記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

いしいしんじ×原田郁子 東京駅のうた ワークショップ(前日&当時リハの様子)

土曜日。
海ほたるから生還して、
池袋のメトロポリタン美術館に時間通り。
ワークショップの2回目です。
1回目は、いしいしんじさんと原田郁子ちゃんのコンビで、
「東京駅のうた」の作詞と曲の構成をやりました。
今回は、いしいさんが別のイベントで山形に行っているので、
代わりにこのイベントの主催である大友さんが参加して、
メロディーづくりと実演リハーサルになります。


大友良英さん


まずは、前回のワークショップのおさらい。
東京駅についてのイメージについては人それぞれで、
それこそ無限大にあると思いますが、
いしいさんが提案したコンセプトに沿って各々コトバを引き出していきました。
その視点とは、東京駅へ入線してくる電車はすべて例外なく「上り列車」で
東京駅から去っていく電車はすべて例外なく「下り列車」だという点です。
全国各地からこの東京駅へめがけて、
たくさんの人がたくさんの想いで持って集まってくる、
それを歌で表現しようということです。
せっかく色々なところからワークショップに集まってきて、
みんなの個性や違いを最大限に引き出そうとすれば、
それぞれの出発の駅から東京駅までの道のりの違いが一番わかりやすい。
朝早くから新幹線で来た人、いつもの通勤電車で来た人、
あるいは車や歩きで来た人…
その距離感とか、思い方は全然違うはずで、
その色々違うものが東京駅という場所を接点として交わる、
そういう場所なんじゃないかということです。
東京駅を鏡像対象として、自己のイメージを増幅させていくという作業でした。


↓「いま、ばらばら駅。いま、東京駅。」のコンセプト


さて前回を踏まえて、今回は、まず歌の構成。
出演時間がおおよそ40分程度あり、
その前半部分を東京駅へ向かうパート=ばらばら駅、
後半部分を東京駅に到着したパート=いま、東京駅として、それぞれグループ分け。
最初は静かに、メロディーに乗せてセリフが入り、
徐々にメロディーがついて、
最後は大合唱となってクライマックスという構成になりました。
その途中のつなぎとして、郁子ちゃんの歌が入ったり、
いしいさんの即興小説が入ったり、盛りだくさん。
自分たちのソロパートは、ばらばら駅チームになりました。
「いま、天神橋筋六丁目」というフレーズが普通の駅名よりも面白いので。


↓ワークショップスタート



↓「東京駅のうた」の組み立て


歌の大枠が決まったら、あとはそれらを各ブロックに分解して
それぞれのメロディーや回数などを覚えて、順次練習していきます。
時々、大友さんや郁子ちゃんだけでなく、
参加者からもここをこうしてみようとか、フリをつけようとか
活発な意見も飛び出て盛り上がります。


↓メロディーづくりスタート


↓練習だ!


大友さんが16時には次の仕事のために出ないといけないのに
時間をオーバーしてまで残ってくださって、
最後にみんなで通し練習。
最後のリフの所は大盛り上がりで何度も何度も大きな波が来てました。
楽しい♪
終盤には奥さんと次女、義母もかけつけて様子を見てもらいました。


↓みんなノリノリ


あとは、子供たちにはお面をかぶって出てもらおうということで
工作タイム。
先週の話ではラストに舞台上で
子供たちが電車ごっこするということになっていたのだが
やはり舞台のスペース上の問題だったり、
安全上の理由からなしになり、電車のお面じゃなくてもよくなったので
じゃあもうゴジラでしょと、娘はせっせと工作。
他の子らが可愛らしい絵をかいたりしているのに
なかなか迫力のあるものができました。
ここで娘の工作魂に火がついてしまい、
本当はスタッフに預けなきゃいけないのに、持ち帰ることにして
ホテルでさらにパワーアップ大作戦。
コンビニでハサミと両面テープを買って、
夜中にあれこれやって、すごい面白いお面ができました。
このゴジラお面がみんなに大好評で、
みんなからゴジラの娘としてかわいがっていただけました。


ゴジラを進化させます


↓最終形態


さて、レッスン後については別記事にするとして、
翌日、本番当日。
朝10時に会場となる東京駅丸の内の行幸通りへ。
ここは赤レンガの正面から皇居までの短い大通り。
今回我々のワークショップのチームはイベントの大トリを務めるのですが
イベント自体は午後からスタートして他のワークショップもあります。
プロジェクトFUKUSHIMAでは、
全国各地から届いた布きれを貼り合わせ大風呂敷をこしらえて、
それで大通りを一斉に彩ります。
トクマルシューゴさんのグループでは、
楽器演奏をあまりしたことのない大人と子供が、
楽器と非楽器を組み合わせて音楽を奏でるというワークショップ。
フレッド・フリスさんのグループでは即興音楽のパフォーマンス。
芳垣安洋さんとOrquesta Nudge! Nudge!のメンバーは
音の出るものを何でも楽器にしてのリズムアンサンブル。
どれもそれぞれ個性あるアプローチで
音楽、アート、東京駅という特別な空間の融合を試みます。


↓東京駅の行幸通り


ちょうどリハーサル前に会場設営が始まっており、
集合がかかるまで会場の設営をお手伝いします。
プロジェクトFUKUSHIMAさんの音頭で大風呂敷をどんどん通りに敷いていきます。
全国各地から集められた色とりどりの布きれを一斉に広げて、
四隅をそろえて、次々と貼っていきます。
あっという間に東京駅まで続く、夢のような道が登場しました。



↓プロジェクトFUKUSHIMAの大風呂敷をお手伝い


↓広げて〜


↓貼って〜


↓東京駅へ続く夢の道


さて、11時頃となり、一度舞台に上がってのリハーサル。
機材がたくさん配置された舞台は大人数が上がるには結構狭くて、
立ち位置とか入場の順番とかマイクテストとかをしっかり。
この舞台からは東京駅が真正面に見えて、
本番は夜なのでライトアップされた赤レンガを眺めながら、
自分たちの歌を歌うという、こんな最高のシチュエーションがあるでしょうか!!!
緊張よりもたまらなくワクワク感で胸いっぱい♪


↓立ち位置のリハ。東京駅を正面に歌うなんて!


舞台上でのリハーサルは終わりましたが、
自分のパートはもちろん、全体構成でわからないところがあるので
みんな郁子ちゃんのところへ確認に行きます。
自分たちもわからないところ、難しいところを確認しましたが、
「大丈夫だよお、楽しもうね♪」とエールをいただきました。
それから、昨日は慌ただしく次の現場へ行かれてご挨拶できなかったので
大友さんにもご挨拶。
大好きなNHKドラマの『ロング・グッドバイ』のサントラにサインもいただいちゃいました。


↓大友さんと記念撮影


↓サインいただきました


↓本番が楽しみだ♪


ということで、残すところはあと本番のみ!
お天気も問題なさそう!
ワクワクの一日でした。