記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

アンサンブルズ東京2020 & 総集編

アンサンブルズ東京2020

最終年度はオンライン・フルリモートでのワークショップでしたが

いよいよその動画が公開されました。

私arkibitoは全動画、家族も一部ワークショップ参加しています。

 

2015年から2020年までの6年間、

アーツカウンシル東京主催で行われた

音楽イベント「アンサンブルズ東京」。

敬愛する音楽家大友良英さんを芸術監督として迎え、

毎年、趣旨に賛同するバラエティに富んだアーティスト等が集まり、

ただ音楽を披露するのではなく、

一般の人々を巻き込んで、

音楽を、お祭りを”一緒に”作り上げるという

とても意欲的で挑戦的なイベントでした。

 

音楽の経験のあるなしも問わない、

性別も国籍も年齢も問わない、

あらゆる垣根を越えたボーダーレス、

色とりどりの多様性というものを尊重する、

そうして、誰もがそこにいてよい、生きる場を作り出すという、

まさに現代に突き付けられた課題に対して、

音楽やアートでもってひとつの可能性を具体でもって提示する、

そんなかけがえのない場でした。

(それは福島で育った大友さんが、東日本大震災後に、

被災者の皆さんに、音楽を届ける・提供するだけでなく、

ともに音楽することを通じて人々が集える場として

”祭”を作り出すという活動が本イベントのルーツの本流にあるためです)

 

私arkibitoと家族も、2016年の第2回から参加させてもらい、

様々なワークショップを通じて、

音を出す楽しさ、音を合わせる喜び、

そして音楽が生み出す生き生きとした場を体感してきました。

また、たくさんの人達とも交流することができ、

大げさではなく、人生が大きく輝きました。

 

最終年度だった2020年は、

残念ながらコロナにより実際のイベントが中止になり、

みんなで壮大なお祭りをすることが叶いませんでした。

しかし、やはりオーラスということで、

このコロナ禍でやれることをやろうと、

オンライン・フルリモートでのワークショップが

この年末年始に行われました。

ホームページ上で公開された、

各ワークショップリーダーのアーティストの動画指示に合わせて、

参加者それぞれが自宅で思い思いに音を出したものを集めて、

一つの動画に取りまとめられています。

 

まず紹介するのは、2020年11月に撮影された

これまでのアンサンブルズ東京の集大成として、

イベントで主に用いられてきたハンドサインによる

コンダクション(指揮)についての実践的な教則動画です。

簡単な指差しの指示によって、

様々な人たち(初めましての人同士、楽器をできない人同士でも)と、

音楽を生み出すことができる、

まるでとっておきのマジックのようです。

そのマジックの種明かし的な動画ですが、

実際、音楽について関心のある方はぜひぜひ見ていただきたい、

とても興味深い動画になっています。

学校では教えてくれない、教科書には載っていない、

誰のものでもない、名前すらつけられない、何かに型取られる前の、

音がそのまんま音楽になった、自由な音楽がここにあります。

ありがたいことに、この教則に一般参加の代表として、

お招きいただいて、長女と一緒にチキンを演奏しています笑笑

 


アンサンブルズ東京 ハンドサイン教材動画 大友良英/ Ensembles Tokyo Handsign Method by Otomo Yoshihide

 

以下は、それぞれのワークショップの完成動画です。

まずは大友さんのオーケストラ。

教則動画にあったハンドサインによるアンサンブルです。

みんなが一堂に会して、コンダクターによるサインを見ながら

アンサンブルを作り上げていくのでも、

いったいどんな音が鳴り、どんな風に音楽が生まれるのか、

誰も予測不能なのですが、今回はましてフルリモート。

音が、色が集まって、弾けて、自由が溢れ出てる!!

そしてprojectFUKUSHIMA!の大風呂敷の

カラフルさ(それは多様性の象徴)が見事に花開いています。

 


アンサンブルズ東京 大友良英と参加者「オーケストラ」/ Ensembles Tokyo Otomo Yoshihide with Participants ""Orchestra""

 

続いては、テニスコーツさやさんによる

「一緒に合声(がっせい)する」です。 

「お」「は」「よ」「う」の声が

重なり、交わり、ずれて、追い越し、裏っ返り、

増幅して増幅して、音楽が祈りになる。

 


アンサンブルズ東京 さやと参加者「一緒に合声(がっせい)する」/ Ensembles Tokyo Saya with Participants ""Singing in Unison""

 

続いて、角銅真実さんによる

「タイム・パラレル・エンブロイダリー」。

ばらばらの場所で、ばらばらの時間を過ごす人たちが、

自分の暮らしを物語り、その言葉たちを紡いで生まれる、

架空の時間の音楽。

私たちはこの地球という世界を共有しながら、

たくさんの物語に囲まれて生きているのです。

 


アンサンブルズ東京 角銅真実と参加者/ Ensembles Tokyo Manami Kakudo with Participants "Time/ Parallel/ Embroidery"

 

続いては、ノイズバンド非常階段による

「ノイズミュージック」。

形や型にとらわれず、ノールールで、

自由に解き放たれたノイズが混ざり合うと、

こんなにも音が加速して、果てなく疾走してゆく。

これはまるで、音のない宇宙の暗闇を貫いて、

はるか何万光年先の何かに向かって放たれた電気信号。

ノイズ  is 生命からのメッセージ。

 


アンサンブルズ東京 非常階段と参加者「ノイズミュージック」/ Ensembles Tokyo Hijokaidan with Workshop Participants "Noise Music"

 

最後は、芳垣安洋とOrquesta Nudge! Nudge!による

「リズムアンサンブル」。

大友さんによるシンプル化されたハンドサインよりも、

もう少し本格的なコンダクションを用いたリズムアンサンブル。

芳垣さんの力強いディシプリンに導かれたリズム隊が発する、

熱のこもった鼓動はどこまでも躍動して圧巻です。 

 


アンサンブルズ東京 芳垣安洋と参加者「リズムアンサンブル」/Ensembles Tokyo Yasuhiro Yoshigaki with Participants "Rhythm Ensemble"

 

時間も場所も全く違うところから届けられた様々な音たち。

自分自身も動画を撮影しながら、

果たしてこれが音楽になるのか、

何しろ自分が今ここで出している音しかわからないので、

全く完成形が想像できませんでしたが、

仕上がりを観てみると、どれも実にアンサンブルズ東京らしい、

自由でプリミティブで、再現不可能な一度きりのアウラを帯びた

こんなにも魅惑的な音楽になっていました。

 

このコロナ禍で、

会いたい人に会えない、行きたい場所へ行けない、

色々な不自由があるなかで、

こうやって一見、一つ一つが引き離され、

ばらばらにされてしまっているけれども、

ちょっとしたアイデアや工夫、あるいはマジックで、

それらを丁寧に結び合わせれば、

こんなにも輝きを放つ結晶が生まれるのだということを

実証して見せたのだと思います。

これはオンライン・リモートの時代の

一つの新たな希望なのだと思います。

  

以下は2015-2020のアンサンブルズ東京のダイジェストです。

どれもが忘れられない、奇跡のような、かけがえのない時間です。

 

◆2015◆


アンサンブルズ東京

 

◆2016◆


2016年度 アンサンブルズ東京

 

◆2017◆


2017年度 アンサンブルズ東京(ロングバージョン)/ FY2017 Ensembles Tokyo (Long version)

 

◆2018◆


2018年度 アンサンブルズ東京(ロングバージョン)/ FY2018 Ensembles Tokyo (Long version)

  

◆2019◆


2019年度 アンサンブルズ東京 / FY2019 Ensembles Tokyo

 

大友さん、芳垣さん、

projectFUKUSHIMA!のみなさんと山岸さん、

アーツカウンシル東京とPA設備等の全てのスタッフさん、

今回だけでなくこれまでに参加された

すべてのアーティスト、表現者の皆さん、

そしてワークショップの全参加者のみなさん 、

東京駅!東京タワー!!

みなさんと一緒の輪に加われたことが、

どれほどに救われたことか、どれほど愛おしい時間だったか。

深い深い感謝を!!

 

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<アンサンブルズ東京関連記事はこちらより>

◆2016◆

arkibito.hatenablog.com

 

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◆2017◆

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◆2018◆

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◆2019◆

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◆2020◆

arkibito.hatenablog.com

 

またいつか、どこかで、

みんなさんと、おまつりさわぎ、できますように。