さてさて、白馬での1週間が終わりました。
この日は、朝日小屋まで大移動して、
またそこで1週間滞在してのパトロールとなります。
早立ちをするため、
いつものようにスタッフさんとではなく、
お客様と一緒のタイミングで。
スタッフの皆さんにしばしのお別れの挨拶をして
6時前に出発します。
この日の天候がガスガス。
白いモヤモヤが周囲に立ち込め、
しかも結構風が強い。
三国境までの区間は慎重に岩場を抜けて、
そこから雪倉岳方面へ折れます。
ほとんどの人達は大池・栂池方面へと向かうので、
ここからは荒涼とした景色の中、ほぼ2人旅。
鉱山道の分岐を過ぎ、鉢ヶ岳の巻き道を進んでいると、
登山道にでっかい塊。
よく見たらまだ出来立てホヤホヤの熊のフン。
ってことはこの辺にまだいる???
怖いよ@@@
ガスガスの中、雪倉岳の避難小屋に到着し、
風が強いので室内でしばしの休憩。
そこから雪倉岳への上りへと入ります。
さすがこんなお天気なので、
ひょっこりとつがいの雷鳥さん、しかも2組。
風も強く気温が上がらないまま、
それほどヒートアップすることなく、
雪倉岳に登頂。
風が強いぞ!!
この辺りで、先行していた登山客のみなさんに
ほぼほぼ追いつきます。
みなさん、なかなかお疲れモードのまま、
水平道について質問が飛びます。
あまり期待させても悪いので、
”悪名名高き”水平道についてありのままをお伝えし、
エールを送ります笑。
山頂を過ぎ、どんどん下って、
いったん大きく東へと尾根を回り込むあたりで
前方から見慣れた二人組が。
朝日・白馬の2班のカメちゃんと姫です!
お久しぶり!!
元気そうで何よりです。
天候も不安定だし、それほどグズグズも出来ないのだけど、
10分ほど、作業の引継ぎだったり、
お互いの小屋の情報を交換したりしてのち、別れます。
また1週間後に無事で会おう!
雪倉岳を下って下って最低鞍部までたどり着き、
そこから赤男山をなぞりつつ、小桜平を過ぎ、
水平道と朝日岳直登コースの分岐へ。
ここら辺から、どうも周辺の様子が、
以前通った時から変わっている。
というのは、ここから先に続く水平道に敷設されている木道が
根こそぎ取り外され、
古くなった木が要所要所でまとめられて置かれている。
お盆から秋にかけてのハイシーズンまでに、
これら古くなった木道をガッパ隊のみなさんが
すべて新しいものに張り替えるのです。
この木材1本でも70~80㎏あり、
冬の豪雪にも耐えれるように、
しっかりと固定されているのを、
1本1本手作業で引っこ抜く作業だけでも相当キツイ作業で、
それをヘリ搬出に備えて集約して、
また新しい木材を敷設しなおすのですから、
本当に大変なお仕事。
もちろん、ケガの危険もある。
ガッパさんをはじめ、KさんやEさん、
そしてシェルパのヌル爺、ヤンヌルさん、
みんな毎日でっかい弁当持って懸命に働いていらっしゃる。
山の安全はこういう人たちの地道な努力によって守られている。
ありがたや。
水平道の水平道じゃないV字谷のところも、
谷の上部に歩きやすい道を新設していて、
あともう一息で完成しそうなところまで来ていた。
1週間前朝日小屋を発って、
ここを通過したときにはまだ雪渓の上を通過しないといけなかったが、
もう雪がほとんどなくなっている。
山の様子は日々刻々と変化していく。
水平道を進み、鎖場も無事に通過、
その先の水場で溜まらず水浴びしたのだが、
慌てて眼鏡をしたまま浴びて、眼鏡流される。
幸いすぐにピックアップ出来て事なきを得るが、
クマさんに大笑いされてしまった。
その先からは、緑のじゅうたんの上に
ひょっこりとえんじ色の屋根が2つ。
ああ、朝日小屋だ!朝日小屋に帰ってきた!
あれこれパトロールもしつつ来たので、
もっと時間がかかると思っていたのだが、
白馬山荘から5時間、昼前には無事に朝日小屋に帰還。
ゆかりさんをはじめ、皆さんから暖かく迎えていただく。
夕食の時間までは休憩をもらい、
そこから久々に小屋仕事。
手順や段取り忘れることなく、お手伝い。
この日は確か100人ほどの大入りで、
戦場のような大変さだったような。
そのあとは、夕食&宴。
かなさん発案の長いもチップス、
ひさしぶりにありつけて嬉しや。
白馬と朝日では、システムも規模も全然違うので
久しぶりの朝日、ちょっと戸惑うかもと思ったけど、
また楽しい山小屋ライフができそうです。
ということで、再びこの朝日小屋で一週間お世話になります。
つづく・・・