記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

『鳥肌が』出版記念 穂村弘トークショーー

日曜日はイベントでいつものブックストアへ行ってまいりました。
家族で参加です。


↓イベント前に腹ごしらえ


現代短歌の第1人者の穂村弘さんに会いに行ってまいりました。
とにかく奥さんが大好きな歌人・エッセイストで、
自分も寺山修司つながりでずっと気になっていた存在でした。
短歌という古典的な技法を用いながらも、
極めて現代的でエッヂのある言葉づかいと、
何気ない日常に潜む影とか、
無意識的にあるトラウマやコンプレックスを
表層にハッと浮き立たせるような世界観というか、
作品(とご本人自身)に漂う何か漫然とした空気感が他にはない味わいなのです。
特に代表作である下の2つは秀逸で好きな歌。


「終バスにふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて」
「ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は」


↓穂村さん(右)と中川さん(左)


会場は特に20代の若い女性でいっぱいでした。
毎度のように、ブックストア代表の中川さんの回しで
トークショーがスタート。
新刊のエッセイの装丁(祖父江慎さん)のこだわりの話とか、
大阪に対するイメージの話とか。
後半は、集められたアンケートコーナーで、
何気ない日常の中で、鳥肌が立つような体験や、気づいてしまった出来事について。
小心者たちの発表会といった風で、みなあるある!と納得。
穂村さんの不思議な視点と言い回しが、
何とも心地よい不思議なトークショーでした。



トークショー後は、サイン会。
1人1人、サインの横に短歌を一つ添えていただく。
前々から声が、大好きなキリンジのボーカルにそっくりで、
声が好きなんですとお話しすると
「声を褒められるというのはとてもうれしいですねえ」と言っておられました。



鳥肌が

鳥肌が


最近は、コトバを司ること、歌を詠むということ、
そういうことの大切さと快感に敏感になりつつあって、
そういうところに目が行くと、
日本語ってやはり奥が深くて面白い。