記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

アンサンブルズ東京2019 盆踊りワークショップ/伊藤千枝子 音頭囃子方ワークショップ/大友良英スペシャルビッグバンド feat.水前寺清子

絶賛ブログ停滞中ですが、書き上げます!!

 

いよいよアンサンブルズ東京2019、最終章。

夕暮れが迫るとともに、会場もどんどん熱気を帯びてきました。

我々は盆踊りワークショップ隊の一員としての準備のため、

芳垣さんのパフォーマンスを中座して、トイレでお着替え。

自分は再び『いだてん』の金栗四三さんに扮し、

長女は『あまちゃん』の天野あきちゃんに変身!!

会場へ向かう道すがら、色んな人に声をかけてもらいました! 

ありがたや!ありがたや!

 

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元・珍しいキノコ舞踊団を主宰されていた

振付師&ダンサーの伊藤千枝子さんとメンバーのみなさんは

ピンクの水玉のそろいの浴衣で準備万端。

ワークショップのみなさんは、

プロジェクトFUKUSHIMA!の大風呂敷の布で手縫いされたハッピ、

我々2人はエクストラで例の扮装で、本番に挑みます。

盆踊りとはいえ、7曲もの振り付けを覚えるのは大変でしたが、

こうなれば、あとは楽しんだもの勝ち!

同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!!

 

全然間違ってもいいし、大丈夫~大丈夫~と

伊藤さんの御声掛けをいただいて、いざ櫓へオン。

少し高いところから見渡す開場は

すでに熱気に満ちた人たちで溢れかえっています。

いやあ、すごい光景だ。

こんな光景が見れるだけでも本当に光栄だ。

よくよく見ると、会場の皆さん一人一人が、

とっても楽しそうにニコニコ(中にはニヤニヤ笑)としていて、

次の面白いこと早く早く!!といった具合。

ええですなあ、ええですなあ。

 

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そして、いよいよ時間となり、大友さんのMC。

「みんなわからなくてもいいので見よう見まねで踊ってみましょう」

「とにかく楽しみましょう」と会場を盛り上げます。

そしていきなり、

「今日はお忙しい中、金栗四三さんと天野あきちゃんにお越しいただいてま~す」と

我々を紹介いただくと、会場割れんばかりの拍手とひゅ~ひゅ~!!

ああ、みんな優しゅうございます@@@

これだけでも、もう報われます。

奥さんも頑張って縫い縫いして、

自分も思い切って丸刈りにして、

娘もアホな親につきあって、ほんと甲斐がありました!!

 

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そしてまずは『あまちゃん音頭』からスタート!!

聞きなれたタラッタッタ~♪がはじまると、

みんな見よう見まねで踊りが始まります。

最初は、お手本としてみんながこちらをみているのだから

しっかり踊らなきゃと硬くなっていたのだけど、

伊藤さんやメンバーが型を崩しながらも、ずっと笑顔を出して、

実に生き生きと体を動かしているのに徐々につられて、

本当に楽しくなって、とにかく盛り上がろう!!と

縦横無尽に踊り始めたらもう止まらなくなってしまいました。

 

特に『フジオ音頭』も賛成の反対!反対の賛成!と

エンドレスに続くところなんかはもう最高です♪

そしてラストの決めポーズ「しぇ~!!!」もばっちり!

 

無我夢中で踊り続けながらも、

時々我に返って、会場を見渡すと、

どんどん盛り上がりは加速していって、人もどんどん増えて、

もんのすごいことになっている!!

このアンサンブルズ東京目当てで来た人も、

たまたま観光名所の東京タワーに来てこの場面に出くわした人も、

お年寄りも子どもも、外国の人達も、

たまたま隣り合った人たちが仲良く楽しそうに手をつなぎながら、

ぐるぐると回って、ちょっと踊りが外れたのをはにかみながらも、

めげることなく実に楽しそうに、どこまでも踊りの輪を回している。

「ええじゃないか音頭」の電車ごっこのところなんか、

ええ??わわ??と一瞬驚きながらも、

もうみんなが、ええ恰好なんて全部かなぐり捨てて、

無邪気な笑顔で、たまたま隣り合わせになった人の

肩に手を当てて数珠つなぎになって、トンネルをくぐったり、

列から離れてトンネルになって迎え入れたりしている様をみてたら、

ああ、これこそ本当に理想だと胸張って思える

”社会”そのものなんじゃないかと。

 

色んな人がいて、たまたま一緒の時間や場を共有することになって、

色々な思いや考えを抱きつつも、笑いながら手を取り合って、

大いに盛り上がって、会場全体が間違いなく温かな幸福感に満ちていた。

世界の大きさから言えば、東京タワーの駐車場の一角なんて、

本当にちっぽけかもしれない。

だけども、今この瞬間この場所で、

平和でハッピーでフラットな世界が間違いなく実現してた。

これはひょっとしたら、今のご時世、

ものすごいことなのかもしれないけれど、

でもこれがものすごいこと、特別なことではなくて、

これが世界の色んな所で普通にある、

そんな風になれるようにしていかなくちゃいけないのだろうし、

大友さんをはじめ色々な人が、音楽やアートをひっさげて、

そのために汗水流して頑張っているのだ。

ああ、こういう頼りあがいのある先達がいて、

暗い海原の先を指し示す羅針盤となっていてくれているから、

自分も荒波の只中で陽気に踏ん張っていられる。

そして自分もその船の隅っこにでもいて、

小さなオールで水をかくことができるというのは

なんともありがたい。

 

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そう感謝しながら、もっともっと盛り上げるぞと踊っていたら、

たまたま会場に居合わせたらしい若者たちの叫び声が聞こえてきて

「ええ?何ここ!!この場所スゲースゲー!楽園かここは?」と言いながら、

見よう見まねで踊りの輪に参加して、

そのままずっと踊り続けたところを目撃してしまい、

思わずうるっと来てしまいました。

人の介在する生きた場を創出する、

そのための音楽が今まさに発揮されているのだ!!

 

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そんなこんな難しい理屈やらなんやらは、

この際まったくもって脇へ置いておいて、

もう楽しいとかうれしいとか、

ポジティブでプリミティブな感覚や感情に、

どっぷりと身を任せて、膨れ上がっていく会場の大盛り上がり。

そこにさらに一段も二段もヒートアップする特別なゲストが、

満を持して櫓に登壇。

そうです、日本の元気、日本の祭りといえば、

ご存知、水前寺清子!!

登壇と同時にそこかしこから「チータ!」「チータ!」の声が上がります。

 

大友さんも、子どもの頃から見ていた

あこがれの人が舞台に立っている様に興奮気味で、

櫓とステージの間を白熱のトークの掛け合い。

水前寺さん、年齢自虐的なことをおっしゃられ、

会場を沸かせておられましたが、

いやあ、なんの、なんの!!!

TVで拝見するととてつもないオーラで

ものすごく大きく感じられるのですが、

実際はとても小柄で華奢な方なのに、

ピーンと会場に響き渡らせる張りのあるパワフルな歌声と、

みなぎるエネルギーは全然、

会場にいる若い人たちに負けてないどころか、

ぐぃんぐぃん、ぐいぐいと丸ごと引っ張って行ってしまうような

とにかくものすごい元気玉のような方でした。

さすが日本歌謡界を長年背負って立ってこられた貫禄です。

 

そうしてチータさんといえば、やっぱりこの曲!!

そうです!『三百六十五歩のマーチ』!!

イントロが鳴り始めると同時に、会場は一気にヒートアップ。

この曲は、盆踊りのリストにはなかったのだけど、

その場のノリでみんな体を動かして、ひとつになる!!

自分が踊っているステージのすぐ真上から

チータさんの威勢のよい「ワン、ツー、ワンツー!!」 が聞こえ、

いやあ、もうこんな贅沢な盆踊り、

夏の思い出なんていいのかしらん??

チータさんの生歌で盆踊りを踊れるなんてのは、

昭和世代からしたらオッタマゲーな大事件です笑

 

そして『ありがとうの歌』『いっぽんどっこの唄』と

盛り上がりは続き、

引き続いて、今回の子の盆踊りプロジェクトために

作成された『虹の東京』を水前寺さんとも一緒に。

この踊りの振り付けがまたとっても面白くて、

振り付けの覚え方もめちゃくちゃ面白くて、

ワークショップでも大爆笑しながらやったのですが、

この曲がまた、たまらなくいいんです!!

それからもう一度、おかわりで『三百六十五歩のマーチ』で

水前寺さんはご退場。

いやあ、特大の元気をいっぱいもらいました。

ありがとうございました!!

 

↓この写真は山岸さんのtwitterより

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いやあ、もう我々も2時間ほど、

ひたすら踊りまくって、汗だくで、熱も帯びて、

フラッフラなんだけど、全っ然終わりたくない!!

きっと会場にいるみんなが同じような気持ちだったと思います。

ということで最後の最後、泣きの一回で、

〆はもう一度『虹の東京』で万感!!

出しつくしました!!

出し切りました!!

本当にスッバラシイ一日。

いろいろな可能性や優しさに溢れた一日。

大友さんをはじめスタッフやメンバー、

参加いただいたすべての人に、ありったけのありがとうです!!

 

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さあ、大興奮のままに無事にアンサンブルズ東京2019は終了、

ですが、後片付けもみんなでやります。

毎年終電の新幹線があるため、

途中までしか参加できなかったのですが 、

今年は泊まりなので最後まで片付けに参加することができました。

  

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片付けと並行して、参加した皆さんとごあいさつをしたり、

写真撮影を。

この夏を一緒にとびっきりの夏に作りあげたみなさん、

本当にありがとうございました。

 

大友さんにもお礼のご挨拶に伺うと、

「来年楽しみだなあ」と早くもプレッシャーが@@@@

毎年、紅白でいう小林幸子的ポジションで勝手に色々やってますが、

年々ハードルが上がってきてます@@@ヤヴァイ!!

また1年かけて、家族総動員で色々練らねば!!!

 

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ということで、アンサンブルズ東京2019、

これにて終演!!

早くも次が待ち遠しい限りです。

ということで、また来年お会いしましょう!!

 

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<セットリスト>

1.あまちゃん音頭
2.地元に帰ろう音頭
3.池袋西口音頭
4.フジオ音頭
5.新生相馬盆唄
6.ええじゃないか音頭
7.三百六十五歩のマーチ
8.ありがとうの歌
9.いっぽんどっこの唄
10.虹の東京

アンコール
11.三百六十五歩のマーチ
12.虹の東京