記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

2018Gパトの夏 アディオス白馬

いよいよ今回の任務で最後の白馬を迎えました。

予定外に一日早くここを離れることになり、

しかも要請により、朝イチで発つことになって、

朝からドタバタ。

大急ぎで部屋を片付け、荷物を詰めて、

お客さんと同じタイミングで朝ごはんをいただいて、

スタッフの皆さん全員へのあいさつもままならないままに、

山荘を出発します。

 

朝に念のために朝日小屋に連絡を入れると、

すでに遭難者はヘリでピックアップすることになったそうで、

あとは現場に荷物等をデポしていくかもしれないから

その回収を任されます。

いずれにせよ急がねばなりません。

 

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毎日足を運び続けた白馬岳の山頂もこれでファイナル。

急いでいたし、あいにくのガスガスでしたが、

最後の記念撮影を。

 

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気を引き締め直して、

ガスガスの岩場を下っていきます。

ほとんどの登山客が三国境を

小蓮華・大池方面へ直進していくのを見やりながら、

カレカレの斜面をずずずっと下って雪倉岳を目指します。

 

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高度を下げたことでガスガスからは解放されましたが

どんよりとした天気は変わらず、風が若干ある。

もうこの景色の1つ1つともお別れになるので、

本当はゆっくりと目に焼き付けながら歩きたいのだけど、

何しろ前日連絡の入ったビバーク地点まで

急いで駆け付けねばならないので、小走り気味に進みます。

 

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鉱山道分岐を過ぎて、

鉢ヶ岳のトラバース道へ入ってしばらくのところで、

前を行く2人組にこんにちわと声をかけつつ

足早にパスしたのだが後ろから「●●君?」と、

自分の名前を呼ぶ声がするので

振り返ると、なんと!なんと!そこにはSさん夫妻!!!

山入り前にひょっとしたら行くかもしれないよと

言っていただいていたのだけど 、

まさかまさかこんな最果てまで来ていただけるとは!!

久しぶりの再会を喜び合いますが、

こちらはただいま現場急行中なので、またのちほど朝日で!

しかし、もし我々が予定通りの日程だったら、

1日違いで会えなかったわけで、

1日前倒しになったことで

こうやって無事にお会いできて本当にラッキー♪

今回の1か月の山暮らしは本当に色々ラッキーづくしでしたね。 

 

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お2人お残して、クマさんと2人、

えっほえっほとトラバース道を進んで、

雪倉岳避難小屋に到着。

一通り、中や周囲をチェックして、

すぐに登りに入ります。

登りの途中では数日前はほとんど見かけなかった

トウヤクリンドウが一面に。

ほどなくして雪倉岳の山頂。風が強い!!

この見渡す限り大絶景に囲まれた大好きな雪倉岳もラスト。

名残惜しい。

 

 

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ほとんど休憩も取らずに、朝日方面へと下ります。

この辺りでようやく風も和らぐとともに、

天気も回復してきました。

どこが現場なのかはっきりと知らされていなかったので

左右をよくよく目を配りながら進んでいきますが、

それらしいところがなく、いったん朝日に連絡を入れると、

すでに全部撤収済みだから、大丈夫とのこと。

とりあえず一安心です。

 

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順調に歩いて最低鞍部へ。

ここの水場は完全に枯れてしまっていたので、

そこからさらに歩いて小桜ヶ原の水場で一服。

水平道の分岐までやってきました。

その後、V字谷の手前で前方から声がするので誰かと思えば、

カメちゃんと姫!!

迎えに来てくれたのかと思ったら、

カエルの卵を見に行くんだとか。

 

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2人とすれ違って、その先長い長い水平道を辿って、 

無事に朝日小屋へ帰着。

事故の件も無事に収束しているようで何よりです。

夕方には食堂のお手伝い。

この日は知り合いが来ているので俄然張り切りました。

久々の朝日小屋のまかない飯も美味しくいただいて、

夜は宴会。 

 

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さあ、もうこの長い長い山暮らしも明日1日となりました。

入山の頃には果てしなくドキドキしていたのが

本当にウソのようです。

最後まで油断せず、事故なく怪我なく。

つづく・・・