記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

マームとジプシー『めにみえない みみにしたい』(作・演出:藤田貴大)

お山へ行く土曜日の昼間。

家族そろって演劇を見に京都造形大学の春秋座へ。

演劇作家・藤田貴大さんが主宰する演劇団体「マームとジプシー」の

2018年発表作『めにみえない みみにしたい』の再演ツアーです。

これを知ったのは、

音楽を担当しているクラムボン原田郁子ちゃんきっかけ。

チラシのヴィジュアルだったり、

子どもたちでも楽しめそうな内容だったので、ぜひにと。

  

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おはなしは、おねしょに悩む女の子が主人公。

飼い猫のにゃあにゃあちゃんから古い言い伝えを聞いて、

夜の森へと冒険に繰り出します。

かつてお母さんも旅をしたその森には、

様々な動物たちや妖精がたくさん住んでいて、

女の子は、狩人に導かれながら、

めにみえない生き物を探してさ迷い、

たくさんのことを経験していきます___

 

やさしい気持ち、かなしい気持ち、そしてまどろみ。

小さな女の子が繰り広げる心の移り変わりを

4人の女優さんがあの手この手、舞台狭しと駆け回り、

実に生き生きと演じていて、

見ている側も思わず心弾みガンバレ!と応援してしまう。

演者の息遣いや、移り変わる光の演出、観客のざわめき、

そういった生の感覚・感情がダイレクトに伝わる

演劇ならでわの味わいを存分に楽しめる。

 

観客は緑の絨毯の上に座って、

まるで森の一部分となって劇に入り込み、

時折、シャボン玉が宙を舞ったり、

やわらかい白い布が頭の上を駆けまわったり、

森の門番とじゃんけんで対決したり、

しりとり池をみんなで助け合って切り抜けたり、

やさしい物語のそこかしこに、

たくさん面白い仕掛けが盛り込まれていて

小さな子どもたちも興味津々。

大人もワクワクドキドキ童心に帰って、

物語に入り込めるとってもステキな作品でした。

 

帰宅後も、子どもたちが劇に出てきた白いユニコーンのことや、

じゃんけんでやっつけた森の門番のことを話したり、

「ナルホドね~、ナルホドですね~」という

にゃあにゃあちゃんのセリフ を真似たり、

きっと子どもながらに劇に刺激を受けて、

何かを感じ取った様子。

 

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作中に流れる音楽を担当しているのが

クラムボン原田郁子ちゃん。

その中でも特に印象的なシーンで流れるのが

ユニコーン』という曲。

(2ndソロアルバム『ケモノと魔法』に収録。作詞:友部正人、作曲:原田郁子

この後出かけた山歩きの間もずっと頭の中で流れていて

帰宅後に耳コピしてみました。