記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

2018Gパトの夏 白馬6日目 黒部班と合流!!

いつのまにやら、白馬での最初の1週のラスト日。

3000m級の山々での活動や、

小屋でのいろいろな出来事など盛りだくさんであっという間。

また、翌日には朝日へと帰還して1週間、

そののちにまた帰ってきますが、

ひとまず無事に1クールを終えることができそうです。

 

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この日は前日の白馬三山のパトロールで、

少し作業をやり残しているものがあったので、

午前中はそちらへ。

 

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お昼ご飯を済ませて、午後からは白馬の大雪渓ルートを

雪渓の最後部にある岩屋まで下ります。

この頃になると大雪渓、小雪渓とも随分解けてきましたが

まだまだアイゼンは必須。

真っ白な雪渓の上には数珠つなぎのように黒い点々が続いていて

登山客の多さがはっきりとわかります。

同様に、その点々よりももう少し大きい点々もいくつもあって

それは雪渓の上部から落ちてきた岩や落石。

白馬岳に上るには最短のルートで、難易度も低く、

雪渓の上を行くので暑い日でも

涼しい風が通るので人気コースだけど、

やっぱりこの予測不能の落石だけは怖い。

雪渓の上では落石は音もなく転がってくるため、

このルート上では、休憩するときは立ったまま、

それも常に山の上部が見える側に向いて休憩をすることになっています。

 

ちょうど前日に上った杓子岳(大雪渓の直上にそびえていう)の

ボロボロ具合を見ると、いつでも落石は起こりうるし、

下手すればごっそり岩が崩れてもおかしくないほどガレガレだったので

なおさら、怖い。

人気コースで、難易度も低いのだけど、

個人的には一番リスクの高いコースだと思っています。

 

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岩屋に到着し、ロープの締め直しやゴミ拾い、

登山客の対応などをして少し早く山小屋に戻ります。

実はこの日、実は楽しみにしていることがあり、

Gパトの黒部班の2人と研修所で一緒になって以来、久々の再会の日!

あちらの班は、扇沢から山へ入り、

そのまま鹿島槍五竜~唐松と進み、この2,3日は白馬で滞在、

そののち、清水岳経由で欅平まで一気に下って、

そこから水平歩道を進んで阿曽原~真砂沢まで周回する

壮大なルートを担当しています。

 

彼女たちは前日、白馬尻までいったん下って、

今日この大雪渓を上って白馬山荘までやってくる予定で、

お迎えついでに岩屋まで来たのだけど、

どうもすでに通過した後だったのかすれ違いそうにないので、

大急ぎで小屋へ戻ります。

実は彼女たちは、

我々が午前中に杓子岳までパトロールに行っている間に

上小屋まで登ってきてたみたいで、

そこで長野のGパトさんと昼ご飯をしつつ交流していたようです。

 

小屋へ戻ると受付のスタッフさんから

「黒部班来てるよ~」と声をかけてもらい、無事に再開。

お互い様ですが、みな日焼けして真っ黒です。

しかもちょうど、我々Gパトを管轄している

富山県森林管理署の署員さんも蓮華から2人上がってきていて、

こちらも研修以来の再会。

みなでレストランで再会を祝しました。

 

こちらは1週間単位で2つの小屋に駐在して、

そこを中心にエリアを重点的にパトロールするのだけど、

黒部班(ともう1つの薬師班)については、

1,2日で小屋を発ってひたすら稜線を移動しながらのパトロール

なので、我々のように少ない荷物ではなく、

全て背負いながら移動しなければならず、

それだけでも大変なのに、

トロールまでしっかりこなさなくちゃいけない。

いくつかある班のうちでおそらくもっともタフな2人組。

稜線上は案外ゴミとかないのかと思ったら、

意外とあるようで、結構大変だったようです。

森林署の人の話によれば、

他の班でもまあ色々事件やトラブルは尽きないようで、

班によっては長い過酷な現場で疲弊して

パートナー同志が上手くいかなくて大変なところもあるようでした。

でも署の人は、実は

我々最年長グループが一番心配の種だったようですが笑

うまくやっておりますよん♪

 

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夜は、警備隊の宮嶋さんの山岳セミナーがありそれに参加。

実際の山の壮絶な現場について色々と。

山にはみんな楽しみに来るのだけど、

やっぱり危険はつきもので、

安易な気持ちで安易なプランで登ってくる人も多い。

 

そんなことわかっているけど、

それは自分のことではない、と。

でも、現場は決して嘘をつかない。

自分もこの現場に来てたった2週間しかいないけれど、

その間に、遭難や事故、ヘリ搬送、

こんなにも頻発するのかと正直びっくりした。

事故手前だったり、熱中症や小さな怪我など、

表面化しないような事象まで含めたら、

一体どれだけになるのだろう。

ケガも事故も遭難も、決して意図してやろうと思う人はいない。

だけど、実際にはこれだけ頻繁に起こりうる。

それはたまたま自分じゃなかったっただけで、

次は自分かもしれない。

山では常にそう思って、常に考えながら行動しないといけない。

 

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セミナー終わりで、遅めの晩御飯。

翌日には、朝日へと発つため、

いったん白馬の皆さんとはさようなら。

いつもギターを快く貸してくれたY君と記念撮影。

彼のおかげで楽しい山小屋ライフを過ごせました。

 

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さあ、いよいよ明日は朝日への大移動だ!

つづく・・・