうぞといただきました。

まさかこんなとこにドーナツのデリバリーが来るとは笑

思わず、お変態ですね~と声を変えてしまうと、

はにかみながら「あざーす!!」と。

自分も含めて、山の人はやっぱお変態さんだらけよねん。

 

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ということで、思いがけない行き違いをしてリスタート。

所々で上がってこられる登山客にもお声掛けをしつつ、

順調に下っていきます。

水場のある5合目の広場に到着。小屋から1.5時間。

ちょうど休憩をされていた先発のご一行に追いつきました。 

速いねえ速いねえとびっくりされましたが、

小屋の人や県警の人はもっと速いんです@@@

 

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しばし休憩ののち引き続き下山。

この先からはまた傾斜が急になり、足への負担も大きい。

ドコドコくだってようやく、最後の吊橋を渡る。

そこから最後の階段がキツイ!!

そこを越えたら北又小屋に到着。

朝日小屋から2時間20分とまずまず。

 

小屋に着くと、誰もおらず。

去年まで管理をされていた米沢さん、

大変お世話になったのですが、ご病気で引退されたそう。

ご高齢だけに心配です。

小屋は朝日町の管理になっており、

扉は空いていて、

中で着替えをしたり休憩をする。

室内は空気がこもって暑かったので、

外のベンチで心地いい風に吹かれながら 、ZZZ…

 

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1時間ほど仮眠していたが、

5合目で追い抜いたパーティーはまだ降りてきていない。

そろそろお迎えのタクシーも来るので、

少し心配になって、ダムの方へ向かうと無事に姿を見せてゴール。

しばらく身支度をしていると、

送迎の車が時間通りにやってきました。

ということで14時に小屋を出発。

 

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そこから険しい険しい管理道をクネクネと進みます。

車が大きいので切り返しに難儀したり。

まあアプローチだけでも相当大変な道です。

無事に最後のトンネルを抜けて、小川温泉まで下りてきました。

やはり山の上と違って暑い!!

そこからさらに走って、泊駅に到着。

K姐さんのお母さまご一行にお礼を言ってお別れし、

Aさんとも駅でお別れ。

また朝日小屋でもどこかのお山でもお会いしましょう♪

 

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ちょうど5分後に富山行きの電車が出るグッドタイミング。

どんどこと揺られて富山駅まで出てきました。

慌てて帰っても仕方がないので、何本か後ろの新幹線を手配して、

その間に、おみやげを見て回り、

それからせっかくなの富山湾の幸を堪能。やっぱり、んまあ♪

 

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あとは新幹線で金沢。

そこからサンダーバードに乗り継いで20時過ぎに帰阪。

ということで、朝日小屋への里帰りも無事終了です。

 

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ということで、今年の本格的な山行遠征はこれにて終了。

今年は毎度毎度雨に降られまくりでしたが

どれも思い出深い山歩きでした。

今年は、誰かに会いに行く、

誰かと一緒に登るという山行が多く、

自分のスタイルである単独行という意味では、

ちょっといつもとは違ったシーズンでした。

それもこれも、去年のGパトの経験からなのかなと思いますが、

そういう”誰かと””誰かのために”といった目的で山へ行くというのも

とてもいいなあ。

 

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【山行記録】

<0日目>

18:42大阪⇒21:23金沢21:35⇒22:24糸魚川

糸魚川駅で野宿

 

<1日目山行:6時間20分/14km>
06:17糸魚川駅⇒(糸魚川バス・白馬岳登山バス)⇒6:55平岩⇒7:52蓮華温泉

08:00蓮華温泉⇒08:05蓮華温泉キャンプ場⇒08:18アヤメ平⇒08:23兵馬の平⇒

08:51瀬戸川橋08:55⇒09:32白高地沢橋09:40⇒10:43花園三角点10:50⇒

11:22五輪の森⇒12:52吹上のコル13:10⇒13:39朝日岳13:45⇒14:20朝日小屋泊


<2日目山行:2時間20分/7km>

10:00朝日小屋⇒10:30イブリ山⇒11:30五合目(ブナ平)11:40⇒

12:16北又吊り橋⇒12:20北又小屋


14:00北又小屋⇒(黒東自動車ジャンボタクシー)14:55泊駅15:01⇒

15:47富山16:58⇒17:20金沢17:31⇒20:09大阪