記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

北ア縦走(折立~太郎平小屋(泊)~黒部五郎岳~三俣蓮華岳~双六小屋(泊)~新穂高)

夏休みを2日取得して、今季初アルプスへ行って参りました。

富山県の折立から入山して、太郎平小屋で1日目。

2日目は、北アルプス最奥の大絶景を望みながら

ここちよい縦走を期待していましたが

まさかまさかの台風の襲来により、

午前中は土砂降り、午後からもガスガス。

それでも標高2840mの黒部五郎岳(日本100名山) 、

標高2841mの三俣蓮華岳日本三百名山)、

標高2860mの双六岳の3つのピークを越えて

双六小屋までロング縦走。

翌日は天候回復が望めないこともあり、

小池新道をサクッと下って下山しました。

 

何より今回大変だったのは、

事前の週間予報が突如現れた台風の影響でひっくり返り、

その影響で行きのサンダーバード全休してしまう。

これにより、折立へ向かうバスに間に合わないかもしれない事態に。

どうにか救済の臨時便が走り、

金沢からは富山まで送迎バスも出たので、

無事に山行に臨むことができました。

 

初日は、折立から太郎平小屋までということで、

比較的短い区間で難所もないイージーコースなのだが、

歩き始めからザーザー振りの雨と、ぬかるんだ地面、

そしてレインウェアの中の恐ろしいほどの湿度で大苦戦。

それでも3時間ほどの格闘で無事に小屋に到着。

 

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今回の山行の一番の目的は、ピークハントでも縦走でもなくて、

去年富山県のグリーンパトロールで一緒に頑張った仲間が、

今年も任務についていて、その激励に訪れること。

期間中アクセスしやすい滞在先を選んで予定を組むと、

この日が一番手前の太郎平小屋にいるということだったので、

突撃した次第。

去年同じ朝日・白馬班として切磋琢磨したカメちゃんと、

今年初めて任務に就くパートナーのシステマ君と

無事に落ち合うことができました。

まだ入山して3日目ということで、

まだまだこれから1か月の長い任務が待ち受けています。

事故なく怪我なく乗り切ってほしい。

1日目の午後は、彼らのパトロールに同行して、

ゴミ拾いをしたり、高山植物の即席講座をしたり、

有意義に過ごせました。

 

トロールを終えて小屋に戻ると、見覚えのあるお顔が。

なんと、去年朝日小屋で大変お世話になった、

富山県警の山岳警備隊の大レジェンドのKさんではないですか!

聞くと、たまたまこの日からこの一帯の任務に着任するらしく、

なんたる偶然!!!

去年の夏お世話になったお礼を改めて伝えると、

去年の朝日はとっても面白かったなあ!!

と言っていただき、感無量です。

まさかKさんにまで会えると思ってなかったので、

この雨の中頑張って登ってきた甲斐がありました。

 

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2日目。

さすがに台風の影響は前日で終息すると予測していたのだが、

思った以上に雲の流れが悪く、朝から分厚いガスに覆われている。

もし晴れていれば、最後の秘境と名高い雲ノ平や、

薬師岳黒部五郎岳といった名峰がずらりと見渡せるはずなのだが…

Gパトの2人とKさんにお別れと激励をしていざ出発。

まずは黒部五郎岳を目指します。

雄大に波打つ緑の丘を上ったり下ったりしていくのだが、

ガスはどんどん厚くなり、そのうちに横殴りの雨。

出発すぐにおおよその登山客は抜いてしまって、

雨と風の音だけが響く中、黙々と歩く。

眺望も何もないので、ひたすら黙々と。

でもこういうシビアなコンディションに

ただひとり身を置いて

孤独に歩くのは嫌いじゃない。(でも雨は嫌だが…)

 

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中俣乗越を過ぎたあたりでようやく雲も薄らぎ、

いよいよラスボスの黒部五郎岳の上り。

これだけアップダウンを繰り返してきても、

最後、壁のようにそびえる登りをえっちらおっちら。

ようやく肩まで到着し、そこからさらに少し上って、

黒部五郎岳に登頂。

本当ならここからは360度の大パノラマ絶景が

広がっているはずなのだけど、

山頂はガスガスで何も見えず。

肩のところまで下りてくると、ようやく青空がちらちら。

休憩も兼ねて少し空が晴れるのを待っていると、

わずかながらに太郎平からの歩いてきた山容が見え隠れ。

 

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20分ほど休憩して、黒部五郎岳のカールを一気に下っていきます。

山腹は緑に覆われ、コバイケイソウが一面に咲き乱れるお花畑。

お見事!!

カールをずんずんと下り、すり鉢状の台地に降り立つと、

そこかしこから雨や雪解けの水が沢を作って流れていて、

それを何度も渡りながら、下っていきます。

そうして黒部五郎小舎についたのが11:30。 

ここで山行を終えて、ゆっくりのんびりして宿泊も考えたのだが、

まだ午前だし、翌日の天候も期待できなさそう。

それなら、今天気が小康状態を保っているうちに、

三俣蓮華まで行けば 少しは絶景が見えるかもしれないし、

翌日下山の行程も楽になる。

手持ちの食糧で軽く腹ごしらえをして、意を決してリスタート。

 

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三俣蓮華岳には何度か登っているので、

まあそれほど過酷じゃないだろうと思っていたのだが、

それは三俣山荘や双六方面から登った場合のことで、

こちら側からは初めて登るのだが、

登り始めからかなりの急登。思わず大汗が噴き出す。

しかもそこそこ長くて、大変でした。

稜線まで登りきってからも、山頂はまだまだ遠く、

悪戦苦闘して2時間弱で三俣蓮華岳に到着。

ここはその名の通り、富山県・長野県。岐阜県の3つの県境。

この時間帯から夕方にかけてだけは青空が見えていて、

雲ノ平や鷲羽岳が見えました。でも槍は全然顔を出さず。

 

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三俣蓮華に到着したのが13:30。まだ時間があるので、

翌日を考えて、一気に双六小屋まで行くことに。

いくつかルートがあるのだが、

やっぱり眺望があきらめきれずに

双六岳のピークを踏むルートで。

でも残念ながら厚い雲は晴れず。

15時を少し過ぎたくらいで双六小屋に到着。

太郎平から19kmの長旅でした。

 

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翌日は下山のみ。早く目が覚めてしまったので、

6時前には出動。

この日も晴れ間は見えず、ガスガス。

午後には晴れるかもしれないらしいが、そこまで待てないので、

もうできるだけ早く帰宅することに専念。

双六小屋から鏡平まで1時間。

まだ朝早いのもあって名物のかき氷はスルー。

さらにそこから小池新道をずんずん下る。

平日ということもあり、年配のハイカーがたくさん登ってくる。

双六小屋から3.5hで新穂高に無事下山完了。

タイミングよく10分後にバスが出て、猛暑の高山へ。

昼飯を食べて、そのまま帰宅。

 

詳細はまたおいおい。

 

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【山行記録】
◆0日目◆
21:30大阪駅⇒(臨時サンダーバード)⇒0:55金沢駅1:15⇒2:30富山駅
野宿

 

◆1日目(6.5km+5.5km/3h+α)◆
5:30富山駅⇒7:20折立7:35⇒8:50青淵三角点⇒10:05五光岩ベンチ⇒
10:45太郎平小屋

(Gパト)
12:50太郎平小屋⇒13:15薬師峠⇒14:00薬師平14:30⇒15:40太郎平小屋泊

 

◆2日目(19km/9.5h)◆
5:45太郎平小屋⇒6:50神岡新道分岐⇒7:00北ノ俣岳⇒7:36赤木岳⇒
8:20中俣乗越⇒9:30黒部五郎の肩⇒9:45黒部五郎岳9:50⇒
9:55黒部五郎の肩10:15⇒
10:40雷岩(黒部五郎カール)⇒11:30黒部五郎小舎11:45⇒
12:55三俣蓮華岳巻道分岐⇒13:30三俣蓮華岳13:35⇒
14:35双六岳⇒15:23双六小屋泊

 

◆3日目(13.2km/3.5h)◆
5:35双六小屋⇒6:10弓折乗越⇒6:33鏡平山荘⇒6:40鏡池
7:21イタドリが原⇒7:38秩父沢出合⇒8:00小池新道入り口⇒
8:17ワサビ平小屋⇒8:26笠新道登山口⇒9:00新穂高温泉

9:16新穂高温泉⇒11:04高山バスターミナル
12:36高山駅⇒15:04名古屋駅15:16⇒16:08新大阪駅