記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

アンサンブルズ東京に挑む  準備編

まだまだ当日の余韻に浸っておりますが、そのうちに、
少し時間を遡ってブログ記事始めます。
まずは10/14-15の本番遠征までの間のことを。


坂本美雨 with CANTUSさんのワークショップはすでに9月末に1度行われ、
そこで当日歌う曲の中から2曲が宿題。
「きらきら星」については主メロなのでそれほど問題はないが
「ふるさと」は娘がソプラノ、自分がアルトなので、その2つを
ワークショップの時に練習用に撮っておいた動画をリピートしながら
何度も練習。バーガー宴の間も練習してましたヨ!
あと残り2曲は前日の練習になるので、
少なくともこれだけは完ぺきにしておかないと、
ぶっつけ本番はオソロシイ@@@


そして、今回はもう一つ、
大友ビッグバンドの方にも参加することになっていて、
募集要項には、当日の持ち物として、
「どんな楽器でも、楽器出なくても音の出るものならO.K。
ただし、持ち運びながら演奏ができるもの」とある。
じゃあ、何をもっていこうか。
自分はギターをやっているし、娘はエレクトーンをやっているので、
普通に考えれば、それに準じるものを持っていくのがセオリーだろう。
でも、もうちょっとなにかできることはあるんじゃないか、
面白いことできるんじゃないかと考えた。


楽器の経験の有無も関係なし、上手い下手も関係なしとは言っても、
素人にとってみれば、舞台に上がるなんてそうそうないわけで、
やっぱり自分がやってきている楽器を手にしたら、
きっと上手に弾かなきゃ、きちんと譜面通りにこなさなきゃ、
周りの演奏レベルについていかなきゃと、
スキルのことばかりを気にしてしまうだろうし
それでは委縮してしまって、せっかくの宴を十分に楽しめない。
そもそも威勢よく楽器を持って行ったって、
プロの人たちにかなうわけもないし、
そもそもかなう必要もない。


大友さんの著書『学校で教えてくれない音楽』にも詳しく書かれてあるけど
大友さん、アンサンブルズの基本理念としてはまず、
プロと素人の垣根を破ること、
教科書にはない音楽をやってもいいんだということ、
なによりノイズやジャズ、そしてアートのスピリッツは、
セオリーや、予定調和を崩していくことだと思うし、
せっかく大友さんが「音の出るものならOK」と、
あえて挑戦を待ち受けるような感じで、懐深く構えているのなら、
素人は素人で、その予測を上回るようなことをやれないだろうか。
向こうが本気ならこちらも本気で挑まねば、それこそ無礼ではないか。
素人だからこそできるもの、素人だから許されるもの、
大友さんや、ビッグバンドのプロの演奏家たちの想像を越えれるものはないか。
きっと普段演奏されないもの、なんなら楽器じゃないものの方が、
きっと面白いに違いない!!
そのうえで、何かクスっと笑えて、
みんながハッピーになるものだったらなおさらいいに決まってる。
そうだ!トクマルシューゴグループという素晴らしいお手本がいるじゃないか!
曲によって、yunnikoさんと千明さんが目まぐるしく楽器を持ち換えて
あの手この手でいろいろな音を出して、
素晴らしくハッピーな音楽を繰り広げる。
その中に、たくさんのおもちゃが出てきたり、
ネコのぬいぐるみが出たりして。
あの感じをなんとか再現できたらいいんじゃないか。
と、あれこれ馬鹿マジメ、大マジメに考えた結果、
東京タワーでチキンの断末魔の叫びを轟かせてやろうじゃないか!
と思い立ったわけです。


↓こやつで挑むぜ!


ああ、また関西人が出しゃばっているよと思われるかもしれないし、
みんなの大事な演奏会に、何バカなことをやってるんだ、
台無しじゃないかと怒られるかもしれない。
そのリスクは多分にありながらも、あえて一線を越えてみる、
ダメならダメで、きっとダメと言ってもらえるだろうから、
その時はおとなしくズズズっと後退すればいいじゃん。
でも、もしそれが受け入れられて、上手い具合に料理してもらえたら、
それこそ教科書にない音楽が生まれるかもしれないし、
プロの指示通りに言われたことを用意して、こなすのではなく、
素人のこちら側から垣根をぶち破る材料を持ち込めることはなりはしないか。
なにより、チキンを演奏するなんてことは、
文字にすればますます意味不明だけど、
前代未聞の出来事になるわけだから、
きっと予想しないことが起こるのは間違いない!
ということで、腹をくくりました。


もう一つの案として、
手作りの楽器というのも捨てがたい面白さがあると思ったのと、
万一NG食らった場合演奏できるものがなくなってしまうので、
その保険という意味合いもかねて、チキンとは別で、
何か簡単な打楽器を手作りすることにしました。
最初はプリンの空き容器をくっつけて、
その中にビー玉を入れたりしていたんだけど、
プラスチックだとどうも音がつぶれてキレイな音にならないし、
何より音量がとても小さい。
どうしたもんじゃろの〜と
あれこれ素材を吟味しているうちに、
スミノフアイスのガラス瓶にたどり着きました。
その中に、ビー玉とか、小さい鈴を入れてみると、
金属特有に高く澄んだ音が出ました。
でも、この空瓶でのままでは格好が悪いし、
なら何かペイントしたりするかと、これまた思案。
よく、スカイツリー限定のペットボトルとかお土産にあるなあと思いだし、
それならいっそ東京タワーを鳴らしちゃえ!と思って、
赤いガムテープで鉄骨のあしらいを施し、
展望台のところを画用紙でこしらえると、
それなりに東京タワーっぽくなりました。


↓お手製のマラカス


とりあえず楽器は用意できましたが、
これでもまだパンチが弱い。
いや弱いのか?
でもチキンを演奏するならそれなりの格好が必要だろう。
どうせやるなら道化師の役回りに徹した方が面白い。
そういえば、去年のアンサンブルズ東京で、
いしいしんじさんと原田郁子ちゃんの「東京駅のうた」の時は、
子供たちがお面をかぶって出場したっけ。
うちの娘は、画用紙でできるだけリアルなゴジラを作って出た。
あの時の舞台が東京駅で、
ちょうどシン・ゴジラやってたので、
ならばとゴジラにしたんだけど
みなさんにスゴイねスゴイねと褒めていただいた。
なら、今回は東京タワーを被るしかないねということで、
奥さんに相談。
すると、何を馬鹿なと一蹴するどころか、
よっしゃなわが家の工作部隊の出番だな的な勢いで応じてくれました。
まずは形状ですが、防災頭巾的な形ですっぽり頭に入るものにして
ヘナヘナしないようにと生地や、飾りつけの布を購入し、
それを約1週間、毎夜毎夜、夜なべして作り上げてくれました。
奥さんは下の娘の子守で舞台には一緒に上がれないけど、
その代わりに自分の作った頭巾が舞台に上がる。
それもまた一つの参加の方法じゃないかなと。
作ってもらった以上しっかりと目立たねば!!
ということで、本番前から、
全く違う方向性で全力投球するおもしろ一家なのでした。


↓なんだかんだ結局やらかしてます@@