記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

雨の東京もうで

日曜月曜の出張の仕事の合間のその他のことを順不同で。

あいにく2日とも雨で、

特に2日目は結構な土砂降り。

雨も嫌だけど、相当に寒くて、参った。

 

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奥さんへのお土産にと、わざわざ尾山台まで遠征して

フランス菓子の名門中の名門「オーボンヴュータン」へ

クッキーを買いに。大好きなんですよ。

久々だったので、移転されているの知らなかったけど、

どうにかたどり着く。

もう、ここの焼菓子以上に美味しくて、

かつ洗練されたものはありません。

ショーケースの中はまるで宝石箱のようで、

惚れ惚れしてしまいます。

めったに来れないので、ちょっと奮発して買ってしまいました。

帰宅奥さん大喜び。

 

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2日目の合間に、お昼ごはんとして、黄レンジャー出動。

大阪はスパイスカレーブームがぼちぼち安定してきた頃ですが、 

東京シーンはまだまだノビシロがありそう。

そんななかでも今おそらく一番注目を浴びているのが

吉祥寺のハモニカ横丁にある「ピワン/piwang」さん。

ちょうどタイミングよく午前の用事が終わり、 

開店2番手ゲットです。

わずか5席しかない激狭店舗とは聞いていましたが、

マジでここよりミニマム最小限のお店はないです!

塩尻駅のあの立ち食いそばにも負けない)

ご主人は、もう1歩2歩もなく体を左右に転換するだけの

小さな小さな厨房で忙しく作業して、

我々お客はそれを取り囲むようにして5人ずつ着席。

着席と言っても、もう膝がぶつかるので、

ほとんど立ちスタイル状態。

メニューはチキンカレーと本日のカレーの2種に、

生姜の佃煮(この付け合わせがなまら旨い!)のみ。

大抵は、いわゆる写真映えする

2種類のモヒカン盛りを注文されるようなのだが、

あんまりビジュアルとかいいんで、

チキンカレー大盛り。

ドカンと敷き詰められたターメリックライスに、

ピンクの漬物がどん。

別の器で、アッツアツ、というか煮えたぎるような

ルーがサーブされます。

ルーというよりもスープに近いほどシャバシャバ系。

これがまあ、美味しい。

ライスとの相性も抜群で、あっという間に完食してしまいました。

ごちそうさま!!

なるほど、東京のスパイスカレーも侮れない。

退席するときは反対側の通路の裏口から抜け出ます。

ロケーションも含めてアングラ感満載で、なるほど面白い。

 

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カレーにすっかり満足しましたが、

せっかくの吉祥寺。(吉祥寺ってなんとも住みやすそうな街だなあ)

ということで、念願のキチムさんへ。

ここはクラムボン原田郁子ちゃんの妹で、

写真家でもある奈々さんがオーナーをされている

カフェ兼イベントスペース。

お昼直後だったので、コーヒーだけ。

なんとも居心地の良い空間でした。

奈々さんとはちょっとだけお話しできました。

郁子ちゃんとはまた違った落ち着いた佇まいの方でした。

 

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今回はほぼほぼ中央線沿線での動きだったので、

せっかくなので荻窪の本屋Titleさんへ。

いつもながらに、駅から結構遠くて、

行き過ぎてないか不安になります笑

雨だったので、他にお客さんがおらず、

静かにのんびりと 本を探せました。

1冊だけ購入。レジにいらっしゃる辻山さんとちょっとだけお話。

前回来た時、たまたま黒坂麻衣さんの個展をやっていて

その儚くも力強い絵に一目惚れしてしまったのですが、

まさかあんなことに…と、二人でしんみりしてしまいました。

大阪なので滅多に来れませんが、

上京の折は、大体はお邪魔している大切な場所です。

 

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そして今回の東京のメインと言ってもいいのが、

いつも優しいナベちゃん。

今回もお世話になりました。

思えば、中学時代からの付き合い。長いような短いような。

住む場所も違えば、仕事も全然違うけど、

お互い、いつもこうやって笑顔で再会できてるってことは、

それなりに頑張って人生を送ってきたということなんだろうな。

 ラストオーダーまで盛り上がってから、お泊りさせてもらい、

寝付くまであれやこれやと話が咲く。

 

やはり、共通の経験や文化を共有しているから、

根底には同じ価値観だったり、

危機感だったりを持っていて、

やっぱりそうか、自分だけがそう感じているわけじゃないのだなという

安心感というか心強さを感じられる。

我々の世代は谷間の世代と言われていて、

右も左も老いも若きも

すべての世代や層の過渡期のど真ん中にいることで

相当苦労したり、翻弄されたりしてきたのだけど、

各世代や層のいいところも、悪いところも、

客観的に冷静に見てきたし、

アナログからデジタルへと移り変わるその様を、

一緒に切磋琢磨して道を転がり続けてきたから、

どっちかでもなく、どっちもを知っているという強みだったり、

結局自力で生き抜いていくしかなかった分、 

どうにでも潰しの効く実力を身に付けざるを得なかったことが、

今こうやって報われているという気がしてならない。

まあ最終的には個人的な考え方や境遇・環境によって

大きく違っては来るのだけど、

少なくとも谷間の世代に生まれたことが

2人にとっては無駄じゃなかったなあと。

しかし、もうわずか3つ下からは、

価値観の大きな崖が横たわっていて、

そこへの危機感や絶望感が困りものだったりする。

 

そして、自分たちは自分たちの意志で選択してきたことが、

それなりにまっとうな形として今はあるけれど、

この不透明な時代に、

いつ大どんでん返しが起こるともわからない。

だから、ちょうど節目に、

ナベちゃんは大きな挑戦に旅立つことにしたようだ。

正直、彼ほどの実力や実績があれば、

確かに東京じゃなくても日本じゃなくても、

どこでも通用するのはすでに実証済み。

少し寂しくはなるけれど、

彼が彼の選択で先へ進むことを誰よりも応援する。

一方、自分はというと、自分の築いたものを末永く続ける、

北極星のようにそこにとどまり続けようと思う。

留まり続けるといっても、それは歩みを止めることではなく、

世界が二歩進めば、自分もそれに合わせて二歩進まなければ、

同じ場所にとどまり続けたことにならず、置いて行かれるだけ。

だからキープするということも全然簡単ではなく、

地味だけど立派なチャレンジだと思っている。

自分とナベちゃん、最終的なアウトプットは、

まるで正反対だけど、根底に流れているスピリットや信念は

やっぱり一緒なんだ。

それを再確認できた夜だった。

またこの地球のどこかで、笑顔で再会しよう!

 

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